2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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佐々木隆太氏(以下、ささりゅう):それでは、学校・会社では教えてくれない!『新しいキャリアの見つけ方』出版記念講演を始めていきたいと思います。私達チームIKIGAIでは、横浜をつなげる30人という企画を通じ、誰でも気軽に半歩踏み出すことができる場作りを検討しています。
今回出版されました有山さんの著書『新しいキャリアの見つけ方』はまさに、半歩、一歩と踏み出す実践論が書かれておりますので、私たちの活動との親和性の高さを感じております。そんな話をFacebook上でしていた流れから、本イベントを開催させていただくこととなりました。それでは有山さん、よろしくお願いいたします。
有山徹氏(以下、有山):みなさん、どうもこんばんは。よろしくお願いします。可能な方だけでいいので画面をオンにしていただけると助かります。今ご紹介いただきましたとおり、Facebookの何気ないやり取りから、OneMMの素晴らしい活動の一環として今日のこのような場をいただきまして大変感謝しております。ありがとうございます。
ではさっそく、私の自己紹介から簡単にさせていただければと思います。今日アンケートを拝見させていただいて、基本的にはまだ本を読まれていない方が多いとは認識しておりますので、今日の話を聞いてもっと詳しく知りたいなと思ったらぜひ買ってください(笑)。
『今のまま働き続けていいのか一度でも悩んだことがある人のための新しいキャリアの見つけ方 自律の時代を生きるプロティアン・キャリア戦略』(有山徹氏・著、田中研之輔氏・監修/アスコム)
ではあらためまして自己紹介になります。有山徹と申します。一般社団法人プロティアン・キャリア協会の代表理事をさせていただいております。あと4designsという自分で立ち上げた会社の代表も務めております。
いろいろ(画面の)下に細かく書いてある経歴は読んでいただければと思いますが、ハッシュタグ(をつけてある項目)でいうと経営企画の畑が長いので、基本的には#経営視点での組織開発、#人的資本の最大化といったところには、ずっと向き合ってきたかなと思っています。
あとはキャリア自律ですね、つまりプロティアンですね。あと身長は187cm、Zoomだとわからないんですけども会ったら大きいですよというところで、身長は司会のささりゅうさんと同じくらいですね。
私は、元高校球児ということで、今日は野球のネタも混ぜていきます。ぜひSNSのTwitterやFacebook、Instagramなどやっていますので、ぜひよろしければフォローをしていただければなと思っております。
有山:今回、この『新しいキャリアの見つけ方 自律の時代を生きるプロティアン・キャリア戦略』という本を出版させていただきました。34期連続増益企業であり、日本で最も増益を続けている上場企業、ニトリの組織開発室長の永島さんですとか、あとは、ゲームやAbemaもやっていますけど、時価総額では電通を抜いて日本ナンバーワンのネット広告代理店、サイバーエージェントCHROの曽山さんからも推薦のコメントをいただき、私もミーハーなので感激しています。
あと最近でいうとヤフーニュースに取り上げられまして、記事になっております。協会の共同代表で法政大学キャリアデザイン学部で、プロティアン・キャリア第一人者の田中研之輔教授に監修をしていただいています。
実はこの方がもともと、今回のプロティアン・キャリアを日本に拡げた方ですね。プロティアンという言葉自体はアメリカのダグラス・ホール教授が提唱したのが1976年なので、もう40年以上前に提唱されたキャリア理論の1つです。
この中にキャリアコンサルタントの方がいらっしゃったら、その中で勉強されたかと思いますけれども、そのダグラス・ホールの理論を田中教授がより進化させています。
ご専門はキャリア開発なんですけれども、様々なメディアに出て「プロティアン、プロティアン」とおっしゃっていますので、ひょっとしたらメディアで見かけられた方もいらっしゃるかもしれません。
Twitterなどもされていますので、ぜひこの方もフォローをしていただければ。人的資本の最大化やジョブ型ですとか、最新の人事界隈のトピックス、キーワードに関連するところには最先端でキャッチアップされていますので、フォローをいただければと思っております。
