こだわりとデータを行き来するのが重要
西田:だからそんなようなところは、結果的には自分のこだわりというか、自分が一番大切にしたいところやったんとちゃうかなと。みんな一緒やなという。
庄野:決して特別ではないと。
西田:特別なところも見せますけど、特別じゃないところを見ることによって共感ポイントも出てくるわけです。
庄野:それは1つのヒントかもしれないですよね。共感だけで終わっていたら他と変わらなかったり、おもしろみがないですよね。
西田:いや、どうなんやろうな。でも、もちろんすごいなと思うところもあるやろうけど、あったり、なかったりじゃない? どっちかに決めているわけでは、決してないから。
庄野:なるほど。じゃあ、この先だんだん、『ダウンタウンDX』で、他にも「あんな企画をやってはりましたけど」という話を聞きたいんですけど、これはちょっとあとの項目にもつながるので、そこで聞くとして。YouTubeで成功しているテレビマンがやっていること。こだわりが強い人。
西田:こだわりが強いというか、こだわりとデータをちゃんと塩梅を持って行き来できる人やなぁ。それで、その都度の企画でちゃんと落としどころがわかっている。これは結局どういうことかというと、テレビ番組を当てている人は、そこをずっとやっているからなのよ。
絶対にこだわりと視聴率でやっている人やから、それを今度はYouTubeの世界に置き換えた時の、今のアルゴリズムと自分のこだわりをこうやってやって(行き来)できる人ってことじゃない?
庄野:僕もYouTubeを二郎さんと最初のほうにやらせていただいた時に、公開して30分経ってインプレッションが上がらなかった時に「サムネイル変えろ! タイトル変えるぞ!」という、あの数字とのにらめっこや緊張感は、そういう意味ではテレビと一緒ですよね。
西田:まぁ、そうやと思うけどな。でも、その……。テレビとまた違うのは、生放送で数字が出ることもないやんか。
庄野:確かにね。
西田:もちろん、収録とかで放送している時は数字が出ることはないやんか。もちろんTwitterぐらいしかリアルタイムではない。でもTwitterと視聴率の移行はぜんぜん違うからさ。
庄野:まぁ、ぜんぜん違いますね。
西田:リンクする時もあるけど。
西田氏がタイトルを変えると動画が伸びる理由
西田:でもYouTubeってめちゃくちゃおもしろいのは、配信した瞬間から「YouTube Studio」を見たら(データが)バーッと出てくるやん!
庄野:視聴維持率とかもね。
西田:30分ぐらいでガーッと出てくるやん。これはもう、この瞬間にやはりサムネイルを「こっちから、こっちや!」ってやった瞬間にドンッと来たりするわけやんか。
庄野:おもしろいから、タイトルをこの人が変えると本当に上がるんですよ。
西田:タイトルもそうですよね。
中川:はい。
西田:タイトルは新聞のタイトルと一緒ですからね。
庄野:新聞のタイトルと!?
西田:新聞のタイトルって、そうやん。今日見てほしいからねみたいな感じでやるわけ。
中川:テレビでいうラテ(ラジオ・テレビ)欄……。
西田:そうですね。その位置じゃないですかね。
庄野:そこにエビリーが加えてやるのは、kamui trackerを分析して、よく使われているワードを意図的に織り交ぜるというね。
西田:親しみやすさとか、距離とかも大切じゃないですか。またレコメンドもしてもらえるというか。「あなたもこれ好きなんでしょ?」というのが、あるわけでしょ? テレビなんて、見てて勝手に急にチャンネルを変えてけえへんからね。
こうやってちゃんと見ていて、TBSを見ている時にバンッと急にチャンネルが変わって「どうですか?」って、そんなのはあらへんやんか!
(一同笑)
庄野:めちゃくちゃドラマのええところで変えられて(笑)。
西田:あなたは今、こんなええドラマを見ていたのに「NHKでやってはりますけど」って、そんなのないやんか。でも、ある種、YouTubeはそれがあるわけですからね。すごいなと思う。
庄野:そういった。クリエイティブと数字の2軸のこだわりですね。
西田:そうじゃないですかね。
庄野:ありがとうございます。
テレビとYouTubeの共通点と違い
庄野:では続いて、ちょっと重複する話も出てくるとは思うんですけど。「テレビとYouTubeの共通点、違いは?」ということで、エビリーのマーケチームが、がんばってこのような項目を上げさせていただきました。

ヒット企画の生み方であったりキャスティング、予算、納期、制作体制、視聴態度、コンプライアンス、尺、時間ですね。それから広告依存。ちょっと難しい熟語が出ましたけど。これらのうち、テレビとYouTubeで同じものと違うもの。二郎さんの中で仕分けしていただけますか?
西田:はい。これは、僕は中川さんとか庄野とか、また今日ここに来てもらっている方が、「YouTubeとは何ぞや」という話でもあるかもしれません。これはもう「テレビとは何ぞや」という話かもしれません。
テレビって本当にたくさんの人に見せることが大切なんでしょうかというと。公共の放送で伝えることでいうと、やはりどうしてもなるべくたくさんの人に見ていただくことが是になりますよね。
庄野:まぁ、そうですよね。
西田:公共の電波なので。ゴールデン番組で、日本中にいる3人だけが死ぬほど大感動したけど、あとの全員は全員がチャンネルを全部変えていたと。「3人だけに見てもらえたらええねん」っていうのは、「どうや?」って言ったら、ちょっと「ん?」って、ならないですか?
庄野:応援するスポンサーもね、ショックですね。
西田:一方で、YouTubeも再生数が出るのは、1つの数字の指標が、たくさんの人に見られたらいいものなのかもしれませんけど。本当にYouTubeってそうかって言うと、実は、僕はそこは違うんちゃうかと。本当にこの3人の方が、本気でこういったことを見たいと思って見てくれたら、この3人の方は、この動画をまた見るわけやんか。
庄野:見ます。
西田:また見るわけやんか!
100万人よりも、コアなユーザーをつかむ
西田:(視聴回数の)3が6になって、3が9になってみたいなことになるやんか。ということで言うと、実は短期間でワッと見るけど、あとにぜんぜん見なくなる人よりかは、何回も見たくなるなぁという人が10万人いたら、瞬時に30万回見られるわけでしょ? これは30万人のヒトが見たんじゃなくて、10万人の方が3回見たということ。テレビって、できへんやん。アホみたいに録画機とか、テレビをいっぱい買ってその番組を見るって、おかしいやろ!?
庄野:まぁ、安住(紳一郎)さんぐらいですかね。
(会場笑)
西田:そんなんできへん。TVerはできますよ。だけどTVerという指標は、あくまでも見逃し配信の軸やから。今けっこうテレビの中でも見逃し配信TVerも数字を持っているかもしれないけど。それにしたって配信期間は限りがあるでしょ?
ということで言うと、YouTubeってやはり何をもっても本当に見たい人に対して見たいものを届けるということをズラしたらあかんような気がする。そこがね、一番の話になるのと違うかなと思う。
中川:まさにYouTubeは、ヒット企画の生み方もそうなんですけど。アルゴリズムで結果、動画を届ける。それでアルゴリズム視点でいうと、やはりサムネイルをクリックされること。クリックされて、そのあとにどれだけ見られたか。というところと、そのあとに動画を「いいね」したり、コメントしたり。この一連で評価される。
まさに今、二郎さんがおっしゃった、100万人に届けるチャンネルよりも、コアなユーザーにしっかり見てもらえるチャンネルのほうが結果、アルゴリズム的にも広がっていくところがありますね。
西田:広がっていく。
庄野:そうですね。