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特別対談「伝える×伝える」『私たちは一流の過ごし方でどう変われるか?』 ~一流が伝えたいこと~(全4記事)

無駄な作業を11%削る、金曜午後3時の「振り返り」 世界の一流に学ぶ、残業沼から抜け出すヒント

『世界の一流は「休日」に何をしているのか』著者で元マイクロソフト業務執行役員の越川慎司氏が登壇した本イベント。日本のビジネスマンと世界の一流の働き方や休み方の違いについて解説します。本記事では、無駄な作業が11%減る習慣や効率を上げる働き方について語ります。

「どうやって休むか」ではなく「なぜ忙しいのか」を考える

越川慎司氏:世界の一流は「ワーク・ライフ・ハーモニー」を考えるんですね。バランスじゃなくて、両方上げていく。調和を取っていくためにはどうしたらいいかと考えるんです。

じゃあ、この調和を取るためにどうやって働く時間をうまくダイエットできるかと考えるのが世界の一流ですね。でもみなさんまだ忙しいままじゃないですか。彼らはどうやって休むかというハウじゃなくて、ホワイなんですよ。

ということで、なぜ忙しいのかという追究をするのが世界の一流。そして日本のトップ5パーセントの社員なんですよ。

みなさんはふだん、なんで忙しいんですか? 忙しいことにかまけず、忙しい理由を追究しないと、残業沼から抜け出せないんですよ。そこでみなさんにおすすめなのが時間のダイエットです。

例えば僕は53歳なんですけど、この歳にしてトライアスロンをやるんです。もうドMでしょ。トライアスロンをやる時に怪我をしないように体重を落とすんですけど、体重を落とす時に一番簡単なのは、体重計に乗ることなんですよ。体重計に毎日乗ると、ダイエットの成功確率は3倍になるんです。

もしみなさんが働く時間のダイエットをして、休みをもっと取りたいんだったら、体重計に乗ってください。

ということで、今ご支援している815社、17万3,000人。1週間に1回でいいから、時間の体重計に乗りませんか? というのを今実験しているんですよ。

金曜15時の「振り返り」で無駄な作業が11%削減 

ズバリ言います。土日の前の金曜日の午後3時にメールしない、資料を作らない、チャットをしない。ただ単にコーヒーやお茶を飲みながら、カレンダーや手帳を振り返るだけ。ToDoアプリはいらない。

振り返ると、よかれと思ってやっちまったことに後で気づくんですよ。815社の全企業に、世界一無駄な「メールを見ていますか」というメールがありました。日本で行われる会議の74パーセントが、会議のための会議のための会議で、内職率は41パーセントですよ。こういうことは、振り返るからわかるんですよ。

みなさんががんばって作ったPowerPointの資料も、それが成果につながったかをしっかりと振り返らないと、PowerPointで7色の派手なグラフを作ることで時間が奪われてしまいます。

なのでおすすめは、金曜日の午後3時に振り返る。これだけで無駄な作業が11パーセント減ります。振り返りの時間は金曜日がおすすめです。実際に17万3,000人に(時間の)体重計に乗ってもらったので、参考までに最新のデータをご覧いただきます。

なんと、全国の17万3,000人のビジネスパーソンは、1週間の働く時間のうち39パーセントが社内会議です。資料作成12パーセント。メール処理はビジネスチャットに移っているから8パーセントに減っています。

驚くべきことに工場での製造時間、そしてお客さまの対応時間はその他に入っちゃっているんですよ。この左側をなんとかしないと、こっちの時間を生み出せないですよね。なので、この3つの中でどれをダイエットしようかと考えることが重要なんですよ。

資料作成のゴールは何か?

今日は会議じゃなくて、プレゼン協会で資料作成とかに興味のある方がいらっしゃると。ちなみに今回の資料はほとんどCopilotというAIが作っています。その資料を作る中で、またヤブからスティックなクイズをやっていいですか?

