2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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鹿野護氏(以下、鹿野):駆け足でいろいろとお話ししてきたんですけれども、あらためて今回自分がテーマとして設定している「playable」というものがどういうものか、まだ定義し切れてないところもあるんですが、68番のところがちょっと近いかなということで箇条書きしてきました。
知識とか価値観を共有したチームをいかに作っていくか。そのチームが動く原動力はやはり「好奇心」です。好奇心は単なる拡散的な「消耗する好奇心」じゃなくて、知的なもので探求をしていく、夢中になって何かを作っていく、何かを調べていくような好奇心。
ただただかたく情報を集めていくだけではなくて、好奇心を重ねてつなげていくことによって、物語だったりユーモアだったりだとか、ウィットに富んだ表現のような、1つの広がりの「ユーモアの地図」のようなものを作っていく。
さらには、「好奇心」と「遊び」に近いんですけれども、「美意識」というものがあります。カルチャーともちょっと近いんですよね。我々のプロジェクトで「これはアリだろう」「これはナシだろう」とか、「いや、こういうフォントでいこう」とか「こういう色がいいだろう」とか、あとは「こういう考え方はアリだろう」というような、いわゆる暗黙の了解みたいなものは美意識として呼んでいるんですけれども。
その美意識のコンパスを持って、ユーモアの地図をウロウロしながら、好奇心を原動力に目的に向かっていく。そういったものが「playable」であって、それをいかに自分たちで作っていくか。さらには、自分たちがそのプレイヤーとなって遊んでいくか。このあたりが自分が常に意識していることです。
今まではまだあんまり言語できてなかったんですけども、これを機会にかっちりと言語化をして、それを育むためのプログラムというのを考えているところになります。
流れとしましては、いつも私が気にしているのは知識をいかに集積していくか。これは今回紹介できないんですけど、僕は読書したメモなんかもアーカイブして、自分だけのホームページとかを作っているんですけど、そういう蓄積の方法とか。あとは、拡散的な好奇心でいかにいろいろなものに興味を持つか。あとは、それをいかに知的好奇心として、つぼみのようなものにするか。
で、「花が咲いたと思ったらヒトデだった」みたいなユーモアを許容するカルチャーを醸成していく。面白さとか美意識を醸成して最後にゴール設定をしていく。そういう流れになるかなと思います。
ちょっとかなり急いで話したので、忙しいなと思われたかもしれないんですけれども、時間となりました。「『あそび』が導く新しい働き方」ということで、今回の私のお話は以上になります。ご清聴ありがとうございました。
渡邉紗希氏(以下、渡邉):鹿野さん、ありがとうございます。ツール自体もすごくワクワクしますし、お話自体も、弊社も「プレイフル」というキーワードを掲げていたりするので、すごく共感する部分がありました。ありがとうございます。
鹿野:とんでもないです。
渡邉:では、会場からも質問が来ているので、石庭さん、よければ質問していただけたらなと思います。
石庭真琴氏(以下、石庭):はい、お願いします。さっそく1つ目の質問をおうかがいしようと思うんですけど、「今、鹿野さんのお話を聞いていると、『遊び』を生むにはデザインスキルをはじめとした表現能力が重要であるように感じますが、ノンデザイナーでも遊びのある体験を作るためのコツにようなものはありますか?」。いかがでしょうか?
鹿野:ぜんぜん関係ないというか、もちろん表現力があるのに越したことはないと思うんですけれども、僕自身がたまたま表現の仕事にも携わっているだけだと思います。その原動力になっているものって、やはり「知りたい」という気持ちとか、好奇心を追求するきっかけだと思うんですよね。
先ほどチャットにも「熱中している瞬間が遊びだと思う」と書いていらっしゃる方がいて、まさにそうだなと思うんですけど、熱中する時間そのものが遊びなのかなと思います。たまたま今回私はデザインというものをキーワードにしていますが、そのあたりは僕はあまり関係ないかなと思っておりました。
石庭:ありがとうございます。
石庭:ではもう1つ、「個人的に、遊びと責任は同じ領域にはないものなので、仕事の中に遊びの要素を取り入れていくのが難しい印象なのですが、そのあたりの折り合いはどのようにつけられているんでしょうか?」という質問が。
鹿野:そうですね。「遊びだから適当にやる」という文化だと、遊びと仕事はかなり乖離してしまって、「遊び」というキーワードがちょっと危険かなと。だから、「遊びじゃないんだよこれは、ちゃんとやれよ」というような状況(で遊びを取り入れようとするの)だと、ちょっとまずいかなと思うんですけど。
本気の遊びって、おそらく絶対手を抜かないというか、逆に仕事より手を抜かない。本気だと思うんですよね。そういうふうに考え方が転換できると、遊びだからこそ責任を取るという状況にもなり得るかと思うんです。
なので、安易に「遊びだから適当にやっている」というところではなくて、「遊びだからこそ本気なんだ」と転換できるといいんでしょうね。ただ、一般的には「遊び」って「適当なもの」みたいなところがあるので、言葉の使い方は難しいと思います。
