2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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大久保幸世氏(以下、大久保):私からどんどん質問したいなと思いますが、みなさんからも感想やご質問をお願いします。チャットに「こういうことを聞きたい」とお寄せください。「ここはさらっと言っていたけど、実際はどうなの?」という疑問などもあれば、どんどんチャットに書いてもらえるとうれしいです。
ちなみに、チャットに「畔柳さんと同じ会社に勤めていました」というAさんからの書き込みがあります(笑)。
畔柳茂樹氏(以下、畔柳):以前ですね(笑)。
大久保:では質問をチャットから拾いながらいきます。そのAさんから、「挫折しそうになったこと、一番困ったことは何ですか?」という質問が来ていますね。
畔柳:起業してからですよね?
大久保:そうですね。
畔柳:これはよく聞かれるんです。起業してからの苦労話を期待されるんですが、申し訳ないですけど、ないんです(笑)。僕はどん底をサラリーマン末期に味わっちゃったんですよね。そこから比べたら、少々のことはなんでもないんですよ。
あえて1つ言うなら、自然をちょっと甘く見ていたところです。開業2年目の時に、台風が直撃したんですよね。台風の目の中に入って、風速50メートルくらいの強風が吹いて100本くらいのブルーベリーがダメになったんです。ちょっと心が折れそうになりましたけど、せいぜいそのぐらいですかね。
大久保:なるほど。ちなみに、D社さんの時にどんな状況が一番辛かったですか? 「もう嫌でしょうがない」という感じなんですか?
畔柳:それを言うと、泣きそうな人が出てくるかもしれないです。一番苦しかった時は、朝4時くらいに目が覚めました。それで、もう寝られないんです。ふとんの中で「あ、今日はあれをやらないといけないんだな」とか、「朝一でこの電話をしなきゃいけない」とか、「アメリカと連絡しなきゃいけないんだ」と考えちゃって、寝られないんですよ。
会社の席に着いた途端に、もうめちゃくちゃ疲労している感じですね。だから心療内科にも行って、まあどん底でしたね(笑)。
大久保:でも、サラリーマンとしては、経営企画のような良いポジションだったんですよね。
畔柳:そうですね。それも重荷でした。「世界中をコントロールしているんだ」という感じで世界中とテレビ会議をやっていました。それもめちゃくちゃで、アメリカと会議をするのに夜中まで残っていなきゃいけないんですよ。あるいは、朝6時に来なきゃいけない。人間的な生活じゃないですよね(笑)。
大久保:なるほど。今は自然を相手にしているから、環境がそもそも良いということですね。
畔柳:今かなり否定的なことを言いましたけど、サラリーマンは学びもめちゃくちゃ大きかったです。それに今はすごく感謝しているんですよ。「あんなところに行かなきゃよかったな」とはぜんぜん思っていないです。学びが深くて、あれがベースにないと今の僕は成り立っていないんじゃないかなと思いますね。
大久保:先ほど、農業では生産性がどうしても低いという話がありましたが、サラリーマンの時に当たり前にやっていたようなことを農業に持ち込んだんですか?
畔柳:そうですね。D社では生産性がめちゃくちゃフォローされるんですよ。単純に売上が増えたらいいよねとか、利益が増えたらいいよね、じゃないんです。
例えば、人を1人から2人に増やして、売上が1.5倍になったとしますよね。でも、「人が2倍になっているのに、お前は何をやっているんだ」と言われるんですよ。「人が2倍になっているのに、売上が1.5倍ってなんだよ」という話なんです。そういう世界なんですよ(笑)。だから、めちゃくちゃ厳しいですよね。
大久保:逆に農業だと、生産性はちょっと曖昧なので勝負しやすい。
畔柳:まったく未開拓の分野なんです。昔、小泉進次郎さんが自民党の農林部会長をやっていた時に「こんなに手がつけられていない産業はないよ」「こんなに伸びしろのある産業はないよ」と言っていたんですけど、本当にそのとおりですよ。何も手がついていないです。伸びしろがすごいので、みなさんも悲観せずに入ってきていただきたいなと思います。
大久保:なるほど、ありがとうございます。
大久保:あとBさんですね。「農業をやるには許可が必要で、けっこう厳しいと聞いたけれども、そのあたりはいかがでしょうか?」という質問です。ちょっと観光農園だと違うかもしれないですけどいかがですか?
畔柳:例えば、農地を手に入れるのが厳しい世界なので、農地探しの体験談を集めてセミナーで流そうと思っています。それを聞いて参考にしていただきたいです。
ただ、そこをネガティブだけで捉えてしまうとどうかなと思います。要するに、農業には参入障壁があるんですよ。明らかにあります。でも、参入障壁を乗り越えたらどうなりますか? 守られるんですよ。我々はね、大企業と戦わなくていいんですよ。わかりますか?
