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転職のプロとコーチング会社代表が語る“本当に納得できるキャリア選択”(全4記事)

理想のキャリアに近づくための「自己内省」の習慣 転職時に注意したい“心のモヤモヤ”のサイン [2/2]

企業との対話に加えて、自分自身の考えも深掘る

足立:ありがとうございます。「内省」というテーマってけっこう抽象的でわかりづらいので、イメージが湧くように今日はいくつかスライドを持ってきました。

motoさんの話を前半に聞いていてすごいなと思ったのは、市場と対話することによって自分との対話も進めていくみたいに、自分が主導であるということで、motoさんってやはりすごい行動的でアクティブな人だと思うんですよ。

moto:はい。

足立:なので、そこで「自分がマッチングされるベストの場所はどこだ?」って探しつつ、「これは違うのか。これはいいのか」ってちゃんと自分の内省に返していくことを高速でやられている感覚を持ったんですよね。

僕は今日のイベントのタイトルの「本当に納得できるキャリア」ってけっこういいテーマだなと思った時に、納得度を高める鍵ってやはり対話にあるなと。その対話の対象、ステークホルダーは、今回で言えば市場と自分。

自分がいいと思うかどうかとか、自分が心から納得したり充実感を得られることがすごく大事だと思うんです。だけど、どうやら年収や条件でいいと思ったはずのところに行っても充実感は少なかった、みたいなことがたくさん起こるのが転職やキャリアの領域だと思っているんですよね。

moto:はい。

仕事に関するモヤモヤなど、感情面に着目する

足立:そのまま流れで、僕からもちょっとここをお話しすると、内省ってけっこう深くて。聞き慣れない言葉を続けちゃうんですけど、僕は「自分自身を観察して心の声を傾聴する」のがいい内省だと思っているんです。

内省って聞き慣れないかなと思うんですが、コンサルタントのように思考を通じた分析をすることです。例えば自分の経歴を見ながら、「自分のスキルは何だ?」とか「これはなぜ身についたのか?」を分析します。結論を出しにいくためにいくつか要素分解をしたり、見えている意識下にあるものを分析的にアプローチするのがコンサルティング的なアプローチなんです。

僕が内省という言葉に含めている大事なニュアンスとしては、(スライド下部の)この無意識領域ですね。感覚や感情的なものです。前職をやっていた中でどんなスキルが身についたのか分析をしていくことはもちろん大事で、これを両方行き来することがとても大事だと思っているんです。前職をやっていた時に、率直にどんな感覚や感情を持っていたのかとか。

まさにさっきmotoさんが言ったとおり、営業として売れてはいたけどもっとこういう方向に進みたいとか、ユーザーファーストとの乖離があるんじゃないかみたいな。これってまさに感覚や感情的なもので、思考的に見つけてきたというよりは、自分の身体感覚で違いを感じるわけじゃないですか。

moto:はい。

足立:モヤモヤ的なキーワードでも、逆にうれしいとかでもいいんですよね。やはり「この時間、すごくうれしかったな」「この仲間とこの少し難しい目標を追っていた時、すごく楽しかったな」みたいな、楽しいという感情から奥をたどった時に、「自分はやはりすごくつながりと熱狂を求めているのかもな」みたいな。

つながりや熱狂ってけっこう組織カルチャーによってくるので、だったら求人サイトの条件で見つけるよりは、「カルチャーデック(企業の文化や価値観をまとめた資料)とかがちゃんとあるような会社を見に行って」みたいなところに入っていける。

つまり、思考やスキルの棚卸しだけではたどり着かない選択肢を、無意識下だと見つけることができるんです。この内省がけっこう大事だと思っています。

転職先の自分にワクワクできなかったら危険信号

足立:社会的にいいとされる条件で設定されたゴールに行ったとしても、さっき言ったみたいに自分の感情的にはワクワクしなかったり楽しくないみたいな。

なので、例えば自分が思い描くゴールを設定した時。motoさんだったら「この業界をこういう方向に向かわせたいな」と思った時に、自分がそこで営業として関わっているイメージが湧いて、さらにそのイメージを「いい」と思うわけじゃないですか。

moto:はい。

足立:だからいいゴールだと思うんですよね。自分がそこにいることが想像できるし、楽しそうである。少し未来なんですけど、そこにコンフォートを感じるというか、「自分がそこにいるのはいいな」と思うじゃないですか。

moto:うんうん。

足立:ユーザーファーストの営業をしていたら「いい自分だな」と思うわけじゃないですか。でも外から設定されたゴールとして、例えば一般的に、「年収が高くて、どこどこに住めて、オフィスはきれいで」というのがあった時に、そこにいる自分を想像して心が動いていなかったら、たぶんそのゴールは危ないんですよね。

その心が動いているかどうかをチェックするのが内省なんですけど、内省をしていないと、自分の感情がわからないみたいな。感覚機能ってセンサーみたいなものなので、やらないとどんどん鈍ってくるんですよね。

moto:そうですね。

足立:なので内省の精度とか感度が、いいゴールを身体感覚で瞬時に見極めてくれるセンサーであり、羅針盤みたいなものなので、これをすごく磨いていく必要があるなと。その時に感覚や感情ってとても大事になるなぁ、と思っています。

自分の軸がない転職は苦労する

moto:めちゃめちゃ大事だと思いますね。さっきおっしゃっていましたけど、やはり自分の感覚がすごく大事だと思っています。

自分の感情は置いておいて、人からいいって思われるキャリアを歩みたいとか、向いていないけど世の中的にはそっちに行ったほうが格好いいと思われるとか、キャリアアップしているように見えるとか。

こういう他人の価値観を軸に転職をしていった人、自分の指針がぶれてしまった人って、その先ですごく苦労しているなという印象があるので(笑)。

それよりもやはり、この時は仮に年収が落ちたとて、自分がやりたいことをやっているとか、したかったことをしている人のほうが見ていて幸せな感じがするというか。働いていて楽しそうみたいな。

その人のほうが結果、高い成果を出して、その次にキャリアアップしていくことがあるので、やはり自分の感覚でちゃんと決めていくのはすごく大事だなと思いました。

足立:ありがとうございます。motoさんにそこを言ってもらえるとうれしいですね。僕もそこをすごく思っているんですよね。やはり人生って、長期のマラソンのようなものというか。

moto:そうですね。

足立:短期ではないので。そこで自分の感覚を殺し続けるのは、実は難易度がすごく高い長期戦だと思っています。motoさんに触れてもらったのも流れとしてあるので、せっかくなのでちょっとここだけ触れて次のパートにそのままいきたいなと思っています。

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