2024.12.19
システムの穴を運用でカバーしようとしてミス多発… バグが大量発生、決算が合わない状態から業務効率化を実現するまで
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小柳津誠氏(以下、小柳津):さっそく、今日のメインスピーカーの西田さんにこの場をお譲りしていきたいと思います。それでは西田さん、お願いいたします。
西田千尋氏(以下、西田):みなさん、こんばんは。西田千尋と申します。小柳津さん、WASEDA NEOさん、そしてご参加いただきましたみなさん、本当にありがとうございます。
実は自衛隊は22万人もいるんですが、その中でもなかなか聞けないというか、私が経験したある意味ニッチなお話をみなさんと共有させていただきながら、一緒に場を作っていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
私がビジネスとプライベートで共通して大切にしていることは、人と人とのつながりとか、出会うタイミング。つまり「ご縁」ということで、「GOENクリエーター」と書かせていただいております。
今日集まっていらっしゃる方、みなさん同じではないかと思いますが、ビジネスではエグゼクティブサーチファームということで、よき意図のリーダーと理念ある企業をつないでいます。プライベートでは、今ある立場や役割を土台に、出会う場作りに励んでおります。
西田:今日は「チームの勝ち負けはリーダーが全て!」というテーマについてお話していきます。写真の左側は退職した日に撮った写真なんですが、24年間航空自衛隊という組織におりました。自衛隊で培ってきて感じたことを、ぜひみなさんにお伝えしたいと思っています。
一言で言いますと、チームのすべてはよき意図、つまり内面の意思を持ったリーダーがいるか・いないかに尽きます。リーダーの責務も含めて、これがマネジメントのすべてだと思っています。
例えば、メンバーは変わっていないのに、上司が変わっただけで部署の雰囲気が変わったとか、逆に「暗いよね」ということってありませんか? これは自衛隊でも同じで、特に指揮官と言われる方は2〜3年置きに転勤していきます。そうすると、指揮官の人柄に部隊の色が一気に変化していくのが如実にわかります。
明るい指揮官のところは、風通しもよくてはつらつとしていますし、「何を考えているのかよくわからないな」という指揮官のところは、なんとなく部隊間もギスギスしている感じがします。
自衛隊用語というか、「部隊」という言葉を使う時は「職場」や「チーム」と置き換えていただいたり、「隊員」という時は「メンバー」であったり、今いらっしゃる同僚の方を浮かべていただければなと思っています。
西田:自衛隊の幹部自衛官として過ごしてきたこの24年間の経験において、先ほども言いましたけれども、「チームの勝ち負けはメンバーの質ではなくて、リーダーがどういう意思を持っているかがすべてです」と、お伝えしました。
自衛隊は有事という究極な状況があるんですが、とはいえ、みなさんも修羅場体験をお持ちだと思います。そういった、いざという時にギュッと団結できるようなチーム作りだとか、圧倒的な男性社会における保安系の女性リーダーの葛藤も、今日はみなさんに赤裸々にお伝えできればなと思っています。
「勝ち負けとは」というところなんですが、まず定義として勝ち負けというのは少しイメージしづらいと思いますので、いざという時に力を出せる「強い組織」作りのためにリーダーはどうあるべきかについて、それがとても重要だという捉え方で進めていきたいと思っています。
私が思っている強い組織というのは、組織と組織、個人と組織、また組織と個、それぞれが有機的に連携していてほしいと思っています。
西田:もう1つは「職業倫理観」ということで、自衛隊だと「使命感」というんですが、会社のフィロソフィーやパーパス、企業理念もあると思いますが、使命感や個人が持っていてほしいもの。
真ん中に「統御」と書いてあります。聞き慣れない言葉かと思いますが、部下を惹きつける人間力という言葉の意味を、自衛隊では「統御」や「統率」という言葉を使います。
組織と個人の連携と、個人が持っていてほしい職業倫理感と、リーダーが持っていてほしい統御、部下を惹き付ける人間力。この3つが備わってこそ強い組織だと、私はすごく思っています。
また後ほどお伝えしますが、実はこの「指揮」という言葉は「リーダーシップ」と置き換えてもいいんですが、自衛隊は3つに分割するように習っています。つまり、人間力の統御の部分、指揮官から部下に対する人間力。部下が指揮官に対して「この人に付いていきたい」と思う、愛ある関係をつむぎなさいというのが「統御」です。
「統御」と「管理」。例えば、物や人の状態、環境や働き方が今の部隊にちゃんと合っているか。「出動」と言われた時に常に出動できる状態にあるかという、物心共に正常な状態であることを、指揮官はよく管理しておきなさいということです。
もう1つは「狭義の指揮」というのがあるんですが、それは「行け」と言われたら行かせるという意思の強制。この「指揮(狭義)」「管理」「統御」、3つ合わさって「指揮(広義)」と習います。
