2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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伊藤秋津氏:次に、私自身の事例だけではなくて、ライフシフトを成功させた数多くの方の事例もふまえて、スムーズにライフシフトを実現するための「肝」をお伝えしたいと思います。
これまで、コーチングでも、ジーニアス・ファインダーのワークショップでも、たくさんの方のライフシフトをご支援してきました。
そういった方々をつぶさに拝見して、ライフシフトが上手くいかない「落とし穴」が3つあるんじゃないかなと思っています。
1つは「1人でやろうとする」。これ、先ほど申し上げましたサボタージュがあるんですよね。「やめとけよ」という自分の声。自分の声に自分で抗ってなんとかするって、できなくはないけどめちゃくちゃきついんですよね。それよりもはるかに、誰かと一緒にやったり誰かの助けを借りたほうが楽です。
永谷研一さんという方がいらっしゃって、私はものすごく尊敬してる方です。目標を達成したり、新しい行動を定着化させたりするコンサルタントの方で、ITを活用した教育サービスの会社も経営されています。
その永谷さんの本でも書かれてたことですが、定期的な励ましとかフィードバックを周囲の仲間からもらいながら、新しい目標の達成とか自分の行動変容を実現しようとした方は、8割近く実現できているんですね。逆に、周囲から定期的な励ましとかフィードバックを受けずに、1人だけでやろうとした方は、わずか15パーセントしか成功できなかったというデータがあります。
そうだろうなと私も思います。やっぱり周りと一緒に、誰かと一緒にやる。ご友人かもしれない、ご家族かもしれない。我々がジーニアス・ファインダーで提供しているようなワークショップの仲間とやるかもしれない。なんでもいいと思うんですけど、誰かとやる、孤独でやらないってことがすごく大事だなって思ってます。
2つ目は、「適職は何か?」を最初から探すこと。これもきついと思うんですよね。これから長い将来、あるいは大きく社会が変わっていく中で、適職なんて変わってきますよね。新しい職業がどんどん出てくるし。これはHowの話ですから、それより前のWhyとかWhatの話で、「そもそもどう生きたいんですか?」という話ですよね。
私自身もコーチングを受けて、そもそもどういう人間で、どう生きたいのか、どう生きたらハッピーなのかってことを考えました。そこがパチッと腹に落ちたら、職業なんて勝手に出てくるんですよね。どう生きたいか、何をしたいか、どう生活したいか。Howの前に「どう生きたいか」を考えるのが大切かなと思っています。
最後の落とし穴は、「分析し、思考する」こと。分析して思考して、合理的に考えたら絶対にサボタージュになります。だって「自分らしく生きる」なんて、リスクが大きいですから(笑)。合理的に考えたら、絶対サボになるんですね。
でも今日来てらっしゃる方々の中で、「理屈じゃなくて、なんか衝動的に、もう自分らしく生きたいって気持ちが抑えにくくなってるんだよね」という方がいたら、それは感情なんですよね。だとしたら感情でいきましょうよ、直感で感情に従っていきましょう。
1人でやらずに仲間と対話しながら進める。まずどう生きたいか、私らの言葉で言うと「人生の目的」とか「天才性」をまず決める。分析・思考じゃなくて直感で、気持ちに従う。さっき申し上げたようにライフシフトに必要なのは、合理的に分析して戦略的にやるのではなくて、感情に従って小さく扉を開けること、小さく行動することだと思ってます。
では、自分の気持ちってどうやってわかるのか。私はやっぱり「対話」だと思うんですよね。ご友人でも奥さまでも旦那さんでも、コーチでもいいと思います。対話することは、自分の気持ちを確認するのにすごくいいなと思ってます。
1人で悶々と内省するのもいいんですけど、やっぱりなかなか自分の枠を越えられないんですよ。だけど言葉にすると……なんだかわからない悶々としたままの、きれいな言葉じゃなくて「何をやりたいかなんて本当わかんねーよ」という言葉であっても、自分で自分のことを言葉にすると、「あっ、ちょっと感じてきた」とか「本当にこんなこと思ってたんだ」って、言いながら自分の気持ちに気づくことがたくさんあるんですよ。
