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書籍出版記念イベント:「これからのキャリア開拓」(全2記事)

新卒が「福利厚生」よりも重視するポイント 「自分が中高年になった時」を考えて企業を選ぶ若者たち [1/2]

【3行要約】
・人生100年時代、ミドルシニアのキャリア開発が注目されているが、多くの人が新しい挑戦に対して恐れや躊躇を抱えています。
・田中研之輔氏らは『これからのキャリア開拓』を出版し、プロティアン・キャリア理論をベースに「ライフプレナー」という新しい生き方を提唱。
・ミドルシニア世代は越境と開拓をキーワードに、今いる会社を捨てずに小さな一歩から始めることで、自分らしいキャリアを築けると説きます。

『これからのキャリア開拓』著者の田中研之輔氏が登壇

田中研之輔氏(以下、田中):それでは私がモデレートをさせていただいて、ここから30分弱、みなさんと一緒にダイアログを重ねていければと思っております。チャットも見ています。ちなみにみなさんは今日はどこからご参加とか「(今は)雨が降っている」とかは書けますか(笑)? 都内は今、雨だよね。

山口裕二氏(以下、山口):雨ですね。

田中:もう梅雨なので。みなさんの拠点を書いていただいたら盛り上がるかなと思います。ちょっとクロストークに入る前に、私からも(一言)。(プロティアン・キャリアの理論を)野澤さんや山口さんたちは同時多発的に実践をされ(成果を)生み出されており、それを広めたいなと思っています。私はこの著作(『これからのキャリア開拓 ミドルシニア期に価値を創るライフプレナー』)の中で比較的理論(的な)パートをちょっと担当しましたので、一部補足させていただきます。

今日はプロティアン・キャリア(協会)が主催だから、みなさんは比較的プロティアン・キャリアの理論をベースにしている人がいらっしゃるよね。『これからのキャリア開拓』の中でもこれをベースにしています。

それで、理論も現場の実践も進化しているんですよ。どう進化したかでいうと、1つは、マーク・サビカスの社会構成主義(の考え方を取り入れた点)です。

つまり、「人生は物語である」と。「新しい出番を作っていきましょう」にまさに重なってくるんだけど、マーク・サビカスもけっこうおもしろいことを言っています。彼は「過去を受容できる」と。つまり何をやったかをちゃんと理解して現在を受け止めて未来を作っていくのを、ナラティブアプローチでやるんですね。

1つはマーク・サビカスをプロティアン(・キャリアの理論)に接続させている(ことと)、もう1つはカレイドスコープ(万華鏡)理論を入れたこと(が進化した点です)。

ライフシフトプラットフォーム(Life Shift Platform)の実践と、この著作群(の理論)を融合させて、プロティアンの最新知見やキャリア開発の最新知見、LSPの実践についてわかりやすい言葉で何か1つ答えを出したいなと。

田中氏が提唱する「ライフ+アントレプレナー」の発想

田中:今、野澤さんと山口さんからプレゼンをいただいたように、我々も今日ご参加いただいたみなさんも、本当にライフプレナーだと思うんですよ。なのでこの著作をベースにしながら、みなさんの現場や組織、役割の中で、それぞれのライフプレナー、つまり新しい出番を作っていくプロデューサーであり、みなさん自身も開拓していく当事者であるようなことをやっていければなと思っています。

それでちょっと私から(書店の画像を)映させていただきます。私は毎日定点観測しているので(以前から1位だったことを知っていますが)、これ(『これからのキャリア開拓』)が今日付けでまだ(書店の売上)1位ということでね(笑)。これがすごいのは総合1位という点なんですよ。

我々の『これからのキャリア開拓』の裏話も、せっかくのライブなのでちょっとさせていただきます。

超優秀なデザイナーがライフシフトプラットフォーム(を提供されている)ニューホライズン(コレクティブ)さんのチームにいて、ちょっと顔になっているんだよね。こんなすてきなデザインはなかなかキャリア開発の専門書の中にはなかったです。人生の中で1つやり遂げた感は、私も野澤さんも山口さんも噛みしめているよね。中身もいいんだけど、本当に(デザインが)すごいじゃん!

