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〜男性社員が知らない、働く女性のホンネ〜 女性社員が語る仕事と体調の関係性(全2記事)

「生理休暇取得率1%未満」からみる、休みたくても休めないワケ “言いづらさのハードル”を下げるために組織でできること

予防医療テックカンパニー株式会社リンケージが主催した、女性の健康課題にまつわる「ホンネ」を語り合ったトークセッションの模様をお届けします。月経や産婦人科への通院など、働く女性の体調に関する悩みについては、同じ会社で働く男性も、同じ女性同士でも理解ができていない部分が多いもの。リンケージの健康経営推進部に所属する社員2名が、その「ホンネ」を語り合いました。本記事では、「休みを取って病院に行く」が難しいと感じてしまう理由や、お互いの「言いづらさ」を緩和するために組織や職場でできることについて語られました。

休みたいけど休めない、サービス業女性のホンネ

小西湧氏(以下、小西):それでは次のケーススタディに行きたいと思います。次のケーススタディが、「休みたいけど休めない…サービス業女性のホンネ」ですね。

背景としては、弊社の「FEMCLE」(フェムクル)というサービスを導入いただいている企業さんからの話があります。工場でシフト制の勤務をしていて、なかなか自由にお手洗いに行けないということで、詳しく聞いていくと、工場の作業着がつなぎタイプになっていてポケットがなくて、月経中にお手洗いに行くのが大変だと。

須賀友子氏(以下、須賀):わー……わかる。ナプキンを入れられないやつですね。

小西:そうなんですね。トイレに行くことすら大変というところで、もしかしたらシフト制で休みたくても休めないというご経験もあると思いますので。須賀さんご自身は営業ですけれども、クライアントであったり、そういったところで共感できるところがあれば教えていただければと思います。

須賀:そうですね。私はけっこう自由なかたちで働ける職種なんですけれども、「FEMCLE」のサービスをご導入いただいている企業の方で、同じようなケースをよく聞くんですね。

このあいだは「更年期症状がひどいんだけどシフト勤務で病院にも行けないし、すごく大変なんだけど休めない」というのがありましたね。さっきの(生理の)痛み止めの件とかも、コメントを入れていただいた方もいたんですけど、「なんでそんな痛み止め飲んでがんばっちゃうんだろう」というのがあると思うんです。

産婦人科を後回しにしてしまう背景

須賀:でもこれはすごく根深い問題で、ぶっちゃけると婦人科に行くのが怖いんですね。

小西:怖い? 

須賀:怖いんですよ。例えばですけど、男性の場合だったら泌尿器科に行くのと同じ感じだと思うんですね。できれば行きたくない。わかります? 

小西:なるほど、なんか今すごく足取りが重くなった気がしました。

須賀:そう。

小西:でももうちょっと何か具体的に怖い部分はないですか? その怖さが女性の当たり前の部分と、男性の部分とでは(違っていて)わからないところがあって。もう少し、どういう怖さなのかみたいなところをきけると。

須賀:小西さんはお子さんがいるから行ったことがあるかもしれないんですけど、婦人科には診察台というのがあるんです。実際には見ていなくても、ドラマとかで見たことがあるかもしれないんですけど、椅子があって自動でウィーンって足を広げられちゃうんですね。怖いですよ。

なので、診察台に上ることすら怖い。海外はそうじゃないんですけど、日本の場合はカーテンが引かれてしまうので、先生が私にいったい何をするのかがわからないのがめちゃくちゃ怖い。何をするかが怖いというのと、こんなところで言うのはあれですけど、そういう大事な部分を触られることとかが痛そうだし怖いし、やめてくださいというのがあるので。

あと男性の先生だったら余計にそうなので。そもそも怖いから、例えばシフト制でお休みが取れないのに無理して行かなくてもいいかなというか。なんて言うんだろう。ちょっとまた今度でいいかなみたいなのを、例えば男性が泌尿器科に行くのは今度でいいかなと思っているのと一緒で。

そういう後回し。無理して病院に行かなくてもいいかなと思っちゃう場所というのが、その怖さから来てるなと思います。

小西:なるほど。本当によくわかりました。

須賀:すみません。かなり赤裸々に語ってしまいました。

小西:すごい赤裸々に話していただいて。

大事な身体だからこその病院選びのハードル

小西:なるほどな、そういうのが怖さなんですね。そもそも行くハードルがすごく高いし、だからお休みも取れないし、当然病院に行くのも面倒になるから。よっぽど症状がわかっていれば別ですけど、わからない状態だったら、まあ今度でいいか、(と思ってしまう)ということですよね。

須賀:そうなんですよ。お休み取れない、怖い、今度でいいか、後回しみたいな、負のスパイラルで。それが本音かなと思ったりしますね。怒られてしまいそうですけど(笑)。

小西:お医者さんからしたら、すぐ行きなさいと思っているかもしれないですね。なるほどね。他に何かハードルが高い要因はありますか?