有山:プロティアン・キャリア協会というのは2020年3月にいまお話しした田中教授と私で立ち上げさせていただきました。なぜ最初にこのプロティアンということを紹介しているかというと、実は『自律の時代を生きるプロティアン・キャリア戦略』というのがこの本の副題ですが、この本の根底にこのプロティアン・キャリアという考え方がありますので、今日もその考え方をぜひお伝えさせていただきます。
田中教授はアメリカのバークレー等で研究されて、いろいろ学ぶ中でプロティアンに出会われて、研究者ですのでそれを伝えていく、というご理解を頂けるかと思います。
じゃあなんで有山が、普通に働いていたサラリーマンがなぜプロティアン協会なんだという疑問があるかと思います。私の社会的な課題意識はこういう(スライドに書かれている)ところになります。
日本の変化適応力ですけれども、IMDというところの世界競争力ランキングでいうと日本は63ヶ国中63位です。なんだか恥ずかしいですね。
これは実は自己評価もランキング要素に入っているので、私も本当に最下位だとは思っていないんですけれども。ただ高くはないということは、コロナの対応を見てもなんとなく肌感覚として感じるというのはみなさんも一緒なのかなと思っています。
そういったところで、私も子どもをもっていますので、日本の将来が明るくなるにはこの変化がどんどん進んでいる時代に(この状態で)大丈夫なのだろうかと。今いる自分も含めた大人たちが明るい未来展望をもって行動できているのか。つまりキャリアを積んでいるのか、イキイキしているのかというところですね。
投票にも行かないのもそうかもしれませんけど、「どうせこの国は変わらないんじゃないか」と他責にして諦めている、ひょっとしたらそういう考え方が蔓延しているんじゃないか。そうなった時に、そんな国になっているから、これからより長く生きる若者たちが未来展望を持てなくなっているのではないか、実はデータでもでているんですよね。
将来的に日本は「5年後、10年後の未来展望は明るくない」といった若者のアンケートデータも最近公表されています。そういう国になっているということですね。私も実は同じように昔は「変わらないだろうな」と言っているタイプでした。
有山:ただ私もこのプロティアンに出会って変わったところがあります。私の大雑把なライフラインチャートを書くと、こうやって20代後半にガッと落ちて、実は落ちるところまで落ちて、ここのタイミングではっきり言って「もう、ちょっと死んでもいいかな」というほどの落ち込みでした。
実は私は会社を27歳の時に実質クビになっているんです。仕事が出来なさ過ぎて……そういうところまでいって、でも「死ぬんだったら死ぬ気でやればなんでもできるよな」と思って。
そこで「じゃあ死ぬ気でもう1回がんばって働こう」と気持ちを切り替えて、仕事に対する向き合い方を変えて、かつ勉強や大学院にも行ったりしました。そういうふうに同じ人間でも仕事に対するスタンスを変えて、必死にやったらぐんぐん人生がよくなってきました。
それで30代後半、40歳前になったら逆に「なんかこのままだとだめだよな」という自分の成長の頭打ちを感じるんですね。なんとなく「自分がこのままだと成長しないよな、幸せなんだけど」みたいな。本でも書いているんですけどキャリアプラトーという状態に陥りました。
「どうしたらいいだろう」といろいろ動きます。動いたんですけど、うまくいかずに空回りして落ちていきます。それで父親の死も相まってけっこうどん底まで落ちます。私は今44歳なんですけれども、40代になってから起業して、それで協会を立ち上げて本を出して、今はここになります。
有山:ただ、また落ちるということはわかっているんですね。だから私は落ちる覚悟はすでにできています。絶対落ちるんですよね。ライフラインを書いていてずっとこういう(水平な)方は100パーセントの状態で維持することは絶対にないのでいつかはまた落ちるんですけど、今は上がっている状態ですね。
こういう中でプロティアンに出会って、今までは幸福度が落ちるのが嫌だし、「落ちたくないな」と思っていたんですけど、振り返ってみると落ちている時があるからこそ今があると捉えられています。本でも書いたんですけども、失敗とかは誰でもあると思います。うまくいかなかったこととか、僕もありました。27歳にしてクビになるんですから、いろいろありました。
当時は本当にぜんぜん仕事ができなくて、どうしようもなかったなと思うんですけれども、そういった経験の中での学びがあるからこそ今がある。今を起点に考えると、過去の失敗は間違いなく財産になっていると思っています。
