2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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西村信男氏(以下、西村):私はこのセッションの進行役を務めさせていただきます、シニアラボの西村と申します。よろしくお願いいたします。では、このセッションの流れですが、スライドの左側にあるスケジュールで進めさせていただきます。
そしてメインテーマは、先ほどもご紹介がありましたように「50代60代の自律的なライフキャリア開拓」。サブタイトルとしまして、「『あなただけの唯一無二』のライフキャリアを目指して!」ということで進めさせていただきます。
まず、シニアラボからモデレーターとして参加メンバーの3名の自己紹介を、この順番でさせていただきます。あらためまして、私は西村信男と申します。
現在66歳、もうすぐ67歳になりますが、サラリーマンとして65歳で定年退職後、1年半の再雇用を経ました。現在は、再々雇用と言えると思うのですが、週3日ほどパート勤務をしながら個人事業主としても活動を開始しております。では続きまして、岡本さん。簡単に自己紹介をお願いします。
岡本比呂志氏(以下、岡本):ありがとうございます。みなさん、こんにちは。岡本比呂志です。シニアラボで、2024年8月からラボリーダーをさせていただいています。よろしくお願いします。
私は現在63歳、もう定年が終わりまして、今は雇用延長3年目。あと2年でもう会社から放り出されてしまうという、社会人人生、会社員人生が終了します。
私は19歳の米国自律生活から異文化と対人交流に目覚めまして、メーカーの海外・国内法人営業を天職として37年やってきました。65歳の組織人卒業とともに、現在はフリーランスの研修講師の就活を始めております。
こんな時期が来るとは思わなかったんですが、それを許していただける社会と、現在の環境に感謝しております。よろしくお願いいたします。ありがとうございます。
西村:岡本さん、ありがとうございました。
西村:では、棚倉さんには自己紹介とともに、次のスライドで協会のシニアラボについて簡単に紹介をお願いしたいと思いますので、よろしくお願いします。
棚倉進氏(以下、棚倉):みなさん、こんにちは。棚倉進と申します。よろしくお願いします。簡単にプロフィールを紹介すると、私は60歳で早期退職をいたしました。今はご縁があって、自分の息子や娘と同世代の社員さんと働きながら、まさに変幻自在のプロティアン・キャリア実践中でございます。
私から、シニアラボの活動概要についてもご紹介をさせていただければと思います。このシニアラボは、50代、60代の方々が自律的なライフキャリアを築くためのサポートを行っている組織です。スライドにありますように、5つのチームに分けて活動を行っております。
まずは「個人向けチーム」なんですが、シニアのライフキャリアに関するセミナーを通じて、みなさんの新しい道を見つけるお手伝いをさせていただいています。それから2つ目の「生成AIチーム」は、最新のAIの技術を学びながら、日常生活やキャリアに活用すべく活動をしております。
それから3つ目の「コンテンツチーム」ですが、シニアに役立つ情報提供をしていこうということで、コンテンツ開発に注力をしております。4つ目の「相談・調査チーム」は、シニア社員に対する企業のキャリア開発施策の調査に基づいて、セカンドキャリアの相談を展開していこうということで活動を進めております。
最後に「プロティアン・ラヂオ」ですが、こちらはライフキャリアやワークキャリアの話題を日替わりラジオでお届けしております。
シニアラボの活動は、みなさんが自分らしく、そして唯一無二のライフキャリアを築くためのサポートを行うことを目的としておりますので、今日のセミナーを通じて私たちの活動にご興味を持っていただければ幸いです。よろしくお願いします!
