【3行要約】
・30代・40代女性の転職では、キャリアの断絶や方向性の不透明さが課題となる 一方で、多様な経験を強みに変えることもできます。
・株式会社Warisの田中氏は「女性のキャリアは家族の事情やパートナーの転勤など外的要因の影響を受けやすい」と指摘し、5つの典型的課題を提示しました。
・ミドル女性は自己肯定感を高めながら、ライフステージの変化に合わせた「キャリアシフト」を意識し、自分らしい働き方を選択していきましょう。
ミドル女性の転職についてのウェビナー
田中美和氏(以下、田中):本日は株式会社Waris主催、「育児・介護・パートナーの転勤……『キャリア課題』を『強みに変える』方法とは?」にお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。「30代・40代女性のための転職を考える」と題しまして、13時までの約1時間のウェビナーとなっております。どうぞ最後までよろしくお願いいたします。
本日ですが、私どもWaris転職のリーダーの相武という者もおりますが、私と(一緒に)ご覧いただいているようなテーマでお話をしてまいりたいと思っております。
まず1点目です。「ミドル世代の女性を取り巻く転職市場のリアル」ということで、そのあたりをお話ししたいと思っています。そして「自分の経験を『強み』に変える視点」、それから「転職・キャリア選択に役立つ具体的なヒント」。
そして後半のほうに「30代・40代女性のみなさまのキャリアシフトの実例」。本日のテーマは「転職」ですので、転職事例もお持ちしております。そういった事例を複数ご覧いただきながら、ミドル女性のならではの自分らしい転職をかたちにしていくポイントといったあたりも、お話ししてまいりたいと考えております。
働く女性の現状を解決するためにWarisを設立
田中:本日は私、田中と、相武という者の2名でお話しさせていただきたいと思っております。まず簡単に自己紹介をさせてください。私は本日の主催団体である株式会社Warisの共同代表・共同創業者です。田中美和と申します。
私自身はもともと、20代~30代前半ぐらいまでは、日経BPという会社で雑誌の記者をしておりました。担当していたのが『日経ウーマン』という働く女性向けの雑誌で、今日は女性のご参加者が中心ですので、読んだことがある方もひょっとしたらいらっしゃるかもしれません。日経グループが発行している、働く女性向けの雑誌です。
こちらの担当記者として、働く女性のみなさんの取材を毎日のようにさせていただいておりました。今から20年近く前の話ですので、やはり今以上に葛藤とか悩みとか不安などを抱えながら働いていらっしゃる女性の方が、とても多かったんですよね。
それをなんとか解決したいと思いまして、日経グループを卒業して、私自身がフリーランスとして働いていた時期があったんですけれども、その時に出会った仲間とWarisを作りまして、現在に至ります。Warisを作ってからも、女性のみなさんの転職とか、フリーランスとして働くことのご支援などをやってまいりました。
(スライドを示して)画面右下です。2年ほど前になりますが、
『Live My Life 自分らしく働くための 39のヒント』という本なども書かせていただいております。「女性×はたらく」というテーマは、私自身が記者時代からずっと取り組んできたテーマでもありますので、そういった観点も活かしつつ、本日はいろいろお話ができたらいいなと思っております。ぜひ最後までよろしくお願いいたします。
「やりたい仕事を選べる社会を作りたい」という想いでWarisにジョイン
田中:ではもう1名、私ども株式会社Warisには「Waris転職」というサービスがあるんですけれども、そちらでリーダーをしている相武まり子と一緒にお話をしたいと思います。では相武さん、自己紹介のほうを簡単にお願いします。
相武まり子氏(以下、相武):田中と同じく株式会社Warisで、「Waris転職」というサービスを担当している相武と申します。本日はお忙しい中、ウェビナーにご参加いただきまして、誠にありがとうございます。
Waris転職では主に正社員・契約社員といった直接雇用の方々の転職をご支援しております。私は、もともと大手転職エージェントであるリクルートエージェントで働いていたんですけれども、私自身、夫が転勤族でしたので、結婚・出産のタイミングで離職をして、専業主婦も経験しています。
