2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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勝田健氏(以下、勝田):それでは、お時間になりましたので始めさせていただければと思います。最初に自己紹介させていただければと思います。初めまして、私はライフシフトラボでキャリアコーチをしております、勝田と申します。本日は夜分のお忙しい中お集まりいただきまして、ありがとうございます。
私も今年で49歳になりまして、まさにミドルシニアと言ってもいい年齢に差し掛かっております。新卒でダイエーに入ったあとにネット広告のセプテーニという会社を経まして、リクルートという人材紹介・転職エージェントの会社で15年ほど営業責任者などをやっておりました。
実は今も本業は転職エージェントをしております。ライフシフトラボのキャリアコーチは複業として参画しているということになります。
今日のテーマは「複業」ですので、私の体験もそうですし、45歳からの実践型キャリア自律スクールであるライフシフトラボのノウハウなどもたくさんお伝えできればと思いますので、ぜひ有意義な時間にしていただければと思います。よろしくお願いいたします。
最初に、みなさんは何らかの複業に対する興味を持っていらっしゃるかと思いますが、複業をすでにしていらっしゃる方はどのくらいいますか? 今日のテーマは「複業」ということで、「人生後半のセカンドキャリアに備えて、今こそ複業を始めよう!」とご提案させていただいております。
今日の内容になりますが、複業デビューと言いますか、複業を始めるにあたっての具体的なアクション・ノウハウをたくさんお伝えできればと思います。はじめに、複業がなぜセカンドキャリア、特にミドルシニアの方の人生後半のいわゆるキャリア自律に効くのかという理由について、ご説明させていただきます。
そのあと、ライフシフトラボの受講生の実際の複業事例について見ていただいて、複業を始めて案件を獲得する複業デビューに至る3ステップについてご説明させていただきます。最後に、よくある質問などにも答えていきたいなと思っています。
複業と言ってもいろいろな関心やテーマがあったり、本屋さんでもいろいろな複業入門書が出ていますが、今回のセミナーでライフシフトラボが扱っている複業は、いわゆるキャリア自律につながる複業です。
しかも正副の「副」ではなくて、複数の「複」です。マルチと言いますか、キャリアをポートフォリオで考えて、複数の複業をやっていくという意味で「複業」という字を使っています。その中でも、キャリア自律につながる自分の強みや専門性を活かした複業支援をしています。
例えば、こういったものは扱っていません。投資やFXをしましょうとか、小遣い稼ぎのせどりやフードデリバリーでUber Eatsのドライバーをやりましょうということではないです。
それから、まったくの未経験で今からプログラミングスクールに通いましょうという資格取得支援でもないですし、カフェやそば屋をやりましょうということじゃない。あくまでも今までのみなさまの経験やスキル、専門性などを活かした複業デビューを支援させていただいています。
まず、複業がキャリア自律に効く3つの理由をご説明します。1つ目は、まだ先かと思いますが、定年後のセカンドキャリアに備えられることが一番大きな理由です。
説明するまでもなく、100年ライフとかいろいろ言われています。当然いいことですが、個人の寿命がどんどん延びていって、逆に企業の寿命がどんどん短くなっている中で、1社では個人のキャリアをなかなか支えきれなくなっています。
そのため、個人としてのキャリアは自分で守らなければいけないということになります。定年後に何かをしようと思っても、なかなか思うようにいかないケースが多いので、今から定年後に備えて複業を始めておくことに非常にメリットがあるということですね。
当然、いわゆる金銭的な報酬にもつながりますが、それ以外にも非金銭的報酬としてやりがいや社会との接点が持てるという気持ちの面でも、悠々自適な生活が実現できるという意味でセカンドキャリアに備えられることが一番大きいです。
