2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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岩本隆氏(以下、岩本):質問がある方はいらっしゃいますか?
質問者:みな様方が100億とか1,000億とかの売り上げを上げてきていると思うんですが、そういうビジネスモデルを作り上げていく思考法とか、特殊な考え方とかがあれば、是非お伺いしたいと思って質問させていただきます。よろしくお願いします。
岩本:熊谷さんの方から。
熊谷正寿氏(以下、熊谷):質問に回答させていただきます。お客さんが喜ばれる、笑顔になる、求められていることを提供するのが最大のポイントじゃないでしょうか。月並みな回答で恐縮なんですけれども。
インターネットが普及する前までは、プロダクト、サービスのクオリティーよりもマーケティング力が重視された時代だと思うんですね。売る力が評価された時代。でも私達が広げたインターネットは、情報の取得の時間とコストをほぼゼロにしたので、みんな手元でそれが本物かどうか分かる時代なんですよ。
だから本質的に良いプロダクトとか、良いサービスとか以外は生き残れない時代になったんですね。この20年間で時代は変化したんです。ものが良かったら、むしろマーケティング力がなくても勝手に売れる時代なんですよ。ナンバーワンのサービスやナンバーワンのプロダクトを作れば勝手に売れる時代なんです。
そういう意味では、本質的にお客さんが求められているもの、あるいは、僕は良く笑顔になるものと申し上げてるんですけれども、きちんと作ってご提供する、そうすればそのプロダクトの持ってる力だけのマーケットが開拓できる。100億、1,000億行くっていうことだと思います。
岩本:じゃあ、宇野さん。よろしくお願いします。
宇野康秀氏(以下、宇野):ご質問の回答になるかどうかわかりませんが、私は事業を考える時に、その事業でどのぐらいの売り上げになるのかっていうのは、やり始める時から大抵考えるんですけど、想定される市場規模と、想定される自分たちが取れるシェア、単純に言うと1兆円のシェアで10%は取れるなと思ったら1,000億円になるということであって。
当然ながら市場規模そのものがそこまで成長しなければ、いくら自分が頑張っても非常に難しいわけですから、そういう市場を作っていくというのもあるんですけれども、その大前提として、やろうとしていることが、どれぐらいの市場規模になるんだろうなと、それの推定というのはそんなに間違えてないような気がするんですね。
だから、あとはそれに対して自分たちがどんだけのシェアを取り、どんだけの競争力を持ちうるか、じゃあそこを取るためにはどういう競争力を持たなければいけないのかということを考えるように、私はしております。以上です。
岩本:では杉本さん。
杉本宏之氏(以下、杉本):私はやっぱり、お客様の笑顔だと思います。熊谷さんに大変恐縮なんですけれども(笑)。マンションを作ってますと、あるいはビルを作っていますと。ほんのわずかの面積のところに坪20万、30万とかっていうコストが違うと。
ただ良いもの作った時に、果たしてお客さんが答えてくれるのかどうかなのか、分からない部分もある。お風呂でも、細かいところで言うと1116にするのか、1014にするのかとか、大きさ、グレード、使ってる部材によって全然値段が違うんですよね。じゃあそれを、果たしてどこまでクオリティを落としていけば、利益率を確保すれば、我々企業として成り立つのか。
お客さんと、お客さんが満足して頂けるレベルというのはどこなのか? ということ考えた時に、やっぱり喜んで頂けるという点にしようと。以前は本当に試行錯誤を繰り広げても、やっぱり利益率上げてかなきゃいけないとか、経常利益率を15%とかいろいろ考えたんですけれども、今はシンプルにお客さんのニーズに応えるということを徹底しようということで、賃貸店舗からお客様のアンケートを頂いて、その後お客様のアンケートでなるべくこういうもの作って欲しいというものに応えていくと。
顧客ニーズを掴もうということを心がけて、ちょっと経営も肩の力が抜けて楽になった気がします。残念ながら利益率は若干落ちてしまったんですけれども。これが正しいかどうかっていう答えは本当に人生が終わるまで分からないんでしょうけど、我々はこれで生きていくと。我々はこれでやるというのを決めて、今やっています。
