2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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ソニックガーデンの代表・倉貫義人氏と仲山考材の仲山進也氏が、毎月さまざまなゲストを迎えて「雑な相談」をするポッドキャスト『ザッソウラジオ』。今回は株式会社クラシコムの代表取締役・青木耕平氏がゲスト出演。周囲の人から緊張されがちだったという青木氏が、40歳から「笑顔の練習」を始めて気づいたことを明かします。
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倉貫義人氏(以下、倉貫):子どもじゃないけど、社員でも若い人とかには、「やはり厳しく言わなきゃいけない時はあるな」みたいな葛藤はあるんですよね。「今どきは説教するのも嫌だしな」というのもあるけど、言うべきことは言わなきゃなという時に、今の話を聞いて「言ってもいいかな」っていう気持ちにちょっとなって。でも、言うほうがつらいのかなっていうのはあるけど。
青木耕平氏(以下、青木):そうですね。結局、どんなにうまいことを言っても、受け手の状況次第ではぜんぜん響かない時は響かないし(笑)。
倉貫:そう、わかる(笑)。
青木:わりと雑に言っても、タイミングが合うとすぽっと受け入れられちゃうことってあるよね。
倉貫:うんうん、あるある。
青木:だから、その時の自分には(父の言葉が)けっこうハマって。そこからは、「自分がどう感じるか」とか「思っているか」はいったん脇に置いて、社会的な要請と言うほど大げさじゃないけど、周囲の人が僕に期待する役割をまっとうしようかなと思い始めたというか。
それまでは全部拒否していて、学校もちゃんと進学もしないし、ちゃんと働かないし、どうなっていくかも見えてない。「とりあえずこれをやってみれば?」と言われても、「やだ」みたいな感じの雰囲気を出していたから。
その時に始めたことは、「とりあえず仕事をちゃんとしてみようかな」とか、本当に当たり前の大したことじゃないんだよ。多少元気がない時でも、「周囲の人のために、ちょっと元気に振る舞ってみよう」ぐらいの心がけからでしたけどね。
倉貫:それはまさしく最初に話していた「どう見られているか」みたいな話で、自分の視点だけだとそうはならないですよね。
青木:そうですね。
倉貫:「お父さんから見て」というのがあったり、ジェンダーはともかく「社会人として」「男性として」みたいに、客観的な視点があるから振る舞えるところはあるよなって感じはあるし。それでやっていると、ちゃんとできるようになってくることもあるんですよね。
青木:そうですね。
青木:ちょっと話がぐるっと戻っちゃうけど、倉貫さんに「周りから見たら、そんなに元気がなかったようには見えなかったっすよ」と言ってもらったけど、その頃からの習い性として、「元気か・元気じゃないか」をあんまり人に表現しない癖は25年ぐらいやり続けているから、良くも悪くも鍛え上がっちゃっているんだよね(笑)。
倉貫:(笑)。
仲山進也氏(以下、仲山):なるほど。不機嫌は撒き散らさないと。
青木:場所を選んでいるとか、そういう時はあんまり表に出ないようにしているとかさ。そんなにうまくコントロールできているかというと、そうでもないんだと思うんだけど。
仲山:青木さんがどう見られているかで言うと、青木さんがカンファレンスに登壇した時、話を聞いている人たちのリアクションや受け取り方を見ていると、やはり「思考の深さモンスター」みたいな感じじゃないですか(笑)?
青木:モンスター。そうなんですかね?
仲山:誰も考えたことのないレベルまで考えていて、めっちゃキレキレな話をするファンタジスタみたいな。
倉貫:(笑)。
青木:(笑)。めっちゃカッコいいな。
倉貫:パネルディスカッションとかを見ていても、青木さんの前であんまり浅いことを言えない空気感はちょっとあるっていうか(笑)。
仲山:うん、めっちゃある(笑)。
青木:それ、やな奴じゃない(笑)?
