【3行要約】
・AIがビジネスシーンに台頭する中、ホワイトカラーの仕事が脅かされる一方で、現場力を持つブルーカラーの価値が高まっています。
・株式会社キープレイヤーズ 代表取締役の高野秀敏氏は「AIは標準化された仕事を代替するが、Web上にない情報や卓越した技術は残る」と指摘します。
・今後は職人技術にコミュニケーション力を掛け合わせたブルーカラーが活躍し、マネジメント視点でのビジネスチャンスも広がると語ります。
AIなしではいられない時代に生き残る仕事は何か
——高野さん、近年さまざまな仕事がAIに代替されるようになってきているかと思うんですけれども、高野さんはふだん、AIを使って作業されていますか?
高野:まぁ、毎日。もうね、今はAIなしではいられないっていう。

——まぁ、そうですね。
高野:その前の時代はGoogleなしではいられない……Googleは今もね、「Google Workspace」を使っていますけど。ということなので、AIが必須になっていますよね。
——たぶん、今後はさまざまな企業でAIが活用されていく中で、今までは価値があった仕事でも、AIによって価値がだんだん下がっていくようなお仕事とか会社ってあると思うんですけれども、今後、年収が上がり続ける(仕事や会社の)特徴って、高野さんはどのようにお考えでしょうか?
——そうですね。いわゆる上流ですよね。ITでもそうですけども、企画とか、要件定義ができる人。戦略に近い部分ですね。そこのところの人は、一定は残るのかなっていうのと。
AIが答えられない裏情報を持っているか
高野:あとは、卓越している人ですね。AIはすごいんですけども、AIのできることって、やはり標準化とか広範囲に調べることで、すごく大事なところはWeb上に載っていないことが多い。

会社としては裏情報とかどこにも載っていないようなことがけっこう大事で、そういうAIだと答えられないようなことすらわかるような専門性っていうんですかね。そういうものを持っている方は生き残る。
あとは、SNSにも書きましたけど、やはりエッセンシャルワーカー、ブルーカラーの方は卓越した技術を持っているんですよね。
「じゃあ、(ブルーカラーの仕事も、今後は)ロボットが」っていう話もたくさんあるんですけど、すでにロボットに置き換わっているもの、置き換わりつつあるものもあります。例えばね、サイゼリヤとかへ行っても、ロボットが動いているじゃないですか。ですけども、「ロボットだと、いつになったらできるんだ?」っていうぐらい難しい仕事はいくらでもあると思うんですよ。
日本でも注目されるブルーカラー職の高収入化
高野:あとはやはり、ロボットの値段もそれなりに高くなっちゃうので。ブルーカラーに近いような領域をやり切れる人は、アメリカでは非常に年収が高いようですけども。実は日本でも年収が上がっていて、1人で清掃会社みたいなものをやっている人って、今はけっこう増えていますよね。
やはり1,000万円以上稼いでいる人がぜんぜんたくさんいて、(稼げる人とそうでない人の差は)ちょっとした違いなんですよね。ある種、そういうブルーカラー系(のお仕事を極めている方)って職人系じゃないですか。
この職人系の方って、コミュニケーション力はそんなに高くない方が多かったりするので、コミュ力があるブルーカラーみたいな、ここのポジションはかなりいけるような気がしますね。
ホワイトカラーからブルーカラーへの転身は可能か
——なるほど。これは、例えば今30代、40代でホワイトカラーのお仕事の方が、今からでもブルーカラーに転身できたりするもんなんですかね?
高野:まぁ、そこは職種によるでしょうね。なかなか(スキルを)身に付けられないっていうところもあれば、30代、40代からでも身に付けられることもあるでしょうから、そこを見極めてやるっていうことだと思いますね。
こんな話を何回しても、気合いを入れてブルーカラー(の仕事)に行くホワイトカラーの人はめちゃめちゃ少ないですよね。これ、一流大学の理系を出ている人で、IT系のSaaSからブルーカラーのところをがっつりやるっていう人は、(私が知る限り)2人いましたけど、非常に珍しいと思いますね。なかなかそういう人は出てこないかなと思います。
大移動が起きにくい心理的理由
——なるほどですね。じゃあ、「これからブルーカラー(の仕事)が重要になってくるよ」っていう話をしたとしても、そんなに大移動は起きにくいっていうことですかね?
高野:やはり、やりたいってならないんですよね。

——お金だけじゃないっていうことですかね?
高野:そうですね。あと、やりたい人自体、そんなに増えない気がします。
——なるほど。
高野:みんなも、うすうす気づいている人はいると思うんですけどね。中学校とかの同級生とかを振り返っても、大学とかぜんぜん出ていない人のほうが、意外と大きい家に住んでいたりするっていう事実に気づいている人はけっこういると思うんですけど、「じゃあ、自分は今からやれないよね」みたいな。
——確かに。
自分に合った領域との見極めが重要に
高野:もちろんやれない可能性もあるし、かなり大雑把にブルーカラーって言いましたけども、医療・介護みたいなところもあれば、警備みたいなものもあって、清掃もあって、工場系もあって、建設とか、さまざまあるじゃないですか。
——ありますね。
高野:そうなると全部できるわけがないので。どこだったら自分ができそうかとか。あと、自分ができないとさすがにマネジメントできない気がするんですけど、ずっとそれをやるっていうよりは、やはり独立して回せるのかっていう。
人手不足のブルーカラー職はチャンスの宝庫
高野:要するに、例えばパートの方とかを活用させていただきながらマネジメントできるのかってなると、当然上流(工程の知識)とかコミュニケーション力が必要だし、小さい会社とはいえ経営の知識は必要になるので、ハードルは上がると思うんですけど。
でも、見ている限り、どこの人に聞いてもブルーカラー系がぜんぜん足りない。「Indeed」「求人ボックス」を使っているけど難しい、みたいな話になるので、チャンスは大きいと思いますよ。
——そうですよね。わかりました、ありがとうございます。