さて、日本のトップ5パーセントは何のために資料作成をしているんでしょうか。ということをみなさんに当ててもらいます。今日参加されているみなさんにとって、資料作成は何のためにしているんですか。資料を作ることはゴールじゃなくて、手段ですよね。

何のために資料を作っているのか。間違っていてけっこうなので当てはまる数字をチャットに入力してください。みんな「3」「3」「3と1」。「全部」っていうズルイのもありますね。「1」、「2」、「1」、「2」、「3」、「全部」、「3と2」。バラバラなので整えましょう。じゃあ、答えにいきます。

成果を出し続ける人の特徴、資料作成の目的、いきますよ。答えは全部です。だから、まさかのクスモトさん大正解ですよ。すばらしい。

この意味、わかります? 仕事というのは例えば資料を作る時に、上司から「きれいな資料を作れ」と言われたらきれいな資料を作らなきゃいけないんです。「お客さまに共有するための資料を作れ」と言われたら、共有するための資料を作らなきゃいけないんですよ。

仕事は信頼ツムツムゲーム

みなさんみたいに意欲の高い方は、キャリアと仕事を分けないといけないんですよ。覚えておいてください。仕事は信頼ツムツムゲームです。これはトップ5パーセントの社員がみんな言うことです。

仕事の中で信頼を積み上げると裁量権が得られる。裁量権が得られると自由に資料が作れる。レビューもなくなる。時間を奪われないようにするためには中間レビューをいかに減らすかなので、信頼をもらっちゃったほうがいいです。

「よし、任せておく」というのが一番効率が高いんですよ。だから覚えておいてください。仕事は会社軸です。言われたとおりにやって、信頼を積み上げたほうがいいんです。

キャリアは自分軸です。長期的にどういうスキルを磨いていくかは会社が考えてくれないので、キャリアは自分軸。つまり会社軸で給料をもらっている時は、ちゃんと言われたとおりにやって信頼を高めておいたほうがいいんです。これは規定演技ですから。その後の自由演技の時はしっかりと自分が表現したいものを出す。

だって仕事は給料をもらいますからね。その中で自分の突出した、例えば伝達力とかプレゼン能力を高めていく。仕事は会社軸で、キャリアは自分軸であることを、何度も言いたいんです。こうしないとやっぱり休み方改革にもつながらないからですね。

じゃあ、実際にこの信頼を積み上げて、裁量権を得て休みにつなげていくにはどうするかということで図解を作ってみました。図解では、僕もPowerPointの責任者だったんですけど、実はサイクル型というのがあるんですね。こんな感じですね。

世界の一流がやっている、成果を出すサイクル

休みを取ると、充実してとか成果が出てというこの図解。どうですか。あれ? ちょっと間違えちゃったな。矢印が逆になっているな。ちょっと目がチカチカしますね。ある本を読むと、こういう図解はダメだと言われるんですよ。

たまたま最近手に取った本なんですが、こんな本(『プレゼン資料の図解化大全』)があるんですけど、この本の61ページに、「サイクル型は時計回りじゃないとダメだ」って書いてあるんですよ。

色はさっきみたいな5色じゃなくて3色のほうが目が疲れなくていいというんですよ。そしてなんとその本には、「資料は105文字がいい」という、越川とかわけのわかんない人のコメントも入っていたんですよ。

ということで、例えばこの本を信用して作るとこんな感じになるんですよね。休日が充実すると平日が冴えますよね。

ポイントは、肉体を休ませるんじゃなくて、脳と心を休ませることです。そうすると、月曜日が冴えている状態で、眠くなったりしないので、成果が出やすいです。

成果が出ると評価されて裁量権、自由と責任が得られますよね。そうすると時間に余裕が出ますよね。余裕が出ると休みを取りやすくなり、脳を休めやすくなる。というのが、みなさんに提唱したい世界の一流の休日の過ごし方です。

ズバリ、デジタル・トランスフォーメーションの次にあるのは、ホリデー・トランスフォーメーション。この図解の作り方をぜひ覚えておいてください。

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