2つ目は、もちろん収入面においても無視できない金額になることです。例えば、シニアの場合は今すぐ転職するのはなかなか難しいです。内容にもよりますが、月数十万円の(第二の)収入源があれば、今の年収を少し落としてでもやりがいのある中小企業やスタートアップの幹部案件にチャレンジしてみることができるのもメリットかなと思っています。
3つ目は、中長期的なスパンで見ると、転職、独立、起業の足掛かりになることです。最近、これはけっこう増えています。複業は当然会社を辞めないで誰でもできますので、言ってみればリスクがないんですね。シニアの方もけっこう多いですが、複業の経験や実績を積んでいき、複業先に正社員として転職するケースも最近増えています。
本業と複業のバランスを取りながらになりますが、その複業がうまくいけば、最終的に独立や起業する方も当然いらっしゃいます。そういった足掛かりになる複業を今から始められるところが、大きなメリットかなと思っています。
複業デビューとして「自分の経験や強みを活かした複業をしましょう」と言っていますが、なかなか簡単にはいきません。いくつか理由があります。
1つ目は、いわゆる複業マーケットと言いますが、企業や個人の圧倒的な買い手市場になっています。後ほどご紹介しますが、複業求人サイトの場合、登録するだけだとなかなか案件獲得につながらない。実態は、超狭き門と言えるかなと思います。
2つ目がけっこう難しくしている要因ですが、いわゆる日系企業さんは事務系の特にジェネラリストの方がわりと多いこともあって、複業として専門性を打ち出すことがなかなかしづらい。ジョブローテーションも多かったり、「これといった専門性がないです」という方もけっこういらっしゃって、それが日本企業の特徴でもある。
最近ようやくジョブ型も出てきましたが、ジェネラリストが多いと複業として打ち出しにくいといった面もあるかなと思います。
「複業クラウド」という複業の求人サイトがあるんですが、そこに出ている案件の内訳を見てみますと、一番多いのはやっぱりITエンジニアです。そのあと人脈営業で、人脈を紹介してマッチングしたら1件2万円とかですが、これは単発の小遣い稼ぎ的な要素が非常に強いです。
事務系やジェネラリスト的な職種の方が応募条件を満たす経営コンサルやコーポレート系の求人はこれしかない。ジェネラリスト型に見合う複業求人はなかなか少ないといった事情もあったりします。
「じゃあ、どうすればいいんだ」ということを今日のセミナーでお話しできればと思っています。ライフシフトラボの受講生がいわゆる複業デビューをした実際の事例をお持ちしました。
先ほど「複業と言っても、FXや投資、Uber Eatsではなくて、セカンドキャリアにつながるキャリア自律として、自分の強みや専門性を活かした複業」というお話をしました。
例えばどんなものかというと、こういうイメージです。赤文字のところが複業の内容です。例えば、企業向けのボードゲーム研修アドバイザーとしてデビューしている方の本業は、大手電機メーカーの半導体のエンジニアです。
なので、本業のエンジニアの経験を活かした複業ではなくて、この方は趣味です。ボードゲームが非常に好きな方で、20年くらいずっとボードゲームやアナログなゲームをやっていて、それを活かしています。
実は最近、企業が新卒の新入社員の研修ツールとしてボードゲームを使ったりしているんですね。その時にどういうボードゲームを使ったらいいのかやボードゲームのルールを企業向けにアドバイスしていくという、いわゆる独自のサービスです。その方の趣味を活かした複業サービスを一緒に作り上げて、デビューしている事例もあったりします。
それから、タロット占いが趣味の方はキャリアコンサルタントの資格を持っているんですが、キャリアコンサルタントの資格を持っている方は6万人強くらいいて、それだけだとなかなか差別化が難しかったりします。
この方は女性の方で、占い師兼キャリアコンサルタントということで「占いだけじゃなくてキャリアの相談・転職の相談にものりますよ」というかたちでデビューしたケースです。
それからこの方もちょっと特徴的ですが、休職の経験が3回もある方です。なかなか大変な経験をされていらっしゃる。この方も本業はエンジニアなんですが、3回とも乗り越えて復職してきたという経験があります。
それを活かして、最近企業もけっこう注目しているエンジニア向けのウェルビーイングのカウンセラーとして、言ってみれば休職予備軍の方にアドバイスや自分の経験談を語る。
