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【Re-Communication Challenge】学ぶ楽しさで地域とキャリアを変える(全5記事)

アナウンサーを目指した経験もビジネスのヒントに 起業家が語る“過去の学びをつなぐ”キャリア論

【3行要約】
・話し方トレーニングサービス「kaeka(カエカ)」を提供する株式会社カエカは、同社代表取締役の千葉佳織氏と、兵庫県芦屋市長の髙島崚輔氏によるトークイベントを開催しました。
・千葉氏は、弁論競技やアナウンサーを目指した経験、大手IT企業で得た知見など、過去の「点と点」がつなげることで独自のサービスを生み出しました。
・髙島氏は「学びとは生きることの再発見」と語り、日常の中に学びを見出し、能動的に行動することで人生の可能性が広がると提言します。

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“話し方トレーニング”という未開の市場に挑む

司会者:(髙島氏の出馬時のエピソードを受けて)すごいな。それでいくと千葉さんにも聞きたいんですけど。ちょっと過去を遡って、私が入社前のカエカのことを思い出した時に、まだカエカ(の事業スケール)自体、今よりも広がっていなかったと思うんですよ。

千葉佳織氏(以下、千葉):まだスモールでしたね。

司会者:そうでしたよね。その時は話し方を学ぶことが当たり前の世の中にはなっていない気がしていたんです。その中で私は(千葉さんに)出会ったと思うんですよね。そう考えると、話し方のトレーニングで起業するところも、けっこう反対されたんじゃないかなと思うんですけど。

千葉:むちゃくちゃ反対されましたね。家族もそうですし、あとは前職でも「いや、ちょっとさすがにそのビジネスは、市場の大きさがわからないからやめたほうがいいんじゃないか」とか。

司会者:確かに。

千葉:ほとんど反対でしたね。なんですけど、やっぱり弁論の時に、自分はその学習をして全国優勝するだけじゃなくて、本当に人生が変わった感覚があったんです。言いたいことが言えるようになったり、日常的にいろんな社会問題を切り取って「私はこう思う」と意見できるようになったり。これですごく人生が豊かになったんですよね。

なので、n=1、私のいわゆる成功体験があるから諦めないぞという感じで、今から5年前ぐらい前の2019年の12月に起業しました。

自分の経験をつなげて生まれたサービス

千葉:その学びをどうやって活かしていったかという話だと、私は起業したタイミングでちょくちょく学んでいたものを、全部点と点をつなげてサービスにしました。

具体的には、まず弁論という日本語のスピーチ競技で学んだ言葉の構成の仕方や、スピーチの技術がある。(また、)大学生の時にアナウンサーを目指していたので、アナウンサースクールに通っていたんですね。そこで発声練習とか『外郎売』。「拙者親方と申すは、お立ち合いのうちにご存じのお方も……」という早口言葉があるんですけど、そういう声の出し方の訓練をした。

加えて、たまたま入ったDeNAという会社で、ビジネスの現場でどういうふうにそれを活用すればいいのかわかったとか。劇団のワークショップに行ってみた経験、司会進行したことがある経験、全部これまでの学びを書き出して、カエカの初期プロダクトを作ったんです。

司会者:へえ、初めて知りました。

(一同笑)

髙島崚輔氏(以下、髙島):これも当時は(起業のためにと)思っていなくて、本当に純粋に学びたいことを学んでいたということですよね。

千葉:そうです。何がつながるかわからないんですけど。

髙島:本当にそう思う。

千葉:とにかく献言することや相手を喜ばせることが好きで、25歳のタイミングで初めて全部つながった時は、強くなれる感じがあったんですよ。これまでやってきたことはまばらじゃなかったんだなという。これも結局、自己満だと思うんですけど、それでもいいかなと思っています。

自分の興味をつきつめることの重要性

司会者:髙島さん、今めちゃめちゃ共感をされていましたよね。

髙島:「いつか話し方教室を作ってやろう」と思ってやっていたら、こんなにつながらなかったと思うんですよね。結果的に自分が本当におもしろそうだなとか、好きだなと思うことに一生懸命取り組んでいたら「あ、つながってるやん」という。でもそりゃそうで。だって自分がやっているんだから、それはつながりますよね。

でもつなげようと思ってやるんじゃなくて、「あ、つながったな」となるものなんじゃないかな。まさにおっしゃったように、後からなぞっているからつながっているだけで。

千葉:そうですよね。

髙島:当時はわからなかったけど、というのは思いますけどね。

司会者:なるほど。じゃあ当時はそこに対して集中して、それをできるようにするというのをひたすら学び続けていたのがどんどんどんどん、まず点でがんばって最終的につながっていったのは、もうお二人共通されていますね。

髙島:好きなことを一生懸命やるという。

司会者:めちゃめちゃシンプルな(笑)。

千葉:いや、いいですね。

司会者:というところで、もう30分ほどお話しいただいているんですよ。

千葉:あら。

司会者:(笑)。

千葉:あっという間ですね。

「よりよく生きようと動くこと」

司会者:すごくありがたいことにメモとかも取っていただいていて。オンラインでも多くの方々が見てくださっているみたいです。というところで、そろそろトークセッションのお時間自体はフィナーレに向かわせていただきたいなと思っているんですけれども。

髙島:はい。

司会者:最後に髙島さんと千葉さん。学び続けるというテーマでお話を聞かせていただいたんですけど、この学びとは何か。それこそ今、学びたいと思っている方に向けてのメッセージがあれば、お二方にお聞かせいただきたいなと思っています。千葉さんからいいですか。

千葉:学びとは。

司会者:はい。

千葉:よりよく生きようと動くこと!