あと人の話を聞きながら、「自分の話をしているみたいな気がする」とか「自分のことを言われている気がする」とか、自分に対して矢印が向くこともたくさんあるんですね。だから不思議なんですけど、対話ってそういう効用があるんです。自分にとって大切なこと、必要なことがその場で話されるんです。なぜか「メッセージ」があるんです。
なので人と対話しながら、自分にとって大事なものを拾っていく。自分の言葉で自分の気持ちに気づくことがすごく大事。人と対話することによって、私は自分の気持ちにだんだん気づけると思います。最初はできないかもしれないけど、やっていくうちにどんどん気づけると思っています。なので対話はすごく大事です。
最後に、ジーニアス・ファインダーでもしご一緒するとしたら、どんなことをやっているのか。これはまさに今申し上げたことをステップに切ってるだけなんですが、最初に人生の目的を言葉にします。そもそも自分はどういう人生を生きたいのかってことですね。
私らは、人生の目的には、3つの要素があると思っています。1つ目は「価値観」。例えば私は「自由」をものすごく大事にしています。なにはなくとも自由に生きたいと思っている。みなさんは何を大事にしていますか? 「これだけは絶対に逃したくない」「絶対にこれを握ったまま生きていきたい」というものは何でしょう。それをいろんなワークとか対話とかを通じて言葉にしていきます。
あとは一人ひとり生まれた時から、この人生をかけて魂とか精神が少しずつ成長していくために、なにか「成長のテーマ」を持っているんじゃないかと信じています。「課題」と言ってもいいかもしれません。
例えば私の例で言うと、私は自己開示するのがすごく苦手なんです。だから揚平さんもみなさんも、SNSとかで自分のことをちゃんと言うじゃないですか。信じられないんです。「すげぇな」と思うんですよね。私はすごく怖いんですよ。なにか言って、ネガティブなこと言われたらどうしよう。自分を否定されたらどうしよう。立ち直れないんじゃないかとかって思うんですね。
でも同時に、私も少しずつ自己開示していけるようになりたいんです。だから私、この場も自分の癒しのような、成長の場のようなところがあって、とってもありがたいんです。みなさんに参加していただいて、ちょっとずつ自分で自分の本当の気持ちを言って、「チャットでなにかゴニョゴニョって言われたらどうしよう」なんて思うんだけど、でも言いたい。みんなと自己開示してつながりたい、本音でつながりたいという気持ちがある。
これは私の話なんですけど、みなさんも「本当はこうしたい、でも怖い。でも本当はこう生きたい」という、苦手だけどなぜか取り組みたいテーマがあると思います。これが成長のテーマです。
最後は「使命」。これはほかの方、他者とか社会とかに、みなさんは何を貢献したいか。これは「貢献しなきゃいけない」とか「しなければいけない」という「~ねば」ではなくて「貢献したい」。なぜかわからないけど、貢献したいと思うことは、一体何でしょうか。
これも私らは、一人ひとりが使命を持って生まれてきてると信じています。それがもしそうだとしたら、みなさんは何をしたい、何をほかの人のためにしたいと思って生まれてきたのか。これを言葉にしていきたいと思っています。
この3つが、私らの言葉で言う「自分はどういう人生を生きたいのか」という、人生の目的です。
もちろん、例えば自分は価値観は明確だけど使命は明確じゃないとか、成長のテーマってもやもやしてよくわからんとかあっていいと思っています。その時にピンとくるものを言葉にしていくことが大事だなと思ってます。
これが明確になると、今度は「天才性」なんですよね。私らが信じてることとして、天才性は思考とか行動のクセとか、なぜか理由はわからないんだけど夢中になってワクワクすることとか、人と比較する必要はまったくないんだけどなぜか得意なこととか。これらを「天才性」と我々は呼んでます。
これってなぜかわからないけど、与えられたものなんですよ。ギフトとかリソースだと思ってます。なんでこれを私たちが生まれながらに与えられているのかというと……私らはこういった「自分はどういう人生を生きたいのか」という人生の目的を果たすために、これを生きるために与えられたんじゃないかなって思っています。これを使って使命を果たしていく、これを使って自分らしい価値観を生きていくというためのリソースなんじゃないかなと思っています。
