PR2025.11.27
数理最適化のエキスパートが断言「AIブームで見落とされがちな重要技術」 1,300社が導入した「演繹的AI」が意思決定を変える
(2025年再掲版)Five Ways to Improve Well-Being in the Workplace: Emerging Trends from the Science of Happiness(全1記事)
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【3行要約】
・時間管理術は数多く知られていますが、実践しても燃え尽き症候群に陥る人が後を絶ちません。
・複数の心理学研究によると、現代のビジネス環境では「自分に厳しく」という従来の動機づけ方法が逆効果になっていることが判明。
・自分の強みを活かした価値観の再構築により、持続可能な働き方を手に入れることができます。
本記事では、特に反響が多くあった同イベントの3記事目を再掲します。
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Laurie Santos(ローリー・サントス)氏:私の好きな提言のもう1つは、心理学者のガル・ゾーバーマンのものです。彼は「Yes-Damn Effect」と呼ばれるものについてたくさん話しています。
Yes-Damn Effectとは、何ヶ月も前に誰かが「このプロジェクトの報告書を書いてくれないか」「このミーティングを2、3時間設けてくれないか」「この会議に出てくれないか」とか言われて、それが非常に遠いように感じられると「はい」と答えてしまうことです。
しかし時間が経ち、その日がやってきてカレンダーを見て、そのばかげた予定がそこにあると、あなたは「くそっ」と思います。それがYes-Damn Effectです(笑)。ゾーバーマンは、彼が「No-Yay Effect」と呼ぶ、別の効果を受け入れるべきだと提案しています。
No-Yay Effectの仕組みはご想像のとおり、「このプロジェクトレポートをやってもらえますか?」「これをやってもらえますか?」と言われた時、あなたは断ることを約束します。
しかし、ただ「ノー」と言うだけではありません。「私がノーと言ったそのプロジェクトはいつ提出する予定でしたか?」と聞き、その後あなたはカレンダーを見て、その日付にあなたがやらなければならなかったとされていたものを書きます。
そしてあなたが当日その予定を見て、「私はこれをやらなくてもいい。イエーイ」と言います。それがNo-Yay Effectです。要は、私たちがしていることは、自分の時間を積極的に守ることなのです。お金について考えるのと同じように、時間についても優先順位をつけて考えるのです。
実際、アシュリー・ウィランズと彼女の同僚の研究によると、時間に焦点を当て、お金ではなく時間に投資するほど幸せになるといいます。みなさんがサウスバイにいらっしゃるのは、このようなイベントに参加するために、少なくとも何らかの余裕のある収入があるからでしょう。
ウィランズの研究は、時間を取り戻すために裁量所得を使えば使うほど、つまり時間を得るためにお金をあきらめればあきらめるほど、幸せになれることを示唆しています。そして、私たちはしばしば考えもしないような、本当にバカげた方法でこれを行うことができるのです。

仕事の合間にテイクアウトを注文したことがある人もいるかもしれませんね。私たちはそれを時間の節約とは考えないかもしれませんが、研究によると、そうすべきだとされています。
例えば、パッタイを外で買ったとしましょう。(テイクアウトすれば)自分で料理する必要もなく、レシピを調べてピーナッツソースを買う必要もありませんでした。おそらく1時間半、1時間45分くらいは節約したでしょう。その1時間45分をどのように使いますか?
