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パラレルキャリアが始まる - ゼロストレスで一目置かれる「強みの見つけ直し」(全4記事)

今Chat GPTを触っている人はIT業界やWeb3に行ってはダメ 自分の強みをオンリーワンにする、キャリアの居場所の定め方

新著『ゼロストレス転職 』を出版した退職学®研究家の佐野創太氏が、ソニーシティ大崎のBRIDGE TERMINALイベントに登壇。「ゼロストレスで一目置かれる『強みの見つけ直し』」をテーマに、「強み」を聞かれることがストレスになる理由や、自分の強みを見つけ直す方法などを語りました。

「強み」を聞かれることがストレスになる理由

佐野創太氏(以下、佐野):副業を始める時、いきなり始められないわけです。じゃあ、どうやって副業の足がかりになる強みを見つけていくのか。強みの見つけ直し。ゼロストレスで一目置かれる強みの見つけ直しを、今日はメインにやっていきたいと思います。

これ、「ゼロストレス」が1つ目、「一目置かれる」が2つ目で、「見つけ直し」が3つ目。3つ、実は大事な要素が入っているので、この伏線を回収しにいきます。

まず強みを見つけようと思ったことがある方は、けっこういるんじゃないかな。私は、こういうキャリア相談の仕事をしているので、入り口はこれで来ることがすごく多いです。強みが見つからない。悩むんですよ。こういう悩みありますよね。

転職活動の面接とかで、「強みは何ですか」とストレートに聞いてくるじゃないですか。やめてほしいですよね。まさにストレスですよね。そういう状態がなぜストレスなのかを、私なりに解釈してみました。

みなさんもなんでストレスなんだろうと考えながら、チャットを打ちながら見てみてください。僕は、3つの「思わされ」があるなと思っています。強みという言葉が、なんだかちょっと僕らに圧を与えてくる気がしているんです。

「誰よりも優秀でないといけない」と思っている方がすごく多い。端から見て、「これ、すごく強いと思いますけど、あんまり自信ないですか?」と聞いたら、「いや、私よりできる人はたくさんいますよ」とよく言われるんですよ。上には上がいるので、「そりゃそうや」みたいな。

でも、本当に誰よりも優秀でないといけないのかという話ですよね。野球をやる時に、イチローより上でないといけないのか。誰より優秀でないといけないって、「思わされ」でしかないのが1つ。

あと、「自力で見つけないといけない」と思わされている。机に座って、……こう言うと怒られますけど、急に自分の人生をすべて振り返ったりしたことないですか? ちなみに僕はあります。 逆に強みがわからなくなりません?

僕もやったことがあるんですけど、わかったことは「一貫性のない生き方をしている」だったんですよね。「つらい」みたいな。自力で見つけようとすると、そういうつらさがこみあげてくることがありました。

あとは、「天賦の才能でないといけない」。小さい頃から「神童と呼ばれ」みたいな、そういうのでないと強みと言ってはいけないのではないか。この「強み神話」が、正直できあがっている気がします。

キャリアの居場所の定め方

佐野:これで言うと、僕の強みは「人の話を聞く前にしゃべり出すこと」しかなかったんですよね。小学校の時から、基本的に先生が何を言っているかわからないんです。授業がわからないから、「はい、わかりません。はい、わかりません」と説明を受ける前からバンバン言っていたので、僕の才能は正直それしかなかった。

それだとたぶん仕事にならないと気づいて、本当に悩みました。強みを見つけようとしましたよ。転職エージェントに相談をしに行って一緒に考えたんですけど、「うーん」みたいな顔をされるんですよね。「おーちょいちょいちょい、お前だけはもうちょい俺を信じてくれよ」みたいな。

これでいろいろ悩み過ぎて、こじらせて、早期退職を何回もやるし、無職になるし、無職になるとみんな冷たいし、となるわけですよ。独立のきっかけは介護離職だったこともあり、準備ができず、独立して1年間ぐらい「やばい、来月仕事がもうないぞ」みたいになりました。強みの迷路というか、霧の中に入ってしまうと危ないなと本当に思いました。

なので、これを全部ひっくり返したらいいのではないかと思ったんですよね。強みを見つけ直す方法を、一つひとつ考え直そうと。さっきの誰よりも優秀でないといけない問題、「これ、本当?」と。これね、やっつけられるんですよ。

強みの定義を考えたいと思います。いきなり何やねんだと思うんですけれども、かき氷が私たちです。炎天下としんしんと降り続く雪。どっちの場面のほうがかき氷が売れると思いますか? たぶん秒で答えが出ると思うんですよね。