仲山:いや。解像度が違いすぎて、浅い話をしたら恥ずかしくなる。
青木:28歳まで子ども部屋おじさんだったんだけど、ちょっとそことの距離が……。前半は「子ども部屋おじさんでお父さんに怒られて、大人になろうとした人の話」が10分くらい続いていてさ、その後「思考のファンタジスタ」って、僕のことを知らないで初めて聴いた人は「こいつ何なんだ?」ってなっちゃう。
倉貫:(笑)。
青木:でも、ありがたい感想ですけどね。思考が深いからかどうかはわからないけど、僕が適切に振る舞えていないから、周りの人が僕に対してリラックスしてくれないっていうのは若い頃からあるんですよね。それはすごく気にしている。
「どうやったらリラックスしてもらえるんだろう?」というのは課題感としてあって。普通に妹の友だちがみんな「お兄ちゃんって、私のこと嫌いだよね」って言ってくるとかね。
倉貫・仲山:(笑)。
青木:今じゃなくて若い頃ですよ。「ぜんぜん。なんならちょっと好きだったんだけどな」みたいな。
倉貫・仲山:(笑)。
青木:そういうのはあって。だから、そこはすごくずっと課題で。
青木:40歳ぐらいの時になって、1個の問題点として「表情だな。どうやったら人は笑えるのか」って思うようになって、一時期は笑顔の練習を相当しました。顔の筋肉のメカニズムを知らずに笑っているつもりになると、口だけ笑っちゃうんだよね。
倉貫:まず、そのエピソードが思考が深すぎるよ(笑)。
青木:(笑)。
仲山:筋肉のメカニズムを考えながら笑うの。
倉貫:「めちゃくちゃ頭から入るんだ」って。
青木:口だけ笑って目が死んでる、みたいな作り笑顔ってあるじゃないですか。笑い慣れてない人が意識して笑顔を作ろうと思うと、ああなっちゃうんだよね。僕が行き着いた結論としては、こめかみで笑うんだと。
倉貫:えー? 難しい。
青木:笑顔は口角じゃなくて、こめかみで笑う意識がすごく重要なんだっていうことに(気づいて)、数ヶ月、笑顔千本ノックをしました。
仲山:(笑)。
倉貫:こめかみを動かせるの?
青木:不惑に達した大人がね。
仲山:なるほど。なんとなくわかる気もします。
倉貫:でもそれ、ちょっと僕もやりたい。やらなきゃなっていう気がしてきたな。
青木:倉貫さん、やったら世界が変わりますよ。
倉貫:マジで? ちょっとやろう。
仲山:(笑)。
仲山:それで変わりました?
青木:あのね、本当に変わったの。自分比では、周りの人がちょっと安心してくれるようになったというか。
倉貫:へえ。
青木:たぶん、僕のことをすごいと思ってみんなが安心感を持てないんじゃなくて、不機嫌そうに見えたりとか、発言が深いかどうかは別としてちょっと突飛というか、飛び地みたいなことを急に言い始めたりするところがあるじゃん。だから、それでみんなが予測可能性が低いから緊張しちゃうみたいな。
倉貫:ギョッとしちゃうと。
仲山:思ってないところから急に飛んでくるから。
青木:そうそう。別にひどいことを言うところじゃないんだけど、みんなが「そんなことは当たり前だ」と思っていたことを急に疑い始めたり。そういうことを言っちゃうから、それでみんながちょっと緊張しちゃうみたいな。
だから、ニコニコしているだけで攻撃的に見られないでしょ? こっちはもともとそういう意図はないんだから、ただ無邪気に言っていただけなんだけど、やはり真顔でそういうことを言うやつって俺も怖いもんね(笑)。
倉貫:確かに。
青木:でも、ニコニコしてたら平気じゃない(笑)。
倉貫:そうですね。平気。
青木:あと、僕は人見知りなところもあるから、それこそカンファレンスみたいなところでちょっと会ったぐらいの人が向こうから歩いてきて、ごあいさつして、「ちょっとしゃべらなきゃいけないな」ってなると、何を言ったらいいかわからない。
そんなに親しいわけでもないけど、別にぜんぜん嫌いでもないし、なんならもうちょっと仲良くなりたいぐらいなんだけど、どうしていいかわからないから目を逸らしちゃったり。そういう大人気ないことってしちゃうじゃん。