みなさんの天才性とは何でしょうか。これも1人だとなかなかわからない。自分は自分の価値観を生き続けてるから、自分の天才性で生き続けてるから、自分のことってわからないんですよね。
だから、私らのワークショップでは、10人ぐらいで一緒にワークショップやるんですけど、ほかの方々からフィードバックをたくさんもらうんですね。「私は気づかなかったけど、周りの人から見ると私ってこんな人に見えるんだ」とか。事前の課題もお渡しします。みなさんの周りにいらっしゃる方々から「私ってどういう人?」「私らしいってどういうこと?」「私のすばらしいところってどういうところ?」って、フィードバックをたくさんもらってくださいという課題をお願いしています。
そうすると、みなさんめちゃくちゃフィードバックをもらうんですね。みなさん自己肯定感が上がったっておっしゃるんですけど、本当にすばらしい言葉が返ってくる。1人、2人だったらおべんちゃらもあると思うんですけど、少なくとも5〜10人とかに聞くと、(フィードバックの内容が)共通してるんですよね。
だから自分は気づかなかったけど、周りから見るとわかる自分らしいところとか、自分のすばらしいところってこんなところがあるんだって気づいて、めちゃめちゃみなさん良い顔をされるんです。初めて周りからのフィードバックをもらって、自分の天才性に気づけるって方もたくさんいらっしゃいます。そんなこともやりながら自分の天才性に気づいていくことを我々はやっています。
自分の天才性をだんだん言葉にできてきた、自分の生きたい人生も言葉にできてきた。じゃあそれをもっと実現するために、どういう人生を歩むのかというビジョンを描いて、そこに向けての第一歩、第二歩というプランを立てていくのが最後のステップですね。まずは生活、その上で仕事、と我々は捉えています。
このスライドは私の例なんですが、こんなかたちで価値観とか人生の目的とか、天才性を活かしながら「言葉」にしていきます。これをやるために、今日から、明日から、1年後に何をしていくんですかというプランを立てていくんですね。
ただ、ここまでだけだと、絵に描いた餅になるんですよね。良いプランができました、なんかワクワクする、できそう。でも「もう少し子どもが大きくなったらやろうかな」とか「この仕事がひと段落したらやろうかな」となってしまうと、絶対やらないです。やっぱりみんなとやったほうがいいと思う。なぜかというと、そのほうがサボ(サボタージュ)を越えやすいから。
私らはみんなと一緒にやります。10人ぐらいで一緒に、お互いに励まし合いながら。できないことのほうが多いんですよ。「これができなかった、ちくしょう」って言って、お互いに励まし合って、お互いにエネルギーを渡して充電し合いながら、少しでもできたら励まし合って、山を少しずつ登っていく。数ヶ月経って、気づいたらけっこうなことができているんです。
改めて、私のパートの最後に。1人でやろうとすることも、もちろん尊いと思います。間違いではないと思うんですけど、やっぱり仲間と一緒にやったほうがきっといいだろうなと、心から思っています。周りの方々と一緒にやる。ご家族、ご友人に対して「私はこういうことをやりたいんだ」「私はこういうことをやりたいんだ」ってシェアをしながら、対話しながら進めることをお勧めしたいなと思っています。
適職を考えるのはもちろん大事だけど、その前に「どう生きたいのか」ということを言葉にしていく。それがあれば自ずと職業は見つかってくると、私は思っています。
分析・思考するのももちろん尊いですけど、分析・思考したらおそらくサボが出てくるので。直感と気持ちに従って、ちっちゃく行動していく。こんなことをやっていくと、どんどん自分の気持ちが見えてくるんじゃないかなって思っている。
本当にちょっとしたことでもいいので、今日でも明日でもいいので、アクションを起こしてみてください。ご自分の自分らしい人生の扉を、少しだけ良いので開けてください。本当に心から願っていますし、皆さん自身が、自分らしい人生を生きる力をもともと持っていらっしゃるっていうことを確信しています。
ご清聴いただいて、ありがとうございました。では次の話者である、山口揚平にバトンを渡します。揚平さん、よろしくお願いします。
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