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デンマークに学ぶ、『短く働く生き方』へのライフシフト(全3記事)

仕事を持ち帰ってでも「17時」に退勤してみたら… デンマーク流・人生を豊かに変える時間術 [2/2]

仕事を持ち帰ってでも「17時」に退勤してみたら…

井上:それで今回の本は、まるっと全部の話をしています。やはりそもそも何のための効率的な働き方なのかっていうことなんですよね。このあと言いますけど、要するに16時に終わるのは、16時に終わっていないけど終わったことしているレベルなんですよね(笑)。

それはなんでかっていうと、そっちよりあとのほうが大事だからそうやっているだけであって、その文脈までちゃんと伝えないといけないなってすごく思ったのが1つ。

それともう1つは、そうは言っても連載を始めて1年経った2023年ぐらいですかね。2024年かな。けっこう日本の方が視察に来られたりするようになって、やはりすごく「短時間で成果をどうやって出しているのか」みたいな話を聞かれるんですよ。

私なりに一応「全部これはパッケージの話です」って言うんですけど、でもやはり「日本は何々だから……」みたいな、結局そこの袋小路に陥るんですよね。もし私が言っていることが正解だったとしても。

思ったんですけど、デンマークのやり方を日本にそのまま取り入れようとすると、それは無理です。絶対袋小路に陥るんですけど、だからハウツー本にしなかったんですよ。ハウツー本って答えを「こうやって仕事しましょう」みたいな、それって実はすごく単純な話なんです。でも大事なのはたぶん、この本で視点が変わることなんですよね。

実はこの本を書いたあと、何社か取材を受けているんですけど、あるメディアの論説委員というすごいベテランの記者の方が「あなたの本を読んで毎日17時に帰るようになった」って言ったんですよ。

その方がなんでそうなったかって、私の本には17時に帰る帰り方のHowはまったく書いていないんですが、たぶん彼女がこれを読んで得た視点は「自分は違うところに力を割いていた」。で、それが嫌だって気づいたんでしょうね。それは違うと。

やはり仕事は残っているけど、17時に帰って家でやるようにしたらしいんです。そのコントロールできている感覚がすごく良いって言われていて。しかも自分が今までやらなきゃいけないと思っていた雑用を「私の給料レベルでこの雑用をやるのはおかしい」って思って変えた。

やはりそれは視点だと思うんですよ。だから私はあえてこれをすごく個人的な話にしました。そういう真逆の働き方の世界から来た私が、デンマークという社会に放り込まれるとどうなるのかっていうのを、追体験していただくかたちでストーリーにしたんです。

小国の経済発展には「人」を最大限活かすこと

井上:やはりデンマークって、行く人は珍しいと思いますよ(笑)。一生のうちに1回でも行く人はたぶんそんなにいないですし、そういう人はデンマークのことをイメージしづらいと思うんですよ。アメリカとかとも違うし。だからすごく極端なイメージを持たれやすいのと、あそこの国ってやはり行っただけじゃあんまりわからないんですよ。

あそこの魅力って消費者とか旅行者としてっていうよりも、生活者として、労働者として、もしくは親としての魅力なので。なかなか1週間とか行っても伝わりづらいと思うんですよね。だからそれを伝えるためにこういう本にしました。

デンマークが今どういう視点を持ってあのかたちになったのかを考える時に、「国の経済力はその国の国民のポテンシャルの総和」という視点を持ってみると、デンマークの短時間労働も男女平等とかも、けっこう説明がつくと思うんですよ。

なんでかって言うと、やはり小国なので人しか資源がない。天然資源は特にないので、人を最大限活かすことがその国の経済なわけですよね。そういう視点から見ると、デンマークのエコノミストから日本を見た場合、教育を受けた女性が労働力として活かされていないのはすごくもったいない。

デンマーク人的視点からすると、教育も全部無料なので、やはり投資分を回収しないといけないんですよ(笑)。ちゃんとポテンシャルを活かしてもらうためには……出産とかが理由で辞めちゃって、でもその人がいきなり能力下がるわけないですよね。その人もずっと活かしてもらう。

ダイバーシティっていうのもやはり才能を無駄にできないからなんですよね。日本でも確かに女性はたくさん働いていますし、共働き家庭は増えていますけど、違うのは男女の賃金ギャップを見る時に、やはり日本はすごく大きいですよね。

なぜかと言うと結局、女性の稼ぎが男性と同じぐらいになっていない。大学時代とかは能力がそんなに変わらなかったはずなのに、なぜか女性の稼ぎは結果的に低いですよね。そういう差が出てきているのは、デンマークがすごいんじゃなくって、ほかの国がもったいないんだなって私は思っています。

だから政府の方とかも、別にデンマークのコピーをする必要はないけど、じゃあ今の日本でもったいない人をどうやって活かすかっていう障害を取ればいいわけなんですよね。そういう視点が1つかなと。

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