西田:私は高知県出身で、好きな言葉は「和顔愛語」です。常に笑顔で、口から出る言葉は優しいという(意味の)この言葉なんですが、これがとっても好きで。
24年間、自衛隊でいろんなことをやってきましたけれども。結局は、常にオープンで笑顔でいる指揮官はメンバーが付いてきてくれて、その部隊のミッションが達成できるというのが私の結論なんですが、そこからこの言葉が大好きで、いつも大切にしています。
7月生まれの蟹座で、2021年に転職したんですけれども、まさに占いでは「さあ、やるよ!」と号令をかける女王さまというのがあるので、合っているなと思っています。
あとはコミュニティ活動ですが、自衛隊をやっている時に公安系の女性たち、のちほど「葛藤」という場面でお話しさせていただきますが、「メンバーに対して命令をする」だとか、「いざという時に行動する」というところで、組織にいる女性たちがキャリアの同じことで悩んでいることがわかりました。
例えば、海上保安庁や警察の方、消防士さんや自衛官の方の女性のコミュニティをまずは作ろうということで、発起人として活動をしております。今、1,300名ほど参加していただいているコミュニティをやったり、官民連携のラボを運営していたりします。
資格をここにズラズラっと書いてありますが、結局は人の心をどうつかんでいくかとか、自分の何が役立てるかにとても興味がありまして、キャリアコンサルタント(の資格)を取っています。
あと、千葉県に住んでいるのでチーバくんがすごく好きで。地図から(連想して)チーバくんを描いた人の視点を持ちたいなと思っていて、(スライドに)書きました。
西田:私のキャリアの大部分はまさにこれなんですが、高知の田舎から横須賀、東京と、高知から夢を見て上京したわけなんですが、現実はこれです。
18歳、19歳、20歳、21歳と、キラキラお化粧をしたいこの時期に、私はお化粧ではなくて、野や山に溶け込むためのドーラン塗りを覚えたわけです。
(スライドを指しながら)隣の男性は同期で、彼はすごく上手に顔をドーラン塗っているんですが、私は薄めに塗っているという、唯一の抵抗なんですけれども。大学の時は理系や文系の勉強に加えて、防衛学だとか、こういった野や山に入って穴を掘って何日間かいたり。こういうことをやってきたのが、私のキャリアのスタートになります。
キャリアの変遷なんですが、左の青枠が自衛隊でのキャリアです。右側は「転職しましたよ」という赤枠なんですが、見ていただきたいのがピンク色は「指揮官」といって、部下が何十名か付きます。青色は「幕僚」といって、指揮官を支えるスタッフとして、だいたい1つのポストには1.5年から長くて3年しかいられないところで、全国に異動します。
防衛大学校を出て北に行き、学生をやって、当時22歳くらいの時に北海道で初めて部下を持つわけですが、自分のお父さんと同じ年くらいの年上の部下が付く経験をするわけです。異動のたびにちょっとしたお山の大将を経験して、そしてまた幕僚に戻って、さらに大きなお山の大将を支えます。普通は企業だと、年齢を重ねると役職が上がっていくと思うんですけれども。
階級は上がっていくんですが、隊長をやったらその次はもう1個大きい隊長の下に入り、そして次は同期と一緒に勉強する「学生」というのを、ある程度のタイミングで経験していくのが(自衛隊の)特徴になります。
西田:第1子と第2子が書いてあるんですが、山口県にいる時に29歳で結婚をしました。これ、「わざと年子にした」というのが正しいんですが。
私は防衛大学校の3期生で、今でも幹部自衛官は組織比率で3パーセントぐらいしかおりません。当時、山口に行った時の部隊が300~400人いる中で、女性の幹部自衛官は私1人くらいで、そこで子どもを産むのは組織としては初めての経験でした。
実は制度はたくさんあるんですが、みんな使ったことがないということと、どんどん唯一無二のポジションになっていきますので、出産のことで欠員になるのは(当時の部隊で)初めてのことで、それをどう受け入れていくのかという。
自分が子どもを産んだ時に周りを見渡すと、先輩たちは「結婚しない」「子どもを産まない」と決めてがんばる女性か、「子どもは1人だけ」と決めてがんばる女性がほとんどでした。私は子どもが何人か欲しかったので、そうするとロールモデルはいないなと思いました。でも、もう1人(子どもを)諦めるのはすごく嫌だなと思って、第1子を産んで。
周りのみんなが「私には子どもがいる」と思ってくださっている雰囲気の中で、「もう2人目も産んでしまおう」と思って。第2子を続けて産まざるを得なかったというか、非常にキャリアとしては選択をしていきました。
あと、ちょうど子どもを産む時に、30歳から35歳の間にキャリア試験のチャンスがありました。仕事もちょうど脂が乗って、登る山があるのに、どういうふうに子育てと両立していこうかというのも、第1子・第2子を産んだ時とそれ以降、ずっと葛藤を抱えながらやってきていた状況です。
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