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AIが発達した未来は"人のために時間を使う人"が幸せになるーーけんすう先生と考える「人類が暇になったら何が生きがいになるのか」(全1記事)

AIの発達で「週休4日」「残業なし」の未来は実現可能なのか? けんすう氏が見据える、「暇」になった時代の人類の行く末

大人の学びに役立つ知識が無料で学べる生放送コミュニティ「Schoo(スクー)」。働き方やテクノロジー、ITスキルといった、最先端のノウハウが身につくオンライン授業を数多く配信しています。今回の「Schoo」の授業は、「人類が暇になったら何が生きがいになるのか」をテーマにけんすう氏が語っています。 ※このログはSchooの記事を転載したものに、ログミー編集部でタイトルなどを追加して作成しています。 ※動画コンテンツはこちら(※動画の閲覧には会員登録が必要です)

「働きたくない人は働かなくていい」時代がやってくる?

古川健介氏(以下、古川):本日は「人類が暇になったら何が生きがいになるか」ということを、みなさんと考えながらお話していきたいと思います。そもそもなんでこのテーマを選んだかというと、AIとかの技術が発達することで、人間の労働時間は減っていくでしょうと。これはよく言われることですね。

例えばですね、昔だと奴隷制度があって、奴隷が全部働いてくれる時って貴族は暇だったりしたんですけど、それと同じようなことが現代でも起こるんじゃないかと思っています。

ただ、おそらくそんなにもらえるお金は増えるわけではないので、お金はそんなにないけど時間はあるという状態になる。そういった時に人類がどうなるかっていうのは、ちょっとおもしろいかなということで、このテーマにしました。

僕が今、考えている答えを紹介すると、「人を応援することが生きがいになる」というふうに考えております。どういうことかと言いますと、おそらくなんらかのチャレンジをしている人が生きがいを感じやすいと思うんですけど、みんながみんなそれができる訳ではないんですね。

夢をもって何かをやっている人とか、大きなことを成し遂げようとしている人の人気がどんどん高まっていって、そういう人たちを応援することが、人類が暇になった時に一番求められる生きがいになるんじゃないかなと考えております。

視聴者1:働くことが生きがいになっている人はどうするんだろう?

古川:逆に言うと、仕事が生きがいになっている人しか仕事をしなくなると思います。働きたくないのに働いている人って、基本的に全体の生産性を落としがちなんですよ。めっちゃ働きたいっていう人だけが働くともうちょっと円滑に回るので、働きたくない人は働かなくていいっていう時代は、わりと早くに来るんじゃないかなと僕は思っています。

5年後、10年後には、週休4日の企業も登場する?

視聴者2:けんすうさんの言うことはめっちゃ理解できるんですが、それって何年後くらいのことを想定しているんですか?

古川:うーん。10年後くらいから仕事の量は減っていくんじゃないですかね。というのも、例えば僕は2009年に起業していて、また最近起業したんですけど、体感的に立ち上げの労力における仕事の量は半分近くになっています。

それって、まさにいろんなシステムのアップデートがすごくて。例えば昔って社会保険の申し込みとかって全部、社会保険庁みたいなところに行って紙で手続きしていたんですけど、スマートHRっていうシステムでネットからピッてやると一瞬でやれたりとか。

経理とかも昔は1件1件やっていたのが、今だと自動でやってくれたりだとか。あと契約書のハンコとかもクラウドサイっていうのでピュッと飛ばして相手がクリックするだけとか。

あとはリモートのミーティングがしやすいとかで、とにかく労働時間がすごく減ったなっていう感じなんですよ(笑)。なので僕の業界だと、ここ10年くらいで仕事の量は半分くらいになったっていう感じがしています。

ITベンチャーとか見ていると、10年前はめちゃめちゃ残業していたのが、今だと7時とか8時とかに帰りますっていうのが多くなっているので。週休3日の会社が2年後、3年後とかにちょこちょこ出てきて、5年後、10年後とかになるとそれが当たり前になって、先進的な企業は週休4日になっている。

「いいね」の代わりになるリアクションは「祈り」?

