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Actionable Ikigai: Career Planning in the age of AI(全4記事)

キャリアの転機はどう見極めるのか 「6つの数値指標」で見えてくる方向転換のタイミング

【3行要約】
・「いつか会社を辞めたい」と悩み続けるのは時間の無駄です。未来学者が20年以上実践する「6つの数値指標」を使えば、感情に流されず、科学的に「船の向きを変えるべき瞬間」を特定できます。
・未来学者のベクテル氏は、キャリアの停滞を「熱湯の中のカエル」に例えます。報酬・人間関係・ミッションなど6項目を定期的にスコア化し、変化の予兆を逃さない「エンゲージメント・リスト」の重要性を説きます。
・AI時代、差をつけるのはスキルの量ではなく「問いの質」と「学び続ける好奇心」です。今の仕事に「未来の自分への投資」が含まれているか。測れないものは管理できないからこそ、客観的な尺度で自分だけの航路を設計しましょう。

前回の記事はこちら

船の向きを変えるタイミングを見極める6つの指標

Mike Bechtel(マイク・ベクテル)氏:最後にもう1つだけ、みなさんにお伝えしたいのは、「いつ船の向きを変えるか」です。未来学者として言うなら、方向性とタイミングは別物です。

「ブロックチェーンって、結局いつ実用段階に入るんですか?」「量子コンピューティングはいつ使えるようになるんですか、マーク?」そういう質問を何度も受けてきました。でも、わからないんです。



ただ、見取り図はあります。ダッシュボードもある。操縦席もある。ツールもある。メモしておくべき観点としては、こういうものです。

1つ目。数か月ごとに、自分の報酬について振り返る。給料、評価、承認。今あの役割に対して、公正だと感じるか。それとも少しおかしいと感じるか。

2つ目。福利厚生や職場環境はどうか。いいか。いいコーヒーがあるか。景色はいいか。在宅勤務できるか。労働時間はどうか。記録する。

3つ目は、人です。うちの父が昔、教会のバザーのボランティアで着ていたTシャツに、こんな言葉が書かれていました。「もしバカが飛べるなら、ここは空港だ」。要するに、「困った人ばかりいる」という皮肉です。当時は、「その日限りの冗談としてはおもしろいな」と思っていました。でも、職場で本気でそう感じている人は少なくありません。

もしそう感じるなら、それ以上の説明は要らないでしょう。逆にそう感じないなら、そこは悪くない職場です。だから点検してください。周りの人たちをどう感じるか。

4つ目はミッション。これは“目的”の話と少しかぶりますが、私が見る目安はこうです。カクテルパーティーで、「あなた何をしているの?」と聞かれた時、うれしそうに話せるかどうか。

「大手コンサル会社で新興技術を担当していて、これを分析したり、すごい人たちと話したりしていて、本当におもしろいんだ」。そう言えるなら、いい状態です。もし「まあ、上の人がやってること次第ですね……」みたいな返事になるなら、あまりよくない。

5つ目は、仕事そのもの。好きか。毎日8時から5時まで、4年間続けるとして、その仕事を本当にやりたいか。

6つ目は、それが未来の自分につながっているか。学びにワクワクしているか。ポテンシャルエネルギーをためているか。前の5つが運動エネルギーだとしたら、これは未来を作る力です。



これを2か月おき、あるいは数か月おきに記録していく。少し大げさに聞こえるかもしれませんが、本当です。私は2005年からこれをやっています。半年ごとにカレンダーに「エンゲージメント・リスト」と入っていて、それを開いて振り返るんです。

1から5でも、1から10でもかまわない。とにかく、何かしらの尺度を持つことが大事です。みなさん、“熱湯の中のカエル”のたとえ、聞いたことがありますよね。「大丈夫、大丈夫……はい、死んだ」。ああなる前に、「ここ7か月の変化幅を冷静に見ると、そろそろ船の向きを変え始めたほうがいい」と判断できるようにするんです。測れないものは管理できません。


比較ではなく創造に向かうことが成功につながる

ということで、まとめます。まず覚えておいてほしいのは、比較は喜びを盗むということ。

富の格差、無数の比較対象、そして追いかけてくるロボットによる世代的な“ねずみ競争”は、誰もあなた自身ほどあなたのことを気にしていない、という事実から目をそらさせます。競争は敗者のゲームです。勝つ人は創る人です。他人のトナカイ遊びに巻き込まれないでください。あなたの成功は、あなた自身が定義するものだからです。

2つ目。船乗りにとって、今ほど難しい時代はないかもしれません。でも、船長にとって今ほどいい時代もない。こうしたツールを創造的なエネルギーと一緒に使えば、自分の志を大きく増幅できます。本当に。

3つ目。全部手に入れることはできます。ベタに聞こえるかもしれませんが、私はそれを生きてきたし、大切な人たちもそうしてきた。大事なのは、“全部を一度に”やろうとしないことです。

「レコードプロデューサーになるぞ」と言って、そのまま人生が過ぎていくわけではない。船はタッキング(ヨットが風上に向かって進む際、船首を風の吹いてくる方向へ回し、風を受ける舷(げん)を反対側へ切り替える操船技術のこと)するんです。まずミキシングと録音を学ぶ。次に財務を学ぶ。次にアーティスト・マネジメントを学ぶ。すると、いつの間にかレコードプロデューサーを目指す人に助言する側になっている。

4つ目。測れないものは管理できません。だから、どんどん測ってください。記録し、追いかけ、学ぶんです。


AI時代に差を生むのは問いの質である

私たちはみんな、AIという“魔法のランプ”を持っています。そのランプを使って伸びる人とそうでない人を分けるのは、あなたがその魔人にどれだけ質の高い問いを投げかけるかです。もっとおもしろい問いをしてください。

大変な作業です。でも、率直に言えば、みなさんには文字どおり“一生”があります。これは人生をかけた仕事なんです。レースじゃない。年次評価や他人との比較の話じゃない。そういう視点で、自分の航路を描いてください。



みなさん、本当にありがとうございました。うちの息子風に言うなら、「高評価とチャンネル登録をお願いします」。

では質問をどうぞ。あと6分あります。

苦労は不要ではないが人をしなやかにする

(質問を見て)今日のあなたに至るまでの旅路と、“地味につらい時期”がなかったとしても、今の場所まで来られたと思いますか?

