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オトナタチ×特定非営利活動法人エティック(全2記事)

なぜ仕事が誰かの役に立っていると実感できないのか “社会貢献できる組織”への転職を成功させるポイント [2/2]

組織としての優先順位の違いを意識する

長谷川:感情面の話もある一方で、もう1個、やはりソーシャルセクターへのある種の誤解も含めて、やはり給与面・条件面に漠然と不安を抱えている方も多いと思います。そのあたりのいい話、悪い話も何かあればという感じですけど、いかがですか?

腰塚:(笑)。いい話、悪い話? そうですね。ここ10年を見ても、着実に平均年収は上がってきています。

長谷川:そうなんですよね。

腰塚:それはグッドニュースで、先ほどの私の定義、非営利と営利の法人格をごちゃ混ぜにして定義していますっていう中で、やはり、平均の年収や昇給率が高いところって、一定の条件やカテゴリーがあるんですよね。なので、ソーシャルセクターとひとくくりにするより、特性によって選択の余地があると思っています。

長谷川:確かに。僕も大きなところで、本当に都内一等地の自社ビルの、社員食堂があるソーシャルセクターにもお邪魔したことがあったので、さまざまだなとは(笑)。

腰塚:本当、そうなんですよね。だから結局、組織としての優先順位の価値観がちょっとずつ違うんですよね。

ハイパフォーマンスを出す覚悟

腰塚:わかりやすく言えば、やはり株式会社として組織を立ち上げて、インパクト投資とかを含め多額の投資を受けているところは、短期的な事業戦略も明確に約束しながらやっていっているので。

投資が入っているところってやはり……ちょっと言葉、表現が難しいですが、未来の成果に対しての期待も含めてお金をいただいていて、それを人に投資して成果を実現していくフェーズなので、年収が高めに設定されていることも多いです。ソーシャルベンチャーとかだと年収1,000万円超えの求人もよく見ますよね。

なんですけど、その場合、なぜそのお金を得られているかは、そこそこ短いスパンで成果が上げられると約束をしているからなので、その成果を上げるためのパフォーマンスを約束する必要がある。

長谷川:うん、そうですね。

腰塚:それがブラックかホワイトかは一概に言えないけど、ハイパフォーマンスを出す覚悟を持って入る必要がある。

事業規模を拡大したい組織ばかりじゃない

長谷川:確かに。でも、高収入であればあるほどプレッシャーがかかること自体はどこでも一緒ですものね。

腰塚:そうそう、そうそう。だから優先順位です。(社会に)大きなインパクトを出せるということなので、それにトライしたいって思ったら選ぶといいし。

ソーシャルセクターって、エッセンスを煮詰めると、ビジネスの対極的にいる共助って、コミュニティとしては地域の自治会とか、昔のお寺とかが当てはまると思うんですけど。

だから、もちろん自治会が赤字になるってヤバいので、その判断はしないけど(笑)、赤字にならなかったら、必要な活動ってその幅の中でお互いさまでやっていくじゃないですか?

長谷川:はい。

腰塚:だから、子どもたちの遠足の企画もすれば、「おじいちゃん、おばあちゃんが電球が替えられないって言ってる。ちょっと当番制でやってあげよう」みたいなことが、活動費のやれる範囲内で生まれていくことが、共助のわかりやすいかたちだと思うんですよね。

NPOとかソーシャルセクターってもうちょっと規模が大きく、何かのテーマにおいて、共助の思想と事業性のバランスを取りながら、(社会に)インパクトを出している感覚があって。なので、事業の規模をどんどん大きくしたい志向の団体ばかりでもないっていう。

普通の転職と変わらないもの・変わるもの

腰塚:NPOの場合、成長の定義が売上規模でないこともある。「規模としてはここをキープ。だけどインパクトを増していく」みたいにアプローチを変化させるとか、そういう定義をされている団体もあるので。そうすると、組織や売上のサイズを維持するということは、自分の給料もそんなに上がらないんですよね。

長谷川:確かに。

腰塚:だからそれが合意できるかどうかを、自分で確認することが大切だと思います。

長谷川:あぁ、確かにそういうパターンもある。おもしろいですね。ありがとうございます。すごく勉強になるお話でした。

やはり2つあった気がして、1つは、「実はビジネス界と考えるべきことは変わらないんだよ」っていう話。一方、ソーシャルセクターへの転職に起きやすいこともある。それぞれあるのがとても興味深かったです(笑)。

腰塚:つたない話を整理していただき、ありがとうございます(笑)。

理想キャリアを見つかるヒントは現場にある

長谷川:社会貢献とか、ソーシャルセクターに対してアンテナが立っている方の参考になれば幸いです。何か最後にメッセージとかありますか(笑)?

腰塚:そうですね。でも、これから(ソーシャルセクターへの)転職を考えたいなという人は、あまり気負わず、まずは知ること、おもしろいからいろいろ調べてみる、ちょっと行ってみる、会ってみるっていうことをやっていく。

「(ソーシャルセクターへの)転職を考えたいな」という人は、あまり気負わず、まずは知ることとか、おもしろそうだからいろいろ調べてみる。ちょっと現場に行ってみる、当事者に会ってみることを意識してほしいです。

そういったことをやっていく先に、「あぁ、ここだったら安心してチャレンジできるな」って思うところに出会うと思います。

「現状を見てもいないし知らないし、求人情報を読んだだけのところにポチッとエントリー」みたいなことより、相手をよくよく知った上で判断する。みたいな感覚がいいのかなと思います。

長谷川:ありがとうございます。今日は本当に貴重なお話をありがとうございました。

腰塚:こちらこそです。ありがとうございました。

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