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転職のプロとコーチング会社代表が語る“本当に納得できるキャリア選択”(全4記事)

8回の転職で年収240万→1,500万円に 「転職のプロ」moto氏が語る、市場価値を決める“2つの要素” [1/2]

8回の転職で年収240万円から1,500万円へと上げてきた「転職のプロ」であり、著作『転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方』がベストセラーになったmoto氏(戸塚俊介氏)と、ZaPASS JAPAN株式会社代表の足立愛樹氏が、転職とキャリアの充実について語り合います。年収だけでは測れない市場価値の本質、自己内省が欠けた時に起こる失敗談まで、納得のいくキャリアを築く方法に迫ります。

8社に転職しつつ、副業で転職サービスを運営

司会者:ここからはバトンタッチさせていただくんですけれども、ぜひmotoさんと弊社の足立から一言ずつ自己紹介をしていただければと思います。では、motoさんからお願いします。

moto(戸塚俊介)氏(以下、moto):motoです。よろしくお願いします。僕はこれまでリクルートやベンチャー企業など8社に転職してきました。そのときに会社員をやりながら副業で「転職アンテナ」という事業をやっていまして、2021年に上場企業へM&Aしました。

今はHIRED株式会社という会社をやっておりまして、主に転職の広告や転職に関するサービスをやらせてもらっております。本日はよろしくお願いします。

足立愛樹氏(以下、足立):motoさん、ありがとうございます。そのまま僕も自己紹介させていただきます。

みなさん、こんばんは。このイベントは19時半から21時前までなので本当に貴重な時間だと思っております。飲み会があったら断って来ていらっしゃると思いますし、お子さまがいらっしゃる方はゴールデンタイムかなと思うんですけど、あらためて良き75分にしていきたいと思っています。

先ほど大久保から言ってもらったとおり、私はZaPASSを経営している者です。その前はAnyMind Groupという会社の香港拠点で3年働いておりまして、中国、台湾、香港、フィリピンといったエリアの日系チームを統括する仕事をしておりました。

キャリアとしては、AnyMind Groupの社長室を経てZaPASSを創業して、現在に至ります。ではmotoさん、やっていきましょうか?

moto:お願いします。

年収が人材としての価値のすべてではない

足立:個人的にも聞いてみたいなと思うことがたくさんあるので、今日は非常に楽しみにしております。特に今回のタイトルのテーマになっている「市場価値」や「自分の本音」や「本当に納得のいくキャリア」をキーワードにした時に、すごくご経験豊富な方だと思っていますので、前半パートではいろんなことをmotoさんから引き出していきたいなと思っています。

最初のテーマには「『市場価値』だけでは納得のいくキャリアにならない理由」を置かせていただいていまして、ちょっと関連するテーマをスライドにいくつか並べております。いろいろ書かせていただいているんですが、もうストレートにいきましょうか?

moto:そうしましょう。

足立:じゃあ最初に、この「市場価値」ってよく使いますけど、「そもそも市場価値って何ぞや?」から、ちょっと聞いてもいいですか?

moto:いろんな意見がありますが、誰しもがわかりやすい数字的なもので出すのであれば、僕は年収が1つの市場価値かなと思っています。

要は「これだけの人たちが働いている中で、自分の値段ってどれぐらいなんだっけ?」というものを知るためには、やはり労働市場における価値の1つの目安として年収があると思います。

ただ年収は、属している業界や年齢などによって左右されてしまうので、年収が市場価値のすべてかというと、一概にそうではないと思っています。

市場価値というのは、市場って「いちば」という漢字の意味合いのとおり、需給があるわけです。「買い手がいて、売り手がいる」という、いわゆるマーケットがあるので「自分に対して、どれぐらいの買い手がいるのか」「自分を欲しいと思ってくれている人は、いくら払ってくれるのか」みたいなことも市場価値においては重要です。

転職市場が求める能力がどれだけあるか

足立:ありがとうございます。この「買い手がいて、売り手がいる」という構造や、視点を引いてメタに捉えるところが、「市場」の理解において重要だと思いました。

「欲しがってくれる人がいるのも1つ大事ですよね?」みたいなところをもうちょっと聞きたいです。そこと年収って、似ているようで違うじゃないですか?

moto:例えば、年齢も性別も仕事の能力もまったく同じ人が2人いるとします。1人は英語がしゃべれます、もう1人は英語がしゃべれませんといった時に、どっちにより多くの買い手がつきますか? という話になります。

日本語しかしゃべれない人は、日系企業からしかオファーが来ないわけですよ。一方、英語がしゃべれるとなると外資系からもオファーが来ますよね。要は買い手が多いのは英語がしゃべれる人なわけです。

買い手が多ければ多いほど、自分をより高く買ってくれるところと交渉できます。なんというか、競りに近いイメージで「それだったらもう700万円」「他社が700万なら800万円出す」みたいな話になって、自分の価値が上がっていく、みたいな感じです。

要は、市場において、買い手がどれぐらいつくかによって年収は決まる、というか。「市場から求められること」が自分の価値になっていくと僕は捉えてますね。

売上を上げる能力に再現性があるのか

足立:めちゃめちゃわかりやすいですね。ありがとうございます。この流れで、(スライド)右下のテーマと相性がいいなと思ったので、この「求められていく」と重ねちゃいます。今のたとえだと、まったく同じ条件に加えて英語がしゃべれると、オファーしてくれる会社が外資も増えて、結果的に高値がつき、求める買い手が増えるという話があったと思います。

今の例で言えば英語だったんですが、あらためて「市場価値はどう上げるんですかね?」という大きい問いって、どこから答えに入っていけばいいかなって思いますか?

moto:テクニック論はいろいろ色々ありますが、本質的には「売上を上げられる人間であるかどうか」が一番大きいかなと思います。自分の価値を提供することで、どれだけ売上を上げる力を持っているか。

なので「市場価値をどう上げるのか?」の答えは、「売上を作る能力に再現性があるかどうか」かなと。これまでの経験を活かして、「こんなことがあったらこういうことが起こるから、先手を打ってこういうことをすればちゃんと売上を作ることができる」とか。

「前回はこういう失敗をしたけど、今回はこうやればより売上を作ることができる」という、自分の経験則から会社に貢献し、売り上げを増やしていく。つまり、売り上げを伸ばすための経験をたくさん積み上げていくことが市場価値を上げることにつながるのではないかなと。

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