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2024年は、副業3.0時代?!自分らしい人生をつくる「副業、はじめの一歩」を考えよう【ゲスト:『まずは小さくはじめてみる』著者 大木浩士さん】~ベンチャー留学コラボイベント~ (全2記事)

壮大な夢を叶えた一歩は、ノートを1冊買いに行くこと 『まずは小さくはじめてみる』著者が語る、0→1にする考え方

これから副業を始める会社員の方々に向けて、“将来につながる副業の始め方”を考えるために開催された本イベント。『まずは小さくはじめてみる』著者で企画プロデューサーの大木浩士氏が登壇しました。本記事では、やりたいことを後回しにし続けてきたという大木氏の生き方を変えたきっかけについてお話ししました。

「やってみたいこと」を後回しにし続けてきた

島崎由真氏(以下、島崎):では、今日のメインゲストの大木さまにご講演をいただきますので、大木さん、よろしくお願いいたします。

大木浩士氏(以下、大木):ただいまご紹介いただきましたOOKIWORKSの大木浩士と申します。『まずは小さくはじめてみる 変わらない日常から抜け出す0⇒1実践ガイド』という本を出版し、いろんな方々からお声がけいただきました。今回はテーマが「副業3.0」ということで、非常に光栄に思っております。ありがとうございます。

自己紹介をさせていただきながら、小さくはじめてみることについて、いろいろお話ができればと思ってます。私は現在さいたま市に住んでいて、出身が栃木県です。長年広告会社の博報堂で仕事をしてきましたが、1年半前ぐらいに会社を辞め、現在は個人で仕事をしています。

人材育成や企画づくり。企業向けのアドバイザーをしたり、大学で教えたり、そんな働き方になりますね。会社で働きながら個人の活動をスタートしたのが2011年ですね。震災の年の6月に現地に行った時に、本当にショッキングでした。3ヶ月経ってるとはいえ、こういう光景が目の前に本当に広がっていて、自分の価値観が根底から揺るがされたような体験でした。

「今日と同じ日常がずっと続くのかなぁ」とぼんやり思っていたのですが、震災を経験し現地の光景を目の当たりにしたら、違うと。もしかすると今日と同じ明日は来ないかもしれないし、自分の命がどうなるのか本当にわからないと、強く思いました。

会社員としての仕事しかしてこなかったのですが、やってみたいことやチャレンジしてみたいことは、実は自分の中にたくさんあったんですよね。ずっと後回しにし続けてきたんですけど、今やんなきゃいけないことを今やろうと、十数年前に私はこのぬいぐるみの前で誓ったんですね。

そんなところから、会社の仕事をしながら、しばらくは個人の活動、二足のわらじをやってきたのですが、どんなことをやってきたのかいくつか事例を出したいと思います。

被災地の支援をしながら、新しい「場づくり」を始める

大木:岩手県陸前高田の被災地でいろんな方々と出会い、地域が本当にズタズタになってしまったんですけど、「コミュニティを再生したい」とか「新しい動きを起こしていきたい」と話される方と出会い、その手伝いがしたいと思いました。

当時の私は会社の仕事しかしてこなかったので、場づくりをしたことがないし、ファシリテーションや研修も本当にわからなかったんです。でも知り合いのNPOの方と連携をしながら、東京にいる社会起業家さん、もしくは東京にいるNPOの代表の方とつながりながら、陸前高田に次々と人を送り込んでいきました。

わからないながらも、一緒に作戦会議をしたり、新しい動きのきっかけづくりを、2011年の秋ぐらいから始めましたね。「企業の方と接点をつくりたい」と言われ、知り合いの企業の方々にも声をかけ、試行錯誤しながら被災地のツアーに取り組んだこともありましたね。

被災地の支援をしながら、地方の人たちと東京の人たちが出会い、話し合いや作戦会議をすることで、どうもおもしろい動きが生まれそうだと。しかも、地方の人たちが都市の課題の解決者になるかもしれないし、都市の人たちが地方の課題解決者になるかもしれないと気づきました。