たぶん雪山では売れない。夏の海とかのほうが絶対売れるとわかるんですよね。これはキャリアと一緒です。僕がキャリア相談をやっていてすごくおもしろいと思うのが、この企業でぜんぜん成果が出ないとか、上司に「本当ダメやな」と言われた人が、他の会社に行った瞬間に、何もその本人が変わらずに花が咲くことがあるんですよ。これってすごくかき氷と似ているなと思っていて。

もしかしたらその花が咲いた人は、雪山でかき氷を売ろうとがんばっていただけで、場所を変えればいいのではないかということが、正直1つあるんですよね。強みとは希少性であるということが、ちょっと解像度を上げるとわかるんです。雪山でかき氷は希少性ゼロですよ。そもそもニーズがなくて供給もいらないので。

夏の海に行くとものすごくニーズがある。なので、いるだけで売れる可能性があるんですよね。これが強みのおもしろいところで、「え? そんなことでいいの?」とよく思われるんですけれども。

強みは希少性、つまりニーズはたくさんあります。需要がたくさんあって供給者が少ないところに行くのが、実は転職活動でも副業でも、キャリアにおける自分の居場所の定め方です。希少性があるところに行く。

今の環境と真逆のところに行く

佐野:これは就活生の支援をしている時もよく言っていたんですけど、帰国子女だから英語が使える会社に行きたい。すごく多いんですけれども、それをやるとほとんどの人が英語が使えるので、その他大勢になってしまうんですよね。

なので逆に英語を使える人がいない、ちょっと地方の中堅企業とか、これから海外展開したいようなところに行くとオンリーワンですよ。そんな考え方がこの希少性です。

強みを見つけ直す1つの方法は、すごくシンプル。移動するだけという身も蓋もないことで、「えっ!?」と思われたりするぐらいです。どこに移動するのかの1つのヒントは、今の自分の環境と真逆のところに行く。

例えば、僕が最初にいた会社は転職エージェントの会社で、体育会系の人間がすごく多かったんです。僕の1個上の先輩は、全員体育会系。

今日の僕は、どちらかというと「けっこうしゃべるな」「元気そうだな」と思われると思うんです。けれども、最初にいた会社の中では「お前、覇気がないな」とすごく言われるんですよ。覇気、確かにないかも(笑)。今も助けてくれたり気にしていくれる最高の先輩なんですが、当時の僕からしたら悲劇ですよね。

でも、僕は文章を書くことが好きだったので、編集とかライターのところに行くと、「佐野さんしゃべれるね」となるんですよね。なので今いる環境と逆の環境に行ってほしいんです。

今が営業組織だったら、エンジニアの組織に行った方がいいかもしれないし、エンジニアの組織にいるんだったら、営業の組織に行ったほうがいいかもしれない。自分の今いる環境に、どんな人が多いのか、特徴をあげてみてほしいんです。

僕だったらやはり体育会の人が多かったとか、さっきの英語とか日本語とか、グローバルな環境で働いてる人だったら、英語しかしゃべれない社員がいるのと、日本語しかしゃべれない社員がいる時に、どちらもしゃべれるポジションが取れただけで、ものすごく希少性が上がるんです。

移動することが、実は強みを見つけ直す方法の1つだと、覚えておいていただければと思います。みなさん、移動先ありますか?

今Chat GPTを触っている人はIT業界やWeb3に行ってはダメ

佐野:(チャットのコメントで)「TOEICを取っても、貿易関連の会社を目指した時は経験者ばかりで難しかったですが、業種を変えたら引く手あまた」。これです。まさにこの考え方です。ちょっと移動するだけですごく伸びたりするんです。

今Chat GPTとかを触っている人は、IT業界やWeb3に行ったらダメです。そこに行くともっとすごい、アルゴリズムを解明しようとしている強者たちのところに行ってしまうんですよね。

そうではなくて、「これからDXしたいです」と謙虚に言っている、地方の企業とかの副業(複業)を探すと、「神が来た」みたいになるんですよね。「Chat GPTって、こいつ発音できてるぞ」みたいな話になるわけです。このくらいずらす方法があります。

なので最近、「地方副業(複業)」が、1つのキーワードになっていたりするんですね。副業(複業)の中で、そういった流れもあると思います。東京だと当たり前とか、都会だと当たり前のスキルが地方だったり自治体だと、ぜんぜん当たり前じゃないんですよね。

前に、僕の友人でも、前職でSlack導入をしたことがある人が、「ツールを導入しただけです」みたいにキャリアに行き詰まっていたんです。「ITとか言えねえ」と言っていたのが、今、自治体で活躍してるんですよ。

自治体は、連絡がメールですよね。僕らは、メールの後にたぶんChatworkを経て、今Slackとかを使っているんですけど、Chatworkすら行けてないところに、そういう人が「Slack入れたことありますけど」と言ったら、「Slack? Slackって何ですか? チャットじゃないんですか?」みたいになって、今もう彼はツールを導入する先生になっていたりします。これが移動する例ですね。

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