「読者が選ぶビジネス書グランプリ2025」にて、ビジネス実務部門賞受賞『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』(すばる舎)の著者である今井孝氏を招いた特別セミナーが開催されました。本記事では、「たった2時間」の使い方で幸福度が上がる理由や、今日から幸せになれるマインドセットをお伝えします。
『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』著者が登壇
米良克美氏(以下、米良):あらためまして、グロービスの米良です。こちらの本は、みなさんお手元にございますでしょうか?
もうすでに読まれている方もまだの方も、『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』という本について、今日は(著者の)今井さんをお招きして深掘りしてまいりたいと思っています。あらためまして、今井さん、今日はよろしくお願いいたします。
今井孝氏(以下、今井):よろしくお願いいたします。
米良:対談というかたちになるんですけれども。最初に自己紹介も兼ねて、この本の見どころを今井さんご自身の言葉で共有いただければと思うのですが、いかがでしょうか?
今井:じゃあ、ちょっと資料を作ってきたので、共有させていただきます。あらためまして、私は今井孝と申します。よろしくお願いいたします。基本は個人でビジネスをやりたい方にマーケティングとか商品作りとか、そういうビジネスを教える仕事をしております。講座をやっている感じですね。

本としては、2015年に『起業1年目の教科書』シリーズの1作目を出しまして、シリーズで今11万部ぐらいになっています。
ちなみに、TBSの上野樹里さんのドラマ(『持続可能な恋ですか?~父と娘の結婚行進曲~』)でも使われています。あと、こちらの『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、お金の生み出し方』という黄色い本も、起業や商品作りの本なんですけども、中田敦彦さんの「YouTube大学」で取り上げられました。
あと2024年に、広瀬すずさんが出演されたサントリーさんのビール(香るエール)のWeb CMに出させていただいた、そんな感じの人間です。よろしくお願いいたします。こんな自己紹介でわかるかな。
幸せで充実した人生にするために、1日をどうやって過ごすか
今井:あと、僕のクライアントさんは、自分のやりたいことをビジネスにする方が多くて。売上がどうこうというより、「民宿がやりたい」という方や子育て支援とか、シンポジウムをやりたいとか、自分の芸術で何かやりたいとか。
あと、カンボジアでギフトショップをされていらっしゃる方とか、福岡のソーシャルスタートアップに認定された小学校や中学校の先生の支援とか。そういうのをなんとかビジネスにできないかを考えたりする人とか、いろんな方が来てくださっております。そんなビジネスの支援をしています。
今日の内容は『いつも幸せな人は、2時間の使い方の天才』という本なんですけども。これは全6章立てになっておりますが、ざっくりどういう本かというと、「幸せになるための時間の使い方」(についての本)です。もうまさにそのままなんですけどね。
時間術の本というと、単位時間あたりにどれだけコスパ良く、タイパ良くやりたいことを詰め込めるか、やり遂げられるかみたいな方向の本もあるし。自分のやりたいことに特化しよう、やらないことを見つけようみたいな本もあると思うんですけど。僕の本はどちらかというと、後者寄りの時間の本ですね。

一番のコンセプトにしているのは、「どうやったら充実できるか?」ということなんですね。これが一番大事だと思っています。
なんでかというと、仕事をするのも自分でビジネスを始めるのもそうだし、どこかへ旅行に行くのも、なぜ人は行動するのかというと、全部、何か感情を感じたいからですよね。
ビジネスで成功して達成感を得たいとか、旅行に行ってのんびりリラックスしたいとか、そういう気持ちを味わいたくて、何か行動をするわけですよね。バリエーション良くその楽しい行動をちりばめられると充実できるわけなんですけども。1年や1日をどういうふうに組み立てれば本当に幸せで充実できるのかを考えた本になっております。
好きなことをしている時間がたった2時間あればいい
今井:全6章立てでいろいろ解説しているんですけども。これはなんで2時間かというと、ここが一番最初のコンセプトなんですが、「『すべての時間が充実していなければ幸せじゃない』という考え方を捨てる」と書きました。