いい質問ですね。答えはノーです。仮にもっと計画的に動いていたとしても、たぶん違う種類のつらさには出会っていたと思います。だから私は、苦しみが万人に必要だとか、不安が安心の代償だとか、そういうことを言いたいわけではありません。ダン・ハリスの『10% Happier』にもそういう話がありますよね。

でも、多少の苦労や多少のしんどさは、人をしなやかにし、未来への備えを強くしてくれるとは思います。

行き詰まりを感じたら6つの指標で見極める

(質問を見て)「キャリアに行き詰まっていると感じた時、“踏ん張るべき時”ではなく“方向転換すべき時”だとわかるサインは何ですか?

それは、さっきの6つを使ってください。あの6つの指標で判断するのがいいです。

(質問を見て)キャリアの初期にいる人が、大きなリスクを取らずに進路を試してみるにはどうすればいいですか?

今の仕事の中に、安全に“別の役割に伸びていける余地”を見つけることだと思います。アクセンチュアでもデロイトでも、大企業でうまくやっていた人たちは、自分の“肉じゃが的な本業”をちゃんと持ちながら、同時に自分の成長のための別の領域を作っていました。

筋肉の例えで言えば、すでに得意な筋肉を使う時間と、まだ弱い筋肉を鍛える時間を分ける感じです。理想の比率は、週に5時間くらいを“本筋以外のこと”に使うことだと思います。去年の話ともつながりますが、それくらいが脳にとってちょうどいい“負荷のかかり方”なんです。


リモート時代ほど意外な出会いを意識して増やす

(質問を見て)リモートワークは、人が自分の生きがいや目的意識を見つけることに影響を与えると思いますか?

思います。私はかなりバーチャル派です。コロナ以前から何年も、オフィスとリモートを混ぜた働き方をしてきました。

大事なのは、リモートで働くなら、ふだんは交わらない人たちとの“意外な出会い”を、もっと意識的に作る必要があるということです。チーム会議に出てくる人たちだけで毎日が完結してしまうと、会話の世界が小さくなりすぎる。『ポルターガイスト』の序盤の、あのやたら長い廊下のような状態になります。世界が狭すぎるんです。

AI時代にも通用するのは学び続ける姿勢

(質問を見て)20年前にも通用して、今も通用するキャリアアドバイスは何ですか。人間のハードウェアは変わっていないわけですから。

少しベタかもしれませんが、学び続ける人であれ、です。学び続ける人は、物知り顔の人よりずっと楽しく生きられます。新しい問題に向き合う時、疲れ切った自信ではなく、わくわくする好奇心を持って近づけるなら、きっともっといい時間が過ごせる。

去年も少し話しましたが、AIという魔法のランプがある世界では、“専門性”は今後ますます過大評価されるようになるかもしれません。そのことは意識しておいたほうがいいです。


AIがあっても最後に差をつくるのは人間の熱量

(質問を見て)あなたのプレゼン資料は誰がデザインしたんですか。すごくかっこいいです。

率直に言います。私とGrokです。想像してみてください。この1週間、スライドの作り込み、物語の流れ、トランジションの設計に、48時間使いました。いや、本当に。自分でもやりすぎか確認したくて、チェスクロックみたいに時間を測っていたくらいです。

それだけ時間をかけたのは、みなさんを大切に思っているし、この場を尊重しているからです。本当に。SXSWの基準って、“まだ世にない新しいもの”でしょう。そこにちゃんと応えたかった。

で、言いたいのは、もちろん今の時代、「チャットGPT、何かについて17枚スライド作って」で終わらせることもできます。でも、今日のみなさんの「おおっ」という反応が証明してくれたのは、“魔法のランプ”を持った人間が48時間本気で向き合うと、ここまでできる、ということなんです。

しかも全部PowerPointです。あの演出も、ただの10秒のモーフ・トランジションなんですよ。

さて、残り46秒。急ぎます。

リスク許容度を見ながら自分の星を目指す

(質問を見て)生活上の責任がある中で、方向転換の結果、また初級レベルに戻る必要がある場合、どう考えればいいですか?

それこそ、あのツールを使う意味があります。もちろん、ツールそのものが答えではない。考えるためのきっかけです。でも、だからこそ“床”を入れるんです。

もしあなたが、エミネムのように失うものが少ない側でも、キッド・ロックのように十分な余裕がある側でもなく、その中間にいて、養う家族がいて、年収8万ドルを切るのは無理だとする。数字は適当ですが。そういう人にとって、そのツールは、リスクを管理しながら進める道筋を見つける助けになります。

でも、質問の本質に立ち返るなら、結局は、自分の星を目指す時にも、自分のリスク許容度をちゃんと見ておくことが大事なんです。

ということで、時間になりました。あらためて、みなさん本当にありがとうございました。

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