岩本:一見当たり前のようなお答えなんですけども、ものすごい深いというかですね。失敗で積み重ねて当たり前の経営という感じがしますね。
岩本:あと一方、二方くらい。じゃあ、こちら先。
質問者:3名の方からお話を聞いて、数百億の損失という部分で、私自身は話を聞きながら共感しようと思っていたんですけども、とてもちょっと額が額なだけに共感できるところがなかったんですけれども。
ただ皆さんがすごく言っていた基本的なことを守るとか、弱気にならないように諦めない精神を持っておくとか、日常的に言葉としてはすごく自分ではいつも意識しているんですけれども。それでもやっぱり現実的にそこがこう、言葉はわかっていてもなかなか行動に移せないとか、そういう時ってすごくあると思うんですよ。私があるんですけれども。
で、幾つか質問したいところがあるんですけれども、まずそういう時に、本当にシンプルに習慣という部分で、全部じゃなくていいんですけども、3名の方が、これだけは1日も外さない習慣という部分を教え頂きたいということと、あとはやはり起業するという時に、何のために、何を大切にという最初の部分の気持ちを聞かせ頂けたらと思います。よろしくお願いします。
熊谷:2つのご質問に回答しますけれども、人ってエネルギーがあるじゃないですか。多分、乗り越えてきた僕達に共通していえるのって、情熱とかエネルギーとか、なんというのかな。そういう、人間が持ってる本質的なところなんだと思うんですよ。僕は前から、当然お二方存じ上げてますけど、やっぱりしぶといという印象しかないですもんね。いや、本当。
経営者はしぶといかしぶとくないかというふうに分けると、しぶといんですよ。だからこの失敗力カンファレンス、私は理事として最初にお話をお聞きした時に、ここに宇野さんいないの無いだろうなと思って宇野さんに連絡したっていうことなんですけどね。やっぱり、そこがどこから出てきてるのかと言いますと、運動だと思うんですよ(笑)。運動。
人はもともとエネルギーがあるわけですけど、そこは何からもたらされているのかっていうと、持って生まれたものももちろんあるでしょう。だけどね、運動してる、ちゃんと。継続して。もう杉本ちゃんとかムキムキですよ。多分。ムッキムキ、本当。
ご自宅で奥さんからトレーニングされてらっしゃる写真を拝見したり、宇野さんはフェイスブックをご覧になったら皆さんわかると思いますけど、本当運動してる。僕も運動してます。
今日ももちろん運動してから来ています。運動してない奴はね、やっぱり駄目。だって言葉の勢いが違うもん。さっきね、質問者さんのご質問の時に挨拶のことを申し上げたと思うんですけども、挨拶を「おはようございます……」とやるのか、「おはようございます!」ってやるのか、同じおはようございますだけど意味が違うじゃないですか。
「こんにちは!」「初めまして!」と。やっぱりそこはね、すごくあると思いますよ。1つ目のご質問の回答になってますか?
熊谷:じゃあ2つ目のご質問なんですけれども、ぶっちゃけ、起業した時は、僕はお金がなかったので、お金儲けをしようと、お金を自分で稼ごうというところが原点なんです。そこがやっぱり一番最初なんですけれども、今はどうかというと、そうじゃないんですよね。
やっぱり社長の金儲けに付き合ってる会社って、それ以上に大きくならんですよ。会社って、原点はそうなんだけど、でもやっぱり一定の規模になって、一定の人が関与してくるようになったら、この会社って何のために存在してるのかというフィロソフィーがすごく大事なって。
一定のところから、心の底から、良いサービスを提供してお客さんに喜んで頂いて、お客さんに褒められて、スタッフも笑顔になって。その笑顔の循環が続くと、最後に利益が出て、株主も笑顔になるという図。結果としての利益。結果としての、何ていうんでしょうね。
3つの笑顔が重なって、結果として利益っていうところに会社を切り替えないと、やっぱり一定の規模の拡大を伴わないですよね、組織というのは。上場しても、社長の金儲けのための上場だったら誰も応援してくれないと、私は思います。以上はご質問の回答になったでしょうか。ありがとうございます。
岩本:じゃあ、宇野さんお願いします。
宇野:運動するというふうに言って頂きましてですね、本当に、私はこの4、5年間くらい苦しかった時代も馬鹿みたいに運動ばかりしていたんですけど、まあ体力をつけるというのもそうなんですけれども、実はもう1つ自分の中で思っていたことがあって。