石庭:そうですよね。真剣に遊ばれているということですよね。
鹿野:みなさんもそうじゃないですかね? ハマったり、推し活とか沼の活動って本気なんじゃないですかね? もしかすると仕事より本気の方もいらっしゃる。僕もどっちも本気ですけれども、「遊びはより本気になる方が多いんじゃないかな?」なんて思ったりします。
石庭:確かに。私も思い返せば自分もそういうタイプだなと、今言われて思いました。
鹿野:本当ですか。コレクターの方とかも本気ですよね。本気で集めたりとか。
石庭:もう1つ、ありがとうございます。「プロジェクトに対して真面目に考えなきゃと考えてしまって、なんだかおもしろくない企画になってしまうことがあります。何か気持ちを切り替える(遊びに目を向かせる)きっかけやコツなどありますか?」という質問なんですけども。
鹿野:これは私もいつも感じているんですけど、大学の授業の設計なんかでいつも感じるんです。おもしろい授業をやろうとすればするほど、おもしろくなくなってつまらなくなってしまう。真面目な授業になってしまったりとかがあって。
最近やはりすごく感じるのが、気持ちを切り替える、遊びに目を向かせるというより、やはり自分自身が楽しんでいるとか、「こんなおもしろいことを見つけちゃったんだよね」というようなマインドに自分がなれるかどうかがけっこう重要かなと思っていまして。どうしてもそのスイッチを入れられないとか気持ちを入れられないと、なかなかプロジェクトを考える時も楽しい雰囲気が出てこないと思うので。
もし自分が楽しめてないとすると、それはなぜなのかなというのをちょっと考えてみて、そのプロジェクトを考える時の歴史的背景とか、それが結果として生み出される社会への大きな目標みたいなものとか、前後関係を見て視野を広げてみる。そうするとおもしろい、真面目すぎない、何か大いなる流れの中で自分が何かを作っていくようになれば、応援者とかファンとかも生まれてくるんじゃないかなと思ったりします。
すみません、ちょっと正しい答えかどうかわからないんですが、そのように感じております。
石庭:渡邉さん、何か気になる質問とかありますか?
渡邉:ええと、質問をしっかり読めていなかったのでコメントになるのですが、パーパス、「遊ぼう」とか「楽しもう」というところよりは、自分が何だったら夢中になれるのか、そのポイントを見つけるみたいなほうが、入り口としては、結果的に遊んでいる状態になるんだろうなというのを、今のお話を聞いていて思いました。
鹿野:なかなか夢中になるってモードはないですよね。1日の中で。時間に追われてとにかく締め切りに間に合わせるとか、「とにかく今日中にやらなきゃ」「メールをあと10通返さなきゃ」みたいなのはありますけど、ちょっと夢中とも違う感じだと思うんですよね。夢中になれるってやはりすごく難しいですけど、慣れると本当にすてきな時間だし、自分の人生にとっても豊かな時間なのかなと思います。
渡邉:ありがとうございます。そうですね。あと個人的に気になるのは、鹿野さんのマインドでけっこうなので教えていただきたいんですけど、「仕事『だけど』遊ぶ」なのか、「仕事『だから』遊ぶ」なのか。ご自身としてどっちに当てはまるのかなというのがちょっと気になりました。
鹿野:これはちょっとあまり参考にならないかもしれないんですけど、いつもワーカホリックと言われるというか……。やはり仕事と自分の知りたいことがどうしても重なってしまっている人間なので、「だけど」と「だから」があまり当てはまらないですね。「仕事+遊ぶ」「仕事×遊ぶ」みたいな感覚が多いです。
なかなかみなさん、本当に熱中しておもしろい仕事をするのって難しいと思うんですよね。一番よく聞くのが、誰かが決定したことをやらされている状況の時に、非常にモチベーションが下がっていくと思うんです。自分もそうですけど、その逆の状態がすごく強いんだろうなといつも感じていて。
これもワーカホリックと言われちゃうと思うんですけど、本当に「言われる前にやる」というのを心がけています。なので計画書を出す時も「計画書を作りなさい」と言われる前に必ず出すようにすると、結果は一緒なんですけど、そこのプロセスに至る自分のマインドがまったく違う。
先手先手を打つということで、自分のストレスとか自分の心持ちを変えているところはあります。なので、言われたからやっている時に、「あ、失敗したな」と思うんですよね。なるべく自主的に動いているモードに、自分をだましていくという感じですかね。
渡邉:めちゃくちゃおもしろいです。ありがとうございます。ちょっとまだ質問は来ているんですが、そろそろ時間もあれなので、このあたりで今回は締めたいと思います
1時間がすごくあっという間に過ぎてしまって、まだまだお話を聞きたいところなんですが、鹿野さん、最後に何かもしよければ、一言頂戴できればと思います。
鹿野:先ほどの資料のほうはまだ当分置きっぱなしにしておきますので、ちょっと早口で話しすぎたところもあるので、復習で見ていただいて、「こんなことを言っていたな」と思い返していただければなと思います。
また、ワークショップに参加される機会がもしあれば、今日の内容をさらに深掘りしたより具体的で新しい考え方を提示できればなということで、ご検討いただければと思います。以上になります。
渡邉:ありがとうございます。それでは、本日もみなさん、最後までご視聴いただきありがとうございました。
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