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「90分腹落ちセミナー」どうつくる? 「両利きの組織」~攻めも守りも両立できるチームのつくり方~(全5記事)

今期の成果を上げつつ、来期に向けた“種まき”の準備も… 現場からもリアルな声が上がる「両利き」で働くことの難しさ

株式会社NOKIOOが開催する「90分腹落ちセミナー」の模様をお届けします。今回のテーマは「​どうつくる?「両利きの組織」~攻めも守りも両立できるチームのつくり方~」。既存事業に偏った状態を脱却し、事業を生み出す組織へと変革する観点を探ります。本記事では、現場から上がるリアルな悩みをもとに、そもそも「両利き」の右手・左手とは何なのかを定義します。

攻めも守りもできる「両利きの組織」のつくり方

小田木朝子氏(以下、小田木):みなさま、こんにちは。

沢渡あまね氏(以下、沢渡):こんにちは。

小田木:ただいまから、90分腹落ちオンラインセミナー、「どうつくる? 『両利きの組織』攻めも守りも両立できるチームのつくり方」を始めさせていただきます。

この90分腹落ちオンラインセミナーは、株式会社NOKIOOが主催し、人材育成や組織開発に関わる方に、90分で役に立つ情報をお届けしたい。そして、みんなで元気になりたいというコンセプトで、毎月開催しているオンラインセミナーです。

今日は、「どうつくる? 『両利きの組織』」というテーマで進行してまいります。それでは、スピーカーの自己紹介です。おなじみの沢渡さんから自己紹介をお願いいたします。

沢渡:ありがとうございます。みなさん、おはようございます。沢が渡ると書いて、沢渡あまねと申します。作家として、組織開発、ワークスタイル、コミュニケーション改善、このようなテーマの物書きをしています。

私自身は、日産自動車、NTTデータ、大手製薬会社と、16年間ビジネスパーソンをしておりました。職種は大きく2つ、IT×グローバル・インターナル広報です。主に仕事の仕方やコミュニケーションの仕方を軸に、どう組織を変えていくか。そんなテーマに向き合っています。

現在は自社の取締役と複数の企業の顧問を行っています。最新刊の『うちの職場がムリすぎる。』、おかげさまで……。

小田木:なかなかセンセーショナルなタイトルと、かわいらしい表紙のデザインですよね。

沢渡:ありがとうございます。失われた思考習慣を自分たちの手に取り戻すをコンセプトにしており、今日のテーマの「両利きの経営」にも通ずるところがあるのではないかなと思います。ぜひみなさん、明るく手に取ってほしいですね。

小田木:明るく手に取れるって、いいですね。

沢渡:タイトルは煽ってますけど、最後には明るくなれる本ですので、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。

沢渡氏が、今日のゲストに抱いている「親近感」

沢渡:そして、今日のゲストのかなぶんさんにも、この後自己紹介いただくんですが、個人的に名前でめちゃめちゃ親近感がありまして。

というのも、私の実家が神奈川県横浜市の金沢文庫(かなざわぶんこ)というところなんです。京急線の一部の列車の終点にもなっているところで、ご存じの方はご存じかなと思うんですけれども。

小田木:今、ちょっとピンときちゃいました。

沢渡:そうなんですよ。地元では「文庫」って呼ばれてるんですが、他地域の方からは「かなぶん」ってよく言われるので、今日はそんな意味でも、勝手にかなぶんさんに親近感を感じているという、そんな沢渡あまねです。よろしくお願いします。

小田木:沢渡さん、よろしくお願いします。今、みなさんが「え、かなぶんさんって、どんなかなぶんさん?」と思ったと思いますが、この後、かなぶんさんにも自己紹介をいただきます。

その前に、私も簡単に自己紹介をさせてください。株式会社NOKIOOという会社で役員をしております、小田木と申します。みなさん、今日もよろしくお願いいたします。

硬い言葉で言うと、企業さまの人材育成や組織開発を、外からお手伝いすることを仕事にしています。チームの景色がよりよく変わっていく。仕事をする個人にとっても、組織にとっても、めちゃくちゃいい状態をみんなで実現していくということに、今は情熱を燃やしています。

過去の反動で生まれた書籍『仕事は自分ひとりでやらない』

小田木:今日の「両利きの組織・チーム作り」は、個人的にも超楽しみにしていたテーマです。そして、かなぶんさん・沢渡さんという顔ぶれですし、みなさんのチャットも含めていっぱい吸収をしながら、今日の90分を盛り上げていきたいなと思っております。本日もよろしくお願いします。

