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古川武士さん×なつみっくす対談/ほんとうにやりたい ことを言語化する方法(全4記事)

大企業への転職前に感じた、「なんか違うかも」の違和感の正体 「親が喜ぶ」「モテそう」ではない、自分の判断基準を持つカギ

『I型(内向型)さんのための100のスキル』の著者・鈴木奈津美(なつみっくす)氏が代表理事を務める一般社団法人母親アップデート主催のイベントに、『ディープドライバー ほんとうにやりたいことを言語化する方法』を出版した古川武士氏が登壇。松下幸之助の哲学「その人の天分を活かす」や、1日15分の自己投資が変える未来について語り合いました。

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憧れの大企業への転職前に感じた「なんか違うかも」の予感

古川武士氏(以下、古川):転職を考える場合でも、『ディープドライバー』は非常に重要です。私自身の例で言えば、小さな会社から大企業に転職した時、憧れの企業で、絶好のチャンスだと思いました。でも、その時に薄々「なんか違うかもしれない」と感じていた予感のほうが結果的には合っていました。

今であれば、自分のディープドライバーを基に判断できたと思います。例えば、「自分の裁量でコントロールする」「挑戦する」「自分のペースで突き抜ける」といったドライバーが自分にとって重要だとわかっていれば、大企業ではこれを活かしにくいと冷静に判断できたでしょう。

しかし、自分の理解がぼんやりしていると、「親が喜ぶから」「モテそうだから」といった外部の要素に引っ張られてしまい、総合判断ができなくなるんですよね。だからこそ、ディープドライバーの視点で、「自分がこの動詞を発揮できる仕事や環境なのか」を問いかけることが、選択を誤らないための大きな助けになると思います。

鈴木奈津美氏(以下、鈴木):なるほど、よくわかります。私も似たような経験があるので、そのお話にすごく共感します。生きがいや働きがいについて、「やりたいことをする」だけではなく、自分の心を高い状態に保つための源泉を動詞で知っておき、その確率を上げることが大切だというお話ですね?

古川:そうですね、まさにそうです。元気がない時にレッドブルを飲むと一気に活力が湧くじゃないですか。それと同じように、自分の中にもそういう源泉があるんですよね。

松下幸之助の哲学「その人の天分を活かす」

鈴木:おもしろいですね。この本は、投稿を拝見すると1年半ほどかけて作られたということで、25冊目の本ということですが、本当に渾身の1冊という感じがします。お読みになった方からも、「ワークが充実している」といった感想が寄せられています。この本を作る過程で、古川さんご自身が新たに得たものや気づきはありましたか?

古川:そうですね。結局、「好きなことは続く」という原則に立ち返りながら、それを探るために言語化を進めていきました。最終的にたどり着いたのが、松下幸之助さんの言葉なんです。「その人の天分を活かす」という考え方です。

天分というのは、その人の持ち味や特性のことを指します。たとえば、頭の良い人はその知恵を活かして貢献し、力のある人は物を運んだりといった具合に、それぞれが自分の強みを活かして生きることが社会のためになる、という考え方です。

優しさを持つ人はホスピタリティや思いやりを発揮し、学者は学問で、商売人は商売で。それぞれが自分らしく、自分の持ち味を活かすことで、世の中がより良くなるという松下幸之助さんの哲学に触れ、最終的に私自身も「これがやりたかったことなのではないか」と感じました。

一人ひとりが自分の持ち味を活かしながら、組織や社会の中で貢献し、結果的にチームや組織が良くなる。その関係性が「活かし活かされ合う」状態であれば、組織もうれしいし、個人もうれしい。これこそが、個性や多様性を活かすということなんだと思います。

この本を書きながら、最終的には「持ち味をどう活かすか」という探究をしていたのだと感じていますね。

鈴木:「持ち味を活かす」という考え方はとても興味深いです。先ほどご紹介いただいた松下幸之助さんの言葉のほかに、この本の最後のほうには「自分が見つかる名言集」というセクションがありますよね。ここには、三十個くらいの言葉が載っているんですか?

古川:はい、そうです。

鈴木:その中に、松下幸之助さんの言葉も含まれているんですね。この名言集も、読者にとってすごく参考になりそうだと思います。

気づきを深めるには、言葉として書き残すことが大切

鈴木:チャットにもコメントをいただいています。「事務職から営業職への転職を考えている」という方がいらっしゃるようで、古川さんの本に出会ったことで「内省が苦手だけど、人と話すと考えがクリアになる」と書いてくださっています。「文字化して明確にディープドライバーを残していきたい」というメッセージもいただいています。

古川:そうですね。ありがとうございます。内向型の方も外向型の方も、話しながら気づくことがあると思います。ただ、それをその場限りにせず、言葉として残しておくことで、より深い理解につながります。

鈴木:確かに、お話ししながら深めていく方は多いですよね。でも、それをディープドライバーマップのように記録として残しておくことで、後から立ち返ることができるわけですね。とてもおもしろいです。

ふだん、古川さんはこの本の中にあるワークを使って、参加者の方々と一緒に進めているという感じなんでしょうか?

古川:そうです。やはり、人が変わることを支援したいという思いでやっています。もともとは1対1のコーチングから始まったんですが、だんだんとグループや講座形式に広がり、現在では「習慣化の学校」というかたちで提供しています。

例えば、自分を整えたいという方には「整える習慣」のプログラム、人生を変えたいという方向性を見つけたい方には「人生を変える習慣」のプログラムがあります。また、習慣化を通じて人を支援したいという方には、さらに特化した内容を提供しています。

これらは目的別に分かれていますが、単に教えるというよりも、どっぷりと集中して取り組む場を提供するというかたちです。

1日15分の自己投資が変える未来

鈴木:あっという間に1時間が経過しました。本当に貴重なお話をたくさん伺うことができました。それでは最後に、古川さんからご参加いただいたみなさまへのメッセージをお願いできますでしょうか?

古川:ありがとうございます。今日はディープドライバーについて中心にお話しさせていただきましたが、「習慣を変えるには何から始めればいいのか」と悩まれる方も多いと思います。特に日常が忙しいと、どうしても大きな一歩を踏み出すのが難しいと感じることがありますよね。

私がおすすめしたいのは、1日15分だけでも自己投資の時間を取ることです。それが電車移動中であれ、寝る前の少しの時間であれ、15分というのは多くの方にとって確保できる範囲だと思います。

その15分を、自分の人生を見直す時間や何か新しいことを調べる時間として投資し続けると、1ヶ月後には必ず変化を実感できます。3ヶ月後にはさらに広がりが見えてきて、半年後にはマインドが変わり、1年後には大きな変化が訪れるでしょう。

このように、小さな自己投資を継続していくことで、マインドセットも、出会いも、偶然のチャンスも変わっていきます。例えば、この本を15分読むというのも1つの方法ですし、それ以外でも、ぜひ「15分だけ自己投資する」という意識を持って未来のために時間を使ってみてください。それがきっと大きな変化につながると思います。

鈴木:素晴らしいメッセージをありがとうございました。ご参加いただいたみなさんも、この時間が自己投資の1つだと思います。本日は本当にありがとうございました。引き続き、良い1日をお過ごしください。古川さん、ありがとうございました。

古川:どうもありがとうございました。

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