2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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森田昇氏:「年収300万円から脱出する『転職の技法』 ちょいスラ転職を用いた転職・就職支援」とは、何なのか。話の中心は、「ちょいスラ転職って何?」「どうするの?」「どうやればいいの?」といったことになります。
それ以外にも、本(『年収300万円から脱出する「転職の技法」』)の中に書いてあることを中心に届けさせていただければと思います。「本は買っていないんです」「まだ読んでいないんです」という方は、これを機会に買っていただけるとすごくうれしいです。
けっこう本は売れています。早く「増刷かかれ」と祈っているんですが、瞬間ランキングではありますけど、新宿紀伊國屋書店さんの社会ビジネス部門で1位を取っています。それが評価されて今は4面展開されています(2023年8月3日現在)。新宿紀伊國屋書店さん、すごくうれしいです。
では、私の簡単なプロフィールを紹介します。「転職10回したキャリアコンサルタント」の森田です。よろしくお願いいたします。「転職10回したキャリアコンサルタントが転職本を書くって、すごく説得力がありますよね」というところから、この本の企画は始まりました。
採用される側だけの視点ではなくて、採用する側の視点もほしいよねということで、プロフィールには「中小企業診断士」も入れています。ですが、本の本文中には中小企業診断士という単語は1回も出てきません。「キャリアコンサルタントが書いた転職本」を全面的に押し出しています。
今は48歳でかなり白髪なんですが、染めています。ですので、ビジュアル的には年々若返っていると言われるのですが、それは単に白髪が黒くなったからです。大学が文系だったのに新卒でIT業界にプログラマーとして入ってしまい、しかもそこがブラック企業だったためにすごく苦労したんですね。それで白髪が一気に増えてしまった。
これは本のプロフィールにも書いてありますが、1社目は満3年で辞め、2社目は1ヶ月で、3社目は2ヶ月で、そのあとさらに転々として、サラリーマン生活20年間で転職を10回しています。そりゃ白髪も増えますね。
10回目の転職は独立ですので、20年で10社経験していることになります。会社にいた年数は、最短で1ヶ月、最長でも6年間と、1ヶ所に長くいられない人間なのかもしれません。「そういった人間でも本を出せるんだな」というのが、何かの励みになるとうれしいなと思っています。
10回の転職プロフィールはすべて本の中に書いています。在籍していた業界、業種、ポジション、役割、年収、退職理由など。いろんな業界や職種を経験していますが、ベースはIT業界です。
ですので、IT業界からの脱出を目指したサラリーマン生活だったのですが、結局脱出できなくて。独立して脱出を果たしたと思ったら、今度は稼げなくなって。
では、IT業界にまた戻ったのかといったらそうではなく、「IT業界で得られた知見・スキル・経験を他の業界や職種に持っていくことが重要なんだ」ということがやっとわかり、そこからうまくビジネスが回るようになりました。
業界や職種に囚われないで、そこで学んだものを違うところに持っていく、ということを身につけたんですね。それが今日のタイトルにもなっている「ちょいスラ転職」の「ちょいスラ」に関係してきます。
「ちょいスラ」は何の略かと言いますと、「ちょっとだけスライド」です。「ちょっとずらそうよ」という意味ですね。「角度をつける」と言う人もいらっしゃいます。
みんなと同じことをやっていても評価されないんです。しかし、ぜんぜん違うことをやっていたら市場やニーズがない。転職で言えば、まったく未経験の業界や職種に行ったら適応できないんですね。
ですので、業界や職種を「ちょっとだけスライド」させることによって、自身が持っている知識と経験を活かせる会社に転職していこうよ、という考え方が「ちょいスラ転職」。この本で一番訴えたいことです。それがいったいどんなものなのかはこのあと出てきますので、そこで聞いていただければと思います。
本日のプログラムは、次の3つを中心にお伝えします。1つ目は「大転職時代の到来とは」。今、転職本は定期的に新刊が発売されています。私の本が出たのは2023年4月末なんですが、まったく同タイミングで違う出版社からも転職本が出ています。そのあとも、毎月のように出版されています。
それくらい、転職市場がすごく伸びている。そしてどの本でも書いてあるのが、「大転職時代が到来している」です。それはどういうことなのかは、このあとすぐに説明したいと思います。
