2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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小林麻耶氏(以下、小林):先ほど、グローバル化というお話も三木谷社長から出ましたけど、日本企業のグローバル化というのが求められていると言われていますけど、では、グローバル化というのはなぜ必要なのか、そして、グローバルに活躍できる人材に求められているものは何かというのを、三木谷さん、教えていただけますか?
三木谷浩史氏(以下、三木谷):ひとつはですね、日本の人口というのは減少しております。で、2050年。学生の皆さんが大人になった頃には、日本のGNPは世界の3%になるんです。昔は12%、13%を占めていたのが日本だったんですけど。
これはもしかしたら、日本がすごく頑張ったら4%ぐらいで留まるかもしれないけど、96%は海外のマーケットになるんです。だから、シンプルに海外のマーケットに参入しないで日本のマーケットだけでやっていくというのは極めて厳しくなるというのがひとつあります。
ふたつ目、楽天の事実だけで言うと、今日本で新規採用しているエンジニアの70%が外国籍です。中国、インド、ヨーロッパ出身が多いですが、彼らの技術力は日本人よりも優れていることが多い。世界のブレインを集めて、そこでビジネスをするか、それでも日本人だけでやるかっていうところに大きな差があるんじゃないかなって思ってます。
当然インターネットっていうのは世界中繋がってますから、原価っていうか、世界でビジネスすることによってシステムコストが一気に下がりやすい。という意味で、いろんな意見が出るという点において、楽天にとってグローバリゼーションっていうのは、単純にマーケットを増やすってことだけじゃなくて、新しいビジネスの発想とか技術力を上げるための一番ベースにある戦略だと思ってます。
小林:では、次は起業について伺いたいと思います。起業したきっかけっというのは、藤田さんは何でしょうか?
藤田晋氏(以下、藤田):僕は大学を卒業して、1回就職して1年目に辞めて、2年目から起業するという形を取りました。青学生の頃に働いていた、246号線挟んで向かいの広告代理店っていうのが、30代の経営陣が数名で起業したベンチャー企業だったんです。そこで働き始めて、自分と10歳しか変わらない社長を間近で見ていたら、あれ、これ俺もできるかなって気になってきたんです。
それまでは社長っていうと、すごい大変な仕事をしていて、もう、遥か雲の上の人ってイメージだったんですが、一緒に飲んだり、遊んだりもしているうちに、あれ? 俺とあんまり変わんないかなって。社長という職業にリアリティが湧いてきて。当然、仕事はすごく大変そうなんだけど、大変なものを目の当たりにして見れば見るほど面白そうだなと。
こんなに苦しみながら、自分の考えで組織を作り、生き抜いている仕事に僕も就きたいなと、リアルにイメージできたのです。そのアルバイト先にそのまま就職を誘われていたのでそこに就職するか、起業してしまうか、1回就職活動をするか、その3択で悩んだのですけど、1回就職活動をしてみたんです。
そこでインテリジェンスという当時勢いのあるベンチャー企業に出会い、就職をしました。ただ、チャンスが来たらできるだけ早く起業しようと思っていました。
周りに「起業する」って言ってる同期はいっぱいましたが、結局誰もやってなくて、ボケっとしてると自分もやれないぞと思っていた。1年目にチャンスが来た時に、もう腹をくくって会社を作ると決めた。という風にして起業したわけです。
小林:ありがとうございます。
小林:熊谷社長はどういったきっかけだったのですか?
熊谷正寿氏(以下、熊谷):僕、子供の頃、うちの父が神楽坂で商売をしていたと皆さんにお話したと思うんですけど、僕、子供の頃から跡を取るものだと思っていたので、自分は将来社長をやるんだという意識だったんですね。
で、例えば親とレストランでご飯を食べると、普通は「今日は何があったんだい?」みたいな会話じゃないですか。うちの父はレストランに行くと、お前ここの店の売上分かるか? とか、客単価考えて、席数計算してわかるか? みたいな。そんな会話がうちの中の会話だったんです。
だから、物心付いた時から自分は「将来、父の会社を継ぐんだ」と思っていたんです。ところが私、実は次男だったことがわかったものですから、ある日経営者をやろうと考えていたら、父が「お前、毛利元就の三本の矢って知っているか」って父親が言いましてですね、「あれ、家康じゃないんですか?」「毛利元就だ」って話が出てきてですね。
「お前は副社長か専務をやるんだ」と父に言われた時に、あれ、僕は社長をやるって思ってたのにって、ずーっと子供の頃からの夢が打ち砕かれたんです。
それで、20歳過ぎの頃から、起業家をやりたいという気持ちがより強くなってですね、自分で自分の人生を作っていきたいという思いが強くなってきて。で、20代後半の頃に、うちの父親と経営方針について大喧嘩をしまして、それをきっかけに独立をしたということなんです。
熊谷:僕が学生の皆さんに申し上げたいのは、先日ある起業家とご飯を食べた時に「熊谷くんって生まれ変わったら、もう一度同じ人生歩みたい?」って質問をされた時に、僕そんなこと初めて考えたんですけど、「もう一度、起業家をやって今のようになりたい」という風に思ったんです。多分藤田さんも三木谷さんも同じ質問をすると、おそらく頷かれると思うんですけど、どうですか、皆さん?
三木谷:そうです(笑)。
熊谷:空気的に違うって言えなそうですけど(笑)。多分そうだと思うんですよね。それでね、是非学生の皆さんには起業という道を人生の選択肢として、うまくいったらこんな楽しいことはないので、おすすめしたいと思います。
皆さんご存知の、世界的に有名なIBMという会社がございますけど、ここの創業者の方、トーマス・ワトソンさんかな。違ったらごめんなさい。彼のすごく有名な一言があるんですけど、「ビジネスはルールを知っていれば、世界で一番おもしろいゲームだ」と、彼が言ったんですね。ルールさえ知っていれば、戦い方さえ知っていれば世界最高のゲームだと。
きっとゴルフも楽しい、テニスも楽しい。みなさんも今時ですから、クラブ行って、いろんな人と大騒ぎするのも楽しい。本当に若い頃は楽しい誘惑が周りにいっぱいあると思うんですけど。でも実は、ビジネスがルールさえ知っていれば最も楽しいです。
是非、志高くですね、僕なんかでもできるわけですから。高校中退の中途半端者でもできるから、起業という道を検討されることをおすすめします。
ただ、現実には起業は簡単だけど、生き残るのが難しい。でも、ルールさえわかっていれば、生き残ることができる。さっき申し上げた通り、人と違ういい習慣を身につけて、勉強する習慣、努力する習慣を身につけて、こつこつ頑張ると、ビジネスは上手くいくんですね。
是非、皆さんには起業という選択肢をおすすめしたいと思います。ご検討ください。ご相談に乗ります。楽天も、うちも、サイバーも、ベンチャーキャピタル同士って言うんですけど、優秀な学生さんにはどんどん投資するというシステムを持ってますので、是非Webサイトをご覧ください。
小林:すごく心強いです。
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