2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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仕事・プライベートでも責任のある立場となり、若い頃のように失敗もできない40代。日々の中で、なんとなくモヤモヤした思いや不安、焦りを感じている人も多いのではないでしょうか。そこで今回は、『「40歳の壁」をスルッと越える人生戦略』著者で、『からまる毎日のほぐし方』を9月に上梓した尾石晴氏にインタビュー。本記事では、主体的に動ける人になる習慣術をお伝えします。
——自分の向き不向きを見極める方法として、40代、あるいは20代・30代の頃にやっておいたほうがいいことはありますか?
尾石晴氏(以下、尾石):私はずっと手帳やノートを書いているんですが、20代の頃から書いておけばよかったと思うんですよね。当時も書いてはいたけども、あんまり深堀りして書いてなかったので。今は、そういうモヤモヤしたことも全部ログに取って、掘り下げて書いています。
例えば、講師業が終わった後はすごく疲れると書いていたとします。書き出した時に、見直すと、しばらく誰ともしゃべりたくないとか、資料の準備のことを考えると前日から憂鬱だとか並んでいます(笑)。講師業をやる日には、1日の中で他の予定を入れたくないということも、ログを見れば事実として浮かび上がってきます。
なんでそうなるのかを自分に問うてみると、人前で話すのがあんまり好きじゃないとか、思いがけない質問があった時に、場面上、私が相手を説得してるような回答になるのが嫌だとか、私にしかわからないような、いろいろな理由がログから見えるんですよね。
そういったことを書いていくと、講師業は、自分のメンテナンスや準備に時間がかかって、他の仕事に影響が出るとわかりました。なので、お金はもらえるけど「私には向いてないんじゃないか」と気づけるんです。
私は、このモヤモヤをログに取るということ(「モヤログ」で商標取得)に、特に自分1人で仕事するようになってから、注力するようになりました。
でも、20代の頃からでも、仕事上で「あれ?」と思ったこととか、プライベートで「こういうことを言われてむっとした」とか、「こういうことを言われてうれしかったけど、なんでこんなにテンション上がっちゃったんだろう?」ということをログに書いたら、もっとちゃんと深掘りしておけばよかったなと思います。
——すごくおもしろいですね。日記みたいなイメージで、スケジュール帳とは別ですよね?
尾石:私は、日々のスケジュールは全部デジタルで管理しています。GoogleカレンダーとApple Watchを全部連動させて、アラームで通知が来るようにやってるんですよね。
書くことは、手帳というか大きいノートみたいなものに、基本的に毎朝書くという使い方しています。日付を書いて、自分の中で今引っかかってることや気になったことを書いて、自分会議を開いて「これはなんで?」と書いていくのを、毎日やっています。
そういう気づきのようなことは、毎日書けないと言われる方もいるんですが、書けないんじゃなくて、普段から書いてないから、書けないんだと思います。自分が日々起きてることを全部流してると書けない。人間だから何にも感じずに生きているわけないんですが、人は、日々忙しいとそういうことにすごく鈍感なるんですよね。
でも、日々のもやっとしたこととか、感情を揺さぶられたことって、絶対自分のアンテナに引っかかっているはずです。それを深掘りしていくと、自分の中に眠っている問題意識に気付けます。それをさらに毎回掘り下げているうちに、気づけばそれが自分のテーマになってることがあります。
これは私が言ってるだけではなく、早稲田大学名誉教授の細川(英雄)先生が、『自分の〈ことば〉をつくる あなたにしか語れないことを表現する技術』の中で詳しく書かれています。
人間は、考えると疲れる。疲れたくないから、全部流して生きていける。そうすると、何が自分の問題意識かわからない。やりたいことがわからない。何をしていいかわからない。言われたことはできるけど、言われてないことはできませんとなる。それってぜんぜん主体的に人生を生きていないと思うので、20代から、こうした掘り起こしの習慣をちゃんとやっておけばよかったと思います。
——書いたものを読み返すような振り返りはされるんですか?
尾石:いや、あんまり振り返りはしないですね。なんていうか、書いてるだけです。置いておくと発酵するんですよ(笑)。脳は手を動かしたことをけっこう覚えてますので、書いたら書きっぱなしでいいんです。そのまま溜めておくことで、だんだん自分がどういうことをよく書いてるかという傾向がわかるようになります。
例えば、私は、Voicyでけっこうジェンダーの問題に触れたりしてるんですけど。昔は、自分はジェンダーの問題とかに興味ないと思ってました。でも、書いているうちに、そういう問題をよく書いてるなと気づきました。
(子育てと仕事の両立という)働き方の問題で悩んでいたけど、当時は、男性管理職の中に女性1人でずっといたことも、自分の中ではすごく苦しかったんだなと気づきました。それは別に振り返って気づいたっていうよりも、「似たようなことばっかり書いてるな」と気づいたことから、自分の問題意識を認知するようになった感じです。
もちろん1年〜2年経って見てみたら、「あぁこういうこと書いてたな」と忘れていることもあるんですけど。結局、自分のアンテナに引っかかってることを書くと、自分の問題意識につながるようなことばかりが並ぶようになります。それが自分の興味関心であり、副業や自分の生き方につながったと思っています。
——自分が気になってることを無視しないのが大事なんだなと思いました。40代の壁との向き合い方についてお話しいただきましたが、この先50代~60代を迎えるに当たって、尾石さんがされていることはありますか。
尾石:私は今、大学院の博士課程に在籍していて、オンライン・コミュニティの研究をしています。私の世代は、50代~60代以降も、もっと長生きしますので、人と人のつながりをどう作るかはすごく大事だなと感じています。私は、今は40代なので、ネットを含めて、つながりがどうできていくのか、そのことを学問的にどう考えることができるのか、今のうちにいろいろとやりたいなと思っています。
いつかは、つながりを作ることに関わる仕事がしたいなと思っています。
——最後に、40代の読者に向けてお伝えしたいことがあればお願いします。
尾石:昔は、60歳で定年が来てから「これからどうしよう」って悩む人がすごく多かったと思います。今の時代って、65歳定年以上に、もっと長く働けというメッセージが出ています。そんな時代に、40代ぐらいでミッドライフクライシスが来るのは、すごいいいことだと思うんです。
体力も気力もある40代で「このままでいいのかな?」と、一度立ち止まって自分の人生を考えられる。このチャンスをどう活かすかは、自分で決められることですから。主体的に生きるために、ミッドライフクライシスをきっかけに使ったらいいんじゃないかなと思います。
——ミッドライフクライシスも悪いことばかりじゃなくて、立ち止まって考えてみるきっかけとして捉え直すということですね。尾石さん、ありがとうございました。
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