つまり、より多くの時間を取り戻すためにお金を使うということです。時間の豊かさを守る最後の方法は、今ある時間を有効に使うことです。
私たちの時間は、家を食い荒らす“シロアリ”のように、小さな塊に分割されることがあります。これをジャーナリストのブリジット・シュルツは「時間の紙吹雪」と呼んでいます。Zoom会議が終わった後の5分とか、子どもが寝てしまった時の10分とか。しかしシュルツは、その「時間の紙吹雪」に投資することを提案します。
そこで彼女は、時間の紙吹雪のウィッシュリストを作ることをすすめています。これは仕事のToDoではなく、自分のためのToDoです。例えばリラックスしたり、瞑想したり、その他のセルフケアをする時間のことです。
ポイントは、RedditやInstagramなどで紙吹雪をまき散らす代わりに、実際に何か役に立つことをするということです。そうすることで、少し時間が豊かになったような気がします。これが2つ目のヒントです。
「生産性とは目に見える忙しさである」という考えを見直す必要があります。カレンダーが埋まっているとかではなく、もっとゆっくりとした生産性を受け入れることが必要なのです。本当に必要な時に「イエス」と言えるように、多くのことに「ノー」と言うのです。
しかし、忙しさや大量消費文化、ガールボス(経営者など、自立して成功を追いかけている女性)、内面化された資本主義が最も優勢であるという現代の状況では、「ノー」と言う行為自体が難しいのです。
本当に自分の時間を守りたいのなら、本当にもっとうまく働きたいのなら、科学が最も効果的であると示唆する方法で自分をやる気にさせる必要があるのです。それは「セルフコンパッション」と呼ばれるもので、自分を動機づけることです。
さっきも言ったように、私たちはみんな自分を追い込みたいと思っていますよね。どうすればそれがベストなのかということについて、ここ5から10年の間にいくつかの考え方が生まれました。それは、ハッスルカルチャーという考え方に集約されると思います。
「自分を奮い立たせ続けろ」「死んだら眠れる」といったマントラが私たちの口癖になっています。でも、それではうまくいかないということが、研究によって明らかになり始めています。
こういったマントラは私たちの脳みそに刷り込まれ、「もっと働かなければならない」「もっと努力し続けなければならない」と思わせるのですが、実はそれではうまくいきません。先延ばしにしたり、自己批判に走ったりしてしまうから、あなたはただ自分を押し殺し続けるだけなのです。
「自分をやる気にさせる方法は、訓練指導員やハッスルカルチャーの戦士のように自分に向かって叫ぶことだ」と誤解しているのです。私たちが考えているようなやり方ではうまくいきません。
では、どうすればこの誤解を解くことができるのでしょうか? 私たちは、自分自身を動機づけるためのより良い方法を開発する必要があります。
最近の多くの科学から得られた方法は、セルフコンパッションによって、自分自身のやる気を高める必要があるということです。もしあなたが興味があるのなら、クリスティン・ネフの著書がおすすめです。
彼女の多くの研究では、自分自身を動機づけるためにセルフコンパッションに取り組みたいのであれば、3つのポイントがあることを覚えておく必要があると示唆しています。
1つ目は非常によく知られているもので、自分のネガティブな感情を認識することです。「つらい」「とても疲れている」「とても不安」「とても恥ずかしい」と、何が起こっているかを知る必要があります。これがマインドフルネスです。
2つ目のステップは、そのマインドフルネスを活用することです。これは誰もが経験することで、失敗するのも当たり前、圧倒されるのも当たり前。これが普通なのです。でも、そこで終わりではありません。「自分に優しくなるにはどうしたらいいか」と自問するのです。
私は何を手放すことができるのか? どうすれば今の自分を助けることができるのか? 今の私は何が必要なのか? と、まるで同じ問題を抱えた友人があなたの家に現れたかのように、その友人に話しかけるように自分に話しかけるのです。
私は「自分自身に友人のように話しかける」という考えが好きです。なぜならセルフコンパッションの実践を考える時、特にハッスルカルチャーの考え方からすると、それは自己満足のようなもので、自分に優しくしすぎている、自分を解放してしまっているのではないか? と心配になることがあるからです。
でも、悩んでいる友だちにどう声をかけるか考えてみてください。ハッスルカルチャーの戦士のように怒鳴ったりはせず、好奇心を持って優しく話しかけるでしょう。「何が起きているのかわからないけど、君のことが本当に心配だよ。どうすれば解決できる?」と、好奇心を持って問題解決に取り組むのです。
そのように自分に語りかけることは独りよがりではありません。これは思いやりの一種であり、研究は本当に効果があることを示唆しています。実際にクリスティン・ネフは、セルフコンパッションの実践がもたらすあらゆる効果を検証し、信じられないほど説得力のある効果を挙げています。
例えば、セルフコンパッションが退役軍人のPTSDを軽減できるかどうかについての研究を行いました。イラクやアフガニスタンの帰還兵に、前もってセルフコンパッションの戦略を教えておくと、帰還兵が抱えているトラウマの割合が減るというのです。

ネガティブな感情を乗り越えて自分に優しくすることは、信じられないほどの力を発揮するのです。クリスティン・ネフは、自分に優しくすることで、未来の自分に優しくなりやすいことを発見しました。セルフコンパッションをする人は、より健康的な食生活を送り、老後のための貯蓄を増やし、将来の自分を優先できるようになります。
そして、セルフコンパッションが先延ばしを減らせることを発見しました。つまり、セルフコンパッションはもっと多くのことを成し遂げるための方法でもあり、他人への思いやりを実践するすばらしい方法であることもわかっています。
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