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「このままじゃ嫌だ。でも大胆なチャレンジも不安…。」 悩める20代後半のビジネスパーソンへ 自分らしい一歩を踏み出すための、次のキャリア戦略の考え方(全3記事)

ベンチャー企業の社員が陥りがちな、職務経歴書の“落とし穴” 人事担当者が教える、キャリアデザインの考え方

働き方にも大きな変化が起きている現代社会において、今後のキャリアに悩む20代向けに開催された本イベント。登壇者は、ANAのパイロット、リクルート、ITベンチャーから土屋鞄製造所という異色のキャリアを積んだ西島悠蔵氏と、新卒入社したガイアックスで本部長まで経験を積む傍ら、複業として自身の会社も経営する管大輔氏。本記事では、視聴者からの質問に回答しながら、ライフステージによるキャリア形成の変化などを語りました。

キャリアの最終的なゴールはどこにある?

司会者:早いもので、もう30分も過ぎてしまいまして、いったんトークセッションは終わっていければなと思っております。では、これからは参加者の方々から質問を募集して進めていきたいと思います。

西島悠蔵氏(以下、西島):おもしろい。こんなに近くにいたけど、こんなふうに考えてずっとキャリアを積んでいたんだなというのは、めちゃくちゃおもしろいなと思うし、ぜんぜん違う人生だったのがすごく勉強になるなと思った。

1社で働き続けるのも1つの正解だし、いろいろ見るのも1つの正解だし。その人のスタンスとか考え方なんだなって感じがするよね。

司会者:ここから質問を答えていく時間にしたいと思います。1個目。悠蔵さんに質問が来ました。「西島さんの最終的なゴールはどこなのでしょうか? そもそもあるのでしょうか?」

西島:ないと思います(笑)。もちろん、今の会社でやりたいことや目指したい世界観とか、自分の人事としてのキャリアもなんとなくの憧れというか、方向性みたいなものがあるんですが、たぶんゴールはないんじゃないかな。(やりたいことは)また次から次に出てくるんじゃないかなとは思っていますね。

すごくかっこいいことを言うと、僕はこの国をもっとおもしろくしたいというのが根本にあるので。それがある種、この国が今よりももっとおもしろいと思ったらゴールになるんじゃないかなと思いますね。

エージェントに相談すると、転職を進められてしまうのか?

司会者:もう1個いきましょう。「転職するか悩んでいまして、どういうふうに相談されてきたかが気になります。エージェントだと転職をプッシュされそうでして……」。管さん、これはどうですか?

管大輔氏(以下、管):エージェントってそうですね。企業を紹介する仕事なので、当然提案をされると思うんですが。ただ、みなさんエージェントのビジネスモデルとかを勉強していただくとわかると思うんですが、ミスマッチの方を提案して早期で退職されると、クライアント企業は返金を求めるわけですよ。

なので、ミスマッチの人を無理やり紹介してすぐ退社になったらエージェントとしての旨味がないので、そんなに無理やりプッシュしてこないです。しかも変な人を紹介したらクライアントからの信頼を失うので、エージェントの方も仕事がしづらくなるわけですよね。

だから、当然提案はしてくると思うんですが、そんなに無理に押し通すことはビジネスモデル上できないので、あんまり懐疑的にならなくても良いんじゃないかなと思います。

キャリアの棚卸しをしてくれるのが得意なエージェントもいれば、この業界の企業さんとすごくつながりが深い、というエージェントさんもいらっしゃると思うので、そういうところをうまく使い分ければいいんじゃないかなと思っていますが、悠蔵さんどうですか?

西島:近いですね。無理に動く必要はないというか、最終的にはやっぱり自分の意志でどうにかできる状態だと思いますし、そんなにむちゃくちゃするエージェントさんは数少ないはずなので。相談相手はちゃんと選んだほうがいいかなとは思うんですが、そんなにネガティブに捉えすぎないでも良いんじゃないかなと思いますね。

僕はもうリクルートの時からずっと言っていますが、「転職は慎重に。転職活動は積極的に」と言ってエージェントをやっていたので、市場を見る転職活動はみなさんやったほうが良いと思います。

キャリア、お金、プライベート……人生における優先順位は?

司会者:どんどんいきたいなと思います。「お二人の人生における優先順位は何ですか? キャリア、プライベート、お金など」。これは難しい問いですね(笑)。悠蔵さん、どうですか?

西島:めっちゃ難しいよね(笑)。今でいうと、僕はたぶん結果的にキャリアが一番になっちゃっていますね。でも、少しずつ価値観が変わってきているのかもしれないなと思いますし、もしかしたら今後も変わるかもしれないです。

僕はこの歳でまだ独身なので、たぶんキャリアに振り切ってないと生きていけてないというのもあるかもしれないですね(笑)。大輔はどうですか?

:そうですね。僕はこの質問(キャリアと結婚の両立についての質問)にも被せて答えたいなと思うんですが。

22~23歳の時は、「1,000万円あったらすごく幸せな暮らしができそうだな」と、浅はかに思っていました。とにかくお金が大事だっんたですが、お金を求めて仕事をがんばって成果を出していると、ほかの喜びがたくさん生まれてきて。「お金のために働くよりもおもしろいことってこんなにあるんだな」って気付いたりとか。

あとは、フェーズによって大切なものが違うというのもありますよね。生き方に合わせた働き方が選べる状態がすごく良いなと思っています。

それを踏まえて、僕の現時点での優先順位はオランダで働き続けることと、友人と作った会社を経営し続けることは重要ですね。僕にとっては今、場所や時間を制限されない働き方ができること、それが手に入るんだったらハードワークもOK。もういくらでも仕事をします、という感じですね。