山口:うれしいです。ありがとうございます。

「日経リスキリングアワード2024」企業・団体イノベーティブ部門の最優秀賞を受賞


田中:
『プロティアン (70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術)』は411件のレビューが付いています。最近はレビューってなかなか書き手側としてはお願いしづらいんですよね。

それで『(これからの)キャリア開拓』は(今、レビュー)が6件付いているんですよ。もしお時間がある方は1、2分いただいて(笑)、(レビューを書くなどして)ちょっと応援していただけると本当に(ありがたいです)。我々は1年間かけて書いてきたので、(多くの方に)届けたいんですよ。

みなさんのお力がすごく我々のエンジンになります。ライフプレナーシップね。ということでダイアログに入っていきましょうか。じゃあ、山口さんから(まだ)発話をいただいていないので(少しおうかがいします)。リスキリング大賞を取っちゃったんですか?

山口:はい。2024年に日経さんの賞(「日経リスキリングアワード2024」企業・団体イノベーティブ部門 最優秀賞)をいただきました。その時の首相だった岸田さんもいらっしゃいまして、初めて首相と握手をするという幸運にめぐり合ったんですけれども(笑)。

田中:なかなかない(笑)。

山口:本当に僕たちは、ちょっと変わったといったらなんですけど、少しエッジの効いたことをやってきたのかなと思っていたんですが、ああいう場でフラットに賞をいただけたのは非常に背中を押される感じでありがたかったですね。

1つの組織にキャリアを預けていい時代は終わった

田中:ありがたいです。2024年の時にちょうど、我々が最初にプロジェクトとして記者会見でライフプレナーを提案させていただきました。その時最初にみなさんにお伝えした言葉は、いわゆるリンダ・グラットンの「ライフ・シフト」でした。人生100年時代を迎えたと。どうやら我々日本社会は、そのグローバルな社会動向の中での長寿国のパイオニアであると。長寿(国)としてやっていく一番(最初の)国だと。

それでその時の語り草として野澤さんの言葉にもあったのは「子どもがいないよね。もう高齢者ばかりだよね。しかも働かない人ばかりだよね」という言説ではまったくなくて、「こういった言説の逆の流れを作りたいよね」ということでした。ちょうどこの前の電通総研さんのキーノートでも我々3人で登壇させていただいて、その時にも少しお話しさせていただきました。

『LIFE SHIFT(ライフ・シフト)(―100年時代の人生戦略)』の共著者で経済学者のアンドリュー・スコットは、東洋経済(新報社)から出ている『ライフ・シフトの未来戦略』の中で「エバーグリーン(常に変わり続ける存在)」と言っていますよね。

我々もまさにエバーグリーンであろうとする姿勢が重なるんだよね。我々はエバーグリーンじゃない? フィジカルはそんなに変わっていかないかもしれないけど、みなさんのビジネスパフォーマンスやネットワーク、人生の経験って、永遠に緑じゃない? 緑地化し続けているよね。

なのに(ミドルシニアのキャリアに対する)語り草はすごくペシミスティックかつ批判的なんだよね。これを変えたい。だからそのためには、例えば今のライフシフトプラットフォームさんでの同時多発的ないろんな地域での取り組みである「越境」がやはりキーになると思います。キャリア開発の知見からお伝えできることでいうと、本当に1つの組織にキャリアを預けていい時代はもう終わったと思いますね。

新卒が「福利厚生」よりも重視するポイント

田中:私は法政大学にいまして、今日も午後は法政大学の仕事があります。けれども大学にいながらこうやってみなさんと関われるのが「越境」です。それがもう本当にスタンダードになってくると思うんだよね。だから今、例えば社員を囲って、副業や越境禁止という企業は絶対に伸びない。

野澤友宏氏(以下、野澤):(笑)。

田中:間違いなく伸びない。私は日頃から新卒を見ています。もう彼らや彼女たちは福利厚生で見ているわけじゃありません。「人事制度の中で、副業やポスティング(の制度)はあるのかしら?」と。つまり、「自分らしいキャリアをこの会社の中で築いていけるのかな?」というところをちゃんと見ていますからね。

なので、表面的に「ポスティングや副業をやっています」じゃなくて、本当に内実としてそういうことに取り組まれている企業さんに優秀な人材は集まります。リテンションでいうと、そういう人たちは辞めていかないわけです。やはりライフプレナー型の生きざまの理論的な支柱にはプロティアン(・キャリア)を据えています。

プロティアン(・キャリア)は何歳からでもチャレンジできるよね。カメレオンみたいに表面的に姿を変えるんじゃなくて、内面的に(変えるんです)。心理的幸福が高い生活や人生って自分で手にしていけるよね。まさにライフプレナーであるよということですね。

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