2つ目は「3つの輪で考える転職の捉え方」。私が大好きな「天職の輪」です。みなさんもお使いになっていたり、実際にキャリアコンサルティングや、キャリアデザイン研修でも使われる「Will Can Must」の3つの輪です。
「やりたい」「できる」「必要とされる」という3つの輪を使った転職の捉え方とは、いったいどういうことなのか。この3つの輪について、本の中では「転職に限っては『Can(できる)』だけでいい」と断言しています。なんで断言をしているのかをこのあと解説しようと思います。
最後に3つ目が「『ちょいスラ転職』の技法」。なぜ「ちょっとだけ」スライドさせたほうがいいのかを、みなさんと一緒に考えていこうと思います。
本に書いてあること、本にまったく書いていないことも含めて、この3つを説明できればと思っています。
ふだん私は、リベラルコンサルティング協議会というところで、毎週月曜日の夜にセミナー等を開催しています。そこで話していることも多少入ってはいますが、楽しく聞いていただければなと思います。
では、1つ目。「大転職時代の到来とは」です。みなさんに質問があります。私は10回転職している人間ですが、転職回数のある方、ない方は「ゼロ」でいいのですが、みなさまの転職回数はどれぐらいでしょうか? 開示できる方だけでかまいません。開示したくない方は(チャットに)打たなくて大丈夫です。
(コメントを見ながら)ありがとうございます。「ゼロ」もいいですよね。今さらですが、私は転職ゼロに憧れています。私はそこまで一社に長く勤めることができなかったので、長く勤めることがどれぐらい自分に良い面があるのかをすごく知りたいんです。
1つの企業に長く勤めるメリットは、知識としては知っていますけど、経験としてないのは、ちょっと惜しかったな」「欲しかったな」と今でも思っています。
おお、「20回」という強者がいますね。それは強みですね。活かしていきましょう。「8回」もなかなかですね。「4回」「0回」「3回」「1回」「親父は5回」、親父の転職回数を知っているのはすごいなと思います。1回や3回が多いですね、ありがとうございます。
私は今48歳ですが、48歳でどれぐらいの転職回数がスタンダードなのか……と言うとおかしいですけど、調査の結果で(平均の転職回数が)どれぐらいなのかが出ていました。40代だと、平均で3.7回転職しているみたいです。
ただ、注釈として「転職未経験者を除いたら」です。転職回数ゼロの方を含むと40代で約2回と、厚労省の調査で出ていました。
おもしろいのが、年齢を重ねるにつれて転職回数の平均は増えていくのかと思いきや、40代までは増えるのですが、50代から下がるんですね。あえて私の同年代のデータを持ってきていますけど、30代も確か3.5回とかで40代と近い数字です。
キャリア面談等々で主流になる30代や40代の方はけっこう転職回数が多いんだな、というのが率直な感想です。転職経験者は本当に増えていますし、むしろ転職をしていない方のほうがめずらしくなってきているのかな? とも思えるデータです。
転職をしているから偉いとか、していないから偉いとか、そういう話ではないです。むしろ私はずっと長く会社にいたかった人間ですからね。「いられなくなった」という転職理由が多いです。
大転職時代と言っているけど、それってどういうことなの? というのを解説をしていきます。まず1つ目は、みなさんもご存知のとおり終身雇用が事実上崩壊していることに起因します。
トヨタ自動車の当時の社長ですら、2019年の段階で「終身雇用を維持するのはもう厳しい」と言いましたからね。ということは、日本の企業で終身雇用制度をしっかりと守れているところは、もうなかなかないのではないでしょうか。
大転職時代が終身雇用制度とどう連動しているのかというと、「労働寿命」と「定年の齟齬」が出始めているんですね。今の法律的な定年は何歳かというと、努力義務ではあるんですが、2023年から伸びて70歳になっています。
しかし、70歳で引退できると思いきや、私たちの平均寿命は延びていますし、年金受給年齢はどんどん引き上げられているので、年金生活にはおいそれと入れません。
でも、会社からは70歳になったら定年で放り出されてしまう。ということは、定年後も働き続けなければいけないイコール、転職せざるを得ません。もう終身雇用じゃなくなってるんです。
特に今の私の年代から下の方は、年金の受給年数もどんどん引き上げられるでしょうから、生涯現役として働き続けることになっていくんですよね。
私たちの労働寿命も平均寿命も健康寿命もますます延びていくので、働かなければ生活できなくなってくる。ずっと働きたくても、同じ会社にいられること自体が難しくなっていくので、どうしても転職が選択肢に上がってしまう。今はそういった時代背景になっています。
