大学院不合格が立ち止まる機会になった
清野:そんな中で、とはいえ先々長いわけで、じゃあ、次のことを考えていかなければいけないというところかなと思っているんですけども、どう切り替えたのかみたいなところがあったらぜひおうかがいしたいなと思います。いかがですか?
大西:切り替えるまでに時間がかかった記憶はありますね。1ヶ月ぐらいは「あぁ、どうしよう」って思っていた記憶があります。
当時、友人も何人か落ちていて、「どうする?」みたいな話をしていたんですけど。
大学院に落ちた人の一般的なルートとしては、新卒の2次募集に入って、その年の新卒として入社するケースと、留年して次の年にもう1回大学院受けるケースと、1年休んで、その次の年度の新卒として入社するというケースの、大きく3つがあって。
その話で、「どうする? どうする?」っていう話をすごくしていて、今思えばすごく良かったと思えるのは、立ち止まる機会になったことです。
それまではなんとなく「エスカレーター的に大学院に進んで、就職するのかな」みたいに思っていたんですけど、「そもそも何がしたかったんだっけ?」とか考えた時に、やっと原点に立ったというか……落ちたという事実がけっこうしんどいんですけど、「そもそも大学院に行きたかったんだっけ?」と考えたことで切り替えができたかなという感覚はありました。
週末コールが当たり前の働き方
清野:ありがとうございます。じゃあ、あらためて自分の今後を見直して、いわゆるピンチをチャンスに変えたみたいなところがあったんですね。
大西:そうですね、確かに。今思えば、あれがあったので今自分のキャリアがあるなと思えます。当時は、ぜんぜんそれどころじゃなかったなという感じがしますね(笑)。
清野:そうですよね。今になってみればというのは、あるかなと思いますね。でも、そこから見事に切り替えられて就職をされました。大きく下がったところからまた上がってきたというところに触れていければなと思っています。
内定を取って入ったものの、ハードワークでというところかなと思いますが、このあたりも詳しくうかがってよろしいですか?
大西:その後、紆余曲折あって、私の場合は1年休学して、1年ずらして就職するというかたちで、みなさんも名前を聞いたことがあるような大きめのメーカーさんに総合職として入社しました。
正直、大学院に進んでいる人たちよりも、ちょっと名の知れた会社に入社できて、ちょっと誇らしかったです。「やってやったぜ」「大学院に行かなくてもいいところに行けたぜ」みたいな誇らしさもありつつ入社したのがすごく記憶に残っています。それが、グラフに書いている上のところです。
具体的な話をどんどんできればと思うんですが、いわゆる百貨店さんに対する営業をしていて、当時大阪配属だったので、兵庫県下の百貨店10店舗前後のルート営業をずっとしていました。
転勤族もけっこう多かったので、仲良くしてくれる先輩が多かったのは良かったんですが、百貨店は土日がメインなんですよね。なんならお盆や正月みたいな時が忙しいので、土日や連休は、基本的にずっと携帯を持っている状態だし、当時それこそ、デートだ何だみたいな時もあったんですけど、ユニバ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)で携帯が鳴ってちょっと急いで対応するみたいな(笑)。
それで、当時付き合っていた方に、「こいつはなんで土日も仕事しているんだ?」みたいな顔をされた記憶もあります。
最近はやめたんですけど、たばこも当時はけっこう吸っていて、喫煙量が一番多かったですね(笑)。
清野:ストレスのはけ口になっていたんだ(笑)。
大西:ストレスのはけ口になっていた記憶があります(笑)。
清野:なるほど。オンオフの切り替えなく、けっこう働いていた感じだったんですかね?
大西:そうですね。あと、百貨店だと、美容部員のお姉さま方にかわいがっていただく仕事なので、その時にコミュニケーションのイロハを教えていただいたりもしたんですけど、顎で使われることもけっこう多いので、がんばって関係値を作りながらいろいろやっていました。
清野:そうすると肉体的にも精神的にもけっこうしんどかったタイミングなのかなと思うんですけれども。
清潔感や所作、対人関係の基礎が鍛えられた日々
清野:今になってみて、「こういうことを学んだな」みたいなことがあったら、ぜひ教えていただきたいなと思うのですが、何かありますか?
大西:コミュニケーションのイロハを教えていただいたなというのはけっこうあります。「人と関わる時にはこう話したほうがいいよ」とか、それこそ化粧品メーカーだったので、「清潔感とは何ぞや?」「そんな格好で百貨店を出入りするな」みたいな。
そのへんの社会人としての基礎みたいなものを叩き込まれた記憶はありますね。具体的な名前は控えますが、かなり売上に対してシビアな百貨店さんもありました。そういった会社とやり取りする中で感じたのは、厳しい部分がある一方で、腹を割って話せる関係性もありました。
キャリアが広がっていくにつれて、自分にできることが増えていく感覚がすごく楽しかったですし、一方で、営業の基礎、特にコミュニケーションといった基本的な部分の大切さも痛感しました。そこはかなり叩き込まれた記憶があります。
清野:なるほど。