その後はフリーランスとして、企業人事やコーチングなどを行ってきたんですけれども、その中で、本当にたくさんの方が、ライフステージとキャリアのバランスに悩んでいる現実を目の当たりにしてまいりました。そんな中で、「多くの方々が場所やライフステージにかかわらず、やりたい仕事を選べる社会を作りたい」という思いを強くして、Warisにジョインしております。
本日は「転職」をテーマにお届けいたしますが、Warisではフリーランスを含めたさまざまな働き方をご支援していますので、正社員として就職や転職をすることだけが正解と考えているわけではまったくございません。
ただ、みなさんがネクストキャリアとして正社員を視野に入れる際には、ヒントとなる情報をお伝えできるのではと思っております。今日はご支援してきた方々の実例もご紹介しながら、こうしたヒントを少しでもお伝えできればと思っております。よろしくお願いいたします。
田中:相武さん、ありがとうございます。では本日は、相武と私とで、1時間たっぷりお話ししてまいりたいと思います。
Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を。
田中:本日の主催団体、株式会社Warisについても、少しだけご紹介をさせてください。
株式会社Warisは、私、田中を含めまして、女性3人で共同創業・共同代表というかたちで、2013年にスタートした会社になります。ご縁がございまして、2023年、今から2年前にベネッセグループにグループインしておりますので、現在はベネッセグループのグループ会社の1社でございます。
私どもは大事にしているビジョンがあります。(スライドを示して)今ご覧いただいている画面にある、「Live Your Life すべての人に、自分らしい人生を。」というビジョンを掲げて、日々活動しております。
私どもが創業した2013年当時は、まだ「働き方改革」とか「女性活躍推進法」というものが出来上がる前でした。そんな中で、自分たちもいろいろと不安な中で職業人生を送っていましたし、自分たちの身の回りの女性たちも「ライフとキャリアの両立・バランスをどう取っていったらいいんだろう?」とか「やはり子どもを産んだらキャリアは諦めなきゃいけないのかな?」とか、非常に悩み・葛藤を抱えている方が大変多かったです。
「それをなんとか解決したい」「自分らしい人生に一人ひとりがチャレンジできるような、そんな世の中を作っていきたい」という思いでこの会社をスタートしたという経緯がございます。
ミドルエイジの女性の自分らしい人生に伴走する
田中:(スライドを示して)具体的に今何をやっているのかというところなんですけれども、今ご覧いただいているのが、私どもが現在展開している主なサービスになっております。本日もミドル世代の女性のみなさまにご参加いただいておりますが、一言で申し上げると、ミドルエイジの女性のみなさまの自分らしい人生に伴走するということを、各サービスを通じてやらせていただいております。
画面左端が「Warisプロフェッショナル」というサービスです。こちらは「フリーランスとして働きたい」という女性のみなさまと企業をおつなぎするサービスになります。そして画面中央が、本日の主なテーマにもなる「Waris転職」ですね。こちらは「転職をしたい」という女性のみなさまへのご支援サービス。
そして画面右端、紫の部分が「Warisエグゼクティブ」と申しまして、こちらは女性の方で「役員としてキャリアを積み重ねていきたいわ」というみなさま向けのサービスとなっております。全サービスを合わせまして、現在約3万名強のみなさまにご登録いただいております。
全サービスを通じて、私どもは女性のみなさまがプロとして、そしてリーダーとして生きることをご支援している状態でございます。先ほど相武も話しておりましたように、本当にキャリア選択っていろいろなかたちがあるなと思っております。フリーランスもございますし、社員もございます。
どちらがいい・悪いというよりも、多様な選択肢の中から、みなさまのライフステージの変化に合わせて、その時のご自身にフィットした働き方を選んでいかれるものだと思いますし、そういったケースをこれまで我々は十数年支援してまいりましたので、そういったお話を本日はさせていただいて、みなさまのご参考にしていただければと考えております。