2024.12.24
「経営陣が見たい数字」が見えない状況からの脱却法 経営課題を解決に導く、オファリングサービスの特長
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山岸園子氏(以下、山岸):お待たせしました、髙木さんにぜひうかがいたいと思います。自分の組織には、今200人ぐらいのスタッフの方がいらっしゃるとうかがいました。特に経営者の立場として、そういった方々に高いパフォーマンスを出していただくために、もしくは入社いただくために、選んでいただくためにどんなことを意識しているのかを教えてください。
髙木元義氏(以下、髙木):1つは「会社がウェルビーイングな状態を築く」ことがすごく重要だと思っています。気をつけないといけないのが、「会社としてこうしたい」と会社のものを押しつけるのではなくて、社員一人ひとりの……キャリアではなくて、人生とかライフも含めて、どんな自分でありたいのか、どこに自分自身は力を入れていきたいのか。
200人規模だったら全員の顔が見えますが、マネージャーや組織がそれを知っているかどうかはけっこう重要かなと思います。
「この人はやりがいや価値に重きを置いている」とか「この人はここが好きなんだ」とか。だとしたら、同じ仕事にアサインするにあたっても違うかたちでやるとか。それが結果として彼ら・彼女らの、自分自身のキャリアや人生に対しての幸福感や豊かさにつながっていくと思うんですね。組織がウェルビーイングな状態、フレンドリーな状態を作っていくのは会社がやるのではなくて、個人個人のほうから見た中でどう作れるかが大事だと思います。
あとは恒田さんが言ったように、私自身も事業が必ず成長していくように経営にコミットする。その両輪が相まったら非常に良い状態になるかなと考えています。
もうちょっと言うと、企業と個人は今までは雇う・雇われるだったのが、どんどん企業と個人が対等な立場になっていくと思うんです。企業も選ばれる組織でなければいけない。その工夫が大事かなと思います。
山岸:ありがとうございます。一人ひとりの人生を知ることが大事だというお話がありました。ちょっと各論になってしまうんですけれども、一人ひとりの人生を知る、大事にしている価値観を知っていくのも、これまたそんなに簡単なことではないというか。
ぼーっと生きていたら「わかりますか」と言ってもたぶんわからないと思うのですが、それは仕組みとして何か担保しているものがあるのでしょうか。
髙木:キャリアのデザインを毎年キャッチアップするのは企業さんでよくやっているパターンだと思うんですが、自分自身のWayのキャッチアップを毎年やっています。これってぜんぜんキャリアと関係ないんですね。「あなたはどんな人生を歩みたいの?」とか「自分自身が本当に譲れないことは何ですか」とか、仕事においてとかファミリーにおいてとか、いろんなことを聞くようにしているんですね。
最初のうちは照れくさいんですけど、だんだん面と向かって話せるようになってくるんですよね。そうすると「この人はこんなことに価値観や重きを置いていたんだ」とか、それが見えてくるだけでもだいぶ変わってくると思うので。これは会社としてはぜひやっていただけるとおもしろいのではないかなと思いますし、200人規模だとすごく個人が見えてきますね。
山岸:ここまで企業サイドでの仕組みなどの話をしてきたので、今度は個人に移っていきたいと思います。今、髙木さんが「選び選ばれ」という話をされましたが、会社も選ばれる企業であることは必要ですが、一個人も選ばれる、求められる人材に近づいていかなければいけないわけですよね。
原さんも髙木さんも、最初のほうで一個人として学び続けることが大事だとおっしゃっていましたが、どういう方向性で、何を学んでいくのが大事なのかという、ちょっとバクッとした質問ですけれども、引き続き髙木さんにおうかがいしたいと思います。
髙木:何を学び続けるかは常に変化していくと思うので、状況や環境や、自分自身が進みたい方向においてプロフェッショナルな自分になれるかどうかの勝負かなと思っています。
あともう1つ大事なのは、人は1人では生きていけないと思っています。ポジティブなシャワーを浴びる環境に身を置けるのか、もしくはネガティブな状況の中に身を置くのかによって、人はすごく変わると思っていますので。環境を変えること、もしくはそういう環境に身を置くこと、もしくはそういう関係を自ら作ること。こういったことが非常に大事かなと思います。
なので、自分の発する言葉をポジティブに変えていくのは非常に重要だと思います。学び続ける環境はある意味タフだと思うので、自分自身が居心地良い状態になんとか持っていく工夫が大事だと思いますね。
山岸:ありがとうございます。原さん、同じ質問でいかがでしょうか。
原雄介氏(以下、原):全員同じ、「これだ」っていうのはまずないよねってことなんですけど。例えば今やっているミッションやMustみたいなことがあって、「今の自分のCanとのギャップを学ぼうね」みたいなことはわかりやすいと思うんです。
「こうありたいよね」というWillと、MustとCanで足りないところって何なんだろうって常に考え続けて、そこをアップデートすることを、自分の中で回し続けるのが大事かなと思います。
あと何を学ぶかは、さっきのプロにも関わるんですけど、例えばいろんな重なり合う部分。ハードウェアとソフトウェアだったり、経営と人事とか。なんとかとなんとかとなんとかっていう、そういう自分なりにタグで重なり合う部分が、その人が言語化した自分なりの「プロ」にもつながってくるので。「どうなりたいのか」をできるだけ言語化して、それに合うものを学びにいくみたいな。
山岸:ありがとうございます。
山岸:せっかくなので恒田さんにもうかがいたいんですけど。スタートアップ界隈だとめちゃくちゃ変化のスピードが早すぎて、何をキャッチアップしていけばいいのかですらけっこう難しいんじゃないかと思っていて。そのあたりの目利きはどうしていったらいいんでしょうか。
恒田有希子氏(以下、恒田):いい質問を。
山岸:ありがとうございます。
恒田:(笑)。私は学び続けると言っても、「ずっとみんな学んでいるじゃないですか」って思うんですよ。
山岸:そうですね。
恒田:スタートアップはいいですよ。スタートアップは3年でカタがつくんですよ。流動性が低いと言われる日本のテクノロジー領域でも、約4年で転職します。
なんで約4年なのか。1から10、10から100、100から1,000みたいにフェーズが変わるからです。みなさん自分の一番得意なところ、一番好きなフェーズにどんどん転職していくんですね。私は人が辞めていると思うのではなく、日本のスタートアップの中で、みんなが人事異動してくれればいいなと思っています。
正直テックを追い続けるのは、私は無理だと思っていて。だって「今Web3ですよ」「NFTですよ」みたいに、たぶん1週間Twitterを見続けないと無理なんですよ。仕事をしているから、無理なんですよ。追いかけられないんですよね。
追いかけられないってことはどうすればいいかと言うと、私は「変わらないことは何か」のほうが大事じゃないかと思っていて。それがみんなが学んでいる経営学じゃないかなと思っています。だって財務諸表はすべての会社にあるから。
何のために学ぶのかと言うと、仕事するためじゃないですか。仕事をするとは、問題解決をしているかどうかだと思うんですよ。みなさんは「今何の問題を解決しようとしているのか、わかって仕事してますか?」ってことだと思っていて。その問題を解決するための勉強をすべきなんですよね。
「目的がないままに本を読みました」とかやっているからそれを一生使わないし、忘れていくわけですよ。目の前にある仕事、何のイシューを解こうとしているのかを特定して、そのための勉強をすべきです。だいたい本を3冊読めば要点は書いてあるから、あとはDoするという話なのかなと。なので「変わらないことを学ぼう」というところですかね。
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