沢渡:よろしくお願いします。小田木さんの書籍の『仕事は自分ひとりでやらない』。この黄色のカバーも、また明るい感じでいいですね。

小田木:ありがとうございます。そうなんです。私、20代から30代にかけて、この書籍と真逆の働きかたをしていまして、その反動からの書籍です。

沢渡:反動からの、ですよね。

小田木:そうそう。そんなおもしろい側面も読み取りながら、見ていただけるとうれしいなと思っています。

ちなみに、私はいつも浜松からオンラインライブの進行をしているんですが、今日はワーケーションスタイルで、ビジネスパートナーと、わいわい事業についてセッションするという時間を過ごしておりますので、今日は静岡県御殿場市から接続させていただいてます。

沢渡:越境ですね。

小田木:越境で来ております。

当時創業5年のリンクアンドモチベーションに転職

小田木:それでは、みなさんお待たせいたしました。今日来てくださっている、スペシャルなゲストをご紹介したいと思います。michinaru株式会社の共同創業者でいらっしゃる、横山佳菜子さん。通称、かなぶんさんです。みなさん、今日は「かなぶんさん」でいきましょう~。

沢渡:かなぶんさん、よろしくお願いします。ようこそ! 

横山佳菜子氏(以下、横山):よろしくお願いします。

小田木:よろしくお願いします。どんなかなぶんさんなのか、ぜひ自己紹介をお願いできますか。

横山:はい。みなさん、今日は初めましての方がすごく多いと思います。横山佳菜子と言います。michinaru株式会社という会社で取締役をしています。

どんなかなぶんかというと、出身は奈良でして、社会人4〜5年目ぐらいでリンクアンドモチベーションという会社に転職して、その時に東京に来ました。2005年からだから、だいぶ経つんですけど。

小田木:創業5年時のリンクさん。

横山:そうなんです。なので、(当時の従業員数は)100人いないぐらいですかね。「事業の型は決まったぞ。これで拡大していこう。もっと大きくインパクトを与えていこう」というタイミングで、(リンクアンドモチベーションに)転職しました。

そのタイミングでは、「あるものをどう売っていくか」という、いわゆる拡大期に入った感じです。2005年からずっとそうしていたんですけど、2011年に初めて社内子会社を作るタイミングで、立ち上げでそこに配属をしてもらいました。

(視聴者コメントで)「銀座のスタバの隣」。そうです、そうです。

小田木:すごい(笑)。

横山:(笑)。私、当時カロリー摂取をここにだいぶ頼ってました。

沢渡:(笑)。

資料ゼロの状態から新規事業にチャレンジ

横山:2011年、社内での新規事業の一環で「リンクイベントプロデュース」という会社を立ち上げたタイミングで、配属をしてもらいました。

今までは、型があって、それを個人の創意工夫とみなぎるモチベーションで、よりたくさんの人に売るということをやっていた私が……。

小田木:みなぎるモチベーション(笑)。

横山:まだ1枚の資料もない、なんだったらお客さんもいない、何を語ればいいかもわからないという、そんな中で新規事業に取り組みました。

沢渡:荒野に飛び出したみたいな感じですね。

横山:そうなんですよ! 0から1を作っていくということを初めて体感して、めちゃくちゃ苦労しました。

小田木:「1枚の資料もない状態」っていう表現が、すごくツボですね。

横山:まさにそういう感じじゃないですかね。すごく難しいなぁという一方で、(新規事業は)個人とチームの力をものすごく引き出してくれる営みだな、とも感じて。

今、michinaruでは、人や組織づくりの観点から、事業創造や事業の再活性を支援するという事業をやってますが、それの原点になっているようなキャリアの1つです。

小田木:今日はそのリアリティを大いに盛り込みながら、沢渡さんと3人でワイガヤしたいなという希望にあふれていますので、よろしくお願いします。

横山:どうぞ、よろしくお願いします。

沢渡:よろしくお願いします。

両利きの組織をつくるための3ステップ

小田木:あ、そういえばかなぶんさん。直近、かなぶんさんのイベントもされるということで。

横山:そうなんです、ありがとうございます。michinaruでも定期的にお客さまに来ていただいてセミナーをやっています。直近は、「普通の社員をイントレプレナー集団に変えるには」というテーマです。

沢渡:これは聞きたいなぁ~。

横山:よかったら沢渡さん、ぜひいらしてください。

小田木:今日の90分腹落ちから、はしごで行くといいかもしれないですね。

横山:ちょっと切り口を変えて、でも通底したことをしゃべっているというイメージかと思います。よろしかったら来てください。

小田木:ありがとうございます。じゃあかなぶんさん、今日はよろしくお願いします。

沢渡:よろしくお願いします。

横山:はい! よろしくお願いします。

小田木:それでは、今日の90分腹落ちセミナーの全体像をみなさんに共有したいと思います。

テーマは「どうつくる? 『両利きの組織』攻めも守りも両立できるチームのつくり方」。ここに向けて、今日も3ステップを用意しています。

まず第1ステップは、両利きの組織を実現する上で、そもそも何が問題なのか。いつもの「問題の言語化」から入ります。第2ステップは、両利きの組織を実現するために必要な着眼点。問題解決の糸口をどこに見出すのか? という話をします。