須賀:小西さんの奥さんももしかするとそうだったかもしれないですけど、婦人科ってすごく待つんですよね。予約しても、平気で1~2時間待つんですよ。だからその待ち時間とか、私の場合は絶対女の先生がいいので、女医さんがいてほしいとか。あといつ終わるかわからないので土日に行きたいんですけど、土日に(病院が)空いているかとか。そういう、病院選びのハードルはすごくあります。

小西:なるほど。

須賀:しかもさっき言ったとおり、(大事な部分を)見せるのが怖いから、できるだけいい病院に行きたいという思いがあるので。そこもすごく、病院にかかるのが後回しになってしまうハードルなのかなと思います。風邪でかかるとか、そのへんの内科で風邪薬をもらうのとはぜんぜん違うので、ちょっと面倒くさいというのはありますね。

日本の生理休暇取得率は1パーセント未満

小西:確かに、妻も予約を取って婦人科に行っても、2~3時間かかると言っていました。あとやっぱりそこから、後日診察結果とかを聞きに行く場合もあると言っていますので、それこそフレックスタイムなどで対応できるんだったら、ちょっと抜けて(通院する)とかもできますけど。そのケーススタディみたいに、シフト制でなかなか抜けられないとなると、やっぱりそこはちょっとハードルが高いということなんですね。

須賀:そうなんですよね。だから更年期とか月経痛とか、それこそ不妊とかもそうだと思うんですけど。そういうことで悩んでいてもなかなか病院に行かないというのは、そういうの(ハードルの高さ)があるのかなと思います。あと日本はお休みをとらない国民じゃないですか。さっきも言ったように、弱音を吐かないし。

もしかしたらご覧いただいている企業さまのなかには、生理休暇とかも導入されているところがあるかもしれないんですけれども、驚くことに日本の生理休暇の取得率は1パーセント未満なんですよ。ということは、私みたいに苦しんでいても、涼しい顔して働くために、生理痛の痛み止めを飲んでがんばるみたいなことが常態化してしまっている。

休みを取る文化じゃないから、そもそもお休みを取って病院に行くとか、すごいハードルだなと思います。

小西:確かに。そもそもお休み自体のハードルもあるし、生理休暇もですよね。取得率は1パーセント未満なんですか?

須賀:そうらしいんですよ。驚きますよね。でも実際私もぜんぜん取ったことないので。

小西:そうなると、ほぼ使われてないということですよね。

須賀:そうなんですよ。

小西:さっきの話じゃないですけど、どうしてもいろんなハードルがあって後回しになってしまったり、言い出しづらさみたいなものがあったりするんですかね。

「病院に行く=いいこと」という土壌があれば言いやすい

小西:それこそ社内で「FEMCLE」を導入する際に、問診の結果が来て、みんな判定が出るじゃないですか。判定出た人は、「今日ちょっと問診行きます」というのを社内Slackで共有したりして、(他の人は)「じゃあ、いってらっしゃい」という感じでやっています。

須賀:ありましたね。

小西:それはポジティブな前提というか、そういう土壌があるから言えるけど。そうじゃないと、けっこう言い出すのが難しいですよね。

須賀:そう。私も思ったんですよ。リンケージはやっぱり予防医療テックというところがあるから、今小西さんが話したとおりで、Slackで「病院行ってきます!」「行ってきて、行ってきて~」みたいに、けっこうみんな盛り上がったじゃないですか。あれって、「病院に行く=いいこと」と会社全体が思っているから言えることだと思うんです。

企業さまの中でこの間聞いたのが、自分がそういう婦人系の悩みを抱えているのを上司に絶対知られたくないというアンケート結果があったんですよ。それはさっき私が言ったように、弱みになるから、という理由だと思うんですけど。直属の上司に、「この人そういう疾患抱えてるんだ」と思われたくないとか。

あとは病院に行きますと言った時に、「え、なんで」とか、「あ、休むんだ」みたいな反応をされる。「え」という反応が怖くて「病院に行きます」と言えないのは、女性はすごくあるんじゃないかなと思っていて。

特に男性上司に対してもそうですし、バリバリ系の女性上司とかにも「私、実はこんな悩みがあって」というのは言えないんじゃないかなと思いますね。

小西:なるほど。社内の雰囲気というか、例えば知識として共有できたり、大変さを知っているだけでも、言いづらさのハードルが下がることもありますし、やっぱりすごく大事ですよね。

