2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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小林麻耶氏(以下、小林):三木谷さんはいかがですか?
三木谷浩史氏(以下、三木谷):私はもともと重厚長大産業の金融をやっていて、旧日本興業銀行に勤めていましたが、アメリカに留学して帰ってきてから起業しました。
アメリカに留学する前は、自分で会社を興すなんてことは全く自分の発想に無かったんですね。そんな中小企業みたいなことやってどうすんねん。と思っていて、ところがアメリカのハーバードビジネススクールに行った時にですね、一番優秀な奴が起業すると。
そして、そのいわゆるアントレプレナーシップが、アメリカの経済の成長のエンジンなんだと気づきました。彼らには強い信念がある。
これは経済学者でも言ってますけど、基本的に、起業するってことは、世の中にとって意味があることなんだと思って帰ってきたんですよ。
で、日本に帰ってきて、阪神大震災がありました。僕、神戸出身なんですが、おじさんとかおばさんとかいっぱい亡くしました。いずれ自分で会社やってもいいかなって思ったんですけども、銀行に留学費用とか全部出して貰ってましたから、やっぱり5年はいようと思っていたところ、帰国後2年くらいで地震が起こり、一念発起して、じゃあ自分で会社をやろうと思いました。
最初はベンチャーキャピタルをやろうと思ったんですよね。僕は金融が専門だから、そういう、ベンチャーに投資をしたい。そして、手助けをしようと思ったんですけど、周りを見回すとですね、あんまり投資したいような会社が無かったんです。熊谷さんを知らなかったものですから(笑)。じゃあ、と思って楽天というビジネスを始めてみました。
もうひとつの大きな、自分の社会的なビジョンっていうのは、僕みたいなサラリーマンが、大企業をやめて、起業し、成功すれば、そんな人がこれからどんどん出てくるんではないかなと。そういう、ロールモデルになろうと。ということで、やりました。
で、今(熊谷氏、藤田氏の)3人でですね、新経済連盟というのを作って、どんどん新しい企業が出てくるような形にしたいなって。自分の人選的にもアントレプレナーパートナーシップっていうのは楽しいんですけど。
やっぱり日本という国を考えると、大企業中心のイノベーションの時代から、やっぱりアントレプレナーが世界的なイノベーションを起こしていくって時代になっていかなきゃいけないんですよね。
iPhoneのパーツを作っていて喜んでちゃダメだと思うんです。やっぱり自分自身に対して、新しい、世界に通じるものを作っていかないと、という気概を、是非いろんなところで考えてほしいと思います。
小林:ありがとうございます。
小林:もっとお話を聞いていたいんですけど、質疑応答の時間を長めにセッティングしたいと思いますので、私からは最後の質問とさせていただきます。
皆様の会社のビジョン、そしてそのために必要な人材などを学生の皆様にメッセージをいただければなと思います。では、藤田社長からお願いします。
藤田晋氏(以下、藤田):先ほど、僕は『ビジョナリー・カンパニー』という本を読んで、それで起業を目指したと言いましたが、その時から、インターネットで何かやりたいとか、こういう事業を形にしたいとかじゃなく、素晴らしい会社を作ろうと思っています。
自分の親の世代の昔からある会社ではなくて、我々の新しい世代として、新しいインターネットという事業環境の中で、素晴らしい組織、会社を作ることを目標にしています。それを明文化したものを当社のビジョンとしており、「21世紀を代表する会社を創る」、というのがサイバーエージェントのビジョンです。
このビジョンは漠然としていますが、20世紀にソニーやホンダという会社が、全くゼロから新しく生まれて、瞬く間に世界に誇れる日本企業になりましたけども、これを21世紀に我々の時代で我々の世代で作ろうとしています。
株式会社ってもともと「このプロジェクトを成功させよう」という目的を持ってリスクを分散するような仕組みなのですが、僕はそうではなくて、「21世紀を代表する会社を創るんだ」という人材を集めています。
そういう考えで採用をしているんですが、僕が青学出身ということもあってか、当社が最初原宿、表参道、今渋谷に本社があるということもあってか、青学生がたくさんいますね。
青学生を選んで採っているわけではないんですが、青学比率がいやに高いです。
小林:そして美人さんも多い会社として有名ですよね。
藤田:それは、都市伝説(笑)。青学に来て気がついたんですが、本厚木に通っていた当時は学食に座っても周りはなんか地味な感じの女の子ばかりだったように思うんですけど、青山キャンパスに来て、この下の学食で座っている時にふと周りを見たら、洗練された美人がいっぱいいるじゃないですか。「なんだこれ!?」と思ったんですけど、要は街なんですよね。