西村:棚倉さん、ありがとうございました。
西村:それではみなさま、お待たせいたしました。このセッションのゲストであります、プロティアン株式会社代表取締役社長兼おじさん未来研究所理事長の金澤美冬さんに、自己紹介と現在の活動についてご紹介いただきたいと思います。それでは金澤さん、よろしくお願いいたします。
金澤美冬氏(以下、金澤):よろしくお願いいたします。ありがとうございます。初めまして、金澤美冬と申します。プロティアン株式会社代表、おじさん未来研究所の理事長、そしてプロティアン・キャリア協会のアンバサダーをしております。
現在、おじさんLCC・オジサネーゼLCC(を運営しています)。LCCは「ライフキャリアコミュニティ」の略なんですが、お互いに実例となって、定年前の準備や定年後のスタートの情報を交換して、切磋琢磨し合うようなコミュニティを運営しております。
では、どうしてそんな活動を私がしているかと言いますと、最初は2018年に20代、30代向けの転職エージェントとして独立をしたんですが、ぜんぜんうまくいかず。というのも、50代、60代から相談される機会がすごく多くて。ただ、求人が本当に少ないんですよね。
それで、「ご紹介できる求人がありません」とお伝えすると、みなさん「あぁ、僕の経験が大したことないからですね」って肩を落としていかれるのを見るのが、もう本当に嫌になってしまって。30年、40年働いてきて、経験が大したことないなんて絶対にないのになと思って。だったら今までの経験を活かして、定年後も活躍できるようなお手伝いがしたい。
それは転職という1つだけの選択肢じゃなくて、きっといろんな選択肢があるはずなんだけれども、なかなかロールモデルがないから、今の50代、60代が作って開拓していかなきゃいけないということで、おじさんLCCというコミュニティを始めました。なので、50代、60代が自律的にキャリアを切り開く応援がしたいと思って活動をしております。
金澤:ここまでが私の自己紹介で、おじさんLCCについての紹介もしたいと思います。現在(会員は)143名で、男女比は7対3です。年代はやっぱり50代、60代が多くて、働き方は会社員の方が大半です。
定年になって起業したり、個人事業主としてやっていたり、パート・アルバイトをしながら個人事業主としても活動しているハイブリッド型とか、いろんな働き方があります。
お住まいはけっこうバラバラです。というのも、おじさんLCCはもともとコロナ禍にオンラインコミュニティから始まっているので、関東以外にも関西や中部とか、最近だとアメリカやタイの海外の方も来てくださっています。
職種もさまざまですし、業種もさまざまな方に参加していただいております。オンラインで定例会を毎月1回やっていまして、行動報告と次の月の行動目標を発表しております。
やっぱりみなさんまじめなので、会社の目標だったら達成しようとすごくがんばるんですが、自分のこととなるとついつい後回しになってしまって、やらないということがあるんです。
みんなに言うことによって、「みんなに言っちゃったからがんばろう」とか、あるいは他の方の発表を聞いて「そんな活動があるんだ。だったら自分もちょっとやってみようかな」と、活動のきっかけになったりしています。
あとは部会や同好会があります。例えば部会(学びの場)だと、介護情報交換部会だったら信さん……おじさんLCCの中ではお互いにあだ名で呼び合っているんですが、今日のファシリテーターの西村さんにも介護情報交換部会のリーダーをやっていただいたり、プロティアン・キャリア協会の理事の原田(廣人)さんにも講師部会のリーダーをやっていただいてます。
あとは最近、転職部会がすごく盛り上がっていて、エンジニアの方が何人も転職に成功しています。同好会が本当に自然発生的にバカバカと発生していまして、オンラインだったら猫好き同好会、人狼部、読書同好会。あとはリアルの活動だと、芝刈り同好会、ゴルフ、お笑い、ボーリング、カラオケとか。
最近は麻雀同好会も立ち上がって、すごく盛り上がっていたりします。あとは、2023年に西日本会をやって、サントリーの屋上ビアホールでやったり、しまなみ海道サイクリングがあったりとか、そんな活動もしております。これがLCCの活動です。
金澤:おじさん未来研究所では何をしているかと言いますと、まずはセカンドキャリアブートアップという実践型のキャリア開拓講座。
3ヶ月間のものなんですが、やはり講座って「はい、じゃあ終わりました。みなさん行動してくださいね」って任せちゃうんですが、そうじゃなくて。この講座を受けている時から実践行動をしてもらう講座や、セカンドキャリア診断をホームページに貼っていたり、あとはおじさんに関するアンケート調査を行っています。
