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オトナタチ×特定非営利活動法人エティック(全2記事)

「仕事で社会貢献したい」という転職で失敗する人の共通点 ソーシャルセクター転職のプロが語る落とし穴 [1/2]

【3行要約】
・社会課題解決を目指す「ソーシャルセクター」への転職希望者が増えていますが、テーマへの共感だけで判断し、失敗するケースが少なくありません。
・エティックDRIVEキャリアを運営する腰塚志乃氏は「ビジネスとソーシャルでは同じタスクでもOSが違う」と語ります。
・成功するためには社会課題への共感に加え、自分の役割や日常業務を高い解像度でイメージし、組織との相性を見極めることが大切です。

“仕事を通じて社会貢献したい”という人が増えている

長谷川亮祐氏(以下、長谷川):今日はよろしくお願いします。

腰塚志乃氏(以下、腰塚):お願いします。

長谷川:今日はエティックさんをお迎えしてインタビューさせていただくかたちになるんですけれども。僕自身がソーシャルセクターも含めて、いろんな企業で採用支援をさせていただいたり、個人のキャリア選択みたいなものに触れる機会が多い中で、ビジネス畑でも「仕事を通じて社会貢献したい」という方がけっこう多い。

逆に言うと、「今、社会貢献ができていないんじゃないか?」みたいに感じている人が増えている印象があります。傾向として大きな企業だったり、BtoBのビジネスに携わっている方に多いと思います。

とはいえ、それがなんでなのかはけっこう曖昧だし、「じゃあ、どうする?」みたいに、なかなか動けず、なんとなくモヤモヤしている方がそのままになってしまっている。

売り手市場ゆえのジレンマ

長谷川:一方で、今は世の中的に売り手市場なこともあって、スカウトみたいな、求人を公募するより、求職者に直接声がかかる転職がどんどん伸びているじゃないですか。

腰塚:はい。

長谷川:その採用手法って企業側からすると当然、一定のお金がかかる。そうするとソーシャルセクターにはけっこうやりづらい手法だったりして、なおさら求職者がそういう世界に触れることが減る構造が生まれているんじゃないかな、という問題意識を持っています。

これは、そういう領域に詳しくて、NPOとしてソーシャルセクターの一部を担い、あるいはいろんなソーシャルベンチャーをたくさん支えてきたエティックさん。

なおかつ、多くのビジネスパーソンをソーシャルセクターにブリッジするサポートしてきたエティックDRIVEキャリアを長年やっている腰塚さんをお迎えして、実態というかジレンマをおうかがいできればなと思った次第でございます(笑)。

腰塚:ありがとうございます。

長谷川:なので、今日はいろいろとお話を聞かせてください。

腰塚:はい、ぜひです。

社会課題解決に特化した求人メディアを運営

長谷川:腰塚さんにはエティックDRIVEキャリアの話も聞ければと思うんですけど、今、どんなことをやっているかを簡単に教えてもらってもいいですか?

腰塚:そうですね。私自身は、今のNPO法人エティックという団体に、15年前に入りました。

今やっていることは、DRIVEキャリアっていう社会課題解決に特化した求人メディアの運営と、私たちは人材紹介業の免許を持っているので、エージェントとして、求職者のキャリア(構築)や、(法人サイドの)採用のお手伝いをやっています。

長谷川:じゃあ、実際に求職者の方ともお会いするし、いわゆるソーシャルセクターの企業、団体といった、法人側のお話もうかがっているっていうことですよね。

腰塚:そうです。どっちもお話しします。

「ソーシャルセクター」の定義

長谷川:今、実際に何が起きているかを聞いていきたいんですけど、その前に、「ソーシャル」とかよく言いますけど、ソーシャルセクターの定義ってあるんですか?

腰塚:そうですね。いろんな定義があると思うんですけど、我々としては、法人格の営利・非営利は問わず、事業者としての主目的を社会課題解決に据えている団体や、社会課題解決に取り組むことを目的としている団体をソーシャルセクターと呼んでいます。

長谷川:なるほど。じゃあ、法人格はいろいろあるんですね?

腰塚:そうですね。株式会社もあれば、もちろんNPOとか一般社団とか財団とか、いろいろあると思っています。

長谷川:興味深いですね。つまり、あえてフォーカスすると、株式会社にもDRIVEキャリアで扱っているところもあるんですね?

腰塚:はい、そうです。

長谷川:おもしろいですね。

腰塚:ただ、株式会社だけど、社会課題解決を目的としている団体さんにも使っていただきたいなと思っていて。でも、なんていうか、そこって線引きが曖昧であり、世の中のすべての株式会社は、広い意味では何かの役に立っていると思うんですよね。

長谷川:あぁ、うんうん。

腰塚:なので社会のお役に立っていない事業者はたぶんいなくて。特に主目的を課題解決に置いているかどうか、いろんなビジョンとか成り立ちがあると思うので、ソーシャルセクターとお呼びするかどうかは、そこのところで判断しているのが自分たちの感覚かなと思います。

経営判断として何を優先するのか

長谷川:おもしろいです。実は、腰塚さんも前職は株式会社なんですよね?

腰塚:はい。総合電機メーカーで営業をしていました。

長谷川:どの会社も社会に貢献しているかもしれないけど、主目的が社会課題解決かどうかは、何か違いはあるんですか? ご自身の経験もあればって感じなんですけど。

腰塚:そうですね。もちろんどの会社にもビジョンがあって、例えば私が前にいた会社は「社会インフラを支える」ということを主目的に置いていたわけなんですけど。でも、やはり株式会社を立てている以上、収益を上げることが一番大切です。

加えて、私のいた会社で言うと、それが単純に儲かるというよりかは、事業の成長によって従業員の雇用を守ることがすごく強い会社だったんですよね。

何万人も社員を抱えているので、それはそれですごく意義深い取り組みだし、私自身も社会インフラを支える役割を担っていくことに共感して入ったんです。

ですけど、経営判断として、「事業性を欠いてまで社会インフラを支えることはないよね」っていう優先順位の話だなと思います。

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