2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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福田聖輝氏(以下、福田):(人間力を高めるために大事にしてきたことの)6番目は、もうすごく言われていますが、挨拶ですね。挨拶は本当に基本中の基本。
自分も気持ちいいですし、対人関係も良くなります。挨拶というのは本当に何のリスクもないので、明るく元気にやらなくちゃいけないなと思います。
これも、やっているようで案外きちんとやっている人が少ないですよね。やっぱり「おはよう」とか「うん」とかの挨拶は、気持ちを込めてしないと、挨拶に入らないんですね。相手に伝わることが必要なのかなと思うわけです。
それから7番目は、非常に大事だと思っている「ありがとう」という言葉、感謝の気持ちです。これはもう本当に大事だと誰もが言っていますし、みなさんもそう感じていると思うんですが、意識していこうということが大事なんです。
単に「ありがとう」って言うのではなくて、心から感謝をして口に出していくことが大事なんですね。みなさま方、朝起きてから仕事に行って、仕事場で、家庭に帰って、1日に何回「ありがとう」と言っているか数えてみてくださいよ。感謝することはいっぱいあるんですよね。
例えば、朝起きたらご飯を出してくれる。それは誰が作っているんですか。奥さんが作ってくれているんでしょう。お弁当を作ったりとかね。それから、帰ってきてお風呂に入ったら、お風呂場にちゃんとバスタオルが置いてあるでしょ。
犠牲というわけではないですけど、誰かがやってくれているわけなので、こういうことの一つひとつに、やっぱり感謝しなくちゃいけないと思うんですよね。だから私はこれが大事なことだと思うんです。自分でもできるだけ言うようにしています。
福田:けっこう忘れることもありますけど、やっぱり何かあったら「これは誰かがこうしてくれたのかな、ありがたいな」という気持ちは持たなくちゃいけないんじゃないかと思います。
私は熊本出身なんですけど、学生の頃の先輩の家に泊まりがけで遊びに行ったんです。そこは3世帯の家族でお孫さんがいました。お孫さんといっても、もう大学生ぐらいですけどね。それからお母さん、おばあちゃん、私の先輩であるおじいちゃんがいます。
私たちが泊まりに行くと、みんなで居間に寄ってきて和気藹々と話すわけですよ。そこでは、ちょっとしたことでも必ず「ありがとう」とみんなが言うんですよね。「ティッシュ取って」と言って、取ってもらったら「お母さん、ありがとう」とかね。いっぱい「ありがとう」が飛び交うんですよ。
この3世代の家族がこれだけうまく生活してるというのは、この「ありがとう」のせいだなと痛感しました。
さっき、自分の心から「ありがとう」と言うことが大事だとお話ししました。私が少しだけ脳科学の本などを読んで勉強をしたところによると、感謝の気持ちを持つと、セロトニンとドーパミンというホルモンが分泌されるそうです。ドーパミンというのは幸福感を持つもので、セロトニンも幸せホルモンと呼ばれているんですよ。
このホルモンが分泌されることによって、脳からドーパミンが出ると、やがてアドレナリンになります。すると脳が活性化されて、いつまでも若々しくいられたり、幸福感が出てきたりするんです。
福田:人に「ありがとう」と言う時に、心から「ありがとう」という気持ちを持っていると、ドーパミンが出て、脳が活性化されて、自分が若くいられるということです。こんないいことないじゃないですか。
だから、(上辺だけで)「ありがとう」と言って、相手が幸福感を持つかどうかはわからないですけど、(心から「ありがとう」と言わないと)自分の中での幸福感、ドーパミンは出ないんだと。ちょっとにわか勉強ですけど、そういうようなことがわかってきました。
脳科学者の茂木健一郎さんの『脳は若返る』という本に、「ドーパミンが分泌されることで、いつまでも若々しい脳を手に入れることができる」というようなことが書かれています。だから、意識的にドーパミンを出す行動をしていくことが大事なのかなと思っているところです。
松下幸之助さんは「『ありがとう』と言うほうは何気なくても、言われるほうはうれしい、『ありがとう』をもっと言いあいましょう」と言っています。
中村天風さんもいろんなことを言われていますけども「感謝するに値するものがないのではない。感謝するに値するものを、気づかないでいるだけだ」と言っています。
だから、私たちが家庭生活で当たり前だと思っていることは、誰かがやってくれているので、それに対して感謝をしていくことが大事なのかなと思います。これは自分にも言い聞かせていますけど、そういうことだと思います。