表参道に来たらみんな「その気」になって綺麗にする。本厚木の時は寝巻きみたいな恰好だったのに。そんなわけでうちの社員に関してはなんとなく渋谷に通っていることで「その気」になってるっていうところがあるみたいですね。
小林:ありがとうございます(笑)。
小林:熊谷社長、お願いします。
熊谷正寿氏(以下、熊谷):どういう会社に今後なっていくかという話なんですけど、実はちょうど今月でインターネットの事業を開始して、20年目に入りました。
20年間ずっとインターネットを広げる活動をしてきたんですけど、今は皆さん誰しもおっしゃっていますけど、やはりインターネットは産業革命だと思っていて、僕は残りの人生もこのインターネット産業を支えたいと強く思ってます。
20年も前から我々は夢、ビジョン、そしてフィロソフィーを明文化したものを、これはWebにも出していますが、関わる仲間たちとも共有しているんです。
「スピリットベンチャー宣言」って言いますけど、そこの冒頭に書かれているのは、私たちはインターネットをインフラとサービスインフラ、このインフラとサービスインフラというのは、一般的には電気やガス、水道、携帯網なんかがインフラなんですけども、そのようなインターネットのベースを支えるようなサービスを提供し続け、そこで世界ナンバーワンの企業グループを作りたいと思っています。
これは20年間変わらぬ思いで、そしてこの先もずっと変わらない僕たちのビジョンです。実は今と違って昔は、ものを調べたりするときにお金とか時間とかすごいかかったんですね。ものを調べるときに図書館に行かなきゃいけなかった。時間コストもかかる。お金もかかる。でも、インターネットを広げると昔そうやってかかっていた時間とかお金が今ほとんどゼロになっているわけです。
人が、自分がやりたいことや自分がより幸せになることに時間を割ける、というのがインターネットの功績だったと思っています。僕はインターネットを広げることそのものが世界中の人を笑顔にすると心から信じているので、この活動を一生続けていきたいと思ってます。
今、日本ではインターネットのインフラやサービスインフラが割と高いシェアを頂いていまして、多くの方にご利用を頂いているんですが、日本っていうのはちっちゃいんですね。やっぱり企業そのものをグローバル化させなきゃいけないと思っていまして、例えばシンプルなんですけど英語圏なんていうのは日本と比べて14.6倍くらいの人口差があります。同じことやっても、英語圏でビジネスをすると14.6倍も可能性があるんですね。
その証拠に、例えばサイバーとか、GMOとか、楽天と近いビジネスをしているアメリカに上場している会社なんていうのは、売上高も時価総額も約10倍なんですよね。だから、そういう意味では本当に日本に固執してはいけないと思っていまして、今後は自分たちの活動もよりグローバルに強力に展開していきたいと思っています。
そこで必要になるのは、まず本当に英語なんです。青山学院は英語教育に大変にお力を入れておられますけど、それは本当に正しいことで。今のうちに皆さん、英語をたくさん勉強して、英語をマスターされた方は、三木谷さんが生まれ変わったら中国語をやりたいとおっしゃってましたけど、中国語もいいと思います。より、マーケットが大きくなりますから。
社会人になると時間がなくなっちゃいますから。今のうちにたくさん勉強してください。当グループは青学の先輩方がたくさんご入社されていますので、よろしかったら是非皆さんご応募いただきたいと思います。Webサイトをご覧下さい。
小林:ありがとうございます。
小林:では、最後に三木谷社長お願いします。
三木谷浩史氏(以下、三木谷):楽天はシンプルにエンパワーメントっていう理念を持ってまして。インターネットの技術を使って人々や小さな企業を勇気づけよう、力づけようというのを基本的にコンセプトにしています。
欲しい人材はですね、楽天は「成功のコンセプト」という企業理念を持っていますが、常に改善、常に前進。サブタイトルが「GET THINGS DONE」。つまり、物事を成し遂げる、何が何でもやり遂げる人材が欲しいですね。AがダメならB、BがダメならC、CがダメならD、DがダメならEと。
野球とかサッカーとビジネスが一番違うところは、サッカーは90分で終了、野球はスリーストライクでアウトだけど、ビジネスは何回でもチャレンジできるんですよね。ダメならもう一回立ち直って、別のルートを探す。そういう人材が欲しいなって思っています。
小林:ちなみに、青学生はいかがですか?
三木谷:140名の青学の卒業生の皆さんがうちの会社で働いているということがわかりまして、誰がどこの出身かは知らないんですけど、非常に多い印象です。藤田さんをはじめですね、アントレプレナーもたくさんいる。起業家精神も旺盛にあると。また、英語教育にも非常に力を入れているので、ぜひ応募してください。
小林:ありがとうございました。
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