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特別対談「伝える×伝える」『私たちは一流の過ごし方でどう変われるか?』 ~一流が伝えたいこと~(全4記事)

日本のトップ5%社員がサードプレイスにしている場所とは 左脳を休ませ・右脳を刺激しパフォーマンスを上げる

『世界の一流は「休日」に何をしているのか』著者で元マイクロソフト業務執行役員の越川慎司氏が登壇した本イベント。日本のビジネスパーソンと世界の一流の働き方や休み方の違いについて解説します。本記事では、パフォーマンスを上げる朝の習慣についてお伝えします。

疲れやすい「左脳」を休ませる

越川慎司氏:じゃあ、具体的にどう休めばいいのかをご説明していきます。ここから先は、みなさんの選択権です。つまり「これをやってください」とは言いません。みなさんに選んでほしいんです。

私が書いた本の通りに全員がやったら成果が出るということはないですよ。だってみなさんの状況を知らないですもん。個人最適してもらうのはみなさんなので、ここから先は、脳の休み方を中心にした休み方、中には休日じゃなくて平日にできるものもありますので、どれができるかという観点で聞いてもらえればと思います。

(前田)鎌利さんの本にもよく出てくるんですけど、ポイントは右脳と左脳の考え方ですね。鎌利さんの本では、左に画像があると、右の脳が検知しやすい。左の脳は右目を使って通るから、文字なんかは右に多いということですね。

ただ調べると、例えばみなさんが仕事をしている時の場合、左の脳を使う比率がだいたい7割から8割ぐらいなんですよ。左の脳が疲れやすいので、休日や朝、休憩時間に左の脳をちゃんと休ませるのがポイントです。

朝起きて5分間はスマホを触らない

もう1つ、右脳。感性、知性、クリエイティビティ。AIに勝つのは、ズバリ右だけで左は勝てません。AIは0から1を生み出せないんです。AIは仮説設定ができなくて、問いを立てることができないんですよ。だから、右の脳をしっかり休ませてクリエイティビティを発揮しないとAIに負けちゃうんですね。

ということを考えると左の脳を疲れさせない。そして、右の脳に刺激を与えたほうがいいということがなんとなく見えてきますよね。

まず1つ目、簡単なことです。デジタル・デトックス。世界の一流は寝室にスマホを持っていきません。寝室は眠る場所だから、寝室でネットで検索とかAmazonでショッピングとか、SNSをするとキリがなくなっちゃいますよね。

寝室にスマホを持っていかないのが難しいのであれば、簡単です。明日朝起きたらたった5分だけスマホを見ない実験(をする)。朝起きてすぐスマホを見るとコルチゾールという抗ストレスホルモンがうまく動作しないことがわかったので、5分間だけスマホを見ない勇気(をもつ)。

例えばトイレに行くとか白湯を飲むとか、ストレッチをするとなると5分ぐらいになりますよね。ポイントはデジタルに触れないことです。だから、なるべくテレビも見ないほうがいいです。

朝起きてから5分間はデジタルに触れない。特にスマホを触らないと自律神経が整いやすいので、1日でイライラする時間が減るということが、さまざまな実験でわかっているんです。

たった5分ですから、コスパが良いじゃないですか。これは休みじゃなくてもやっていただきたい、朝5分のデジタル・デトックスです。

3行だけノートを書く

ちなみに私は、ちょっと変わったことをやっています。スマホが気になってどうしても触ってしまうので、塗り絵をしています。

僕はうつ病をやっているので、もう二度と自律神経を乱したくないんですよ。副交感神経とかをしっかりコントロールしたいんです。なんと、『自律神経を整える大人の塗り絵』というわかりやすい塗り絵が売っているんですね。

この塗り絵を塗る時間は、もう決定的に右脳しか使っていません。左の脳を使わないし、イライラすることも減ります。目に楽しいものが入ってくるので、諸説ありますけども、精神疾患にもなりにくいと言われています。