男女ともに「気遣えるチーム」を作るために、まずは知ることから

小西:今日は、それこそ本音みたいなお話もありましたけど、女性がこれだけ大変な思いをしているのを男性が知らないというのは、けっこうあると思うので。

須賀:そうですよね。

小西:さっきのトイレの話もですが、やっぱり「知る」ことでできることがあるのは、すごく大事だなと思いますし。繰り返しになってしまいますが、女性のほうもちょっと歩み寄ってくれると、サポートしやすいところもあるかなと思うので。お互いに歩み寄って、組織としても雰囲気を作っていけるといいのかなというのは思っています。

須賀:そうですよね。特にテレワークになったので、そういうのを雑談の場で、「いいじゃん。病院行ってきなよ」というのもないと思うんですよね。

なので、そういうなんでも話していい雰囲気とか、例えばちょっと不調がありそうな人に、上司から、「体調悪かったら病院行ってみて」とか、「病院行くのにお休み取れなかったら相談してね」みたいな。

そういう気遣えるチームみたいなのが組織としてあると、こういう女性健康課題だけじゃなくて、男性の病気とかも解決しやすいのかなと、私はすごく思いますね。

小西:ありがとうございます。すごく勉強になりました。

須賀:すみません。なんかすごくいろんなことを赤裸々に言ってしまったんですが、女子のわがままみたいなところもあって(笑)。

女性側もまず「できる範囲のところで助けを求める」

小西:いろいろ話しているうちに、あっという間に時間が来てしまっているんですけれども。

須賀:本当ですね。

小西:今日は本当に須賀さんにも赤裸々に話していただいて、男性側としても女性に適切に助けてもらえるところを、しっかりと気遣いしていくのが大事というのもあらためて考えました。また、女性としても、できる範囲のところで助けを求めるというのも、1つの目標になりますし。

須賀:そうですね。

小西:共通しているところだと、まずは理解していくというところ。とにかく知識を得ることや、女性や健康のことを知ることだったり。そういったところから始めていくというのが1歩としては大事かなと、今聴きながら思っております。

須賀:そうですね。いや、でも女性もやっぱり素直に言わないとだめですよね。そう思いました。

小西:そうですね。なかなか個人差もあるでしょうけど、そこは本当に話していただけるといいのかなと思いますね。

須賀:そうですね。はい。

小西:ありがとうございます。一応今回の対談パートは以上にさせていただければと思っております。

須賀:あっという間ですね。もっと話したい。

小西:このサービスを知りたいという方、いらっしゃれば、この後アンケートとQ&Aの時間をお取りしていますので。ちょっと興味があるとか、話を聞いてみたいとか、ぜひ聞いていただけるとありがたいです。

こういう感じで、例えば本音ベースでの研修やセミナーをやってみたいとか、女性特有の課題とか、社内で推進していくためにちょっと相談したいとか。そういうのもあれば本当に気軽にご相談に乗らさせていただければと思いますので、ぜひアンケートに書いていただけるとありがたいです。

解決するより、やり過ごしてしまう方を選んでしまうワケ

小西:ぜんぜんQ&A(の時間がとれなかったので)も、少しだけ最後に拾えられればと思います。須賀さん、拾っていただいてもいいですか。

須賀:そうですね。さっきチャットのほうで、「私もピル飲んで涼しい顔をしてやっています」という方がいらっしゃったりして。あとは

「鎮痛剤を飲めば我慢できるからいいやという感覚はなんなんでしょうか。心理を知りたいです」という方がいらっしゃったんですけど。

さっき私がお話ししたように、解決するよりもとりあえずがんばって痛み止め飲んで、その場をやり過ごしてしまうのは、面倒くさいというのと、病院に行くのが怖いという本音があるのかなとは思いましたね。

あとはコメントにいただいているとおり、ピルを飲んだりとか、更年期ですごく大変な思いをされている方とかたくさんいると思うんです。こんなこと聞いてみたかったなとかあれば、アンケートに追加いただけるとうれしいです。面談などをさせていただく時にぜひお答えできたらなと思うので。

小西:ぜひお願いします。今日は最後Q&Aの時間が短くなってしまったので、ぜひそのあたりもお気軽に質問をいただければと思いますので、お願いいたします。

それでは12時になってしまいましたので。女性の課題というところでセッション・セミナーさせていただきましたけれども、あらためて本日はありがとうございました引き続きみなさまのさまざまな課題も、ご支援できればと思いますので、引き続きリンケージをよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

須賀:ありがとうございました。またよろしくお願いいたします。

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