株式会社らしさラボ 代表取締役 伊庭正康氏の『研修トレーナー伊庭正康のスキルアップチャンネル』では、業績の悩み、効率の悩み、マネジメントの悩み、コミュニケーションの悩み、モチベーションの悩みなど、仕事の悩みを解決できるビジネスメソッドを紹介しているチャンネルです。今回は、苦手な上司との人間関係を良くするポイントについてお届けします。
「ストレスで辞めたい」という人が絶対にやってはいけないこと
伊庭正康氏:みなさん、こんなことはないですか。嫌いな先輩、苦手な上司、ああもう会社を辞めたい。わかります、だって逃げ場がないですよね。上司、辞めてくれたらいいですけど、辞めないんですよね。さぁ、だからこちらがもう辞めちゃおうかと思うのは、ちょっと待ってください。転職するべき? 辞めるべき? それとも、他に選択肢があるのか。実は賢い人がやっている方法があるんです。
こんなことはないでしょうか、「もう我慢できない」「毎日ストレスで辞めたくなる」。こうなった場合に絶対にやってはいけないことがあるんです。賢い人はこう考えています。「人のせいで損をする選択なんてしてたまるか」。
ですから、あなたが今本当にムカつくことがあったとしても、そして今後嫌なことがあっても、その人のために損をすることなんてぜんぜんないんです。「もう構へん構へん、もう言わせとけ言わせとけ」でいいんですよ。でも悩むんですよね。
賢い人は「損な選択」をしない
ですから今日は、こんなお話をします。賢い人は「損な選択」をしません。その上で、まずはやるべきことがあります。「信頼残高」を高めておきましょう、という話をします。そして真面目に話をしては駄目です。交渉なんて真面目にしても、聞いてもらえません。冗談のように希望を伝えるというテクニックを紹介します。それでも駄目という場合もあるので、奥の手を紹介します。楽しみにしてください。
これを知っておけば、どんな環境になろうとも、あなたが損をすることなんてありません。そんな話を今からやっていきます。
年200回登壇する研修講師の伊庭だからこそお伝えする、本物のテクニックです。ぜひこちらからチャンネル登録をよろしくお願いします。絶対にあなたの仕事力、そして人生が豊かになる話、そんな話をずっとお届けしますので、ぜひチャンネル登録を忘れずよろしくお願いします。
感情で判断せず「交渉」で状況を変える
さぁ、ではいきましょう。ドン! まず賢い人は、絶対に人のために損をするなんてことを考えません。じゃあどうするかと言うと、まず感情的に辞めることは絶対にやめてください。上司がムカつく、先輩が嫌い、ハイ会社辞める。これは貧乏くじを引くことと一緒なんですよ。絶対にやめてください。

じゃあどうするべきかと言うと、こういうことなんですね。まず、本当に今転職するのが最善の選択なのかを考えるんです。自分にとってそれが本当にメリットのある選択なのか。冷静にはなれないと思いますが、冷静になった時に本当にその選択がよかったかというのは、迷うところではあるんですよね。
まずこう考えてください。ドン! 賢い人は感情で判断せずに、自分が動けるのであれば、交渉して状況を変えることはできないかな? と考えます。いや、実際に交渉で状況って変えられるんですよ。
「頼れるやつ」か「感じのいいやつ」になる
じゃあどうすれば変えられるのか。そんな話をしていきましょう。ドン! まず2つ目、そのためにはいきなり話をするなんてのはぜんぜん駄目なんですよ。組織はもっと複雑なんです。正しいことを言っても関係ありません。「誰が言うのか」が大きなポイントなんです。

まずは「信頼残高」を高めておきましょう。いきなり上司にああしてほしい、こうしてほしいと言うのは、得策ではありません。なぜかと言うと、力がない人が言っても聞く耳を持ちにくいからです。じゃあ力を持ちましょうよっていう話なんですね。
まず、あなたの交渉力を高めることが必要になります。具体的に言いましょう、ドン! 周囲から必要とされる人材になることを考えるんです。いや、いきなりなれないですよ? ですから期限を決めてその行動を取る、ということです。難しいですよね。でもご安心ください。そんなに長い時間をかける必要はありません。1ヶ月から3ヶ月でいいでしょう。
こう思われるといいです。ドン! 上司や同僚から「こいつは頼れるやつだな」、もしくは「感じのいいやつだなぁ」。この2つの軸で、周囲から「こいついいな」と思われてほしいんですよ。
頼れるやつというのは、仕事で指示を受けたらプラスアルファのことをするんです。言われたことに対してそのまま答えるんじゃなくて、言われたことに対してさらにプラスアルファの仕事をするんですよね。3手先を読むんですよ。「資料を作ってね」と言われたら、「読みやすいようにこうしておきました」とか。
もしくは「このように会議で使えるようにまとめておきました」「ありがたい! 気が利くね」となりますよね。これが頼れるやつなんですよ。そして感じのいいやつというのは、いつも基本笑顔。はい、いつも基本笑顔。そしていつも感謝を示す。これを1ヶ月から3ヶ月やってください。もうそれだけで「この人はかけがえのない人」になるわけですよね。
冗談のような言い方で自分の希望を伝える
実はそういうことを、頭がいい人はやってるんですよ。その上で、3番目ドン! 冗談のように、タイミングを見て自分の希望を伝えるんです。やってはいけないことがコレです。「お願いがあるんですけど、聞いてもらっていいですか」と言って真面目に話をしちゃ駄目なんですよ。もっとカジュアルにやるんです。

