Project MINT Luminary Talk!「定年後のキャリア 〜“その日”は突然やってくる―後悔しないために、今からできること」(全3記事)
60代以降の人生の豊かさは“越境体験“によって左右される 40〜50代から始めるセカンドキャリアに向けた準備 [2/2]
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池口氏が考える今後のビジョン
植山:もっと池口さんにいろいろなことを聞きたいんですが、最後の設問で、池口さんが将来に見るビジョン。池口さん個人として、ご自身と周りの方やコミュニティや社会が、将来どんなふうになっていたらいいのか。本当に個人的なことかもしれないんですが、ぜひお聞かせいただけたらと思います。
池口:自分のことは、まだはっきりとビジョンを立てられていないんですけど、社会について思うことがたくさんあります。先ほど申しましたとおり、本業は、企業に行ってキャリア研修とかキャリア面談をすることなんですが、その時に、自分の力、可能性を発揮しきれてない同世代の50代~60代の会社員が、特に大企業にはたくさんいらっしゃるなという。だからこそキャリア研修もさせてもらっているわけですけれども。
一方で地域とか地方とかに目を向けると、東京だって(そういう)地域はあるわけですけど、中小企業さんは本当に人手不足で、事業承継もままならないような零細企業がたくさんあるなぁと思います。
社会福祉法人に目を転じるともっと深刻な人手不足で、せめて短時間でもいいから、あるいは毎週月曜日と木曜日のゴミ出しだけでもいいから、サラリーマンの方にちょっと手伝ってもらえませんかみたいなこと(を依頼しているという実情)が、地域としてはあると思います。
そういう中では、55歳からの地域デビュー講座のようなところに(定年後のキャリアに悩む方が)来られると、「地域にはたくさんみなさんを必要とされてるところがありますよ」と言われて、すぐにマッチングが成立します。
大手町とか新宿とか、そういったところの会議室でキャリア研修をしていると、その方々が地域とつながりを持とうと思っても、どこに地域とつながれる情報があるかわからない。自分で社会福祉協議会に探して行かれたらいいのにとは思うんですが、最初の一歩ってなかなか出ませんので。
この大手町と新宿の(企業で働いている)自分を活かせる空間を探されている方々を、それぞれお住まいの地域で、あなたを必要としている中小零細企業とか、社会福祉施設へのつながりが作っていけれるのかみたいなことが……。もっと自分も役割発揮をしないといけないんだなって思います。
そんなことを円滑にできているところは、今はまだ1つもないのじゃないのかなと思っていますので。自分はこれから何年かかけても、大手町とそれぞれのお住まいの地域との人材のブリッジみたいな仕組みが作れればなと思っています。以上です。
植山:すばらしいです、池口さん。もう日本が池口さんを必要としてますって、私が言っちゃうのはおこがましいですけど(笑)。
池口:いえいえ、めっそうもないです。
履歴書の延長だけのセカンドキャリアではない
植山:社会課題ですよね。人手不足の中で、しかも50代~60代の大企業で経験がある方たちって、本当にポテンシャルが高い人たちなので。でも大手町とか新宿とかのあの雰囲気、あのノリでいくとちょっとうまくいかないってことで。
そこをどううまくマッチングして、もっと日本の可能性が発揮されて、お互い助け合うというか。多世代共働も生まれて、いろいろな多様性がもみ合って、いい社会になっていく。
池口さんのこれからの人生も、まさにそういったところに尽力されていくんだなっていうところで、本当に素敵な社会だなと思いました。ありがとうございます。
池口:思いつきで概念だけで言っているのではなくて、早稲田の学生さんとかを見てると、履歴書と定年後やりたいことって、ほとんどリンケージしていないんですね。
総合商社とか海外とかでずっとお仕事されてた方が、「地域で何か奉仕活動をしたい。それが私のセカンドキャリアです」と半年後に宣言されたりするので、やはりこれまでの履歴書の延長だけでセカンドキャリアを考えるんじゃなくて、もっと自分の可能性の幅、地域を含めて広げていってもらえればいいかなと思います。
植山:ありがとうございます。 続きを読むには会員登録
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