どうですか。朝、たった5分、スマホに触らずに、ちょっと絵を描いてみる。それから、「ジャーナリング」って聞いたことありますか? ジャーナリングは多くのケースでは、どちらかというと日記を書くとかメモを書くことが多いと思うんですけど。

実際は、いわゆるストレス発散のほうのジャーナリングをおすすめしています。「3行排水」です。3行というのは朝起きたら、例えばスマホを触らない。塗り絵ができないんだったら頭の中にモヤモヤしていることを、ノートに書きまくってください。

例えば「上司、この野郎!」「あの野郎! どうなってんだ」「あれはなんなんだ」「あの人! 悔しい!」みたいなことを書きまくってください。それをメモに書いても、他の人に見られなきゃいいじゃないですか。

89パーセントの人が「イライラが減った」と回答

これをだいたい3行ぐらい書いてほしいのですが、仕事の時にちょっと気になって手が止まっちゃうことって、ありません? 

「昨日なんか嫌なことを言われたなぁ」「あれ、まだできていないな」「あれ、悔しいな」と思っちゃうと、仕事の集中が止まっちゃうんですよ。

だから、モヤモヤしたことは先に泥水を頭の中から出しちゃったほうがいいです。モヤモヤは頭の中でしか起きないもので、言語化できていないんですね。

だから悔しいとか悲しいとかうれしいみたいなことを書き出してください。他の人に見られないように、書き終わったら文字が見えないようにクシャクシャにして、ゴミ箱に時速160キロで捨ててください。もうね、ストレス発散効果がやばいですから。

こういったことを朝やっておくと1日に悩む時間が減るんです。7,000人に再現実験をしたところ、朝むしゃくしゃを先に出しておくと「イライラする時間が減った」という方が、なんと89パーセントもいるんです。

なので、土日にかかわらずモヤモヤを言語化して外に出しておく。後で鎌利さんに聞きたいと思うんですけど、もしかしたら書道なんかも、ちょっとジャーナリングとかアウトプットに近い(のかもしれない)。なんか書き出すとストレス発散するみたいな効果もあるんじゃないかなと思っていますので、アウトプットとしてのジャーナリングをぜひやってみてください。

デジタル・デトックスできる趣味を持つ

それから休日ですね。無趣味の方もいらっしゃると思いますし、僕も完全に無趣味でした。ただ、今はもう趣味の塊になっています。サウナにも行くしキャンプにも行くし、ツーリングにも行くし。来月からは、なんと日本1周します。もうそれぐらい多趣味で、仕事よりも遊びたいんですよ。

僕は運良くそういったことが見つかったんですけど、見つからなくても、例えばサウナとかジャーナリングとか、瞑想とか。スマホから離れる時間が休日に30分ぐらいあるとだいぶ違うと思いますよ。スマホから離れる勇気ですよ。30分触らなくても、そんなに大事故になることはありません。デジタルから離れる時間を作ることによって右脳が刺激されます。

右脳が刺激されると、実は左脳にも影響がある。そして左の脳の疲れが取れて、右の脳でクリエイティビティが発揮できる。AIに勝てる、時間の余裕ができるというそんなサイクルです。

あと、芸術に触れることもおすすめします。僕も月に1回は美術館に行くようになりました。実は右の脳を刺激するために、2024年4月から京都芸術大学の大学生になりました。

そんな中で、芸術に触れるということは正しいですし、書道に触れるとか、きれいなPowerPointの資料を見ることも、芸術の1つになってくるので。ぜひ休日の中で右脳を刺激する、芸術に触れるのを習慣としてやっていただきたいなと思います。

