2024.12.24
ビジネスが急速に変化する現代は「OODAサイクル」と親和性が高い 流通卸売業界を取り巻く5つの課題と打開策
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就業支援施設「OSAKAしごとフィールド」が主催したイベントに、日替わり店長の喫茶バー「週間マガリ」を運営する小西亮氏が登壇。就活で150社落ちた経験をもとに、自分にフィットする働き方を見つけ出した小西氏のこれまでのキャリアを振り返ります。本記事では、あえて居心地の悪い店を目指した理由を明かしました。
岡田花枝氏(以下、岡田):居場所作りというイメージで言うと、「固定のメンバーの方で和気あいあい」みたいなニュアンスを感じる方もたくさんおられるんかなと思います。
小西さんが作られた「週間マガリ」は、固定のメンバーの方もおられるはおられるんだけれども、店長さんによってお客さんの感じも変わったりするんですよね。
小西亮氏(以下、小西):そう。もちろん、うちの常連やうちの店のファン……と言ったら言い方があれですけど、うちの店自体に興味があって来てくれる人もいれば、日替わり店長さんのお知り合いとかも来るわけじゃないですか。
想像されるコミュニティスペースやシェアスペースって、わりとどこも内輪ノリというか、逆にその一体感や内輪ノリが良かったりするじゃないですか。
岡田:そうですね。確かに、それを目的として作られてる人が比較的多いイメージはありますね。
小西:これは皮肉でもないんですけど、結局そういう人たちって人付き合いも良くてうまいこと立ち回れる、いわゆるリア充的な人が当時は多かったんです。
10年間やって思うのが、そういうところ(リア充が集まるコミュニティ)って死ぬほどできたんですよね。もちろん続いてるとこもあるんですけど、どこもあんまり長続きしなくて。
小西:それに対してうちの店は「常にワンチャン」じゃないですけど、毎日毎日毛色が変わったり、固定の人が店長やっているというよりかは、今まで3,000人が(日替わり店長を)やってくれているので流動性がすごくて。
もちろん常連やコミュニティを求めてくる人もいるんですけど、あえて居心地を悪くするというか。
毎日店長が変わるってことは、すごくハマる日もあればハマらない日もあるわけじゃないですか。あんまり人を定着させないというのもモットーにしていて、この10年続いてるってことは、それが案外良かったのかもしれないですね。
岡田:そうなんですね。人を定着させない店にしたいっていうのは、小西さん自身が作りたい店というか、自分の居心地を考えた時にそういうお店のほうが気持ちがいいお店やったっていうことですか?
小西:そうですね。さっきも「最適化」と言ったんですが、(日替わり店長という業態が)自分に向いてるっていうのもあるんです。これも後付けでもあるんですけど、うちの店のスローガンが「ヘンな出会いがきっとある。」なんです。
僕が就活ミスった理由もそうなんですけど、意識高い就活コミュニティみたいなんは、言ったら居心地の良いぬるま湯なわけですよ。それはそれでいいんですが、そこからは何も生まれないということも身にしみて。
小西:うちの店はいろんなジャンルの企画があるんですけど、例えば今は怪談バーっていうのをやっていて。怪談って、世の中ですごくブームらしいんですよね。怪談業界があるらしくて。
岡田:業界まであるんや。
小西:そうなんすよ。僕みたいなカタギは、そんな怪談業界とかまったく知らないわけですよ。(階段バーの)主催は怪談に詳しい人がやってるので、そこに怪談業界の人たちが来るわけです。なんですが、一般の人も来るわけじゃないですか。
ほんで「怪談の界隈みたいなんあるんや。すげえ」みたいな、そういうショールームみたいな店にしたくて。うちみたいなスペースの弱点が、同好の志ばっかり集めてしまって慣れ合いみたいになることがめっちゃ多いんですよね。
もちろん怪談好きの人は来てくれていいけど、うちの店の場合はむしろ外部の人たちがメイン。「ヘンな出会いがきっとある。」と言ってるんですけど、「こういう世界があるんや」というのを知ってもらうことを毎日やってる店なんですね。ある意味、頭を打つ場というか。
「自分が属してるコミュニティ以外にこういう世界があるんや」というのを知ることによって、もしかしたら次の第一歩があるんじゃないかなと。それを提供できればなと思ってます。今、全部考えましたけど。
岡田:嘘やん。ちょっと作り話(笑)!?
小西:嘘です。意識高すぎるかもしれないですけど、そういうのは1つあるかもしれないですね。
岡田:ものすごくきれいなまとめ方で、「小西さんの経験が全部活かされたお店なんですね」って言おうとしたのに。ちょっとやめてくださいよ、オチなくなったじゃないですか。
小西:そう。今日のトークセッション、今全部考えてますので。
岡田:ネタばらし。でも、この間の打ち合わせとほぼほぼ同じ話をしてくださってるから、視聴者さん、たぶんこれは事実です。小西さんのお考えとしてお話しくださってるかと思います。
岡田:「週間マガリ」というコンセプトもそうだし、お客さんに来ていただくお店の流れ方だったり、すべてにおいて小西さんの得意なこと・不得意なこと、ご自身が失敗から学ばれたこと、逆に言うと成功したから強化されたことが、全部活かされて10年間続けておられるんだと思います。
この10年間は小西さんの中ではトライアンドエラーというか、いろんなことを知ったり気づいたり、逆に失敗したなと思って後戻りしたり、いろんなことがあった10年だったと思うんです。この10年間で感じたこと、学ばれたことがもしあれば教えていただけますか。
小西:「自分がこう見られたい」というよりかは、本当に全部ラッキーパンチというか。例えば、うちの店には本が2,000冊あるんですね。最初からブックバーにしたかったんじゃなくて、僕はすぐ調子に乗っちゃうんですけど、何年目かに「2号店を作ろう」みたいな感じになったんです。
物件まで借りて、すごくでかい古民家やったんですけど、そこで図書館兼バーみたいなものをやろうってなって。僕の癖なんですけど、その時も日本中の本屋さんや図書館を回ったんです。
岡田:とにかく情報収集。
小西:そう。もともと本屋さん巡りや読書が好きなので行ったんです。
小西:「じゃあ自分も本屋を作ろう」みたいになって、全国の本屋さんで本を集めて、実際に物件まで借りたんですけど、その店は5日で潰れたんですよ。
岡田:5日? むっちゃ早ないですか。 なんでなんで? それは潰した感じですか?