最後に第3ステップは、平たく言うと「みんなで元気になろう」。今日からできる一歩、明日から始める1ミリ前進、これをどんなふうに設計していくかを考えながら、全体を進行していきたいと思っております。

両利きの「右手」と「左手」について考える

小田木:いつもだったら「チャットDEオリエンテーション」に入るんですが、その前に今日はテーマにもなっている「両利き」というキーワードの景色合わせをしてから、進めたいなと思います。

沢渡さんとかなぶんさんがそれぞれ見ている、「ここが組織が求めている両利きじゃない?」というところ。

『両利きの経営』という本もありましたが、今日の腹落ちセミナーなりの、何と何が左手・右手なのか、わいわいしてから中身に入っていきたいなと思っております。誰から行きましょうか? じゃあ、沢渡さんから。

沢渡:そうですね。どちらが右左でもいいんですが、僕の考え方は、右は「目先の仕事をきちんと回すこと」、そして左は「未来の仕事を作っていくこと」。目先と未来、そう捉えています。

小田木:なるほど。よく、「短期的な成果」というキーワードを使ったりしますが、時間軸でいくと、今やっていることの延長線上で、きちんとやり遂げなければいけない事業や成果に時間を使うこと。もう一方が、今後未来に向けて必要なことに時間を使うこと。こんなイメージですよね。

沢渡:そうですね。「短期」と「中長期」という置き換えもできるかなと思います。

小田木:ありがとうございます。じゃあ、かなぶんさん的な両利きは、何と何の両利きですか? 

横山:そうですね。教科書的に、それこそ『両利きの経営』では、「深化」と「探索」と言いますね。深めるほうの深化と、模索する探索。

深化と探索があるのと同時に、それとほぼニアリーイコールなんですが、私の言葉で言い換えると「確実性を磨き込む」という右手と、「不確実な中で可能性を探索・模索する」という、両利きでいくことが難しいんじゃないかなと思っています。

今期の成果を出しつつ、来期に向けた“種まき”も

小田木:ありがとうございます。深化と探索、確実性を磨き込む。

沢渡:深化と探索。

小田木:これまで培ってきたことできちんと結果を出す活動と、勝ちパターンを探究する活動。すごくなるほどなって感じですよね。ありがとうございます。

沢渡:そして、探索をされてきたかなぶんさんだからこその深みがあるなと思いました。「探索」という言葉が深化されている。

横山:探策しすぎという捉え方もあります(笑)。

小田木:「組織」という枕言葉も使いましたが、沢渡さんの言葉で言うと、私たちの半径5メートルのチームの中でも、必要なことをしながら次の可能性も探求しなきゃいけない。

今期の成果を上げながら、来期に向けての種まきもしなきゃいけない。この両利き感って、けっこう多くの人が持ってると思うんですよね。

そんな両利きをいかにして実現するのかということを、今日はテーマで取り上げながらワイガヤしたいと思います。みなさん、チャットのリアクションも、ありがとうございます。

現場のメンバーが抱える、切実でリアルな悩み

小田木:さて、次はみなさんの番で、「チャットDEオリエンテーション」です。

みなさん、よかったらZoomのチャットボックスをオープンにし、ご参加ください。まずは、今日はどんな立場の方がご参加くださっているのか。1メンバー層・2マネージャー層・3人事層・4その他、の選択肢をご用意しました。「近いな」と思う番号を選んで書き込んでください。

沢渡:(コメント欄を見ながら)早い、早い(笑)。

小田木:いつも早くてありがとうございます。

沢渡:ありがとうございます。1、3、2、2……。1と4。1、3、2、2、2、1、3、2、2、1と3、3。

小田木:集計機能はないですけれども、目視的に「2(マネージャー)」がすごく多い印象を受けますね。

沢渡:そうですね、うれしいですね。「その他」の方もいらっしゃいます。その他の方、単語でもかまわないので、よろしければ、その他の中身をコメントいただけるとうれしいです。ありがとうございます。

小田木:「1であり、2であり」という複数選択も、いつもありがとうございます。

沢渡:2の方が多いということは、やはり現場、第一線としても近未来を考えていかなければいけない、探索の旅に出なければならない、という必要性を感じていらっしゃる方が多いのかなと思っています。

小田木:ですね。どちらか片方に集中できればどんなにいいかって、これは本当に現場の切実なリアルだと思うんですよね。

沢渡:そう。そうなんですよね。

小田木:種類の違う活動を、両方の手でそれぞれ回す。この現場のリアリティが、今日はみなさんの関心事であり、深められたらいいポイントなのかなと思いました。

沢渡:そうですね。リアルをありがとうございます。

小田木:みなさん、リアクションいただきまして、ありがとうございます。

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