2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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井上和幸氏(以下、井上):今日のアジェンダの1つ目で「30代幹部・リーダーの仕事の悩みを因数分解」という項目があります。
松本さんは、こういう時はこうやって気づきを確認したらいいよというポイントを本で挙げてくださっていますが、そのへんのお話をいただけますか?
松本利明氏(以下、松本):そうですね。まず最初に、30代はやることが多いので、「これだけ」やればいいという5つのポイントを書いてます。
「キャリア」の項目だと、20代は居場所を作るところから。30代は、向いた環境で評価されるようにしていきましょう。「キャリア」では仕事の選び方とか、持ち味をどう発揮してくかがポイントになります。これに絞ればいいでしょう。
「仕事の成果」は、今申し上げたとおり、正解がある効率的なお仕事だけではなくて、コツをつかんで、やったことがないことでもやって、効果を上げていくお仕事。
「働き方」も、20代は「1人でできるもん」という一人前になるところから、30代は組織を動かせる、活用できることによって、大きい仕事ができるようになる。
「対人関係」も、20代は周りにかわいがられればよかったんですけど、30代だったらいろんな人と関わってきて、逆に疲弊してしまう人も多い。いかに割り切って、得意な人を増やしていきながら、自分の安全地帯を作っていくかがポイントになります。
「ネットワーク」は、いろんな人から教われる関係性から、30代は自分が相談されるようになっていくように変化することが必要です。
この中で一番ややこしいのは、まず「キャリア」に関することです。グダグダ悩んでいる暇はないので、サクッと整理してしまうのが得策です。
松本:本を書く時にあらためてキャリアの悩みのパターンを整理してみたんです。そうしたら、大きく3つの切り口しかないことに気づきました。
井上:なるほど。
松本:一番よくあるのは、「好きなこと・やってみたいこと」ってありますよね。でも、言葉はきれいですけど、それってどうなの? と。実は好きなこと・やってみたいことって情報が9割なのではないでしょうか。
3歳の女の子が「プリンセスになりたい」とか「プリキュアになりたい」と言うとかわいいんですけど、大学を卒業する時に「私プリンセスになります」という人はいないですよね(笑)。というように、好きなこと・やりたいことは、入ってくる情報によってどんどん変わっていくのが当たり前ですよね。
井上:確かに。
松本:なので、好きなこと・やってみたいことは、今流行っていることとか、かっこよく見られることとか、いいなと思えることになってしまう。しかし、好きなことをやってみた結果、向いていないと、下手の横好きになるか、続かない。そうすると、もっと新しい情報で「こういうのがいいんじゃないか」と目移りしまくる、人生も幸せの青い鳥症候群で終わってしまう。昔で言うジョブホッパーになってしまいます。
好きなこと・やってみたいこと自体はいいんですけど、じゃあどうすればいいかと言うと、得意なこと・向いていることに絞りましょうということです。好きなことで、得意なこと・向いていることであればいい。
でも、もう1個加わらないといけないんです。好きなこと・得意なことだけど、ぜんぜんお金が稼げず、楽しいけど儲からない、という「売れないアーティスト」になってしまいます。
井上:一般的には「好きだからいいじゃないか」「得意だし」というわけにもいかないでしょうという話ですね。
松本:30代になると、やっぱりお金もある程度稼がないと将来が見えてこないんです。楽しいけど人生それだけで終われない。儲かる仕事に移るか、作っていくことが必要ですよね。好きなこと、得意なことと同時に、儲かることをやらないと「薔薇色の人生」は待っていない。
松本:得意なことをもう少し掘り下げていくと、得意なことだけだと、宝の持ち腐れで人生終わる人も出てきます。
さらに見ていくと、好きではないことで、得意で儲かることだけやっていると、「ガラスの成功者」になります。儲かって周りに評価され、成長するんですけど、ある日突然「人生これでよかったか」と悩んでしまったり。いきなり出家してしまったり。
井上:なるほど(笑)。
松本:急に「俺・私のやりたいことは、こういうことではなかったんだ」みたいになってしまう。これをどうすればいいかと言うと、今の得意で稼げている仕事に「好き」を見つけると、「薔薇色の人生」につながっていきます。
儲かることとは何か。いろいろ勘違いしている人も多いんですけど、仕事ができること以上に、業界とかその会社自体が儲かるビジネスモデルであるかとか、市場が成長してるかは大きいですよね。
例えば、介護職やガソリンスタンドになってくると、そもそも利益構造が薄いので、なかなかたくさんのお金を払えない。フジテレビとかテレビ局で同じ人事の部長をすると、年収1,400〜1,500万円になる可能性は高いですよね。
だけど、すごく大変なのに、介護職とかガソリンスタンドの人事部長になると、年収350万円とか400万円に届くかなぐらいになってしまう。能力の差ではなくて、いる環境の差ですよね。
ということは、自分自身が好きで、向いていること・得意なことで、儲かるところを見つけていくのが一番です。
松本:気をつけないといけないのが、好きなことで儲かるところに行ってしまうと、「ゆでガエル」状態になってしまって、成長はしないし評価されないけど、なかなか辞められない。結局、自分自身を成長させることもできず、そのまんまゆでガエル、場合によってはリストラされて終わってしまう。
「私は電通にいるから」と言いながら出世しない人じゃないんですけど。「憧れの業界にいます。周りはすごい人で、私はぜんぜんついていけないけど、辞めるに辞められません」となると、本人にとっては不幸ですよね。リストラされたら次はないです。なので、向いていることで価値を出すこと、ここに向いていくことによって「薔薇色の人生」に近づいていきます。
だいたいこのどこかで悩んでいるんです。
井上:いわゆる3つの輪の接合点を、ちゃんと見つけましょうということですね。
松本:詳しいことは本にも書いています。30代にはゆっくり悩んでいる時間がないので、自分が何でもやもやしてるのかは早くスッキリさせて、まず自分自身のスタートラインを決めないといけない。というのは、スタートラインが決まらないと、ゴールにたどり着けないじゃないですか。
井上:そうですね。
松本:あと何キロあるのか、何百キロあるのか、どこに向かうかがわからないと、何をセットアップすればいいかわからなくなってくるので、だったら割り切ってしまうのがいいでしょう。
井上:ありがとうございます。
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