私、トライアスロンとかをやって、いわゆるアイアンマンレースという3.8キロ泳いで、190キロ自転車こいで、そこからフルマラソンという、13時間から15時間ぐらいかかるような、そういうのを年に3回4回出たりですとか。トレイルランといって、山の中を75キロひたすら朝から夜中までライトをつけて走るというのに出たりですとか、とにかく苦しいレースにたくさん出ておりまして。
それがなんでかというと、仕事が毎日辛かったからなんです。会社に行って会社で仕事してるのが辛かったんで、もっと辛いことやったら、それをマシに感じるんじゃないかと、そういうふうに思ってやってまして。
それが見事に上手くはまりまして、本当に運動やってる、レースやってる時は辛いんですけど、仕事やってる時の辛さは段々慣れてきまして、そんなことを1つのアホな習慣としてやっています。
自分に対するもう1つのモチベーションなんですけれども、自分のモチベーションの持ち方みたいなことも整理しなきゃいけないなと思い始めて、人間、自分が幸せとか不幸せとかっていうのは、結局相対論の中で考えるわけですよね。あの時もっと良かった、今はもっと自分が落ち込んでるだとか、周りの誰かは非常に上手くいってるのに自分は失敗しているとか。要は、過去の自分と比べるか、周りと自分を比べるか。
これによって幸せとか不幸せとか感じたり考えたりすると。これは習慣的にそうなんですけれども、なるべくその習慣ををやめようと。自分が目指すべき未来に近づいているのか、近づいていないのか、それだけを考えるようにと、ある時から思い始めてですね、今もそうしております。以上です。
岩本:杉本さんお願いします。
杉本:実は私も運動をよくしておりました。はまってしまってキックボクシングをやっていたんですが、秋山さんという格闘家の方に習っていて、最後は、電通の方がサラリーマンファイターということでK-1に出た時に、「杉本、お前は経営者ファイターで出ろ」と言われて真剣に誘われたんですけど、本当に今になって断っといて良かったなと思うんですけど。経営者に戻って良かったなと思っております(笑)。
まあ、それぐらいはまってしまって運動してたんですけれども、やっぱりお二方がおっしゃったとおりですね。基本的なことを、僕もそうですけど、人間として大切にしていますし、それを絶対に忘れちゃいけないということだと思いますね。
あとは自分自身のモチベーションというか、ちょっと話が変わるかもしれないんですけど。もともと自分は起業した時に、自分でマンションを作ってみたい、設計してみたい、デザインしてみたいという思いがものすごく強くなって、サラリーマンだとそういう夢は実現出来そうにないということで、自分で独立をしようって決めて今までやってきたのですけども。きっかけは何でもいいと思うんですよね。
それこそさっき熊谷さんがおっしゃっていた、宇野さんもおっしゃってましたけども、情熱とか、自分が何かに懸けられるものを見つけた時に、それはやるべきだと僕は思うんですよね。人生は一度きりしかないので。
その人生一度きりしかない中で、やっぱりやめたほうがいいのか、やったほうが良いのかという議論も、それこそ無駄だと思いますし。カラっと生きていこうと僕は思ってますって話をしたんですけれども、たまに友人の経営者とかでも、あの時俺はあいつにこんなことされたんだという、燃えるような思いをいつまでもそこに集中させてる方がいらっしゃるんですけど。
それもやっぱり、自分がいかにしてお客さんを幸せにするために事業を立ち上げて、この事業をいかに成功させるかっていうことにパワーを使ったほうが良いと思うんで。なるべくカラっと生きていこうというのは、僕は常にそういうマインドを持っていこうというのを心掛けています。
岩本:ありがとうございました。まだまだ質問をお受けしたいんですけれども、時間が来てしまいまして。時間厳守と言われておりまして(笑)。何かのまた機会にまた質疑応答が出来ればなというふうに思っております。
今日は、数百億損失しても立ち上がれるんだというような勇気を、みなさん頂かれたかなと思っております。まだまだこの分野、もっともっとフィーチャーしていくと日本も活性化するんじゃないかなというふうに思ってございます。
パネラーの皆様どうもありがとうございました。
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