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仕事に役立つABC『キャリアの上手な悩み方』(全1記事)

転職したいと思いつつ、考えすぎて動き出せない「負のループ」 キャリアで悩んだ時に、不安を解消する3つの対処法

日本最大のビジネススクール「グロービス経営大学院」が、ビジネスパーソンに向けて、予測不能な時代に活躍するチャンスを掴むヒントを配信するVoicyチャンネル『ちょっと差がつくビジネスサプリ』。本記事では「キャリアの上手な悩み方」をテーマに、キャリアで悩んだ時に「負のループ」に陥らないためのポイントなどを解説しています。 ■音声コンテンツはこちら

これからのキャリアに悩み、次第に「負のループ」に陥る……

熊谷翔大氏:今日は「キャリアの上手な悩み方」がテーマです。長い人生において、仕事やキャリアについて考えることは誰もが経験するはずです。

多くの人にとって、真剣にキャリアを考えた最初の経験は、学生時代の就職活動ではないでしょうか。大学の先輩や大学のキャリアセンターの人に考え方を教えてもらって、「自己分析しましょう」という感じで、いろいろ書き出した記憶がある方もいるはずです。

そして、就職して仕事を始めてからも、キャリアに悩む場面が一度や二度はあるはずです。私も一度転職していて、その時はすごく悩んだ経験があります。社会人がキャリアに悩んだ時に考える“お作法”みたいなものって、特に決まってないですよね。いつ考えればいいか、どんなアクションすればいいか、ある意味では無限に選択肢が広がっています。

「こんなことをやりたいんだよね」と、キャリアについて前向きに考えている時には気にしなくていいと思うんですが、「私はこのままでいいんだろうか」と悩んでしまっている時は負のループに陥りがちだと思います。

私も今、グロービス経営大学院の事務局スタッフをしている中で、たくさんの社会人学生の方からキャリアの相談をいただくことがあります。その中で、負のループに入って深く悩んでしまっている方に出会うことも時々あります。

「けっこうつらそうだな」と思いながら壁打ち相手をさせてもらうのですが、そんな時に私がよくお伝えしている「キャリアの上手な悩み方」を3つお話しします。

ご自身がキャリアに悩んでいる方はもちろんなんですが、もし周囲に悩んでいるご友人や同僚の方がいましたら、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。

キャリアのことばかり考えて、悩んで苦しくなる

順番にお伝えしますと、まず1つ目は「365日考える必要はない」と心得ましょう。キャリアに悩んで落ち込んでいく方の多くは、ずっと(キャリアのことを)考えてしまって苦しくなっていることが少なくないと思います。

キャリアを考えていくと、仕事が変わることもあれば、所属している組織が変わることもあるわけですから、そう簡単に答えが出るものではないと思います。まずはそれをしっかり理解しましょう。

もしあなたがキャリアに悩んだ時に「今の時点ではこれ以上は答えが出なさそうだな」と思ったら、思い切って一度考えるのを止めてみましょう。いったん忘れて、仕事でも趣味でも何でもいいので、目の前のことに集中する。これも非常に大切です。

キャリアの転機とは、タイミングが来たらおもしろいようにポンポンと決まる場合も多いです。まずは少し肩の力を抜くことをおすすめします。

続いて2つ目ですが、「キャリアを考えるためのルーティン」を持ちましょう。ルーティンには短期と長期の方法がそれぞれあるんですが、まず短期的なルーティンの具体的な方法としては、「ふと何か思った時、考えた時にメモを取る先を決めておく」ことをおすすめします。

手書きのメモでもいいですし、スマートフォンのメモでも何でもいいんですが、どこにメモを取るかを決めましょう。ちなみに私はEvernoteに書くようにしていて、スマホからでもパソコンからでもアクセスできるようにしています。

そして長期的なルーティンですが、「夏休みや年末年始の長期休暇に考えることをあらかじめ決めておく」です。タイミングはいつでもいいんですが、まとまった時間をとって一気に考える。そんなイメージですね。

ちなみに私は、年末年始に振り返りの項目まで決めて頭の中を書き出すようにしています。もうこれは4年ぐらい続いているんですが、けっこうおすすめです。

「365日考える必要はない」ともつながりますが、ルーティンを決めておくと、必要以上に時間をかけてぐるぐる悩むことを避けられます。「よし。ここで考えてみよう」と、非常に前向きな気持ちでキャリアに向き合えますので、この方法もおすすめです。

答えが出なさそうなら、迷わず誰かを頼る

最後に3つ目ですが「誰かと話しながら考えましょう」。自分だけでキャリアのことを考え、答えを出すのはなかなか難しいです。もちろん、時には自分一人でこもって考え抜く時間も重要ですが、「自分だけでは答えが出なさそう」と感じた時は、迷わず誰かを頼りましょう。

学生時代の友人でもいいですし、別部署の先輩でもいいかと思います。私も周りの人を頼ることがよくあります。

もちろん、メンターみたいな存在がいるのがベストかもしれませんが、あまり難しく考えずに、自分の中で「ちょっと真面目な話ができる人はこの人だな」というのを、心の中に持っておけると良いと思います。

今日は「キャリアの上手な悩み方」の3つのポイントをお伝えしました。1つ目は「365日考える必要はないと心得る」。2つ目は「キャリアを考えるルーティンを持つ」。3つ目は「誰かと話しながら考える」です。少しでも参考になったものがあればうれしいです。

もしあなたが今のキャリアに悩んでいるのであれば、まとまった時間を取れるところで「キャリアを考える」というスケジュールを何時間か入れてみてください。そして、いったん今日はキャリアを考えることを忘れてみましょう。簡単に答えの出せるものではないからこそ、ちゃんと時間をとって考えてみてください。

スティーブ・ジョブズはスタンフォード大学の卒業式の講演の中で「Connecting The Dots」という名言を残しています。もしあなたがキャリアに悩んでいるのであれば、考えていること・悩んでいることはすべて先になってつながってくると思います。キャリア人生に向き合うあなたを、心から応援しています。

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