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「やりたいことがない20代へ」無職経験者・LoLLL大西が語る、“意外となんとかなる”キャリアの話(全3記事)

“うまくいっているつもり”が静かに壊れていた在宅チーム 無力さと向き合った先に見えた希望

【3行要約】
・組織内の人間関係の綻びはリモートワークで見えにくくなり、気づかぬうちに深刻な問題へと発展することがあります。
・IT企業に転職した大西氏は、コロナ禍で顕在化したマネジメント不全と組織崩壊を経験し、メンバーの休職連鎖を目の当たりにしました。
・危機的状況でも上位層との直接的な関係構築という副産物を得た経験は、組織変動期におけるキャリア戦略の重要性を示唆しています。

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祖父の死をきっかけに選んだ“どこでも働ける”道

清野晋太郎氏(以下、清野):そういったハードワークを経て、またちょっと上がってきてというところで、今度は1回目の転職につながっていくのかなと思います。

この全体の、ちょうど真ん中あたりのところですね、また上がって、下がってというところになるかなと思うんですけれども、初めての転職があったり。転職直後にコロナで組織崩壊みたいな、なかなか貴重な経験もされていると思いますので、このあたりも、ぜひ詳しく教えてください。



大西修平氏(以下、大西):ここからは職の経緯も少しお話しできればなと思います。そもそも転職したきっかけは、香川の祖父が亡くなったことでした。

自分のキャリアを見直した時に、全国転勤の会社というよりは、どこでも生きていけるキャリアに当時憧れて、「ITじゃない?」と思ってITに行った記憶があります。まさにコロナ禍になりたての2020年に転職をしました。

在宅勤務で見えた組織の綻びとマネジメント不全

大西:そこから3年ぐらい働いている中で起きた組織崩壊の話もさせていただければと思うんですけど。

私が入社した時の上司が栄転で東京の部署に行って、その後、後任で、エンジニア上がりのマネージャーの方が入社しました。

私はカスタマーサクセスという部門の大阪の支社にいたんですけど、大阪支社は10人ぐらいのワンチームでした。カスタマーサクセスは東京にもあって、もうプラス2、30人ぐらいいる感じだったので、遠隔の支社が1個だけある感じだったんですよ。

その状況下で1年ぐらい働いていました。私はぜんぜん気づいていなかったんですけど、言葉を包み隠さず言うと、いわゆるちょっとお局的な方が1人いて、その方と、年齢は近いんですけど、ちょっと後から入ってきた後輩にあたる女性陣がいました。

これを言うと少し角が立ちますが、お局さま的な方は、異性とのコミュニケーションは比較的円滑なんですけど、同性とのコミュニケーションでちょっと齟齬が起きがちでした。

そこを、前のマネージャーはうまく間に入って「まあまあ」みたいに対応していたんですけど、どうやらそれがコロナになっちゃって、中に隠れちゃったというか。

今までは会社の中で人としゃべれるので、後輩の方も別の方ともしゃべれるし、「あの人はちょっとコミュニケーションに気をつけたほうがいいよ」みたいなことをこそっと言われていたりしたので、うまいことやれていました。

コロナになってみんな在宅になって、そこのコミュニケーションが断絶された時に、何が起こったかというと、結局後輩として入ってきた方たちが順番に病んで休職していくというのが続きました。その方が原因というわけではないんですけど、コミュニケーションがうまくいかないところがオンラインで隠れちゃったんですね。

なおかつ良くなかったのは、当時のマネージャーもマネジメントの経験があまり豊富じゃなかったので、そこをあまり公にしたくないというか、「大阪はうまくやれていますよ」みたいなコミュニケーションを東京のチームと取っていたらしくて。

コロナでお互いに行き来できないから(実際の状況を)見られないし、「うまくいっているって聞いている。バタバタはしているけど、大丈夫、なんかうまくやっているみたいですよ」というのをやっていた結果、最終的に当時のメンバーがけっこう休んじゃってしまった。

最終的にはそのマネージャーは退職されたんですけど、当時リーダーと言われるような方々が全員その半年後には辞めてしまって、私が入った時にいた人はほとんどいないという状態に入社して2年後ぐらいにはなっていました(笑)。ちょっと長くなりましたが、そんな感じの経験をしました。

無力感と役員直下で得た裁量の副産物

清野:なるほど。コロナになったからこそ、起きたことだったのかなと思いますが、組織が崩壊する中でひとりのメンバーとして大西さんはいた中で、その状況をどう受け止めて、どう向き合ったのかみたいなところで、お話しいただけることがあったらお聞きしたいなと思いました。

大西:やはり、何もできなかったなという点で、けっこう悔しさがありました。幸いにも私は元気に仕事ができていましたが、その状況を自分が認知できていなかったことに大して、すごく申し訳なさを感じていた記憶はありますね。

一方で、組織崩壊した後、そのマネージャーの上司に当たる人が直接自分を見てくれる状態になったんです。その方は今、前職の会社の中で執行役員をやっているようで、けっこう上位レイヤーの方が直接見てくれる環境になったので、上が抜けて、直接そういう方とコミュニケーションできて、できることが増えたなと思った自分もちょっといましたね。

清野:なるほど。じゃあ、それが機会の1つにもなったんですね。

大西:そうですね。言い方は非常に良くないですけど(笑)。あと、これも良くないんですけど、やはりそういう状況下になってみんなが休んで、マネージャーもいなくなると、みんなが「大丈夫?」って言ってくれるんですよ。東京のメンバも「大丈夫ですか?」と言ってくれるので、すごく甘えやすかったというか(笑)。

「大西さん、すごくがんばっています」「ほぼ1人しか残っていない状態でめっちゃがんばっているんです」みたいな感じで受け取ってくれたのが結果的にすごくありがたかったかなと思っています。

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