交渉はいきなり正面から言わないんです。ドン! メンツを立てて冗談のように伝えていくのが、本当にコミュ力のある方がやる方法なんですね。「伊庭さ〜ん、めちゃくちゃ感謝してま〜す。ただ1つだけお願いがあるんです。ギリギリに言うのだけ、やめてもらえるとうれしいんです。いやいやいや、私が悪いんですよ。でも伊庭さんいつもギリギリですよね」、こんな感じです。
相手のメンツを立てるのが大事
いや、この間私はちょっと思ったことがあって。政治の話は一切しないですよ? ただ、トランプ大統領とゼレンスキー大統領の白熱、いや決裂した会談がありましたよね。私はちょっと思ったんですけれども、相手のメンツを立てるということはものすごく大事なんですよね。まぁあれについて特に私は何も言いませんけれども、ただもう少し冗談のように、カジュアルな伝え方はあったんじゃないかなと思います。
いやもちろんもっと深いことがあったんだと思いますが、深いことほど相手のメンツを立てるということが、実は賢い交渉なんですよ。ドン! メンツを立てることはめちゃくちゃ大事です。それはゴマをするんじゃないんですよ。それこそコミュニケーションの基本なんです。いくら言いたいことがあっても、相手のメンツを立てることは極めて重要です。
特に変な言い方になりますけども、日本はアジア圏ですよね。特に東アジアは、メンツを大事にするというカルチャーがあります。なんでかと言うと、儒教が前提にあるからなんですよ。目上の方にはメンツを立てることが、非常に重要になります。
「俺の酒が飲めないのかー!?」、はい、こんなことは絶対に今は許されませんが、こういったカルチャーがかつてあったのは事実ですよね。でも今も東アジアに出張に行くとわかりますよね。「私の酒が飲めないの?」というのはカルチャーとしてあるんですよね。別に飲む必要はないんですけども、そういったカルチャーがあるということです。逆に考えれば、メンツを立てればいいんです。
上司の上司に相談する
さあ、ここまでやってもうまくいかないことは当然あります。そんな簡単じゃありません。でもこれさえしておけば、交渉がうまくいかなかったとしても、必ず良い状態になります。
それでも駄目ならどうするべきか。具体的に解説いたします。
実際に私がやったことでもあることなのですが、私は別に賢いわけじゃないですよ。ただ周りの人の動きを見て、私もこれをやってうまくいったなぁと思うことをお話しします。
まずそれでも駄目なら、我慢はしない。我慢して勤めることほど、人生が無駄になることはありません。そして、我慢ほど悪いことはありません。ストレスが溜まっちゃって、夜寝られないんですよね。そして体調を崩すんですよね。損をすること、間違いないんですよ。
ですから我慢だけはしないでください。我慢なんて何1ついいことありません。じゃあどうすればいいか。ドン! ちゃんと然るべき行動を取ればいいんです。敵対する必要なんてまったくありません。上司の上司に相談すればいいんですよね。

だって上司の上司はもっとマクロな感覚で見ています。上司の上司は間違いなく、あなたに会社を辞められたら嫌なんですよね。かつ、上司の上司はあなたの上司に対してこう思っているかもしれません。「あぁ、彼/彼女は確かにマネジメントがまだ不十分だよね。なので部下であるあなたがこういうことを言い出してる」。だとすれば、上司の上司は何かしらの対策を打たないといけないんですよね。
組織は1〜2年で変わるもの
上司の上司は困った時の頼れる存在なんです。ぜひこれを使ってください。そしてそれでも駄目なら、上司の上司の上司に言ってもいいんですけど、もうきりがないですよね。時間は限られています。人生の時間もそんなに長くありません。キャリアなんていうのは、もう1年2年3年が重要なんですよね。
だとすれば、時期を決めることです。よし、この2年はこれでいこう。この1年はこれでいこう。その時にわかることがあります。組織がずっとそのままってことは、あんまりないんですよ。1〜2年経てば変わります。上司が変わることもあれば、自分のミッションが変わることもあります。
よく、子どもがいじめで「もう学校に行けない」と言って行かなくなることがありますが、これは本当にかわいそうだし、なんとかしてあげたいなと思いますよ。それで自ら命を絶ったりとか、私はもう本当にもう耐えられないです。
「クラスなんて変わるよ」「友だちなんて変わるよ」って言ってあげたいですよね。だって小学校からの友だちで今でも付き合いがある人、何人います? 私は2人です。中学からの付き合いがある人、何人います? 私は3人です。ほとんどの人は、もう付き合いすらありません。そんなことなんですよね。
そう考えた場合に、賢い人は時期を決めてそれまでに様子も見るし、それまでに動けることは動くんですよね。ドン! 賢い人はすぐに判断しない。準備をして、計画的に、冷静に、判断をする。その計画的というのは、やっぱりこの時期を決めながら自分がやるべきこと、静観すべきこと、最後には「こういう決断をする」ということを自分の中でやっておくということなんですよね。
コミュニケーションから逃げなければ、人間関係は必ずうまくいく
さぁ、今回の内容はいかがでしたでしょうか。誰もがしんどいことはあります。すぐに辞めたいこともありますよ。ムカつく人なんかいて当たり前です。もうしばいたろかー! って人もいますよね。でもそんなことをしたら社会から干されてしまいますよね。
そんなことをしてる場合じゃないんですが、でも自分が辞める必要なんかないんです。自分が損することだけはやめたいですよね。私はこういったシーンを何度も見てきました。このとおりにやったら、結果、嫌いな上司も苦手な先輩も、最終的にうまくいくことが、めちゃくちゃ多いんですよ。
ですから人間関係はほとんどの場合、確信していることがあります。コミュニケーションから逃げなければ、必ずうまくいく。そしてコミュニケーションから逃げたら、うまくいくものもうまくいかない。そして賢い人は、絶対にコミュニケーションを絶やさない、ということですね。さぁ、このお話が今後お役に立てればうれしいです。