今日参加してくださっている方の中にも、協力してくださった方がいらっしゃると思うんですが、『バラいろダンディ』で取り上げていただきました。あとは月1回「未来サロン」を銀座で開催し、オンラインでもハイブリッドでやっています。「未来開拓インタビュー」ということで、YouTube配信なんかもしております。
とにかく、セカンドキャリアに有益な情報を提供できたらなという思いで活動しております。活動に関してはだいたい以上です。よろしくお願いします。
西村:金澤さん、ありがとうございました。私もおじさんLCCの活動をしておりまして、ちょっと触れていただきました。棚倉さんもそうですね。いろいろとビシバシ鍛えていただいております。
(一同笑)
西村:それでは、ここからメインのトークに入っていきたいと思います。まず、数多くのシニア年代と関わっている金澤さんから、50代、60代でライフキャリア開拓がうまくいく人とうまくいかない人についてお話いただいて、それをもとにトークを進めていきたいと思います。金澤さん、あらためましてよろしくお願いします。
金澤:はい。よろしくお願いいたします。
金澤:まず「ライフキャリアとは?」というところからなんですが、やっぱり仕事も大事だけど、それ以外のところ。例えば家族、趣味、勉強、学習とか、そういうものを全部ひっくるめた人生そのものと言えるのがライフキャリア、という前提から始めたいと思います。
これがうまく開拓できる人と、なかなか開拓がうまくいかない人がいるということで、今日はいくつかのポイントについて伝えたいと思います。
まず1つ目が「目標」ですね。目標を最初に決めたら変更しない人、もしくは軌道修正をしていく人、どっちがライフキャリア開拓がうまくいくか? というところです。
目標を決めたら変更しない人というのは、例えば「この資格を絶対に取るぞ。もう4回、5回、6回、7回とやっていて受からないけど、絶対に取るぞ!」「講師としてやっていきたいから、とにかく講師でがんばるんだ!」といって、なかなか活躍できないんだけれども、ずっとそれでやろうと思っている方。
軌道修正していく人というのは、「資格でこれを取ろうと思ったけど、2回、3回、4回やってみて違うな。ちょっと合っていないのかもしれない。じゃあ、違うことにチェンジしてみよう」と、修正していく人。
もしくは、「講師としてやろうと思ったんだけど、自分はなんだかちょっと違う気がする。1対1で話すほうが得意かもしれない」ということで、方向を転換をしていく人。(ライフキャリアを開拓できるのは)どっちでしょう? ということです。
たぶんプロティアン・キャリアについてご存じの方は、「軌道修正していく人かな?」って思っていらっしゃるかと思うんですが、本当にそのとおりです。今日は事例をお伝えしたいと思います。
金澤:コミュニティの中にみーやんという方がいらっしゃいます。沼津で中小企業支援コンサルをしている方で、株式会社リコーにずっと勤務されていて、技術職や営業も経験されています。
リコーだと9割以上が雇用延長する方ばかりだったんですが、みーやんの場合は雇用延長を選ばずに退職されて、今は中小企業支援の仕事を開拓してすごく大活躍されています。他にもバイオリンやトロンボーンの演奏ができるので、そっちでも活躍していたり、コワーキングスペースで居場所も確保していたりします。
この方が最初から大活躍ができていたのかというと、そうじゃなくて。最初は塾経営をしようと思っていたらしいんですよね。定年の武器でいろいろ準備していたんですが、奥さまから「いや、ちょっと待って。退職金をつぎ込まないで」と言われて、「あぁ、そうか」と。
家族の反対を押し切ってまでやるかというと、そうじゃないほうがいいなということで、だったら初期投資のかからないものがいいなと。じゃあ今までのエンジニアや営業の経験が活かせる仕事にしようと思って、今度は顧問に挑戦しようということになったんです。
ただ、民間の顧問マッチングサイトって、今は本当に50個、60個、100個近くあると思うんですが、そこに30個ぐらい登録したらしいんですよね。そしたら、やっぱり人脈だけを狙われるというか。例えば「この会社の人事を紹介してセッティングしてくれたら3万円あげるよ」みたいなことがけっこう多かったりして、なかなか難しいなと。
でも、逆に公的機関のやっているものだったら、最初から顧問とはいかないんだけれども、スポットから始めて信頼を得て、また次の話につながったりする。
だんだんとやっているうちに、中小企業支援コンサルとして活躍するようになったという流れだったんですよね。なので、やはり目標を軌道修正していく方は社会と自分の融和点を見つけられるなと思います。
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