【3行要約】
・仕事は「他者に価値を提供して対価を得る」行為であり、まずは相手が求める「Must(求められていること)」から取り組むのが近道です。
・「Must」をやり切る過程で経験と工夫が蓄積し「Can(できること)」が広がり、その延長で「Will(やりたいこと)」が具体化していきます。
・強い「Will」がある場合も自己満足で終わらせず、小さく形にして他者のフィードバックを得ることが重要で、環境が不適切なら場を変える判断も必要です。
現代人はやりたいことを探し過ぎ?
豊間根青地氏(以下、豊間根):仕事をもっと。
岩本紘佳氏(以下、岩本):おもしろく。
豊間根・岩本:「シリョサクTV」です。お願いします。
豊間根:みんな、やりたいことを探し過ぎ。
岩本:急に(笑)?
豊間根:やりたいことを探し過ぎ。という話をします。
岩本:圧がすごい(笑)。
豊間根:よく言うじゃないですか。仕事とかキャリアを考える時に、「やりたいことは何だっけ?」とか「自分の本当にやりたいことは何だっけ?」みたいに悩むじゃないですか?
岩本:はい。
豊間根:もちろん大事なんですよ。「やりたいことは何だっけ?」、大事なんだけども、探し過ぎ。
岩本:探し過ぎ(笑)。
フレームワークはMust→Can→Will
豊間根:という話なんですけども。大前提「Will・Can・Mustフレームワーク」ってあるじゃないですか。
岩本:はい、前回やったやつですね。
豊間根:
シリョサクTVでもやったことがありますけども、あれがね、もう良くないんですよ。
岩本:良くない?
豊間根:良くない!
岩本:やったけど(笑)?
豊間根:うん。逆!
岩本:逆?
豊間根:「Will・Can・Must」じゃない。「Must・Can・Will」なの、順番が。
岩本:なるほど(笑)。
豊間根:みなさんもこれから「Will・Can・Must」じゃなくて「Must・Can・Will」って言ってください。
岩本:PDCAサイクルの時みたいになっちゃう(笑)。
豊間根:そうそう。語感がいいからね。「Will・Can・Must」のほうが言いやすいんだけども、順番は「Must・Can・Will」なんですよ。
岩本:「Must・Can・Will」。
仕事の定義は価値の提供と対価
豊間根:なんでかっていうと、ヒロカさん、仕事とは何か?
岩本:仕事? やらなきゃいけない(笑)。
豊間根:おぉ、なるほど、なるほど。「Must」ですね。
岩本:「Must」ですね。
豊間根:ちょっと待って、待って。「仕事とは何か?」っていう定義で、「やらなきゃいけないこと」っていうのは、さすがにちょっと、なんともならないので。
岩本:確かに、ちょっとブラックみたいになっちゃう。
豊間根:仕事とは何ですか?
岩本:仕事とは……でも、何だろう? 難しい。
豊間根:えっ、急に(笑)?
岩本:(笑)。
豊間根:珍しいですね。
岩本:でも、なんか生きがいとか言ったら、急にブラックみたいになるじゃないですか。
豊間根:なるほどね。
岩本:学生の時は勉強がやるべきことじゃないですか。
豊間根:一種のね。
岩本:でも、その後、社会人になったら仕事がやるべきことじゃないですか。(だから)「やるべきこと」です(笑)。
豊間根:「やるべきこと」。なるほど。ヒロカ的には「やるべきこと」。だから「Must」的な思想ですね。
岩本:どちらかというとそうですね。
豊間根:それはそれでいいですね。我々的な仕事の定義は、価値を提供して対価を得ることです。
岩本:あぁ、確かに。
豊間根:こと我々がお金をもらう時が、基本的にはそうかな。例えば、昔の原始人は木の実を採ったり、マンモスをぶっ倒して木の実や肉とかを得ていたわけで、それって、誰かに価値を提供したわけではない。物をただ集めるのがある意味仕事だったわけだけども。
我々は基本的には社会の中で、人と人が関わり合った中で、お金っていう、価値の引換券をもらうために仕事をしているわけです。それをするために何らかの価値、誰かが喜んでくれるアウトプットをすることによって、そのお返しとしてお金をもらうのが仕事なわけですよ。
岩本:はい。
誰かが喜ばないと仕事は成立しない
豊間根:これがどういうことかっていったら、当たり前なんですけど、誰かが喜んでくれないとお金ってもらえないわけですよ。
岩本:そうですね。
豊間根:まぁ、当たり前だけどね。自分が仕事をすることによって、なんか、「えっ、こんなことを知れてうれしい。お金を払います」とか、何かやったことによって上司が「あっ、いいね。部署の目標を達成できたね。これで会社の業績が上がるね、うれしい」って言ってお金を払うみたいな、誰かが喜ぶことをしないと仕事って成立しないんですよ。
それってどういうことかっていったら、自分がやりたいことは極論、関係ないんですよ。
岩本:確かに。
豊間根:そもそも仕事って、誰かが自分にやってほしい、こういうことをしてくれたらうれしいなって思ってくれることに応えて、初めて成立するわけですよ。
岩本:そうですね。
豊間根:自分がやりたいから「リンゴの絵を描きます」とか、自分がやりたいから、「アメリカに行きます」みたいなのって、誰がうれしいの、それ?
岩本:(笑)。
豊間根:「お前のそれ、誰がうれしいの?」っていう。
岩本:それは普通に趣味ですよね。
豊間根:趣味ならいいんですよ。お金をもらう仕事は、価値を感じてもらうためだから。