2011年の冬ぐらいに「里都(さと)プロジェクト」という団体を立ち上げました。いろんな地域コミュニティに足を運び、リーダーの方と知り合いになり、東京でセミナーを開催したりツアーに出掛けたりしながら、月に1回ぐらいの頻度で場づくりを行っていました。

私はふるさとが栃木県なんですが、都市と地域の人をつなぐ活動を行っておりますと、栃木県の方ともいろいろ知り合いが生まれました。そして自分にも「できることがないか」みたいな感じで、2013年ぐらいから栃木県がらみの取り組みも始めました。

当時私は東京に住んでいたんですが、東京には(栃木県の)出身者がたくさんいるわけです。でも出身者が集まる場がないし、地元の方と出会う機会も、当時はまったくなかったんですね。そこで出身者が集まる場をつくりたいという声がありまして、地元の中でもおもしろい人たちがいっぱいるようなつながりができればと。

「企画書なんて書いたことない」という人たち

大木:被災地の経験や「里都プロジェクト」という取り組みの経験を活かして、セミナーやイベント、ツアー、飲み会とか、栃木県の動きをいろいろ起こしていきました。栃木県出身のガッツ石松さんの家にも行ったこともあります。次々とアイデアを考えて仲間と形にするみたいな時期もありました。

こんなことをやってると、「グリーンツーリズムのアドバイザーをやってくれ」とか「移住の促進のアドバイザーやってくれ」とか、「とちぎ未来大使になってくれ」とか。いろんな方からいろんなお役目をいただき、その役割を担っていく動きをしていた時期もありました。

私は都市と地方の人をつなぐ取り組みを形にしていったわけですが、一方で人が形にしてみたいことをサポートしたり伴走するお手伝いも行っています。「企画書講座」も2011年の冬ぐらいから始めた個人の取り組みです。たくさんの方々とお会いし、たくさんのやりたいこと、アイデアをうかがいました。

「そんなすてきなことを思われてるなら、ぜひ形にすればいいじゃないですか」ってお話をすると、当時はほとんどの方が「いやぁ、できないんです」って、おっしゃっていました。新しい動きをつくりたいのにできないと。

「形にするには、考えていることをまとめて、ペライチでよいので企画書を作ってみたらいいんですよ」といろんな方にアドバイスをしたのですが、主婦の方や地域の方や学生さんは「企画書なんて書いたことない」とおっしゃる。

私は仕事柄、企画書をたくさん書いてきました。一方で企画書を書いたことがない方が大勢いる。そしてそれが原因でアイデアが形にならない。それなら企画書講座をやってみようかと思って始めたわけですね。

これまで私は研修講師をやったことがありませんでした。大変不安だったんですが、やりたいことは全部やろうってぬいぐるみの前で決めたので、わからないながらも始めて、いろんなところで講座もやっています。

コツさえわかれば、誰でも「やりたいこと」を形にできる

大木:あと、栃木県庁と組んで「マイプロジェクト」をテーマにイベントを開催したり、東京の自治体さんと組んで「小さな自分の仕事を作ろう」と講座を行ってみたりしています。

国の機関である中小企業基盤整備機構と組んだこともありました。テーマは「『何かをはじめてみたい』という方の背中を押すトークイベント」です。さまざまな分野で活躍されている方をゲストでお招きをして2017年~2020年ごろまで、私が進行役を担いながら開催していました。

これは博報堂時代の仕事ですが、中高生たちの発想力や対話力、プレゼン力を養うための講座も開催していました。開催階数は800回ぐらいで、経済産業省から日本一の賞をいただいたこともありました。

会社の仕事とは別に200ぐらい、本当にさまざまな取り組みを十数年かけてやってきました。それらは会社を辞めて独立をした今の仕事にもつながっている感じです。こんな個人の活動を通してわかったことがいくつかあります。やりたいことはみんな違うんだなぁって思いました。才能も感性も違うし、みんないろんなやりたいことを持っている。

かつ、コツさえわかれば、高校生だろうが主婦だろうが、みんな形にできるってこともわかりました。そして一方で、震災を経験し、時間は限られてるなぁと。私は今50代半ばですけど、やっぱり残された時間をすごく意識しています。