小西:結局、もくろみが甘すぎて。ほとんど見切り発車で物件だけ借りて「こんなんやるぜ」という感じやったんですけど、「これ、本店のほうも絶対に共倒れなんで」みたいに周りからも大反対を受けて。
その過ちに気づいて、すぐに不動産を返却したっていう話です。その時に本を2,000冊ぐらい買ったんですが、その本の行き場がうちの店になったんです。
岡田:そうやったんや。
小西:うちの店は日替わり店長の店で、別に最初はブックバーとかをぜんぜん売りにしてなかったんですが、今はそれがすごいウケていて。ネットで「大阪 ブックバー」で調べたら、芥川賞(作家プロデュースの店)の次にうちの店に出てくるらしくて(笑)。
岡田:めちゃくちゃ上がりましたね。
小西:それで、本好きの人が来てくれるようになって。
小西:こじらせきって、やりきって失敗するんですけど、失敗したらそれがすごくラッキーパンチになるみたいなことを僕は一生繰り返してるんです。
ほんま偉そうですけど、僕がそうであったように、今は斜に構える人ってめちゃくちゃ多いと思うんですよね。逆張りみたいなんですけど、僕が学生の頃って斜に構えてる人はわりとマイノリティでした。
今ってネットでなんでも調べられるから、わかったような気持ちになれるじゃないですか。すごく斜に構えたり、すかしてる人が増えてきてるなってイメージがあって。僕はやっぱり天邪鬼なので、今はすかしてる人が多いから、逆にストレートにいこうと思ってるんですよ。
岡田:「すかす」をやりきった感じもありますか?
小西:こじらせきって斜に構えきって、結果的にうまくはいってないですけど、形としてはなっているという感じです。基本をちゃんと押さえてやるか、茨の道やけどこじらせきるかがすごく重要やと思っていて。
僕が就活でやらかしたように、なんか斜に構えてる人って楽で気持ちいいけど、そこからはほんまに何も生まれないので。こういう時代やからこそ、逆に直球で行くのはいいんじゃないかな? みたいなんがあって。
小西:僕が今、学生に戻れたなら、就活1日目でちゃんと面接セミナーに行ってたらよかったなって。これを言ったらほんまステマみたいになるんですけど、でも本当にそうなんですよね。
岡田:一歩ずつね。
小西:ほんまOSAKAしごとフィールドさんの回し者みたいになってますけど。
岡田:いや、ほんとよ(笑)。
小西:ほんまそんなことなくて。だから、こじらせきるか直球でいくか、みたいなところはあるかもしれないですね。
岡田:なるほど。小西さんの人生で言うと、大学3回生の中旬ぐらいの「これから就活始めようか。インターンシップも行き始めようか」みたいな時にキャリアセンターに行ってたら、たぶんここまで長い道のりをかけて今の自分にはなってないかなっていうところですよね。
あの時に土台をちゃんと1歩ずつ踏んでいったら、たぶん早い段階で自分のことをもうちょっと理解できてたかな? というイメージってことですよね。
小西:そうですね。どっちがいいかとかは別にないし、僕は今これで満足してるんですが、コスパで言うとやっぱりちゃんと面接セミナーも行ってたほうがよかったと思います。
少なくとも適性だけの1点で言うと、もっと早めにわかったんやろうなと。自分の適性をわかってるほうが、もっと早く店もうまくいく、じゃないですけど。
小西:僕は周り道をしまくって、頭を打ちまくって、頭ボコボコでたんこぶだらけになって……なんとかやってきましたけど(笑)。適性を知るっていうのは、ボコボコになりながら行くのもいいけど、誰かがある程度教えてくれるんやったらそっちのほうがコスパはいいですよね。
岡田:そうですね。私自身も、こういう業界でカウンセラーのお仕事をさせていただいている人間からすると、確かにできるだけ頭ボコボコにはなっていただきたくないですし(笑)。もし、ある程度の近道になるような道を私たちがご提供できるのであれば、ここを利用していただきたいっていうのはむっちゃありますね。
小西:俺、12年前ぐらいに戻れるなら行きたいっすもん。
岡田:本当ですね。お会いできていたらどうなっていたか。
小西:本当ね。
岡田:確かに。小西さん、むちゃくちゃいっぱいお話ししてくださってありがとうございます。
小西:ほんま、こんなんでいいんすかね。
岡田:むっちゃいいです。
小西:今回のイベント、僕以外の出演者の人がみんなタレントかインフルエンサーさんじゃないですか。最初「これ、出てもいいんかな?」みたいな。
岡田:そんな。何をおっしゃいますか。
小西:ほんまバチェラーファンなんで、野原(遥)さんにサイン貰いたかったっす。
岡田:ぜひ視聴者として見てください。
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