「幸せ」というと、「24時間全部素敵で良くないとダメ」と勘違いしている方もまあまあいらっしゃいます。そうじゃないよと。いい1日とは何かというと、映画を観に行ったとかコンサートに行ったとか恋人と過ごしたとか、そういう好きな時間が2時間でもあれば……これは90分とか1時間でもいいと思うんですけども、そうすると、実は1日が全部素敵になりますよね。
夜に楽しい2時間の予定があったら、昼間の仕事に集中できますよね。集中して仕事をしたらけっこう達成感を得て、「あっ、働いたな、充実したな」みたいになるじゃないですか。で、夜2時間楽しいことをやったら、同じ会社で働いているはずなのに昼間も楽しいみたいになりますよね、そういうのをコンセプトにして書かせていただいております。
自由な時間をどうやって捻出するか
今井:じゃあ、その2時間をどうやって見つけていくのかというと、2章では、自分の今のムダな時間を見つけて、それを省いていく(ということを書いています)。そうすると2時間ぐらい作れますよね。子育て中の方でも30分ぐらいは作れるんじゃないでしょうか。
じゃあ、その時間を何に使うかというと、「何をしたら幸せになるかって、みんなあんまり考えていないですよね?」と。「じゃあ、あなたが幸せになれることって何ですか? 何をしたら幸せなんですか?」というのを見つけないといけないんです。ちゃんと考えたらすぐできますので、それを3章で整理していきます。
で、何をしたら幸せかがわかったら、それをどうスケジューリングしたら一番充実するのか。それが4章に書いてあります。
みなさん、レストランでも居酒屋さんでもお寿司屋さんでも行ったら、食べる順番はだいたい決まっていますよね。最初からデザートとかを頼まないと思うんですよね。
僕は昔、焼き肉屋さんに行って、最後にカルビを頼んでしまったらめちゃめちゃ脂っこくて食べられなかったんですけど。「それ、順番が間違っているよ」と教えてもらったのは後からなんですけどね。そんな感じで食べ物も、いい順番で頼んだらめちゃめちゃおいしく食べられるじゃないですか。「最後の締めにこれを食べよう」みたいなね。
それと一緒で、スケジュールも「この順番で並べたらすごく幸せになりますよ」というのがお一人お一人作れると思いますので、そういうことが4章(で書いたこと)です。4章までは、1週間とか1日とか短期的な時間の充実した使い方についてなんですけど、短期的に楽しくても、それだけだと長期的にやりたいことはできませんよね。
今日から幸せになれる秘訣は「完璧主義」を捨てること
今井:長期的というと、それこそMBAを取って、ちょっといいところにキャリアアップしていきたいとか自分でビジネスを始めたいとか、いろんな思いがあるかもしれないんですけども。短期的に充実しているだけではダメで、やはりコツコツとした長期的な積み重ねが大事ですよね。
長期的なコツコツと日々の楽しみ、充実感を両立させる、というのがこの5章ですね。楽しかったらずっとコツコツしても楽しいですからね。コツコツって実は楽しいことなんですよという話です。なので、楽しく継続ができるということですね。
6章は、トータルで自分の人生を味わいましょうということですね。なんで人生がつまらないのか。つまらない時は、たぶん(人生を)味わっていないんですよね。もっともっと(人生を)味わったらもっと幸せを感じられるはずなんですね。
6章の冒頭にも書いていますけど、食事をしてちょっと食べすぎて太っちゃうタイプの人はどんな人かというと、「お腹いっぱいになるまで食べよう」と考えるんです。なので食べてお腹いっぱいじゃなかったら、追加でおかわりして食べてしまうんですよね。
一方で、ずっとスリムな体形を保っている方は、食事があったら「この分量でどうやったら満腹になるかな?」と考えるんですね。そうしてゆっくりよくかんで食べると、案外、途中で満腹感が表れてきたりしますからね。汁物を先に食べるとかですね。
そういう工夫をして、同じ分量で十分満腹を味わうということ。そういう人は、けっこうスリムな体形を維持されていらっしゃいます。それと一緒で、同じことをやって幸せを2倍、3倍感じられたら最高じゃないですか。ということが、6章に書いてあります。
総じて、どうやったら幸せになれるかを書かせていただいております。そして、「24時間すごく良くないと幸せじゃない」というのは、いわゆる完璧主義というやつなんですね。
そうじゃなくて、「2時間でいいや、1時間でいいや」と完璧主義を捨てる。(そうすれば)もう今日とか明日から幸せになれます。「読んですぐ幸せになりました」という方も多い本なので、まだの方はぜひパラパラと見ていただければと思います。そんな感じで本の紹介を終わらせていただきます、ありがとうございました。
米良:今井さん、ありがとうございます。