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金谷元気氏インタビュー(全3記事)

採用では「いかに自分たちがイケていないか」を話す 優秀な人を採用するための口説き方 [2/2]


アキッパがPMFを達成できた瞬間

——金谷さんの中での考え方の変化も、さらなる成長の要因となったんですね。アキッパがPMFを達成できた瞬間はどこですか?

金谷:PMFで言うと2019年ぐらいかなと思います。順を追って言うと、2015年から2016年に「大阪ドミナント」というのをやってみたんですね。集中的に大阪で獲得して、供給に対して売上が上がるかどうかをやってみたら、やっぱり大阪エリアだけめちゃくちゃ使われ出したんです。

1都市で成立するならどんどん伸ばしていけるなと思って、東京とかに広げて行ったり、スタジアムの周辺は、もう勝ちパターンとしてあったので。2019年あたりで「あ、もう来年黒字化するね」って話をしていました。

「謙虚な人」がスタートアップで活躍する

——なるほど。続いては、スタートアップで働きたいと思っている読者に向けてのご質問です。組織の拡大期にスタートアップの社長はどういう人材を求めているのか。活躍できる人材の共通点はありますか?

金谷:そうですね……。やっぱりスタートアップって挑戦する人が活躍することもあると思うんですけど、謙虚な人が活躍してるなと僕はすごく思います。どうしても社内を見て動いてしまう、社内から持ち上げられたのを受け入れてしまうとか。

あとは、役職や経験があるからとあぐらをかくのではなくて、やっぱり謙虚でいること。例えば飲食店に社員のみんなと行った時に、上座とか気にするのは無駄な動きなのでしなくていいし、タクシーの手配もしなくていい。やっぱり一緒に社会課題を解決するので、役職なんて役割でしかないんです。そういう社内の偉い・偉くないじゃなくて、社会をいかに見て動けるかどうかなので、外を見て一緒にやっていこうよと。

akippaには「ホスピタリティ・カルチャー」というのを設けているんですね。創業期からいる人はできないこともあるけど、営業の部分はめちゃくちゃすごいとか、相互尊敬を持つ。

ハーバードビジネススクールでも重視する「人間力」

金谷:やっぱりうまくいってる人って、スタートアップで働く人も起業家も、いい人ばっかりなんですよね。ちょっと人間性に難があるような人は、どこかで人がついてこなくなったり、離脱したりする。スタートアップで働く人は、そういう謙虚で相互尊敬を持てるような人かなぁと僕は思いますね。もちろん実力はつけないとついていけないんですけれども。

よく聞くのは、ハーバードのビジネススクールでは、最初はカリキュラムが思考力しかなくて、考えることをとにかくやっていたけど、成功者は生まれなかったと。次に実行力をつけるためのカリキュラムを追加していくと、ちょっとずつ成功が生まれた。

でも大成功するような起業家が生まれない。そこで最終的に、人としてどうあるべきかというカリキュラムを入れたみたいなんですね。それによってGojek(インドネシア発のスタートアップ)とかも生まれてきた。

世界最高峰のビジネススクールのハーバードですら人としてどうあるべきかを付け加えるというのを聞いた時に、やっぱり間違っていなかったんだなと感じましたね。人間力はとても大事だなと思いました。

——スタートアップでは、自分から積極的に仕事を取りにいけるような人が一番活躍できるのかなと思っていたので意外でした。akippaでは採用でそういったところを見ているんですね。

金谷:最終面接は私か共同創業者しかできないんですけど、実はそこしか見てないです。良い人か悪い人かというよりも、カルチャーが合うか合わないかですね。

起業に向いている人の特徴

——ありがとうございます。起業を目指している方に向けたご質問です。インタビューの冒頭で、金谷さんはアルバイト時代は「自分が仕事ができない」と思いこんでいたとうかがいました。起業に向いている人や向いていない人の特徴はありますか?

金谷:そういった意味ではまだまだ成功しているとは思ってないんですけど、やっぱり人には向き・不向きがあるんだなとあらためて思っています。

アルバイトがうまくできなかったからといって、すべての仕事がそうかというとぜんぜん違う。いろんなものを試してみて、何が向いているか。例えば今はタイミーとかもあるので、いろんな仕事が経験できるじゃないですか。そういうもので「あ、自分はこれが向いてるんだな」とかを発見するのはいいと思うんですよね。自分はそれをたまたま見つけられたので、よかったなぁと思います。

起業に向いてる人は、変化に強くて胆力がある人ですね。やっぱり起業っていろんなイベントが起こるというか、辛いことも多いので。新しく入ってきた人を受け入れられる変化力と、絶対諦めないって気持ちがあれば、どんどんアップデートできます。自分ができなくてもできる人を連れてこれるとか、変化に強い人はそういうことができるんですね。

——なるほど。経営者自身が完璧である必要はなく、自分ができない部分を埋めてくれるような人を連れて来られる力が大事なんですね。金谷さん、ありがとうございました。

関連リンク:『番狂わせの起業法』金谷元気/akippa 著(かんき出版)

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