福田:それから8番目は、人が嫌がることも進んでやりましょうということです。これもよく言われていることですけど、私なんかは本当に積極的にやってきたつもりでいます。やっぱりそれは1つのチャンスなので。
いろんなことがありました。(スライドを示し)下に事例として「裁判、クレーム対応」と書いてありますけども、私は裁判で国として3回ほど被告になったことがあります。誰もやりたがらないんですけど、私はけっこう好んでやっていました。最初は嫌だったんですけどね。
私は法学的な知識がまったくないので、裁判所に行っても何のことだかわからないんですよ。でも、それなりに勉強してやり出したらけっこうおもしろくて、のめりこんじゃいました。3つやって、2勝1引き分けぐらいだったんですけどね。
その時、弁護士さんや検事さんにいろいろと教わりながら、答弁書の書き方などを勉強したんです。私が今顧問をしている会社で裁判が2つ起きたことがあるんですけど、本当に役に立ちました。1つは弁護士なしで勝ちましたから。だから、何でもやってると役に立つかなと思います。
それから9番目は、人の悪口を言わないということですね。私は人の悪口を言ったことがないんじゃないかというぐらい言いません。
なぜかと言うと、何の役にも立たないからです。人の悪口を言えば一時的には気持ちいいかもしれないけど、最終的にはやっぱり心のどこかで「言わなきゃよかったな」と思うこともあるわけですよね。
だから、悪口というものは言っても良いことは1つもありません。「悪口というものは、気持ちは良いけれども体には悪い、たばこみたいなものだ」と言う人もいます。
福田:これも論文が出てないからはっきりとはわからないけども、脳科学の分野において「脳は主語を理解できない」という説があるんですね。これは何かというと、自分が人の悪口を言うと、脳は主語がわからないから、自分のことを言っているのか、人のことを言っているのかわからなくなるということです。
つまり、人の悪口を言ったつもりが、自分ごととしてダメージを受けるということです。確かに、悪口を言うとあんまり良い気持ちはしないわけですから、やっぱり自分がダメージを受けているのかなと思います。ですから、人の悪口は言っても何の役にも立ちませんよということだと思うんですよね。
(スライドを示し)下のところに書いてありますけれども、世間や他人に対する皮肉・批判度の高い人は、認知症のリスクが3倍、死亡率が1.4倍も高くなるという研究をした方もいるみたいです。いずれにしろ、(人の悪口は)気持ちも悪いですし、体にも悪いのかなとというところでございます。
これについても、いろんな方がいろんなことを言われていますけれども、(スライドを示し)ベンジャミン・フランクリンさんは「どんな愚かな者でも他人の短所を指摘できる。そして、たいていの愚か者がそれをやりたがる」と言っています。だから、人の悪口を言う者は愚か者だと言っていいのかなと思います。
福田:それから10番目は、笑顔は大事ということです。笑顔の効果は、いろんな人が証明しています。笑顔は自分も人も幸せになります。
『人生を切り開く笑いのチカラ』という本で、あづみハッピー歯科医院の院長が、笑顔には、幸福感が増したり、自律神経のバランスが整ったり、免疫力がアップしたり、脳の働きが良くなったりする効果があると言っています。ということは、笑顔も、自分がうれしくなることでドーパミンの分泌につながるのではないかと思います。
私が本当に笑顔が大事だと感じたエピソードが1つあります。(スライドを示し)下に「笑顔が組長の心を動かしたエピソード」と書いてありますが、私が郵便局に勤めていた時、クレームか何かで、暴力団の事務所に行ったわけです。
見るからに鉄の扉で、防犯カメラがいっぱいついてるようなところに、怖かったんですけど、1人で行ったんですね。事務所に入ったらソファーみたいものがあって、組長らしき人が窓の外を向いて座っていたんですよ。
私はそこに行って座って、お兄ちゃんたちがいろいろと言ってくることに対して「それはできないんですよ。こうですよ」と、30分ほど自然と笑顔で話してたみたいなんですよね。
そうしたら、親分みたいな人がくるっと私たちのほうを向きました。その人はガラスに映った私たちの姿を見ていたんですね。「あんちゃん、あんたの笑顔はいいよね。帰っていいよ」って言われたんですよ。
「え、何言ってんだろ」と思ったんですけど、その笑顔を気に入ったから「帰っていい」と言われました。笑顔というのは組長の心をも動かすんですよ。ね? だからやっぱり、笑顔というのは大事じゃないかな。