視聴者3:人類が暇になったら映画とか読書が生きがいになりそう。

古川:これはあると思います! 今、漫画サービスの「アル」という会社を立ち上げたんですけど、エンタメは来ると思いますね。なので、映画とか読書とか漫画とか、その辺のエンタメコンテンツは生き残り続けると思います。

逆に日本でベンチャーをやるときに、こういうコンテンツ系以外のAIとかだと、Googleとかamazonとかと戦わないといけないので、エンタメ系の起業のほうがいいんじゃないかなと思います。

視聴者4:見返りを求めることが第一義だと、何が違ってくる?

古川:これは応援することが生きがいになるのアンサーですかね。そうですね。見返りを求めることはまさにそれで。

例えばレビューを書くことの歴史をたどると、最初って食べログみたいなサイトが出てきて。みんな書いていることが楽しかったんですけど、その後にfacebookとかTwitterがいいねを導入し始めた結果、承認欲求を満たすことがみんな楽しくなって、承認満たすゲームになったんですよね。

今感じているのが、承認欲求を満たすために「いいね」をもらうみたいなことにみんなが興味をなくしてきているので、次に来ているのが「祈り」だと思っています。なんか神様に祈るみたいな感じですね(笑)。祈るように応援するっていうのを、最近けっこう見るんですよ。

見返りが欲しいとか、認識してほしいみたいなことじゃなくて、みんな祈るように応援するっていう楽しさに気づいていると思うので、これはそうだと思います。祈りだと思います。

人のためにお金・時間を使うことが、最も人間の幸福度を上げる

視聴者5:資本主義では解決しきれなかった問題に人類が目を向けていける流れは素晴らしいですし、正しい流れなんですかね?

古川:正しいかは分からないですが、資本主義では解決できなかったことは確かにたくさんあると思います。資本主義って、基本的にお金をたくさん持っている人が得をし続ける仕組みになっているので、僕はわりとアンフェアだと思っています。

要は、10億持っている人って資産運用するだけで、例えば年間5,000万円とか入ってくるんですよね。でも、それに対する税金って20パーセントとかなんですよ。ただ、不動産投資とかをしていとんなものを経費にすると、もう少し下がるんですよ。

なので実質的な税率は15パーセントとかになるんですけど、一生懸命働いて年収2,000万円とかの人って、半分くらい税金で取られるので、1,000万しかもらえないっていう。

で、どっちが価値を出しているんだっけっていうと、働いている人の方が価値を出しているんだけど、人を働かせてお金だけ出している人はお金が儲かり続けるので、あんまりよろしくないかなと個人的に思っています。

その辺が、ロボット税じゃないですけど、AIを使って働かせている資本家からちゃんと税金を取れる仕組みがあると、正しい流れになりやすいかなと思っています。

視聴者6:利他的なことに自分の時間を使うことに生きがいを見出す人が増えてほしいです。

古川:正しいと思います。というのも、人のためにお金とか時間を使うことが一番幸福度を上げるっていうデータがあって。なので、基本的にみんなが暇になっても生きていけるっていうふうになって、利他的なことをするってなると、みんなが幸せになるので、いいはずです。

自分を幸せにするために、他人を応援する時代へ

古川:みんなの話や僕の意見を聞いて、最初と考えが変わったりする人もいると思うんですけど。いったん、人類が暇になったらこうなるんじゃないかなという結論を考えていきます。

僕の考えはちょっとだけ変えて、さっきまでは「人を応援するようになる」だったんですけど、「人のために時間を使って幸せになる」というふうになるじゃないかなと思いました。

応援とちょっと近いんですけど、お金も時間も人のために使う方が幸福度が上がるとしたら、社会貢献とか、環境問題とか、そういったところに時間を使うっていうのが流行るのかなと思いました。

結局、自分が幸せなのかという話になると思うので、自分を幸せにするために他人を応援するっていうふうになるのかなというのが、僕の結論です!

みなさんも、学び続けるのがいいとか、趣味に没頭するとかも答えとしてはそうだと思うので、素晴らしいと思います!また皆さんとお話しできる機会があればいいなと思います。本日はありがとうございました!

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