倉貫:めっちゃわかる(笑)。
仲山:しちゃいますね(笑)。
青木:なんなら本当は仲良くなりたいぐらいなんだよね。なんだけど、どうしていいかわからないから、結果ちょっと道をそらしちゃったりしちゃう時に、僕が「これはすごいな」と思ったのは、笑顔であいさつするだけでけっこうなんとかなる。
仲山:(笑)。
青木:最高にニコニコして、「あ、どうもご無沙汰してます」って言ったら、他力本願だけど相手がなんとかしてくれる(笑)。
倉貫:マジか。俺、もうすぐ50歳(2022年当時)だけどやろうかな(笑)。
青木:これね、すごいですよ。相手が緊張しちゃうと何も助けてくれないじゃん。
倉貫:ほんとそうですね。
青木:だけど、こっちが子犬みたいな笑顔だとしたら、向こうもそんなに緊張しないから助けてくれるっていうかさ。こっちがまごまごしていようが、気の利いた話題を振れなくても、こっちが笑顔で「いやぁ」「ねえ」とか言っているだけで、「そういえば」「こうなんですか?」って聞いてくれたりして、なんとかなる。
倉貫:未開の地に行って原住民と会った時に、まず最初は笑顔で武器を下げるみたいな。
青木:そうそう。
倉貫:不機嫌な状態って「武器を持っている状態」だから、それは向こうも武器を持つよね。
青木:外国の人、特に欧米系の人ってさ、みんなじゃないんだけど僕の少ない経験の中で言うと、日本のホテルのエレベーターとかでご一緒すると、目が合ったら軽くニコっとしてくれたりする人がけっこう多いんですよ。あれ、いいなと思っているんですが、なんでなのかな? と思っていたんです。
本当かどうかわからないけど、知っている人が言うには「彼らにとっての笑顔というのは、『攻撃する意思、敵意はないですよ』ということを明確にしないと、なかなかうまく動いていかない社会の中でやっているから。単にいい人とかフランクというよりも、1つの自己防衛の手段というか、社会生活をやるためのテクニックだ」と。
倉貫:生きるすべなんですよね。
青木:生きるすべなんだという話をしてくれた人がいて、「『笑顔』というスキルを持ってないのはちょっとヤバいな」と思ったのが、1個のきっかけなのよ。
仲山:なるほど(笑)。めちゃくちゃ論理的に「笑顔」に行き着いたわけですね。
倉貫:めちゃくちゃ論理的だし、「結局、深い話をしているぞ」みたいな(笑)。
青木:(笑)。
仲山:でも、笑顔が得意な人からすると、「この人たちは何を話しているんだ?」という話ですよね(笑)。
青木:そうそう。
倉貫:得意で当たり前にできている人からすると、「なんでこの人たちは笑顔の練習をしているんだ?」って。
仲山:当たり前にできているから。
青木:さっき仲山さんが「苦手だったから」って言ってましたが、笑顔1つでこんなに語れる50歳っていないと思うよ。
仲山:そうですね。「笑顔が自然にできるには、こめかみから笑うのが大事だ」っていう意味がわからないと思う。
青木:そんなの、「どんだけ笑顔が苦手だったのよ」という話じゃない(笑)。
倉貫:やべぇ……わかる〜。ちょっとこめかみで練習してみよう(笑)。
仲山:(笑)。
青木:(笑)。自分の顔を見ないで笑うとぜんぜん笑えてないのよ。自分が思っている5倍ぐらい笑顔をしている気で、やっと伝わるぐらいの笑顔なの。
倉貫:それは、Zoomになってちょっと意識できるようになるのかもしれないですね。
青木:そうね。確かに。
倉貫:自分の顔、見ないですよね。そうだ、だいたいこれで30分経つって。あっという間。
青木:これ、大丈夫?
仲山:(笑)。
倉貫:子ども部屋おじさんから、笑顔の練習の話で第1回(笑)。いやぁ、いい感じですね。じゃあ、第1回はこれぐらいにして、続きは第2回でよろしくお願いします。
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