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【Re-Communication Challenge】学ぶ楽しさで地域とキャリアを変える(全5記事)

失敗してもOK、義務感で続けない… 現芦屋市長・髙島崚輔氏が語る、学びのプロセスを楽しむヒント [1/2]

【3行要約】
・話し方トレーニングサービス「kaeka(カエカ)」を提供する株式会社カエカは、同社代表取締役の千葉佳織氏と、兵庫県芦屋市長の髙島崚輔氏によるトークイベントを開催しました。
・多くの人が結果にこだわるなか、髙島氏と千葉氏は「義務感でやらない」「過程を楽しむ」など、異なるキャリア観を紹介します。
・20代で市長となった髙島氏は「市長は市民のために100%の時間を使える」と語り、千葉氏は弁論部での挫折を乗り越え「人に届く言葉」を追求し続けてきました。

前回の記事はこちら

“縁に支えられてきた”キャリア

司会者:(ハーバード大学での経験や、かつて芦屋市でインターンシップをしていたという話を受けて)ここまでの話で、イチ視聴者としていいですか?

髙島崚輔氏(以下、髙島):どうぞ。

司会者:正直、話の現実味がなさすぎて……。

(一同笑)

なんかもう「すごいな!」ってなったんですよ。「何それ?」みたいな(笑)。「そんな人生、(自分は)歩んでない!」と思いながら聞いていたんですけど。でも、やってきたことはけっこうシンプルなこと。

髙島:いや、でも実は普通なんですよ〜! やりたいなと思ったことをやってみたり、行きたいなと思ったところとか会いたいなと思った人に連絡してみたり。

司会者:「将来、こういうゴールがあって」とかではなくて、まず目の前のことをやってみるという積み重ねで、どんどんどんどん縁もつながってきて、今に至るという感じなんですね。

髙島:もちろん(メールの)返信がこなかったことも縁がなかったこともたくさんありますけど。でもやっぱりおもしろがって声をかけてくれる人はいるもので。そういう縁に支えられてきた感じですね。

結果に一喜一憂しない

司会者:飛び込んでいく怖さとかはないんですか。

髙島:私は飛び込んで、うまくいくかなぁ、どうかなぁって結果じゃなくて、この過程がおもしろいのでやっているんです。今の、この仕事(市長)になると、さすがに結果が大事なので、もちろん重視するんですけど。

自分の人生で言うと、それがうまくいくかうまくいかないか、やってみないとわからないじゃないですか。それよりも、そのプロセス(のほうが大事)。プロセスを褒められて育ってきたので(笑)。

司会者:はい(笑)。

千葉佳織氏(以下、千葉):プロセスごと愛せると、悔しいこととか、うまくいかないことがあっても「まぁいいか」となれるということなんですか。

髙島:あんまりよくないんですけど、私はけっこうそういうところはありますね。だから、「まぁしゃあないな」と。

でも「もう1回やろう」はよくやりますよ。「成功するまでやったら失敗じゃなくなるよね」とは思うので、やり続けるのはけっこうあります。でも、一喜一憂する感じではないなと。

「今、仕事がすっごく楽しい」

千葉:量なのかマインドなのか、やり続けるために意識していることがあれば聞きたいです。何かあると思うんですよ。

司会者:確かに。

髙島:これは、義務感でやらない。

司会者:ほぉ!

髙島:やり続けていると、「ここまでやったんやから、やらなあかん」とか、「周りがすごく関わっているからやり続けなあかん」とか、そういう瞬間があると思うんです。その時に自分の気持ちがついていかないことはあると思うので、その時はもうやらない。

逆にそれが自分の中でわかっていると、やり続けたいと思っている時は本当にやりたいことなので、続けられる。

千葉:そこの気持ちをちゃんと整理してからやるのが強さなんですね。

髙島:そんなかっこいい感じじゃないですけど……。

司会者:(笑)。

髙島:いや、今、仕事がすっごく楽しいんですよ。

司会者:へえ。

髙島:いや、本当にもう。

市長という仕事の魅力

千葉:楽しさを語っちゃってください。

髙島:やっぱり世の中を良くしたいと思っている人はみんな、市長を1回やってほしいなと思っていて。

司会者:おお(笑)。

(会場ざわつく)

千葉:いやいや、「やりたいです!」と言ってやれるものじゃないですから(笑)!

髙島:でも、世の中を良くするには本当に一番いい仕事だと思うんですよ。例えば民間企業も世の中を良くすることができるし、私はNPOを7年やっていたので、NPOもできるし、研究者も。

いろんなやり方があると思うんですけど。市長は自分の時間、お金、自分たちの組織の100パーセントを市民のために使うことが許されていますよね。

千葉:そうですね。

髙島:いろんなお祭りやイベントに行くと、市長はやっぱり市民のみなさんと直接しゃべることがたくさんあるんです。そうするとダイレクトにどういう変化があるのかを見られる。だから一番いい席で変化を見られるし、「一緒にやりましょうよ」と声もかけられる、めっちゃいい仕事だと思います。

自分以外の存在と向き合い続ける仕事

千葉:確かに。これまで培ってきた何の学びが、特に市長(としての活動)に活きていると思いますか。

髙島:何の学びかというのは難しいですけど、学び続ける姿勢はめっちゃ活きると思います。

千葉:あー、対話の機会とか、そういうのも含まれますか。

髙島:含まれますね。市長は基本的に、ある特定の分野の専門性を有しているわけではないことが多いんですよね。もっと言うと、市長は自分が当事者じゃないことに対して向き合い続ける仕事だと思うんですよ。

例えば私は出産することはないですよね。今、子育てしているわけでもないし、介護しているわけでもない。だけど、それこそ妊婦さんの施策とか、子育て・介護、いろんなところに向き合うわけじゃないですか。

その時にやっぱりまず大前提としてあるのは、「それはどういうことになっているんだろう」と、知的好奇心という言い方で良いかはわからないですけど、知りたいという気持ち。と同時に、学び続けていると「でも自分はまだまだわかってへんな」という思いもあるわけじゃないですか。

そういうわかったような気にならないのも、今の仕事にけっこうつながっている気はしています。知りたいけど、100パーセントわかっていないことを自覚する。

就任1年目はとにかく職員に質問していた

千葉:だから「もっと知ろう」という気持ちの循環がある。

髙島:もっと知ろう、もっと教えてほしいなっていう。

千葉:確かに。

髙島:そこが一番活きていると思います。

千葉:いいねぇ。

髙島:だから(市長に就任してから)最初の半年とか1年とか、私が全部「なんでですか?」と質問し続けるので、職員はすっごく大変だったと思うんです。

「これってなんでこうなっているんですか?」「これってこういうふうに教えてもらいましたけど、こうなんじゃないですか?」「なんでこれってこうじゃないんですか?」というのを、ひたすら質問し続けていたんですよね。それが今、お互いにコミュニケーションをしていく上での土台を作れたならよかったなと思いますね。

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