未来に向けて自分が挑戦をすることによって失敗したとしても、それは失敗ではなくて資本になる。プロティアンではこれをキャリア資本と呼んでいますけれども、そこの意識転換ができた時にまったく挑戦することが怖くなくなったんですね。
有山:そういう考え方の転換がありました。だからこの考え方に私も救われて、こういうふうに挑戦することが楽しいと意識転換してきました。なので私はこの考え方を広めることによって、変化対応力、変化適応力の高い国にしたいという思いがありました。
やっぱり挑戦することは大事ですよね。新たなことに適応し続けるということですから、変化への適応ということですよね。後は当事者意識ですね。自分の人生を生きたいというところですね。
いきいきと生きる大人を増やしたいと思っています。過去にとらわれて「自分が今までこうだったからこれからもこれしかできない」とか、例えば「今まで営業しかやってきていなかったから、自分にはエンジニアなんかできないよ」とか。
過去がこうだったから未来を勝手に自分の中で制約条件をつけるのではなく、自分の未来の可能性を広げるために過去の営業経験をどのように活かすかという観点で考える、捉え直すということですね。そういった考え方の作法と行動の実践手法をお伝えすると、いきいき生きる大人を増やせるのではないかということです。
もちろん大人というのはイコール親ですから。若者というのは、私もそうなんですけど父親や母親の働いているところを見て、働くという価値観は醸成されてきますよね。
なので親がいきいき生きることが一番のキャリア教育だと思っています。そこで私はいきいき生きる大人を増やすために、このプロティアンという考え方を広めたいと思っています。
有山:じゃあプロティアンとは何なのかをお話しをしていなかったんですが、端的にいうと変幻自在という意味合いですね。
この変幻自在という意味合いというのは、もともとプロティアンという名前はギリシャ神話にあるプロテウスのメタファーとして、先ほどお伝えしましたダグラス・ホール教授がつけたものになっております。なので何にでも変身できる神様ですね。相手によって火とか、獣とか何でも変幻自在に変身できる神様の名前を使っております。
ここで私の話もこれからするんですけど、みなさんにチャットを打っていただきたいなと思っていまして、現在のみなさんのキャリアのコンディションは100点満点中何点でしょうか? ちょっと打ってもらっていいですか? 自分の基準で何点でしょうか?
100点の人もいらっしゃるかもしれませんし、「50点だな」という方もいらっしゃるかもしれません。キャリアのコンディション、今の現状の自分は何点でしょうか? ちょっと打ってみてください。ありがとうございます。100点の人はすごいですね、素晴らしい。声は出せますか?
参加者1:出せますよ。
有山:100点は素晴らしいですね。もう自分は今が理想の状態ということですね。
参加者1:そうですね、10年かけて築いたものを完成して今があるので、今は100点。そのうち減るかもしれませんけどね。
有山:なるほど、じゃあ今のライフラインは私と一緒で。
参加者1:そのうち落っこちていくかもしれませんが、それはそれだと思っています。
有山:ありがとうございます。75点の方。声出せますか?
参加者2:外にいるので騒音が入っていると思うんですけど。まだまだ伸びたいという意味を込めて75点とさせてもらいました。
有山:そうですよね、素晴らしいですね。もちろん先程の方の100点も素晴らしいですし、75点というのは「俺にはまだまだ伸びしろが25点あるぜ」ということですよね。そういう観点でもぜんぜんオッケーです。ありがとうございます。
有山:ということでプロティアン・キャリアでの特徴の1つなんですけれども、キャリアの評価を決めるのは自分だということですね。だからシンプルにいうと、この自分の価値基準での点数を上げていこうというところがプロティアン・キャリアの考え方の1個の特徴ですね。
なので前提として、キャリアは組織からのS、A、B、C、D、Eの評価ではないんですね。はっきり言ってそんなものはどうでもいいということです。自分にとって今のキャリアの状態がどういう意味があるのかを考えるというのが、プロティアンのキャリアの捉え方です。
本日のゴールなんですけども、今日は貴重な時間でご参加いただいたみなさんに、100年・VUCA時代の、最先端のキャリア理論「現代版のプロティアン」を理解してもらう。そして自らの幸福感を高めるために、小さな行動でいいので、重要性を理解して1つ(行動)していただくのを、私なりのゴールにしたいなと思っております。
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