あとは会社の経営陣側やマネジメントにいる側からすると、メンバーと接する中で、この選択肢って特に若いメンバーほどすごくリアルだし、ライフステージが大きく変わることが突然に起こりうるので。

そこは認識をしながら、組織の運営やメンバーとの対話、コミュニケーションとかをやっていかないといけないなという。この質問を見て、僕はマネジメント側の視点で「これ大事だよな」と思いましたね。

自分のスキルを広げるための目標設定のコツ

司会者:では、次にいきたいと思います。「自分のスキルを広げるための転職をする際にも、その先に何を得たいかという目的が明確にないと逆算が難しくなると思うのですが、得たい目標はどのように明確化していきましたか?」ということなんですけれども、いかがでしょうか。

西島:僕が答えますね。これはけっこう明確に解があって。特に今は人事という仕事をやっているからかもしれないですが、組織にはフェーズがすごくあると思うんです。要はスタートアップとベンチャーとでは若干違ったりとか、中小と歴史がある会社だったら違ったりとか。人数規模とか上場している・しないでも違ったりするので。

入る会社によってどんな経験が積めるかは、会社のフェーズや組織の状況だったり、経営陣の考えている課題とかで、積めるところが変わってくるのかなという感じはしています。僕はそこからいつも逆算をして、「自分が行くべきかどうか」というところを意思決定をしているケースがすごく多いかなという感じもします。

スタートアップ・ベンチャーで働く時に意識すべきこと

司会者:では、こちらの質問いきましょう。スタートアップに入社した1年目の方です。

「ベンチャーのキャリアは乗った船が勝たなきゃ意味がない。会社が成長することが一番その後のキャリアに効くという話を聞いて、まずは目の前のことに一生懸命取り組もうという気持ちでいます。そのほか、スタートアップ・ベンチャーでキャリアを積むにあたって意識すべきことはありますか?」

:そうですね。スタートアップ・ベンチャーで特に(意識すべきこと)ですよね。ブランド名のある大手企業と比べると、やっぱり自分の職務経歴書に大企業の名前があったりすると、「一定の大企業から認められている人なんだな」という信頼感は間違いなくあります。

名の知られていないスタートアップ・ベンチャーだとそのメリットが享受できないので、とにかく「自分がどんな経験をしたのか」を、大企業に行くよりも意識しておかないと、「この人は何をやってきた人なのかわからない」という状態に陥ると思っています。

僕はガイアックスに入った時に、周りはガイアックスをぜんぜん知らなくて。僕は早稲田(大学卒)なんですが、みんな大企業や有名企業に行ったので、「ガイアックスって何? よくわかんない会社だね」って言われた時に、マジでこの会社で自分の実績を残さないと、本当に僕のキャリアは終わるなと思ってがんばったんです。

なので結論としては、「自分がメインの責任者としてチャレンジをして、こういう結果を生み出しました」「こういう変化を起こしました」というのを言わないと、キャリアとしてはけっこうしんどくなるのかなと思ったりしていますね。

大きな決断を迫られた時に有効なのは「コーチング」

司会者:では、最後にお二人からコメントをもらった上で終わっていければなと思うんですけれども。じゃあ管さんから、今日のお時間いかがでしたか?

:あっという間でした。どうもみなさん、ありがとうございました。質問もたくさんいただいて、すごくうれしかったです。

「Command”N」の責任者をやっているのですが、自分の選択肢を広げることってすごく大事だなと思っていて。20~30年前まではインターネットもなくてSNSもなくて、自分が知らない選択肢がたくさんあったと思うんですが、「知らなかった」ということがもう防げる時代だなと思うんですよね。

今はもう、選択肢っていくらでも自分で見つけられると思いますし、それって自分の人生や生き方とかの可能性を広げることだと思っているので、引き続きいろんな視野が広がる機会を提供していきたいと思っています。

あと、これはコーチングのところにつながるんですが、僕はオランダ移住をする時や起業する時には、必ずコーチングセッションを受けていました。とにかくコーチにいろんな側面から問いをもらって、「本当に自分は海外に移住するべきなのか?」「副業で会社を作るべきなのか?」ということを考えたりしたんです。

そういう意思決定って自分にしか答えがないので、とにかく自分で内省をして意思決定するしかないという時に、コーチングってすごく価値があるなと思います。コーチングを通して、自分の中の意思決定の基準ができていくと、いろんな意思決定がしやすくなるかなと思います。

そういった機会をCommand”Nとしてみなさんに提供していきたいと思っているので、ぜひ引き続き関わっていただけたらうれしいなと思っています。どうもありがとうございました。

「選択肢が選べる立場に居続けるのは、すごく大事」

司会者:悠蔵さん、いかがでしょうか?

西島:金銭的な部分も含めて、選択肢が選べる立場に居続けるのは、すごく大事だと思っています。そのためには、そういう選択が取れる状態を作っていくことが大切なことなんじゃないのかなと思っています。

たぶんここから先って、どんどん答えがない世界になっていくのかなと思っているので。自分で立てた問いやお題に対して、いかに近い正解を自分の中で模索し続けるかが大事なのかなと思います。

僕もたまたまいろんな経験があって、振り返ってみたら今みたいなキャリアになっているだけで、点で見たらめちゃくちゃ失敗ばっかりしていますし、そんなに誇らしいキャリアにはなっていなくて。

今日はたまたまきれいな一部分をお見せしているのかなと思っているので(笑)。このあたりは僕もみなさんのことを知りたいなと思っていますので、ぜひこういう時間をもっともっと増やしていけると良いんじゃないかなと思います。今日は最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。

司会者:本日はみなさん、遅い時間までありがとうございました。また引き続きお会いできることを楽しみにしております。ありがとうございます。

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