転職が成功した方々の共通点
相武:3人の方々の転職事例をご紹介して成功のポイントを挙げさせていただきましたが、共通点というのも見えてきたかなと思いますので、あらためてご紹介させていただきたいと思っています。
まず1つ目。スキル以上に大事な「マインド」をしっかりアピールできたことですね。先ほど田中からも紹介させていただいた「3つの視点」の中のうちの1つ、「意欲と柔軟性はあなたの最大の強みになる」。この部分とも深く関わってくるかなと思います。
「今の自分はどんなスキルがあるか?」という視点ももちろんすごく大事なんですけれども、もう少し広い視野で考えた時に、「仕事を通じて成し遂げたいことは何だろうか?」「どんな仕事を通じてそれが実現できるだろうか?」といった視点を、ぜひポジティブに考えて、マインドを高めていただきたいなと思っています。
2点目です。キャリアブランクや正社員以外の経験を、「対応力」や「多様な経験」と捉えたこと。まさに3人に共通していたところかなと思うんですけれども、ご自身が仕事だけじゃなく「いろいろ経験してきたな」というところ。ご自身の経験を大切にする、慈しむということを、ぜひみなさんにもやってみていただきたいと思っています。
もちろんいいことばかりではなくて、つらかったこととか、大変だったこともたくさんあると思うんですけれども、「あの時よく乗り切ったな」とか「こういった力があの時に身に付いたな」とか、振り返って見るといろいろな気づきがあるかと思います。
お仕事だけではないご経験も、自分自身を資産と捉えて、前向きに捉えるということをやっていただきたいですし、それもアピールできる材料になりますよということをお伝えしたいと思います。
そして3点目。これも繰り返し申し上げてきましたが、「転職の成功」ではなく「企業に貢献すること」をゴールにしたこと。とても大事なポイントだと思います。もちろん私たちが「働き方」と「仕事のやりがい」を両立させるためには、働き方の自由度を叶えることがとても大事な観点だと思っています。
ただ、例えば企業に対して「働きやすさを求めています」と言うだけではなくて、働き方の自由度さえ叶えば「私はこれで貢献できるんです」と言えるものがあるということも、同じくらい重要になってくると思っています。そのために、ご自身の強み、「私は○○で貢献できる人なんです」ということを、しっかり言葉にできることが大事になってきます。
職務経歴書の書き方のポイント
相武:ここまでポイントをお伝えしてきましたけれども、さらに最後に、これらのポイントを伝えるための「職務経歴書」の書き方についても、少しお話ししておきたいと思います。と言いますのも、ご転職活動をされている方から、「書類選考で苦戦しています」というお声をいただくケースも実はよくあります。
面談などでお話を聞くとすごくいい経験をされているのに、書類上では在籍企業名や職種名しか書かれていなくて、すごくもったいないなと思うことも正直あります。良いご経験をされていても、それがしっかり書類上で伝わらないと、最初の書類選考を突破できないことにつながってしまいます。職務経歴書の書き方はとても重要だなと思っておりますので、ここでポイントをお伝えしておきたいと思います。
3点のポイントをお伝えしていますが、先ほどお伝えした成功のポイントと、観点はまったく同じと言えると思います。
まず、伝え方のヒントとして1つ目、キャリアのブランクや幅広い経験をポジティブに伝える。「この企業は短い経験だから、大したことはしていないな。だから企業名だけ書いておけばいいか」というのではなくて、ご自身がどういう役割で、どんなことに貢献してきたのかをしっかりと思い起こして、自信を持って言葉にしていただきたいと思います。
繰り返しお伝えしている「何でも拾うマインド」というところも、きちんと文章にして書いておくことで、わりと伝わったりします。できるだけ具体的に、マルチタスクをこなしたエピソードなどを思い出していただいて記載することで、説得力が加わってきます。
「幅広い経験」を強みとして伝えるというところでも、やはり「役割」と「貢献度」を明確にするというところは意識していただきたいと思います。
3点目、最後にすごく重要なポイントは、やはり「強み」を明確にして、しっかり言語化して伝えるという点かなと思っております。「働きやすささえ叶えば、私はこれで貢献できる」という点を、書類上でもしっかり文章にしていただきたいです。少し大きく申し上げると、「自分がジョインしたら、企業はどんないい方向に向かうのかな?」というところまでイメージして書けると、より良いかなと思っています。