司会者・髙島:おぉ~。

髙島:いいですね! なるほど。

千葉:やっぱり学ぶって、自分がこうなりたい、将来的にこんなことをしてこうなりたい、こういう人を笑顔にしたい。いろんなものに紐づいていて、その前段階に来る行為だと思っているんですよね。なので、学ぶということは、自分がよりよく生きたいんだと能動的に、明るく思えている証拠だとも思っています。

よりよく生きることを続けられる人は、やっぱり人としてエネルギーを持っていて、どんどん人生が彩り豊かになると思っています。私は、カエカのお客さまともお話をさせてもらって、マネジメントとか営業とか人事とかキャリアアップとか、本当にいろんな自分の目的に向かってやっていらっしゃるんですよね。なので、よりよく生きるというところがキーワードだなと思います。

(会場拍手)

学びはインプットすることだけじゃない

司会者:いいですね。そのあとに動くというのもいいですね。

髙島:いいですよね。

千葉:そうなんですよね。学びはインプットするだけじゃないと思うんですよね。今日、みなさんにお聞きいただいて、考えていただいても、やっぱり対話をして出てくるものとか、客観的に見てわかるものとか、これも全部学びだと思います。

どこかにいって誰かと話すとか、今日ここにいることとかも全部がそうだと思います。一つひとつ行動していることが学びなんだと承認してあげることも、自分はとても大切だと思っています。

司会者:いやぁ、すばらしいお言葉をありがとうございます。

(会場拍手)

千葉:ありがとうございます。そしてですね。

髙島:けっこう似ていてびっくりしたんです。

司会者:おお。

学びは「生きることの再発見」

髙島:パッと思い浮かんだのが、すごく似ているけど若干アプローチが違うんです。私は、学びは「生きることの再発見」だと思うんですよね。例えば学校で何かを学ぶとか、本を読んで学ぶとか、何でもいいんですけど。

まさに先ほど千葉さんがおっしゃっていたような、自分の人生をよりよくするために、よりよく生きるためにという、その行動を学べると思うんですけど。普通に生きていることも学びだと思うんですよね。

だけど、多くの場合、それを学びだと思わないじゃないですか。それを自分なりに再発見するのが学びなんじゃないかなと。学校に通うとか、それこそ「kaeka」に通うとかも、まったく現実と切り離された新しい知識を授けられるというよりは、自分の日常を別の視点で解釈されたり、自分の日常ってこういう視点で見てみたら、実は学びにつながっていると知れたり。そういう場所なんじゃないかなと思うんです。

そういう意味で言うと、日常から切り離したというよりも、生きること、自分が生きていることを再発見するのが学びなのかなと。

司会者:あぁ~。

千葉:確かに。再発見というのは、いいですね。

髙島:そうですよね、再発見。

千葉:だって、もう日常に転がっていて、ちょっとでも変えたらまた毎日が変わっていくというか。何か特別なものじゃない、ということが、髙島さんのメッセージでは多かったかもしれないと思いました。

新しい学びが、新しい発見を生む

髙島:どこかに(何かを学びに)通うと、その再発見の質が上がるというか。新しい再発見の手法、切り口を知るみたいなところ。あと今日はいろんな方が来てくださっていますけど、例えば隣同士でしゃべったら「それか!」みたいなこともあると思うんですよね。そういうのも再発見だし、たぶんそういうものの積み重ねかなと思っています。

千葉:それはそうですよね。自分が学んでいる状態で何か物事を見ると、どう分解できるかも変わりますし。

髙島:まさに、まさに。

千葉:自分がそこから何を得て、次にどうアクションすればいいかもわかりますし。私にとっては、対・話し方とかコミュニケーションというのは、その状態を見たらいろいろと分解できるんですけど、これは学んでいるからだなと思いますし。そういうところが、すごく共感しました。

司会者:いや、すばらしいですね。

髙島:これから使おう、「生きることの再発見」。

司会者:ここで言語化されて(笑)。

千葉:本当にうれしい。

髙島:今、芦屋市は教育の大きなビジョンを作り変えていて、学びとは何かを日々考えているんです。いいことを思いつきました。

司会者:(笑)。最後にすてきなお言葉もありがとうございました。ということで、ここでお二人のトークセッションのお時間は以上とさせていただきます。髙島さん、千葉さん、ありがとうございました。

髙島・千葉:ありがとうございました。

(会場拍手)

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