私も、やりたいことがあっても、「お金がない」「時間がない」と、ずーっと先延ばしにしてきました。でもそれはやめようって、2011年に陸前高田のぬいぐるみの前で決意したんです。ずっと先延ばしにしてきたのですが、でも、やろうって決めて小さく動き出せば、何かが始まったり動いたりする。

何かを始めるなら、自分の意思決定が大事です。何か行動のきっかけを作るなら、今という瞬間がすごく大事。未来とか過去は動かせないけど、今この瞬間だったらいろんなことを動かせるので。今というこの瞬間に、小さくていいから動くことが大切だと思い『まずは小さくはじめてみる』という本を出しました。

最初の一歩は、小さければ小さいほど良い

大木:ここからは、本に書いたことを少し抜粋してお伝えできればと思います。まず0を1にすることが、本当に重要だと思ってます。壮大な夢とか解決したい大事な課題があっても、結局は0を1にするアクションがすごく重要だと、あらためて強く感じます。

自分の中に経験がなかったり、仲間がいなくても、やりたいことを小さく形にすると、小さいながらも自分の中に経験が増えるし、関心者が生まれたりする。自分の中に増えた経験とか、自分に関心を持ってくれる方と接点を持ちながら、またやりたいことを形にし経験や仲間を増やす。こういうサイクルを、私は個人の活動を通してずっと作ってきたと思っています。

やりたいことを小さく形にして、仲間や経験を増やし、またやりたいことを形にすることで、大きな動きや成果を生み出してきたなと思います。0を1にする時の、1のつくり方にもコツがあると思っています。本当に「できて当たり前な1づくり」が、私が意識してることです。

本を出版してから「最初の一歩を考える勉強会」を時々開催しています。そこで感じることは、多くの方が大きな一歩を考えてしまいがちだということです。

やりたいことに向けてどうしても発想が大きくなってしまう。または大きな一歩しか思いつかないという状況になりがちなのです。大切なのは、小さな一歩です。本当に「こんなことならできて当たり前」という超簡単な一歩。最初の一歩は、小さければ小さいほど良いと考えています。

栃木県のコミュニティづくりの取り組みも、最初は「4人で飲み会」からスタートしました。その後人数が増えて、「何か大きいことをやりたいよね」ということでイベントになったみたいな流れがありました。

「本を書く」という壮大な夢も小さなことから始めました。具体的には1冊のノートを買いにいくことからスタートしました。そして本に書きたいことをこのノートに書き出してみる。これまで本を3冊出版していますが、いつもこのくらい簡単なことから始めるようにしています。

大きな課題にたじろいで身動きが取れなくなってしまう時は

大木:最初の一歩を考える時に、大きな課題を小さく分解するってことも大切です。大きな課題や壮大な夢って、それが目の前にあるとたじろいで身動きが取れなくなってしまう。私も震災という大きな課題に直面し、自分にできることがまったく思い浮かびませんでした。

しかし陸前高田という地域でコミュニティづくりのお仕事をされていた福田さんという方に出会い、(福田さんは)「外から来た人たちと刺激し合いながら考える場をつくりたいんだよなぁ」っておっしゃったんですね。

震災という大きな課題の解決の力になりたいけど何も思いつかない。そんな時に、目の前に福田さんがいらっしゃった。その時、「この人の力にだったら、なれるかもしれない」と思って、陸前高田の取り組みが始まったんです。大きな課題であっても小さな課題に分解すればできることがある。そう気づくきっかけになった出来事です。

今の自分にピントをあわせるということも、大切な考え方です。何かやりたいことがあっても、お金がない、時間がないとつい考えてしまう。しかし、お金や時間がなくてもできることは、実はたくさんある。そこにピントを合わせながら自分の活動を探していくことも大切だなと、よく考えます。

栃木県の出身者のコミュニティづくりも、「地元の栃木県と関わりながら何かやりたい」とふと思ったのですが、当時住んでいるところは東京でした。

自分は栃木県には住んでいないが、東京に住んでる(栃木県の)出身者だからこそできることがある。そう考えて「東京で出身者を集めてコミュニティをつくってみよう」という発想になったわけです。振り返ると、出身者である自分だからできたこと、できることだったなぁと思います。

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