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START CAMP 2025 女性の社会参加における構造的問題を捉え、これからどうしていくべきか?(全4記事)

若い男性社員に見る育児意識の変化 管理職が子育て世帯を支援するためにできるアクションとは [1/2]

【3行要約】
・女性の活躍推進は進んでいるものの、家庭内の役割分担や医療選択肢の少なさなど、まだ多くの課題が残されていることが浮き彫りになっています。
・エール株式会社の篠田氏らが登壇した 「START CAMP」での座談会では、株主総会での質問や若手男性の意識変化など、 職場環境の変化の兆しが語られました。
・登壇者らは、意思決定の場での多様性確保など、社会全体での取り組みが今後の鍵になると指摘しています。

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時代の変化を感じた株主総会での質問

佐藤明氏(以下、佐藤):変わってきていることの話を1個だけします。2025年に、時価総額3兆円ぐらいの大企業の株主総会で、株主のおじさんが手を挙げて女性の活躍に関して聞いたんです。「女性の管理職比率とかもいいんだけど、海外に派遣している女性は何パーセントいるんですか?」と。これは意外と良い質問をしたなと。

栢原紫野氏(以下、栢原):良い質問ですね。

佐藤:(管理職が女性社員に配慮したつもりが、結果的に女性社員の成長機会を減らしてしまうという話を受けて)先ほどの話で、このおじさんがいろんな株主総会に出て同じ質問をすれば……。

(会場笑)

佐藤:仕組みが入っているとかじゃなくて、もうちょい解像度を上げて、(実際の変化に)つながる質問をするといいんじゃないか。その会社はその後、海外にいる技術者が株主に対して、懇親会で話すこともやっていて、そういう意味では(株主に対して説明する)意識もあるところだったんですけど。

ああいう問いは今までの株主総会だとあんまりなかったかなと。アクティビストがいろいろ騒がせている中、意外と僕と同じぐらいのおじさんがすっと手を挙げて質問したのは、ちょっと変化の芽を感じました。

働く女性たちをめぐる環境の変化

篠田真貴子氏(以下、篠田):ぜんぜん変わっていないというのは言い過ぎで、変わっているところはたくさんあると思いますね。それこそ栢原さんや私の世代だと、「ずっと仕事をするのはけっこう変わった人」というか。

若い頃に近所のおばちゃまから「お勉強が好きなのね」とか「お仕事が好きなのね」って言われた時に、「何を言っているのかな?」と思っていました。けれども、まさに先ほどサーシャさんの説明を聞いてわかったのが、「進んで苦労している」という哀れみの目で見られていたんだなって。「バカね、この子は」みたいな。

(会場笑)

篠田:ちょっと理解が深まりました。でも、例えば私の同級生の女性たちは、私よりはるかにお勉強が優秀で人格も優れているんです。けれども基本的には、やはり専業主婦になる道を選び、子育てが一段落してからちょっと社会に関わるお仕事をしている方が多い。

つまり、私みたいな跳ねっ返りじゃなくて(笑)、社会規範にちゃんと沿って生きていくことを志向する女性たちが仕事を続ける。しかも、子どもを持っても仕事を続けている女性がだんだん増えてきているのは間違いないと思うんですよね。

若い男性社員の意識が変わりつつある

篠田:だからこそサーシャさんも言ってくれた「規範の再生産」が、より重要な課題になっている。数としてはけっこうみなさん職場にいてくださるからこそ、この規範がより多くの人にすごく作用しちゃって、今みんなが「どうしよう」って(悩んでいる)。

その例として、先ほどおっしゃったような男性側からの「逆差別じゃないの?」みたいな声が出る。これは数がいるから出てくる話で、私1人が言ったって誰も気にしないからね(笑)。

栢原:でも確かに。若い男性社員はちょっと規範が変わってきたのかなと思うこともあります。「子どもを風呂に入れたいので今日は帰ります」とか「妻が海外出張なので、僕は在宅します」とか、普通に言うんですよね。

でもおもしろいのは、言われた課長がギョッとしているんですよ(笑)。私が「いいよ、OK」と言うとみんな何も(文句を)言えなくなるので、「これだ!」と(笑)。「いいよ、いいよ」と(私が率先して)言う。だからたぶん、そのうち時代は変わっていくんだと思うけど、「待っていられますか?」っていう。

世代で違う産休のイメージ

篠田:そうなんですよねぇ。ある大企業の若手男性とお話ししたことがあります。(その男性は)会社に2009年入社だから、今は38歳とかですかね。その人たちがちょうど端境期にいるんですよ。そうすると自分より若い後輩たちが「そろそろ産休を取りたい」となると、すぐ上の先輩に話を聞くじゃないですか。

そうするとみんな「マジで大変だから、お前も気合いを入れていけよ」と戦場に送り出すみたいな感じで言うんですって(笑)。だけどこれから初めての産休を取る男性社員が2009年入社よりもっと前の先輩に聞くと、「やることないでしょ。すぐに飽きるで」って言うんだと。

(会場笑)

篠田:ちょうど自分たちが間で、上がブロックしているのがまずいよねって。そういう意味では、おうちでの役割分担とかはどうですか?

白木夏子氏(以下、白木):うちはわりとやってくれましたね。ただ夫の会社の勤め先の状況によってぜんぜん変わる。前はリモートとかフレキシブルで、子育てもけっこうできる体制だったんだけれども、その後JTC(ジャパニーズ・トラディショナル・カンパニー)に入ってしまって(笑)。そうしたら今はもう、私がいろいろとメインになってしまって。

料理を作って、朝は洗濯物を干して、(子どもを)送って、迎えに行って。「私のほうががんばっているよね。私が全部、家のことをやっていない?」みたいな状況になって、よくブチ切れているんですけど(笑)。

(会場笑)

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