あるいは、「こういう状況に陥ったらけっこう休職になってしまう可能性がありますよ」と、例えばマネージャー向けの研修として実体験も含めてお伝えするサービスなどもあります。ちょっと意外かもしれませんが、このような自分の経験や強みを活かした複業でデビューしている感じです。
わかりやすい例でも、営業マネージャーの方の売れる営業チームの営業組織コンサルタントという例もあります。女性管理職の経験のある方だと、最近けっこう多いですが、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の位置づけで女性活躍推進アドバイザーもあったりします。
こういうビジネス経験や職務経験だけではなくて、好きや趣味、得意といったことも含めたものを複業として活かしていくことができるという事例です。ぜひご参考にしていただければなと思います。
先ほど「複業は簡単ではない」とお伝えしましたが、イメージをつかんでいただければと思います。受講生ではないんですが、例としてお持ちしました。50代のサラリーマンで1社経験の方が複業にチャレンジした、いわゆる奮闘記になります。
注目していただきたいのは、1年間かかっていることなんですね。この方のキャリアは通信系の会社で動画のサービス企画をしていて、マーケティング畑の方です。最終的に1年後に中小企業3社と顧問契約を結んだんですが、ここに至るまでに1年間かかっています。
例えば、複業をやってみようかなと思って「クラウドワークス」「ランサーズ」というクラウドソーシング系のサービスに登録しても、先ほど言ったように超売り手市場なのでなかなか案件が来ないこともあります。あと、非常に低単価で1文字1円以下という感じなので、なかなか薄利で嫌気がさして、早々に辞めてしまったということです。
それ以外にも「ビザスク」というスポットコンサルサービスもあります。単価は比較的高くて、3万円くらいです。そこにも登録して、たまたま1件受注できて3万円をゲットして小遣い稼ぎくらいにはなりましたが、そこで終わりという感じなんですね。
その後、案件がぜんぜんなくて顧問紹介サービスに登録してみても、「上場企業の執行役員の経験がないと難しいですよ」とお断りされている。ここまでで半年間くらいかかっているんです。通常、ここまでいくのはなかなか大変ですし、心が折れて挫折してしまうケースが大半かなと思います。
一方でこの方のすごいところは、そこから奮起してまさに奮闘期で自分でいろいろ動き出していったんですね。例えばリクルートがやっている社会人向けのインターンサイト「サンカク」に登録したり、ビジネスマッチングアプリ「Yenta」や他にも「LinkedIn」「YOUTRUST」「Wantedly」に軒並み登録したり、自分でブログやnoteに自己紹介を書いてTwitterで発信することもやってみたんです。
そうすると、彼はマーケティング経験がある方なので、「サンカク」を通じてあるベンチャー企業の社長さまから「週1時間くらいマーケティングの相談にのってくれないか」ということで顧問契約が初めて発生した。これは月5万円くらいの顧問契約で、ここまでで約9ヶ月弱かかっています。
ただ、その先はここから3ヶ月、さらに3ヶ月と複業先で実績を積んで、顧問先の社長に紹介してもらって2社ほど紹介してもらったという経緯です。
プラットフォームや求人サイトに登録してもなかなか案件がなくて、ようやくきたのが9ヶ月や半年強(経った頃)で、そこから紹介経由で案件をもらえるようになるのに1年ちょっとかかりましたという事例です。これを1人でやるのはなかなか大変かなと思います。そのくらいけっこう難しいんですね。
まとめますと、複業はもちろん会社を辞めずにできるのでリスクはゼロです。一方で、やっていることは起業です。スタートアップを起業するとかではないのでリスクはないんですが、会社を辞めずに起業する。自分のビジネス・新規事業を立ち上げていくイメージに非常に近いなと思っています。
どういうことかというと、決まったプラットフォームや求人に応募して案件がくるのを待つ転職スカウトサイトではなくて、自分ならではの経験、スキル、もちろん趣味でもいいですが、それを活かしていわゆるスモールビジネス、マイクロビジネス、1人起業というか1人商売を立ち上げて、自分で営業して案件を獲得するという意味で、起業にけっこう近いなと思います。
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