2つ目は「ジョブ型雇用がこれから進んでくるぞ」です。大企業だと富士通さんやNTTさんのグループでジョブ型雇用を推し進めています。ただ、これから進んでくるといっても、日本の大企業を含めたあらゆる企業が、今はまだジョブ型雇用の正解を見出していないんですよね。
ですので、日本型のジョブ型雇用が完全に広まるまではもう少し時間がかかると思うんですけど、時間がかかるだけで流れは変わらないです。いずれはジョブ型雇用になります。
ジョブ型雇用の対比語として、昭和の雇用制度は「メンバーシップ型雇用」と言われていました。仕事に人をつけるのではなく、人に仕事をつけるという旧来型の考えですが、今はもう、あらゆる面でジョブ型にしないといけなくなってきています。
終身雇用制度が崩壊した1番の理由と同じく、今までの一括採用、一括教育、一括定年が人口減少とともにできなくなってきています。この、みんな一括でサラリーマン生活を始め、過ごし、終わることを、私は「昭和の幸せ」と言っているんですけど、昭和の時は「普通の幸せの類型」があったんですね。
良い大学に入って、良い会社に入って、定年まで立派に勤め上げて、定年後は退職金と年金で家族に囲まれて悠々暮らすことが幸せ。だから良い大学に、良い企業に入りなさいと、私は耳にタコができるくらい親から言われました。
それが幸せだと思っていたし、実際に昭和の時代ではそれが幸せだったんですよ。ですが、それは終身雇用制度の崩壊とともになくなってしまいました。
最近ニュースになっていましたけど、「退職金にも課税するぞ」という話が出てきました。今のところ決定ではないですが、同じ会社に長く勤めることに対するインセンティブがなくなっていくんです。
となると、長く勤めていればいいのではなくて、より私たちを評価してくれる待遇の良いところ、そしてなによりも働きやすい、楽しい、やりたい仕事がやれる会社に転職することが、これからは主流になってくるのかなと予想しています。そのうちの1つの潮流がジョブ型雇用だと考えています。
3つ目が「賃上げの流れ」。「賃上げ列車に乗り遅れるな」と私も言っているんですが、もう世の中、賃上げ、賃上げですよね。とてもいいことですけど、残念ながらそれよりも物価高のほうが遥かにペースが早い。
大企業・中小企業を含めて、今は賃金のベースが1パーセント、2パーセントアップするところが多いんですが、最新の物価高騰は3パーセントを超えていますから、物価高に給料の値上げが追いついていません。
このあと税金や保険料もアップすることが予定されていますので、同じ会社で賃上げを待っていても物価高に追いつかない。「だったら、もっと評価されて年収アップする会社に転職したほうがいいのではないか?」というものです。
これは本にも書いてありますが、同じ会社に長く勤めて、どんなに良い仕事・どんなに良い結果を出したところで、その会社で得られる年収には上限があります。
業界と会社によって年収の上限が決まっているので、どんなにがんばって働いても、どんなに評価されても、業界や会社によっては年収がいっさい上がらない可能性があります。そうであれば、業界や会社を変えないと正当な年収がもらえないこともあると思っています。
実際に私は、正当な評価をもらえないから転職したことがあります。ほぼ同じ仕事・同じ業界だったのに、会社を変えただけで年収が上がった。今は売り手市場で、どの業界・業種・職種も人手が本当に足りないので転職で年収を上げるチャンスです。
特に今、人が足りないことで話題になっているのは建設業ですね。30代の平均年収を800万円から900万円に上げるといわれています。しかも、建設業に携わる人があまりに少ないから、建設業界の方に必須の資格が得られる条件を緩和すると、国土交通省が言っているくらいです。
このような売り手市場により、私たちの賃上げは達成されているのですが、もし達成できていない会社にいるのであれば、達成しているところに転職しないと年収は上がらない。生活が向上しない、ということです。
この本(『転職の技法』)は副題に「年収300万円から脱出する」とあるように、年収アップにこだわっていますので、「年収アップする転職」で進めていただきます。年収が下がる転職や、キャリアアップのための転職話は割愛しています。
あくまでも年収を上げるための手段として転職を想定しています。実際に自分も、その手段として使っていました。
今は、転職しないと年収が上がらない時代ではないか? 年収が上がらない会社や業界にいる限り、転職しないと上げられないのではないか? そう私は考えています。
逆に言えば、転職すれば年収が上がりやすくなってきているんですよね。今は年収アップの条件がすべて重なっているので、究極の売り手市場とも言われています。
「賃上げ列車に乗り遅れるな!」ということで、今の会社が乗り遅れてしまっているなら転職するしかないんです。
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