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岩崎由夏氏インタビュー(全2記事)

「うちの会社に来ない?」と呼ばれる人のキャリア戦略 YOUTRUST・CEO岩崎氏が語る、信頼とネットワークの本質 [2/2]

信用残高はキャリアの隠れた武器

——「YOUTRUST」は信頼を軸としたキャリアSNSですが、信用はどんな場面でキャリアの武器になりますか。

岩崎:例えば経歴は立派に見えても、一緒に働いた人からすると「いつもグチグチ言いながら働いていた」とか、「チームにいると雰囲気が悪くなって、みんなのテンションが下がってしまう」といった、履歴書には表れない部分ってありますよね。

実際に働く中では、正直そっちのほうが大事ですよね。どの会社を出たかとか経歴よりも、とにかく雰囲気が良いか、相手の気持ちを考えて仕事を回し、結果が出せるかのほうが重要です。

「すごく感じが悪いな」とか「コトに向き合わないな」と思われる人が転職活動をすると、実はリファレンスチェックが意外と行われているんです。公式なリファレンスチェックとして「同僚にこのアンケートに答えてもらってください」という重めのものもあれば、スカウトの前に「この人に声をかけても大丈夫か」と共通の知人に確認するような、非公式な噂話に近いものもあります。

そうなると、自分の知らないところで「その人は本当に優秀だから絶対採用したほうがいい」と言われる人もいれば、「いや……私だったら声をかけないね」と言われる人もいます。つまり、本人の知らぬ間に噂話によって選択肢が増えたり削られたりしているんです。これこそが、信用残高が気づかぬうちに使われているということだと思います。

ネットワークリクルーティングの世界線においては、本当に一生懸命現職で働いておかないと、実は転職できないという不思議なジレンマが起こります。おそらく今までは「現職はもう嫌だからもういいや」「転職するからもういいや」みたいなことができたのですが、そういうことをやると、実は次が転職しにくくなる。

世の中にはあまた会社があるので、選ばなければ転職はできますが、選択肢は少なくなるということが実は裏側で起きています。

信用を「見える化」するYOUTRUST

——では、自分の信用残高や市場価値を客観的に把握する方法にはどんな方法がありますか?

岩崎:いわゆる転職サイトに登録すると、こちらの名前が見えていないので、相手からすると誰彼かまわず一斉にスカウトメールを送ってくるじゃないですか。そうなると、市場価値という点ではあまり意味を持たないなと思っていて。だからこそ、YOUTRUSTの存在意義があるのかなと感じています。

信用残高という点でいうと、YOUTRUSTでは何社から気になられているかがお互い見えるので、「あの人たくさんの人に注目されている」がわかります。

若手が今からできる「信頼の築き方」

——Z世代の場合、「入社した時からリモートワークです」というケースもあると思います。対面で得られるものとそうじゃないものにはけっこう差があると思いますが、そんな中で信頼を作るためにはどういうことが今からできますか?

岩崎:業務上と業務外に分けられると思います。業務上では、日常的に周囲の人から必ず見られているので、一生懸命働くというのが基本であり、シンプルな答えだと思います。ただ、一生懸命なだけでは意味がなく、しっかりと結果を出すことが重要です。本業で成果を出すことが何よりも大切だと思います。

周りの人は必ず、本業で結果を出している人を見ています。10年後、20年後に少し上の世代を見渡すと、「あの人、実は知り合いだよ」とか「そこ、知り合いなんだ」という場面がすごく多いじゃないですか。

結局、そういうところで噂が広まります。今、一生懸命働いて結果を出していれば、「彼はいつも結果を出していたよ」といった評価が、10年後に効いてくるんです。だからこそ、業務上で結果を出すこと、目の前のことに全力で取り組むことは、未来の自分のためにとても有効だと思います。実は、それがキャリア形成において最も効果的なのかもしれません。



業務外でいうと、特にZ世代に向けて伝えたいのは「人と会うことの大切さ」です。例えば、同僚と飲みに行くなどでもかまいません。やはり人間は、人とのコミュニケーションを通じて、新しい視点を得たり、新たな選択肢に気づいたり、ロールモデルを発見したりするものなんですよね。

本も絶対に読むべきですが、ずっと家にこもって読書や動画を見続けるよりは、同僚と飲みに行ったほうが良いと思います。「弱いつながり」という概念があって、実は人生を大きく変えるような選択肢を与えてくれるのは、親しい友人ではなく「一度飲んだことがある」程度の、そこまで親しいわけではない人だという研究結果もあるんです。

なぜなら、親友のようにとても仲の良い関係だと、ほとんど同じコミュニティに属していて、見える世界が重複しているからです。実際に、人生の大きな決断をする時に新しい世界を見せてくれるのは、親友ではなく「弱いつながり」の人だと言われています。コミュニティが少しだけ重なっている関係性の中で出会った弱いつながりの人こそ、自分にとって思いもよらない世界を見せてくれる存在なんです。

「同僚と仲良くしても意味がない」とか「リモートだから家から出たくないです」というのは、実は未来の自分の選択肢を大きく減らしているのではないかと、よく思います。特にZ世代はコロナの影響もあって大学時代にあまり友人とも飲むことが少なかった世代かもしれませんが、あれは本当に10年後に効いてくると思います。

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