日本のトップ5パーセントは「昔ながらの喫茶店」をサードプレイスに

それからもう1つ。これは世界の一流も日本の一流もそうなんですけど、サードプレイスを持つという習慣があります。家庭でもない、職場でもない、もう1つの場所です。

やはり右の脳を刺激するためには、自分が所属している組織以外から刺激をもらうことが一番効果的だと世界の一流が言っていました。

例えば読書仲間とかランニング仲間、書道仲間。このプレ協だってまさにそうですよね。もう評価者でもない、利害関係がない、刺激し合う場としてのサードプレイス。

そういったものを持っている方はストレス発散効果も高いし、休日をしっかり休めているということなんです。ちなみに日本のトップ5パーセントが、どこをサードプレイスにしているかと調べておもしろかったのが、自宅の近くの喫茶店でした。

いわゆるチェーン店じゃなくて、マスターがいるような昔ながらの喫茶店。そこを自分の居場所として位置づけて、週末に30分だけ行って、例えば本を読むとか芸術に触れるとか、マスターと話をして誰かを紹介してもらう。こういうところをサードプレイスとしていたんです。

もちろん、育児とか介護をされている方はなかなか時間を見つけられないというのもあると思うんですけど、30分だけ自分の居場所を見つけるのをやっておくと、心の拠りどころになるんじゃないかなと思うんです。

休み方改革は「挑戦」ではなく「実験」

いかがでしょう。まずご紹介したのは、朝5分のデジタル・デトックス。大人の塗り絵。3行排水ジャーナリング。それからデジタル・デトックスとして、サウナ、キャンプ、ツーリング。休日に30分のデジタル・デトックス。そして休日に自分の居場所を見つけるサードプレイスを探すこと。

この5つのうち、どれかはみなさんできそうじゃないですか? 僕は、これをやって意外と良かったと思いました。「あ、これをやると良かったな」と自己効力感が上がってきたので、今でもやっています。ぜひみなさんも、どれか1つでもやってもらうといいかなと思います。

「いやぁ、うまくいかなかったらどうしよう」と思いがちですけど、休み方改革は挑戦ではなくて実験なんですよ。要は、休み方改革は成功か失敗かと考えちゃうと、失敗が怖いからみなさんやらないですね。

これは行動経済学で「損失回避バイアス」と言うんです。得することよりも損失を避けたいから新たなものに挑戦しない、となってしまうんですよ。大手企業にお勤めのみなさんはこの損失回避バイアス、失敗が怖いから挑戦しないみたいな硬直した組織を見たことはないですか。

みなさん自身に硬直してもらいたくないので、挑戦じゃなくて実験にしてください。実験というのは、失敗がないじゃないですか。例えば小学校の時のリトマス試験紙の実験は、赤になるか青になるか。「やった、赤になった! 成功だ!」なんて言っている人、誰もいないですよね。学びを得ることがゴールなんです。

時間と精神の余裕のある働き方をするために

例えばデジタル・デトックスして、良かったら続ければいいし「いや、越川さんの言っていたのなんて大したことなかったよ」となったらやめればいいんですよ。自分にフィットしたものを見つける。

大きな趣味なんてなくてもいいし、エベレストに登る必要もないですよ。5分間公園でぼーっとするだけで十分なんです。そんな行動実験を続けて、右脳を刺激して左脳を休ませる。そして刺激をもらう。そんな休み方改革を、ぜひみなさんにやっていただきたいなと思っています。

1日7分でできる休み方改革というものも含めて、先ほど鎌利さんに紹介していただきましたが、『世界の一流は「休日」に何をしているのか』という本、もしよろしければ手に取っていただければと思います。

ということで世界の一流はどうしているかを知るだけではなくて、みなさん自身が休み方改革をして、僕みたいに心を壊さずにしっかりと生き生きと生活をして、成果を残す。プレゼンで伝わるようになる。成果を出せば評価される。評価が上がれば時間的な余裕ができる。

そんな時間と精神の余裕のある働き方をしていただくために、ぜひ休み方改革という実験をやっていただきたいなと思っています。

ということで、時間どおりに終えるのが恒例になっておりますので、時間ピッタリで終わらせていただきたいと思います。聞いて終わりじゃなくて、どれか実験していただければと思います。ご清聴いただきありがとうございます。

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