福田:「笑顔」というとやっぱり、野球の大谷翔平選手や、ゴルフの渋野日向子選手が浮かびます。この人たちの笑顔は、世界中で広まっていますよね。あれだけ成績の良い大谷翔平選手は、人柄も笑顔も良いです。
大谷選手が同じ成績を残していても、ぶすっとしていて、人ともあまりしゃべらなかったら、あれだけの人気は出なかったんじゃないかなと思います。あの人が笑顔で出てくると、相手の選手も寄ってくるし、審判も寄ってきます。ゴミも拾いますしね。だから、笑顔は大事だなと思います。
それから渋野選手も「スマイルシンデレラ」と呼ばれていますけど、彼女の笑顔もとても人気ですよね。私は、この人の実際の笑顔を見てみたいと思って、2022年5月に袖ヶ浦カンツリークラブで開催されたブリヂストンレディスオープンという大会で日本に帰ってきた時に行ったんですよ。
渋野選手の組にずっとついて回ったんですけど、やっぱりこの人は他の選手と違うんですよ。私はゴルフを見に行ったのではなくて渋野選手の態度を見に行ったんですけど、他の選手とぜんぜん違うんです。
最初にティーグラウンドに上がってきますと、みんなは何人かいる大会関係者に「こんにちは」と言って帽子を取って、上がってくるんですね。しかし渋野選手だけは、上がってきたら、そこにいる10人ぐらいの大会関係者に、1人ずつ挨拶されるんですよ。他の選手とまったく違うんですよ。
それも、笑顔で挨拶するんです。この笑顔と人間性が、やっぱり人気の秘密なんだなぁと感じました。ただ、その時は調子が悪くて予選落ちでしたから、試合中はあんまりいい笑顔が見られなくて、それはちょっと残念でしたけどね。
(スライドを示し)ここにもいろんなことが書いてありますけれども、中村天風さんは「笑っている時が人間は最も強いんだよ」というようなことを言われています。
福田:11番目は情熱と継続です。これは、私がもうずっと自分のモットーにしている言葉なんですけれども、信頼される人間になるためには、いつも情熱を持って何かを継続していくことが大事だと思います。
仕事はもちろん、遊びもそうなんですね。私も、焼き鳥を焼いたり、写真を撮って全国を走り回っていますけれども、自分がいつまでも情熱を持ち続けていく。それを元部下だった人たちが見てくれて、「やっぱりあの人はいいよね」と思ってくれるんじゃないかと思って、そういうことを気をつけていこうとやっています。
なかなか大変なこともあるんですけども、会社でも私生活でも誰にも負けないような情熱を持って、新しいことに挑戦して、それをずっと継続していきたいというのが私の願いです。
ちょっと時間が来たので急ぎますけど、そういう経験の中から、私が思っていたことは、直接関係があるかどうかはわかりませんが、やっぱり自分が、上司や部下に気に入られようとしたらだめだということです。
上司や部下に、私を必要だと思っていただかなくちゃいけないんですね。そうじゃないと人は引き上げてくれたり、自分の下に置きたいと思ったりしません。
そのために何が必要かというと、やっぱり熱い情熱を持って継続いくことです。それで信頼されることが大事なんじゃないかなと思います。そうすることによって、「あ、こいつは俺のために必要だ」と思われる人間になっていきます。
上司や部下に気に入られようとする行動は、なんだかみみっちくなってしまうので、それはだめですよということも一言言いたいです。
福田:それから12番目は、謙虚にということです。人間は、例えば役職が上がっていったりすると、みんながこう(持ち上げ)てくれるから、自分が偉くなったと思うんですね。だけど、自分はぜんぜん変わってないわけですよ。
そこを勘違いして自分が偉くなったような態度をするということはいけないと思っています。やっぱりいつも自分に謙虚な気持ちを持っていなくちゃいけない。
たぶんみなさんの周りにも1人や2人はいると思うんですけど、酒を飲んでいる時に、人の話を聞かないで自分の自慢話ばっかりする人いますよね。役職が上がって自分が偉くなったと勘違いするからです。
人というのは、自分が一番好きですから、人の話を聞きながら、高い金を出して酒を飲んでもおいしくないんです。これは私もすごく気をつけているんですよ。
ついつい、自然にしゃべり出してしまうけど、「あー、いけねいけね」と思って「○○くん、どう?」という話に切り替えるんですけど、そこを自分で気づけるということは大事なんじゃないかなと思ってます。
私は特に、感謝の気持ちや人の話を聞くこと、自己主張や自慢ばかりしないこと、人のせいにしないこと、きちんと頭を下げることを気をつけています。
ということで、12(項目)について、少し早口でお話ししました。聞き取りづらかったかもしれませんけど、そういうことです。
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