例えば飲食店をやったら、すかいらーくのような大企業と戦わないといけないじゃないですか。でも、農業はまだ基本的に守られているんです。これからはわかりませんよ。参入障壁に守られているので、そこの障壁は乗り越えましょうよ、と僕は言っているんです。
みなさんに共通しているのは、情熱のある人は乗り越えているということです。「農地が見つかりました。よかったです」と言ってやっています。
大久保:1回内側に入るといいんだけど、入るまでは大変なんですね。
畔柳:そうですね。叩かれるとちょっと気落ちしちゃいますけど、そこはめげずにがんばっていただきたいなと思います。
大久保:なるほど。
大久保:続けてBさんからもう1個質問が来ています。「観光農園だと広さはどれくらいなんですか」。たぶん土地の広さのことだと思うんですけれども。どれくらいあるといいんですかというご質問です。
畔柳:そうですね……もしブルーベリー観光農園だけで生きていくおつもりがあるのであれば、最低5,000平米(0.5ヘクタール)でしょうね。
ちなみにうちは0.7〜0.8ヘクタールくらいあるんですけど、副業的にやるならもっと狭くてもいいと思いますよ。でも本当にこれで生計を立てるのであれば、5,000平米くらい要ると思います。
大久保:なるほど。
畔柳:本数で言うと(ブルーベリーの木を)1,000本くらい入れられる感じですね。
大久保:コロナ前の調子がいい時で(入園者が)1万人くらい、それができたらかなりいいですよね。客単価にもよるんでしょうけどね。
畔柳:そうですね。けっこう駐車場がネックになります(笑)。都会の中でやるなら電車で来てくれたらいいんですけど、なかなかそういうわけにはいかない。駐車場の面積がけっこう要りますね。
大久保:畔柳さんの農園は、駅からどれくらいの所なんですか? 駅じゃなくて、車で行くような所だと思うんですけれども。
畔柳:車で名古屋の都心から、都市高速に乗って40分から45分で着きますね。
大久保:名古屋からそれだけ離れているんですね。
畔柳:ある程度離れていたほうが、日帰り旅行的になるので僕はいいと思います。僕は岡崎市でやっているんですけど、岡崎市内の人は意外と少ないと思いますよ。あまりに近すぎてもおもしろくないじゃないですか(笑)。
大久保:なるほど、多少離れているほうがいいということですね。
畔柳:多少離れて「今日は日帰り旅行だよ」という感じがいいんですよね。
大久保:なるほど。ありがとうございます。
大久保:あとCさんから「どんな勉強をしてここまでのシステムを実現したのでしょうか」と来ております。
畔柳:このビジネスモデルを作るにあたっては、僕が今までサラリーマンの時に培ったものが役に立って、新たに勉強したことはなかったです。あえて言うと「集客」ですね。
D社はBtoBの会社なので、お客さんが決まっているんですよね。トヨタさん、ホンダさんとかベンツ、BMWなどと同じで、基本的に集客はいらないんですよ。僕は集客技術がゼロでしたから、そこはものすごく勉強しました。
セミナーに行ったり、自分でホームページを作ったり、SNSやYouTubeはどう使ったらいいのかをものすごく勉強して、たぶん今はかなり詳しいです。そこは本当に45歳でゼロから始めたんですけど、かなり詳しくなりました。足りないところは勉強したほうがいいですね。
大久保:農業技術も大事なんだけれども、実際集客がけっこう大事、そこが生命線ということですよね。
畔柳:そうですね。セミナーの冒頭でいつも言っているのは、ブルーベリー観光農園はほとんど素人の方が始めるんですよ。素人の方が始めても、うまく育てられる人がほとんどなんですよね。やったことはないけど上手に育てている人がほとんどです。あとは集客できるかという部分なんです。
大久保:なるほど。余談なんですけど、畔柳さんのお話に影響されてブルーベリーの鉢を買ってきて、自分の家のマンションのベランダで育てたんです(笑)。当然地植えでもなくただのポットなんですけど、ちゃんとなりましたね。
畔柳:1本だけですか?
大久保:1本だけです。何本かやったほうがいいんですよね?
畔柳:ブルーベリーは1本でもなるんですよ。2本、3本と必要だというのは絶対ウソだと思います(笑)。
大久保:(笑)。素人でも育てられたくらいなので、もともと野草みたいなものですもんね。
畔柳:そうですね。野生に近いので、栽培環境だけちゃんと気をつけてやれば上手に育つと思いますね。
大久保:ありがとうございます。
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